JPH06271487A - 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの精製法 - Google Patents

1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの精製法

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JPH06271487A
JPH06271487A JP6219693A JP6219693A JPH06271487A JP H06271487 A JPH06271487 A JP H06271487A JP 6219693 A JP6219693 A JP 6219693A JP 6219693 A JP6219693 A JP 6219693A JP H06271487 A JPH06271487 A JP H06271487A
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JP
Japan
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dichloro
fluoroethane
dichloroethylene
sulfuric acid
processing
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JP6219693A
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English (en)
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Naokado Takada
直門 高田
Hideki Oshio
秀樹 大塩
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/38Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C17/395Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンに含
まれる1,1−ジクロロエチレンを除去する。 【構成】 少なくとも1,1−ジクロロエチレンを含む
1,1−ジクロロ−1、フルオロエタンと鉄、銅などの
金属イオンを添加した硫酸とを接触させる。 【効果】 金属イオンを添加することで、低温において
も効率的に1,1−ジクロロエチレンの除去が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗浄溶剤、ウレタンフ
ォームの発泡剤として有用な1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタンの精製法に関し、さらに詳しくは、1,1
−ジクロロ−1−フルオロエタンに含まれる1,1−ジ
クロロエチレンなどの不飽和化合物の除去に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタンを製造する方法には1,1−ジクロロエチレ
ンまたは1,1,1、トリクロロエタンを原料として、
フッ化水素によりフッ素化するのが一般的である。この
様な方法により製造された1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタンは、未反応原料または副生成物である1,1
−ジクロロエチレンを含むこととなるが、1,1−ジク
ロロ−1フルオロエタンの沸点は31.7℃と1,1−
ジクロロエチレンの32℃と極めて近接し、通常の精製
法である蒸留法は適用できない。1,1−ジクロロエチ
レンはそれ自体反応性に富み、重合反応、塩素・塩化水
素などの付加反応、空気による酸化反応などが容易に起
こるとされている。そのため、この様な反応を利用する
ことで1,1−ジクロロエチレンを除去する方法が考え
られるが、この場合、未反応の処理資材や新たに生成す
る不純物をさらに分離しなければならないという困難が
生じる。
【0003】一般に望ましい精製法としては、固体によ
る吸着法があるが、モレキュラーシーブ5A、4A、3
A、13X、酸性アルミナ、中性アルミナ、塩基性アル
ミナ、シリカゲル、珪藻土などでは1,1−ジクロロエ
チレンの選択的吸着は起こらない。活性炭の一部の品種
は1,1−ジクロロエチレンの選択的吸着性を示すが、
回分処理、充填塔による流通処理のいずれの場合も極め
て処理容量が小さく実用には供し得ない。
【0004】また特開平4−99737号明細書に記載
されるように、濃硫酸と1,1−ジクロロエチレンを少
なくとも含む1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンを
濃硫酸と接触させることにより1,1−ジクロロエチレ
ンを除去できるが、この方法は処理温度が低くなると、
処理速度が著しく遅くなることから25℃以上の処理温
度を必要とする。このため、沸点が31.7℃である
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの蒸発によるロ
スが多くなり、蒸発した1,1−ジクロロ−1−フルオ
ロエタンを回収する設備を付加しなければならないとい
う問題点がある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、かかる
問題点に鑑み、鋭意検討を行なった結果、1,1−ジク
ロロエチレンを含む1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
タンを硫酸と接触させて1,1−ジクロロエチレンを除
去する際に、金属イオンを硫酸中に添加すると低温にお
いても短時間で1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
中の1,1−ジクロロエチレンを除去でき、1,1−ジ
クロロエチレンを実質上含まない1,1−ジクロロ−1
−フルオロエタンを容易に得られることを見出し、本発
明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、すくなくとも1,1−
ジクロロエチレンを含む1,1−ジクロロ−1−フルオ
ロエタンと金属イオンを添加した硫酸と接触させること
を特徴とする1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの
精製法である。
【0007】本発明は、1,1,1−トリクロロエタン
とフッ化水素を無触媒あるいは触媒の存在下で回分式ま
たは連続的に反応させ、あるいは1,1−ジクロロエチ
レンを原料として同様の条件で反応させて得られた1,
1−ジクロロエチレンを含む1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタンと金属イオンを添加した硫酸を接触させる
ことにより1,1−ジクロロエチレンを除去し、1,1
−ジクロロエチレンを実質的に含まない1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタンを得る事からなる1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタンの精製法である。
【0008】本発明における硫酸への金属イオンの添加
方法は限定されず、硫酸に溶解した場合金属イオンとな
りさえすればよく、金属、金属塩、金属酸化物、金属硫
化物またはこれらの溶液を硫酸中に添加する方法で行え
るが、金属を硫酸中に添加すると水素が発生することが
あるので安全上金属塩で添加する方法が推奨される。添
加可能な金属または金属イオンは、周期表中で、第4〜
7周期の3a族、4a族、5a族、6a族、7a族、8
族、1a族、2a族、3族、4族または5族の元素が挙
げられ、例えば、銅、鉄、ニッケル、銀、クロム、コバ
ルト、モリブデン、錫、アンチモン、アルミニウムなど
を例示できる。金属塩としは、少なくとも、炭素、窒
素、酸素、りん、硫黄、フッ素、塩素、臭素またはヨウ
素を含む金属塩が挙げられ、例えば、塩化第一銅、塩化
第二銅、硫酸銅、塩化鉄、硫酸鉄、塩化ニッケル、硫酸
ニッケル、四塩化錫、二塩化錫、三塩化アンチモン、五
塩化アンチモン、塩化アルミなどが例示できる。好まし
くは塩化第一銅、塩化第二銅、硫酸銅、塩化鉄、硫酸鉄
が推奨される。金属イオンの添加方法は予め1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタンと接触させる前に硫酸中に
添加しても、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンと
同時に添加してもよいが操作上予め硫酸中に添加する方
法が推奨される。金属イオンの添加量は硫酸に対して
0.001wt%から10wt%がよく、より好ましく
は、0.01wt%から5wt%が推奨される。0.0
01wt%以下では実質上添加の効果がなく、10wt
%以上では特に効果に差異がない上に使用後の硫酸の処
理が困難になるので好ましくない。
【0009】本発明における接触方法は、通常用いられ
る手段によれば良く、例えば、攪拌機をそなえた反応槽
による混合、ラインミキサーによる混合等、特に限定さ
れない。
【0010】以下に本発明の一実施態様であるバッチ式
処理での具体的処理条件、処理方法について述べるが、
当然、流通式装置において若干の変更を施すことは当業
者にとって自明のことである。
【0011】本発明において使用できる硫酸は、濃度が
70%以上のものであるが、濃度が70%以下では反応
速度が小さく処理時間が長くなるので、より好ましくは
通常工業用途に製造されている濃度が95%以上のもの
である。被処理物に含まれる水分は硫酸濃度を下げる主
な原因となるので予め硫酸あるいはシリカゲル、モレキ
ュラーシーブス等の乾燥剤で脱水しておくのがよい。硫
酸/被処理物(1,1−ジクロロエチレンを含む、1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン)の重量比は、他の
処理条件、例えば、温度、硫酸濃度などにより適宜調節
することが出来るが、1/10〜1/0.01の範囲が
好ましい。硫酸が1/10より少ないと処理時間が懸か
り、1/0.01より多いと処理に要する処理装置の大
型化を招き好ましくない。
【0012】本発明における処理温度は0℃〜100℃
の範囲がよいが、0℃未満では反応速度が小さく処理時
間が長くなり、100℃以上では1,1−ジクロロ−1
−フルオロエタンの分解が起こることがあるので、より
好ましくは20℃から50℃の範囲である。また、処理
温度は被処理物が液体状態で処理を行うか、気体状態で
処理を行うかに応じて選択できる。
【0013】本発明における処理圧力は、特に限定され
ないが、装置の安全性等の点から0〜10Kg/cm2が好ま
しい。本発明の方法を1,1−ジクロロ−1−フルオロ
エタンの製造プロセスに組込むに当っては、反応器から
流出した組成物のうち、塩化水素、フッ化水素、有機不
純物の一部を除き、実質上1,1−ジクロロエチオレン
以外の不純物を含まない1,1−ジクロロ−1−フルオ
ロエタンまたは塩化水素、フッ化水素などの無機の不純
物のみを除いた1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
を対象にすることができる。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、適用方法はこれらに限らない。
【0015】実施例1 マグネチックスターラーを備えた200ccの硝子製反
応器に純度97%の硫酸50gと無水塩化第二鉄(Fe
Cl3)2gを入れ攪拌した後、恒温槽で20℃に保っ
た。別に20℃に保っておいた0.408wt%の1,
1−ジクロロエチレンを含む1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン62.5gを上記の反応器に加え、10分
間攪拌した。攪拌後有機物槽を水洗浄し、ガスクロマト
グラフで分析した。この時の1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン中の1,1−ジクロロエチレン濃度を表1
に示す。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2、3、4 攪拌時間を20分、30分、40分とした他は、実施例
1と同一の実験を行なった。結果を表1に示す。
【0018】実施例5 マグネチックスターラーを備えた200ccの硝子製反
応器に純度97%の硫酸50gと無水塩化第二銅(Cu
Cl2)2gを入れ攪拌した後、恒温槽で20℃に保っ
た。別に20℃に保っておいた0.408wt%の1,
1−ジクロロエチレンを含む1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン62.5gを上記の反応器に加え、10分
間攪拌した。攪拌後有機物槽を水洗浄し、ガスクロマト
グラフで分析した。この時の1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン中の1,1−ジクロロエチレン濃度を表1
に示す。 実施例6、7、8 攪拌時間を20分、30分、40分としたほかは、実施
例6と同一の実験をおこなった。この時の結果を表1に
示す。
【0019】比較例1 マグネチックスターラーを備えた200ccの硝子製反
応器に純度97%の硫酸50gを入れ攪拌した後、恒温
槽で20℃に保った。別に20℃に保っておいた0.4
08wt%の1,1−ジクロロエチレンを含む1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタン62.5gを上記の反応
器にいれ、10分間攪拌した。攪拌後有機物槽を水洗浄
し、ガスクロマトグラフで分析した。この1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタン中の1,1−ジクロロエチレ
ン濃度を表1に示す。
【0020】比較例2、3、4 攪拌時間を20分、30分、40分としたほかは、比較
例1と同様に実験をおこなった。この時の結果を表1に
示す。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法は、低温においても1,1
−ジクロロエチレンの除去が可能であるため、反応条件
の調節が容易であり、また処理に要する時間を短縮する
ことができので、高純度の1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタンを簡易な装置で得ることができるという顕著
な効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1,1−ジクロロエチレンを含
    む1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンと金属イオン
    を添加した硫酸とを接触させることを特徴とする1,1
    −ジクロロ−1−フルオロエタンの精製法。
JP6219693A 1993-03-22 1993-03-22 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの精製法 Pending JPH06271487A (ja)

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