JPH06271240A

JPH06271240A - エレベータの故障診断装置

Info

Publication number: JPH06271240A
Application number: JP6533993A
Authority: JP
Inventors: Takaaki Oka; 高明岡; Ichiro Kawabe; 一郎河辺; Yuichi Hara; 裕一原
Original assignee: Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd; Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
Current assignee: Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd; Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
Priority date: 1993-03-24
Filing date: 1993-03-24
Publication date: 1994-09-27

Abstract

(57)【要約】【目的】監視センタでエレベータの故障のデータを取
込んで、高精度の診断を迅速且つ適確に行うエレベータ
の故障診断装置を提供すること。【構成】エレベータが設置されたビルに配設されるエ
レベータ監視装置２０と通信回線Ｃ１で接続され、エレ
ベータの故障時のデータを通信回線Ｃ１を介して入力し
記憶するデータ収集装置３０と、データ収集装置３０と
通信回線Ｃ２を介して接続され、データ収集装置３０か
らのデータを格納するデータ入力部４２、故障データに
基づく故障要因を予めツリー状に組み立て格納した知識
ベース４４、データ入力部４２に格納されたデータに対
して、知識ベース４４のデータに基づいて故障要因の推
論を行う推論部４３及び故障原因の推論結果を出力する
推論結果出力部４５を備えた故障診断装置４０とが設け
てある。【効果】複雑な故障の復旧が短時間で適確に行われ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータの故障発生
時に、発生した故障の原因を診断するエレベータの故障
診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平３−１０６７７４号公報に、エレ
ベータの故障原因を推定する故障診断装置が開示されて
おり、この開示の装置ではエレベータの故障時の状態及
び故障内容を示す複数の項目についてデータを入力する
と、入力データに基づいて故障解析が行われ、さらに解
析に必要な質問項目に対してデータを入力することによ
り、専門技術者の経験的知識に基づく解析データが格納
された知識ベースによって故障原因の推定が行われる。
さらに、開示の故障診断装置では、この知識ベースの精
度の向上のために、故障調査の結果得られた故障原因デ
ータを入力して知識ベースの学習が可能にしてある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】エレベータの故障発生
時に、エレベータの故障現場に派遣された保守員が、直
ちに故障原因を推定できない複雑な故障の場合、保守員
は該エレベータを監視する監視センタに電話でエレベー
タの故障状態と故障内容とを連絡し、前述の開示に係る
故障診断装置を使用して故障原因の推定をするように依
頼することができる。この場合、監視センタ側では必ず
しも専門のオペレータが電話を受けるとは限らず、電話
連絡を受けた所員が故障データを全て入力するのにかな
りの時間がかかったり、入力ミスが生じたりする可能性
がある。また、故障の解析に必要な質問項目に対して、
保守員が故障状態のエレベータの所に戻って質問のデー
タを確認し、再度電話で監視センタに連絡を取らねばな
らないこともあり、故障復旧作業が効率的に行われると
は言えないことがあった。

【０００４】本発明は、前述したようなエレベータの故
障復旧作業の現状に鑑みてなされたものであり、その目
的は、監視センタ側でエレベータの故障のデータを取込
んで、高精度の診断を迅速且つ適確に行うエレベータの
故障診断装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、エレベータが設置されたビルに配設され
るエレベータ監視装置と通信回線で接続され、前記エレ
ベータの故障時に、故障データを前記通信回線を介して
入力し記憶するデータ収集装置と、このデータ収集装置
と通信回線を介して接続され、前記データ収集装置から
の故障データを格納するデータ入力部、故障データに基
づく故障要因を予めツリー状に組み立て格納した知識ベ
ース、前記データ入力部に格納された故障データに対し
て、前記知識ベースのデータに基づいて、故障要因の推
論を行う推論部及び故障要因の推論結果を出力する推論
結果出力部を備えた故障診断装置とを有する構成にして
ある。

【０００６】

【作用】この構成によると、エレベータの故障発生時に
は、データ収集装置によって、通信回線を介してエレベ
ータが設置されたビルに配設されるエレベータ監視装置
から、該エレベータの故障データが取り込まれ記憶され
る。このようにしてデータ収集装置に取込み記憶された
故障データによっては、故障原因の解明ができない場合
には、データ収集装置から通信回線を介して故障診断装
置に該故障データが転送される。該故障データは、故障
診断装置のデータ入力部に格納され、推論部が、データ
入力部に格納された故障データに対して、故障データに
基づく故障要因が予めツリー状に組み立て格納されてい
る知識ベースのデータを参照して、故障要因の推論を行
う。このようにして得られた故障要因の推論結果が、推
論結果出力部から通信回線を介してデータ収集装置に送
信され、データ収集装置からエレベータの故障現場の保
守員に通報される。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１及び図２を参
照して説明する。ここで、図１は実施例の構成を示すブ
ロック図、図２は実施例の推論動作の説明図である。

【０００８】図１に示すように、エレベータＥが設置さ
れたビルＢには、乗りかごの運転動作の全体的な制御を
行うエレベータ制御装置１０と、このエレベータ制御装
置１０の制御用のコンピュータに接続されエレベータＥ
の動作を監視するエレベータ監視装置２０とが配設して
ある。このエレベータ監視装置２０は、エレベータＥに
故障が発生すると、エレベータ制御装置１０から各種の
故障データ（故障時の乗りかご位置、故障時の乗りかご
速度、故障発生の所定時間前から故障発生時までの各種
の信号値）を取込記憶する機能を有している。

【０００９】エレベータ監視装置２０は、通信回線Ｃ１
でエレベータＥを監視する監視センタのデータ収集装置
３０に接続してあり、データ収集装置３０は通信回線Ｃ
２でエレベータ故障診断装置４０に接続してある。デー
タ収集装置３０は、エレベータ監視装置２０との間の通
信制御動作を行う通信部３１に、エレベータ監視装置２
０から取込んだ故障データが格納される記憶部３２と、
記憶部３２が接続され前記故障データが後述する推論結
果データを表示する表示部３３とが接続された構成にな
っている。

【００１０】また、エレベータ故障診断装置４０は、前
記通信部３１との間の通信制御動作を行う通信部４１
に、前記記憶部３２に格納される故障データが入力格納
されるデータ入力部４２と、後述する推論結果を出力す
る推論結果出力部４５とが接続され、データ入力部４２
には、知識ベース４４に接続された推論部４３が接続さ
れ、推論部４３に推論結果出力部４５が接続された構成
になっている。前記知識ベース４４には、故障解析に用
いられるＦＴＡの手法に基づく故障要因をツリー状に組
み立てたデータと、関連故障データにより故障原因を切
り分ける専門知識データ（ノウハウ）とが格納されてお
り、前記推論部４３は、知識ベース４４のデータとデー
タ入力部４２に格納される故障データとに基づいて、故
障原因の推論を行い、推論結果を推論結果出力部４５に
提供する機能を有している。

【００１１】次に、このような構成の実施例の動作を説
明する。

【００１２】エレベータＥに故障が発生すると、エレベ
ータ監視装置２０から通信回線Ｃ１を介して監視センタ
に故障通報が送信され、この故障通報により、監視セン
タから故障したエレベータＥが設置されているビルＢに
保守員が派遣される。保守員の派遣後に、監視センタで
はデータ収集装置３０を作動させ、通信部３１により、
エレベータ監視装置２０がエレベータ制御装置１０から
取込んでいる故障データを、通信回線Ｃ１を介して読出
し記憶部３２に格納する。次いで、記憶部３２に格納さ
れた故障データが、データの内容を解りやすく翻訳した
形式（例えばタイムチャート形式）で表示部３３に表示
される。監視センタの監視員が、この表示部３３の表示
によって、当該故障の原因が把握できた場合は、現場に
派遣した保守員に、ポケットベル、移動電話などによ
り、当該故障の調査方法や復旧手順などを連絡して発生
した故障の復旧作業に当たらせる。

【００１３】しかし、複雑な故障で表示部３３の表示の
みでは、原因の把握ができない場合には、通信部３１に
より記憶部３２に格納されている故障データが、通信回
線Ｃ２を介してエレベータ故障診断装置４０に転送さ
れ、転送された故障データは、通信部４１を介してデー
タ入力部４２に入力格納される。そして、推論部４３に
よって、知識ベース４４に格納されている故障要因がツ
リー状に組み立てられたデータと、故障原因を切り分け
る専門知識データ（ノウハウ）とによって、データ入力
部４２に格納された故障データに対して、故障原因が推
論され推論結果が推論結果出力部４５に供給される。そ
して、通信部４１によって得られた推論結果が推論結果
出力部４５から読み出され、通信回線Ｃ２を介して通信
部３１に取込まれ、表示部３３に表示される。そこで、
監視センタの監視員は表示部３３の表示データを現場に
派遣した保守員に連絡し、連絡された推論結果に基づい
て保守員は故障の復旧作業を行う。

【００１４】具体的な推論の例を図２に基づいて説明す
ると、知識ベース４４には、同図に示すような故障要因
ツリーデータが組み立て格納してあり、このデータによ
ると、例えば運転制御用コンピュータと乗りかご用コン
ピュータの通信異常に対しては、電源、通信線、運転制
御用通信プリント板、乗りかご用通信プリント板、ノイ
ズの故障要因があり、また、通信線の故障要因としては
テールコード、コネクタなどの不良が存在することが示
される。同時に、知識ベース４４には、故障要因を切り
分ける専門知識データが格納してあり、データ入力部４
２に格納される各種の信号データＴ１〜Ｔｎに基づい
て、推論部４３は、前記専門知識データにより、例えば
Ｔ１とＴ２が共にＯＮの時は、乗りかご用通信プリント
板に異常が存在する確率を初期の確率に対して４０％上
げ、Ｔ１とＴ４が共にＯＮの時は、ノイズに故障原因が
ある確率を初期の確率に対して３０％上げるという切り
分け動作を行う。

【００１５】このように推論部４３では、知識ベース４
４に格納されている故障要因がツリー状に組み立て格納
されたデータと、故障原因を切り分ける専門知識データ
とによって、データ入力部４２に格納された故障データ
に対して、故障原因事項の確率を演算して推論を行う。
図２の場合は、データ入力部４２の通信データで、Ｔ
１，Ｔ２が共にＯＮなので乗りかご用通信プリント板が
異常である確率は４０％とされ、さらにＴｎがＸとなれ
ば乗りかご用通信プリント板が異常である確率が２０％
加算される。実施例の場合、各故障要因の初期確率を２
０％とし、ＴｎがＸとなったとすれば、得られる推論結
果は、乗りかご用通信プリント板８０％、電源２０％、
通信線２０％となる。この場合、実際の確率の計算はコ
ンバイン関数を用いた確信度計で行われる。

【００１６】このように、実施例によると、エレベータ
の故障時にデータ収集装置３０がエレベータ監視装置２
０から取込だ故障データから、故障原因が把握できない
場合には、当該故障データをエレベータ故障診断装置４
０に転送すると、知識ベース４４に格納されている故障
要因がツリー状に組み立てられ格納されたデータと、故
障原因を切り分ける専門知識データとに基づき、推論部
４３により故障原因事項や故障箇所が確率演算された推
論結果が得られるので、複雑な故障をも迅速且つ適確に
復旧することが可能になる。

【００１７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明による
と、エレベータの故障発生時にデータ収集装置に取込ま
れた故障データが、故障診断装置に転送されると、推論
部が、故障データに対して、故障要因が予めツリー状に
組み立て格納されている知識ベースのデータに基づいて
故障原因事項や故障箇所を確率的に推論するので、複雑
な故障の原因が短時間で解明され、エレベータの故障復
帰作業を迅速に且つ適確に行うことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】実施例の推論動作の説明図である。

【符号の説明】

１０エレベータ制御装置２０エレベータ監視装置３０データ収集装置３１通信部３２記憶部３３表示部４０エレベータ故障診断装置４１通信部４２データ入力部４３推論部４４知識ベース４５推論結果出力部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エレベータが設置されたビルに配設され
るエレベータ監視装置と通信回線で接続され、前記エレ
ベータの故障時に、故障データを前記通信回線を介して
入力し記憶するデータ収集装置と、このデータ収集装置
と通信回線を介して接続され、前記データ収集装置から
の故障データを格納するデータ入力部、故障データに基
づく故障要因を予めツリー状に組み立て格納した知識ベ
ース、前記データ入力部に格納された故障データに対し
て、前記知識ベースのデータに基づいて、故障要因の推
論を行う推論部及び故障要因の推論結果を出力する推論
結果出力部を備えた故障診断装置とを有することを特徴
とするエレベータの故障診断装置。