JPH0627133B2 - 変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成物の製法 - Google Patents

変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成物の製法

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JPH0627133B2
JPH0627133B2 JP60242771A JP24277185A JPH0627133B2 JP H0627133 B2 JPH0627133 B2 JP H0627133B2 JP 60242771 A JP60242771 A JP 60242771A JP 24277185 A JP24277185 A JP 24277185A JP H0627133 B2 JPH0627133 B2 JP H0627133B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塗装作業性に優れたプライマー用変性エチレン
−α−オレフイン系共重合体組成物の製法に関する。さ
らに詳しくは、有機ラジカル発生剤の存在下、カルボキ
シル基、カルボン酸エステル残基、無水カルボン酸残基
を有するモノマーまたはポリマーの群から選ばれた1種
以上の化合物からなる極性基を有する化合物(以下、単
に極性基を有する化合物と略称することがある)を作用
させる際、フエノール系老化防止剤を併用して得た塗装
作業性に優れたプライマー用変性エチレン−α−オレフ
イン系共重合体組成物の製法に関する。
〔従来の技術〕
エチレン−α−オレフイン系共重合体は飽和炭化水素ポ
リマーであるため、接着性に乏しく接着剤用途には不向
きである。
そのため、エチレン−α−オレフイン系共重合体にアク
リル酸や、無水マレイン酸アクリルアミド等の化合物を
付加する方法や塩素化、スルホン化する方法が知られて
いる。しかし、これらの方法によつて得られた共重合体
はトルエン、キシレンなどの溶媒に溶解したとき、不溶
分が多い、溶液粘度が高い等の塗装作業性に悪い要素を
あわせ持つている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
エチレン−α−オレフイン系共重合体を有機パーオキサ
イドを用いて極性基を有する化合物で変性した際の反応
生成物は一般に三次元架橋生成物が共存しており、溶媒
への溶解性が低下したり溶液粘度が上昇し、塗装作業性
が低下する。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記事情に鑑み、溶媒への溶解性の面から
高流動性の変性エチレン−α−オレフイン系共重合体を
得るべく鋭意研究した結果、変性に用いるエチレン−α
−オレフイン系共重合体としてある一定のムーニー粘度
のものを用いかつ変性の際にフエノール系の老化防止剤
を併用することにより流動性の高い変性エチレン−α−
オレフイン系共重合体が得られることを見出し、これに
よりプライマーとして塗装作業性がすぐれた組成物が得
られることを知り、本発明に到達した。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるエチレン−α−オレフイン系共重合
体としてはエチレンと炭素数3以上のα−オレフイン例
えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1の中から選ばれた1種以上のα−オレフインを用い
あるいはこれらと非共役ジエンとしてエチリデンノルボ
ルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等
の中から選ばれた1種以上の非共役ジエンを共重合して
得られた共重合体が用いられる。
これらエチレン−α−オレフイン系共重合体の中でもエ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−
ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体が
好ましい。
これらのエチレン−α−オレフイン共重合体のうち本発
明で使用されるのはムーニー粘度5〜30のものであ
る。ムーニー粘度が5未満ではハンドリングが悪く、3
0を越えると流動性に悪影響を与え、またα−オレフイ
ン含量は20〜60重量%が好ましい。
本発明のカルボキシル基、カルボン酸エステル残基、無
水カルボン酸残基を有するモノマーまたはポリマーの群
から選ばれた1種以上の化合物からなる極性基を有する
化合物は具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニル安息香酸、ビニル
フタル酸、メタクリル酸メチル、マレイン酸モノメチル
エステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸
モノブチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジルメタクリレ
ート等のモノマー、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体、スチルベン−無水マレイン
酸共重合体、アクリロニトリル−無水マレイン酸共重合
体、アリルアセテート−無水マレイン酸共重合体、メチ
ルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、メチルメタ
クリレート−無水マレイン酸共重合体、ビニルアセテー
ト−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体、塩化ビニリデン−無水マレイン酸共重合
体などのポリマーおよびその誘導体等があげられる。
さらに本発明に用いられる有機ラジカル発生剤としては
ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシ
ベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチ
ルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルパー
オキサイド、tert−ブチルパーアセテート、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、tert−ブチルパー−イソブチレート、te
rt−ブチルパーsec−オクトエート、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ジメチルアゾイソブチレート、などがあげ
られこれらのうち、ジ−tert−ブチル−パーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼンが好ましい。
本発明のフエノール系老化防止剤としては4,4−ジヒド
ロキシジフエニルシクロヘキサン、2,2′−メチレン−
ビス−(4−メチル−6−tブチルフエノール)、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフエノール、スチレン化
フエノール、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−
6−t−ブチルフエノール)、4,4′−ブチリデンビス
(3メチル−6−t−ブチルフエノール)、2,6−ジ−
t−ブチル−4−エチルフエノールなどがあり好ましく
は2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフエノール、2,6−
ジ−t−ブチル−4エチルフエノールである。
本発明の変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成
物は前述のエチレン−α−オレフイン系共重合体100
重量部に対し、極性基を有する化合物0.05〜50重量
部、好ましくは0.1〜10重量部、有機ラジカル発生剤
0.01〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部に、フエノ
ール系老化防止剤1〜10重量部、好ましくは2〜8重
量部を作用させることにより得られる。極性基を有する
化合物が0.05重量部未満では変性エチレン−α−オレフ
イン系共重合体塗布面への接着性が低下して好ましくな
い。また50重量部を越えると得られた変性エチレン−
α−オレフイン系共重合体組成物が樹脂的性質を帯びプ
ライマー自体がもろくなり好ましくない。
一方、有機ラジカル発生剤が0.01重量部未満では得られ
た変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成物の変
性度が低く未反応の極性基を有する化合物が組成物中に
多く残り好ましくなく、2重量部を越えると、得られた
変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成物が三次
元架橋化してしまい溶媒への溶解性が極端に低下し好ま
しくない。さらにフエノール系老化防止剤が1重量部未
満では得られた変性エチレン−α−オレフイン系共重合
体組成物が三次元架橋化してしまい好ましくなく、10
重量部を越えると極性化合物の付加反応を阻害し好まし
くない。
かくして得られる本発明の変性エチレン−α−オレフイ
ン系共重合体組成物のメルトフローインデツクス(23
0℃、2160g荷重)は3.0〜20.0g/10分である
ことが塗装作業性上好ましい。
本発明の変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成
物の製造にあたつては、エチレン−α−オレフイン系共
重合体、極性基を有する化合物、有機ラジカル発生剤お
よびフエノール系老化防止剤の所定量を秤量し、公知の
方法たとえばヘンシエルミキサー、V−ブレンダー、リ
ボンブレンダー、タンブラー・ブレンダー等で混合後、
バンバリー、ニーダー、連続混練り機、押出機を用いて
150〜300℃で0.5分〜10時間混練りを行なう方
法、あるいは、エチレン−α−オレフイン系共重合体、
極性基を有する化合物、有機ラジカル発生剤およびフエ
ノール系老化防止剤をオートクレーブ等の反応器に仕込
み、トルエン、キシレン、炭素数1〜6のハロゲン化炭
化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解
し50〜200℃で0.5〜10時間反応する方法などが
あげられる。混練り温度(あるいは反応温度)と混練り
時間(あるいは反応時間)は用いる有機パーオキサイド
の分解温度により変動するので一概には規定できない
が、一般的には50℃〜300℃、好ましくは70℃〜
250℃、0.5分〜10時間、好ましくは1分〜5時間
の範囲が用いられる。
本発明の変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成
物は炭素数6〜12の炭化水素、炭素数1〜6のハロゲ
ン化炭化水素などの溶媒に溶解させて、ウレタン系など
の塗料の下塗り剤(プライマー)として有用である。
以下、本発明を実施例により説明する。
〔実施例〕
実施例1 生ゴムムーニー粘度ML1+4(100℃)が10のエチレンプ
ロピレンゴム(JSREP912P:日本合成ゴム製)10
0重量部に対し、無水マレイン酸(試薬特級を乳ばちで
粉砕したもの)1重量部、有機ラジカル発生剤(カヤヘ
キサ−AD;化薬ヌーリ製)0.3重量部、フエノール系
老化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフエノー
ル(アンテージBHT:川口化学製)5重量部をあらかじ
め予備混合し、200℃に温度設定した押出機(1軸、
フルフライトタイプスクリユウL/D=28)を用いてス
クリユウ回転数30rpm(滞留時間4分)にて反応させ
た。得られた反応生成物の無水マレイン酸含有量は赤外
分光分析法で0.45重量%でありメルトフローインデツク
ス(230℃、荷重2160g)は6.1g/10分であ
つた。
得られた反応生成物(ペレツト状)5gとトルエン95
gを50℃×3時間溶解し、不溶分(80メツシユ金網
不通過分)を測定したところ、1.2重量%であつた。8
0メツシユ金網通過分の溶液粘度は105cpであり、2
重量%のスプレーによる塗装作業性が良好であつた。
比較例1 生ゴムムーニー粘度がML1+4(100℃)で75のエチレン
プロピレンゴム(JSREP07P:日本合成ゴム製)100重
量部に対し、無水マレイン酸を0.6重量部とした以外は
実施例1と同様の方法で反応生成物を得た。反応生成物
中の無水マレイン酸含有量は0.26重量%であり、メルト
フローインデツクスは0.37g/10分であつた。
得られた反応生成物を実施例1と同じ方法で不溶分、溶
液粘度を測定したところ、不溶分3.5重量%、溶液粘度
400cpであり、2重量%溶液のスプレーによる塗装作
業性が不良であつた。
実施例2 生ゴムムーニー粘度がML1+4(100℃)で24のエチレン−
プロピレンゴム(JSREP02P:日本合成ゴム製)100重
量部に対し、スチレン−無水マレイン酸系共重合体(ア
ラスター700:荒川化学製無水マレイン酸含量4.3重
量%、スチレン含量52重量%、マレイン酸エステル4
3.7重量%)3重量部を用いた以外は実施例1と同様の
方法で反応生成物を得た。得られた反応生成物中のスチ
レン−マレイン酸系共重合体の含有量は2.7重量%であ
り、メルトフローインデツクスは4.6g/10分であつ
た。
得られた反応生成物を実施例1と同じ方法で不溶分と溶
液粘度を測定した。不溶分1.0重量%、溶液粘度90cp
であり、2重量%溶液のスプレー塗装作業性が良好であ
つた。
比較例2 実施例2においてフエノール系老化防止剤を全く用いな
い以外は実施例2と同じ方法で反応させた。得られた反
応生成物のスチレン−無水マレイン酸系共重合体の含有
量は2.8重量%であり、メルトフローインデツクスは0.0
6g/10分であつた。
得られた反応生成物を実施例1と同じ方法で不溶分と溶
液粘度を測定した。不溶分2.3重量%、溶液粘度250c
pであり、2重量%溶液のスプレー法による塗装作業性
が不良であつた。
実施例3 実施例1において無水マレイン酸に変えてアクリル酸を
5重量部、有機ラジカル発生剤を0.1重量部に変えた以
外は実施例1と同じ法で反応させた。得られた反応生成
物のアクリル酸含有量は0.80重量%、メルトフローイン
デツクスは7.2g/10分であつた。得られた反応生成
物を実施例1と同じ方法で不溶分と溶液粘度を測定し
た。不溶分0.8重量%、溶液粘度80cpであり、2重量
%溶液のスプレーによる塗装作業性が良好であつた。
〔発明の効果〕
本発明の変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成
物は有機溶媒への溶解性が高く、しかも低い溶液粘度を
示すので、ウレタン塗料などの下塗り剤として優れた塗
装作業性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/00 LKN 7142−4J C09D 5/00 PPF 6904−4J 123/00 PFA 7107−4J (72)発明者 大嶋 昇 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−500457(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が5
    〜30のエチレン−α−オレフィン系共重合体100重
    量部に対し、有機ラジカル発生剤0.01〜2重量部お
    よびフェノール系老化防止剤1〜10重量部の存在下、
    0.05〜50重量部の、カルボキシル基、カルボン酸
    エステル残基、無水カルボン酸残基を有するモノマーま
    たはポリマーの群から選ばれた1種以上の化合物からな
    る極性基を有する化合物を作用させることを特徴とする
    変性エチレン−α−オレフィン系共重合体組成物の製
    法。
  2. 【請求項2】変性エチレン−α−オレフィン系共重合体
    組成物のメルトフローインデックス(230℃、216
    0g荷重)が3.0〜20.0g/10分である特許請
    求の範囲第(1)項記載の変性エチレン−α−オレフィ
    ン系共重合体組成物の製法。
JP60242771A 1985-10-31 1985-10-31 変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成物の製法 Expired - Lifetime JPH0627133B2 (ja)

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KR960007315B1 (ko) * 1993-02-16 1996-05-30 제일모직주식회사 내후성이 우수한 열가소성 수지조성물
JP4707802B2 (ja) * 1999-07-06 2011-06-22 三井化学株式会社 樹脂組成物

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