JPH06269823A - 連続圧延における板クラウン制御方法 - Google Patents

連続圧延における板クラウン制御方法

Info

Publication number
JPH06269823A
JPH06269823A JP5064351A JP6435193A JPH06269823A JP H06269823 A JPH06269823 A JP H06269823A JP 5064351 A JP5064351 A JP 5064351A JP 6435193 A JP6435193 A JP 6435193A JP H06269823 A JPH06269823 A JP H06269823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crown
plate
edge drop
rolling
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5064351A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Nanri
里 智 南
Katsumi Suehiro
廣 克 巳 末
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP5064351A priority Critical patent/JPH06269823A/ja
Publication of JPH06269823A publication Critical patent/JPH06269823A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続圧延における板クラウン制御において、
エッジドロップを含めた圧延機出側の成品板クラウンの
制御偏差を低減する。 【構成】 板クラウンの品質管理範囲内に存在するエッ
ジドロップの最終圧延スタンド出側における発生量を、
材料のカーボン当量,板厚,板幅,予測圧延荷重,連続
圧延本数等の、エッジドロップ影響因子を用いてニュー
ラルネットワークにより推定する。このエッジドロップ
量を品質管理上の目標板クラウンから差引き、板中央部
のクラウン制御目標値を新たに算出する。この制御目標
値に従って各圧延スタンドに装備されているクラウン制
御装置の設定値を算出する。このように、圧延時の塑性
変形現象の異なるエッジドロップと板中央部の板クラウ
ンを分離して捉えることにより、高精度な板クラウン制
御が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続圧延設備における
自動板クラウンの制御方法の改良に関する。
【0002】
【従来技術】一般に板圧延において成品の品質や歩留を
向上するためには、板クラウンの制御を正確に行なう必
要がある。圧延機にはロールベンディング装置やロール
シフト装置,ロールクロス装置等の板クラウン制御装置
が装備されており、目標の板クラウンを造りこむ為に
は、圧延前に鋼種,板厚等の材料条件から最終スタンド
目標板クラウンを達成する、各スタンドのクラウン制御
装置の適正な設定値を算出し、制御装置の設定を行う必
要がある。
【0003】板クラウン制御装置の設定方法としては、
特開昭59−76605号公報による、板クラウン制御
装置の設定値の算出法があり、概要は以下のようなもの
である。
【0004】板材のスタンド入側の板クラウンC
Flat i-1(mm)、スタンド出側の板クラウンCi(m
m)及びスタンド出側の板形状Δεi(−)の3者の関
係が下記3式により定義される。
【0005】 Ci =(1−ηi )・Ci +ηi・(1−ri )・CFlat i-1 ・・・(1) Δεi =ξi{(Ci /hi )−(CFlat i-1 /hi-1 } ・・・(2) CFlat i-1 =Ci-1 −hi-1 ・Δεi-1 ・・・(3) (1)式はiスタンド入側の板クラウンCFlat i-1 とiス
タンド出側の板クラウンCi の関係式であり、ηi
(−)は入側クラウン比率が出側クラウン比率に遺伝す
る割合を意味するクラウン比率遺伝係数、ri (−)は
圧下率である。
【0006】(1)式においてCi(mm)は、板材とワー
クロール間の荷重分布が板幅方向に均一である場合に実
現される板クラウンであり、メカニカル板クラウンと称
され、圧延荷重,接触弧長,板幅等を用いて圧延機のみ
の変形解析によって計算される。(2)式は入出側のクラ
ウン比率と板形状Δεi との関係式であり、ξi (−)
は入出側のクラウン比率の変化が出側形状の変化に及ぼ
す影響を意味する形状変化係数、hi(mm)は出側板
厚である。(3)式はi−1スタンド出側クラウンCi-1
とiスタンド入側クラウンCFlat i-1 との関係式であ
る。
【0007】本方法では、上記(1),(2)及び(3)式を基
本式として、原板のクラウンから最終スタンド出側目標
板クラウンを造りこむ各スタンドの板クラウンの最適な
スケジュールを、各スタンドのクラウン制御装置の能力
限界及び各スタンド間における形状限界を考慮し、これ
らの限界範囲内で実現可能なものを求める。最終的には
各スタンドで必要とされるメカニカル板クラウンCi
求めることに帰着され、このメカニカル板クラウンCi
は下式のようにクラウン制御装置の制御量の関数とな
る。
【0008】 Ci =CPi ・Pi +CFi ・Fi +COi ・・・(4) (4)式はクラウン制御装置としてロールベンディング装
置を用いる場合のメカニカル板クラウンCi の計算式で
あり、Pi (ton)は圧延荷重、Fi (ton)はロールベン
ディング力である。CPi (ton/mm),CFi (ton/mm),
Oi (mm)は板幅や圧延機の機械的仕様のみによって決
まる係数であり、各スタンドで必要とされるメカニカル
板クラウンCi が求まれば、(4)式によりロールベンデ
ィング装置の設定値が容易に計算される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、板材を圧延
機により圧延する際には、長手方向(圧延材の進行方
向)の伸びの他に、板幅方向へのメタルフローが存在
し、この現象は板側端近傍において特に顕著である為、
一般に板側端近傍においては急激に厚みが薄くなる(エ
ッジドロップ)現象が起こる。このエッジドロップは板
クラウンの管理点(例えば板側端より25mmの点)よ
り板中央側のある点から開始し、板終端(側端)にかけ
て発生することが経験的に知られている。板クラウンの
管理範囲とエッジドロップが発生する部分との関係を図
2に示す。
【0010】図2は圧延後の板材の巾方向の断面図であ
り、板中心から片側半分を示したものである。図2にお
いて1は板中心点、2はエッジドロップの開始点、3は
板クラウンの管理点、4は板側端を示す。hC ,h
CR ,hED は各部の板厚であり、それぞれ、hC (mm)
は板中心部における板厚、hCR (mm)は板クラウン管理
点における板厚、hED (mm)はエッジドロップ開始点に
おける板厚を示している。板クラウンは、板中心部1に
おける板厚hcと、板クラウン管理点3における板厚h
CRの差hC −hCR (mm)で定義されるが、図2から判る
ように、エッジドロップによる板厚減少部分hED −h
CR (mm)が含まれている。
【0011】前述した特開昭59−76605号公報に
よるクラウン制御装置の設定方法は、このエッジドロッ
プが一部に存在する板クラウン管理範囲全体を制御対象
として、板クラウン制御装置の設定を行う方法である。
即ち、前述した(1)〜(3)式に現れる全ての板クラウン値
として板中心部における板厚と板クラウン管理点におけ
る板厚の差を用いている。しかし、エッジドロップに関
しては圧延機入出側での遺伝性が極く小さいこと、板側
端部におけるロールの局部磨耗に依存する度合いが大き
いこと、などが主因となって、基本的に(1)〜(3)式があ
てはまらない。エッジドロップの発生量は、このエッジ
ドロップを除いた板中央部のクラウン(ボディクラウ
ン)との相関も小さく、基本的に板クラウンの制御装置
ではエッジドロップ量を制御することは不可能である。
即ち、前述の制御方法では、クラウン制御装置による板
クラウンの制御範囲に制御不可能なエッジドロップを含
んでいたため、目標とする板クラウンを高精度に実現す
ることは困難であった。
【0012】目標板クラウンを精度良く実現するために
は、制御不可能なエッジドロップを板クラウンの制御範
囲から分離し、エッジドロップについては、ボディクラ
ウンとは独立に板厚減少量を正確に予測する必要があ
る。しかし、エッジドロップの発生メカニズムについて
は現在不明な部分も多く、エッジドロップの発生に影響
する因子が経験的に判っている程度であり、エッジドロ
ップ量を正確に予測する方法は現在見つかっていない。
エッジドロップの発生量を予測する方法としては、鋼種
あるいは板厚,板幅等、圧延条件を決定する因子毎に区
分したテーブル値としてもつ方法が考えられるが、エッ
ジドロップはこれらの因子で一意に決まるものではない
ため精度的に限界がある。別の方法としてまたエッジド
ロップと相関のある因子を選定し、エッジドロップと各
因子間の重回帰分析を行い、エッジドロップの値の推定
モデル式を構築する方法も考えられるが、各因子とエッ
ジドロップの値の関係は必ずしも線形でなく、各因子の
非線形な影響を精度よく重回帰分析により定式化するの
は困難である。
【0013】本発明は、連続圧延における板クラウン制
御において、エッジドロップを含めた板クラウン管理範
囲全体の板クラウンが目標値と等しくなるように、ロー
ルベンディング装置の設定値を定めることを課題とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに本発明では、多段スタンドを有する連続圧延設備に
おける板材のクラウン制御において、各圧延機に設けら
れたクラウン制御装置の設定値を求める際、材料の板ク
ラウンを、巾方向へのメタルフローにより急激に板厚が
減少する板側端部分のクラウン(エッジドロップ)と、
巾方向へのメタルフローが無視できる板中央部のクラウ
ン(ボディクラウン)の2つに分割し、エッジドロップ
については、その発生量を、板材のカーボン当量,板
厚,板幅,予測圧延荷重,仕上出側温度等のエッジドロ
ップ発生影響因子を用いてニューラルネットワークによ
り推定し、この推定したエッジドロップ量を目標板クラ
ウン値から差し引くことによってボディクラウンの制御
目標値を新たに算出し、この板ボディクラウンの制御目
標値に従って各圧延機に装備されているクラウン制御装
置の設定値を求める。
【0015】
【作用】本発明では、鋼種,板厚,板幅,予測圧延荷重
等のエッジドロップの発生量に影響を及ぼす因子をニュ
ーラルネットワークに入力し、このニューラルネットワ
ークの出力としてエッジドロップ予測値を得るものであ
る。ニューラルネットワークはその学習機能により、入
出力間に非線形特性を持たせることが可能であり、各因
子がエッジドロップの発生量に及ぼす非線形な影響を簡
単にかつ精度よくモデル化することができる。よって、
圧延機最終スタンド出側のエッジドロップ量を高精度に
予測する事ができる。
【0016】また本発明では、クラウン制御装置により
板クラウンを制御する範囲を板クラウンからエッジドロ
ップを除いたボディクラウンに限定し、目標ボディクラ
ウンを得るべく各スタンドのクラウン制御装置の設定値
を計算する。ボディクラウンは板巾方向へのメタルフロ
ーが無視でき、前述した(1)〜(3)式があてはまるため、
従来方法を用いてクラウン制御装置を設定することによ
り、ボディクラウンを高精度に制御することが可能であ
る。このようにクラウン制御装置により制御不可能なエ
ッジドロップをニューラルネットワークにより高精度に
予測し、エッジドロップを除いたボディクラウンをクラ
ウン制御装置により制御することにより、板クラウン管
理範囲全域における板クラウン制御を高精度に実現でき
る。
【0017】
【実施例】以下図面を参照して、熱間仕上圧延機の板ク
ラウン制御に適用した場合の本発明の実施例を詳細に説
明する。
【0018】図3は本発明を適用する熱間連続仕上圧延
機の構成を示す。図3において仕上圧延機は、7つの圧
延スタンドにより構成される。圧延スタンドは1対のバ
ックアップロール5と1対のワークロール7から構成さ
れ、各スタンドにはクラウン制御装置としてワークロー
ルベンディング装置6が装備されている。演算器8は、
鋼種,板厚,板幅,仕上入側温度等の材料条件により、
目標板クラウンを達成するような各スタンドのワークロ
ールベンディング力の設定値を計算し、各ワークロール
ベンディング制御装置に対して出力する。
【0019】次に図1を参照して、演算器8で実行され
るロールベンディング力の設定値の決定方法について説
明する。図1は演算器8の内部でおこなわれるロールベ
ンディング力設定値の計算手順を示すフローチャートで
ある。図1における各ステップの処理を以下に説明す
る。
【0020】ステップ101では、鋼種,板厚,板幅等
の材料条件からニューラルネットワークを用いて最終ス
タンド出側におけるエッジドロップの発生量を予測す
る。本ステップで予測対象とするエッジドロップ量は、
図2におけるエッジドロップ開始点2から板クラウン管
理点3へかけての板厚降下量EDであり、次式の値であ
る。
【0021】 ED=hED −hCR ・・・(5) 尚、上記のエッジドロップ開始点2の位置は、圧延機の
特性,圧延材の材料条件,圧延製品の仕様などによって
若干異なるため、圧延機に設置されたプロフィールメー
タの実績データを多数のコイルについて収集し、これら
多数の実績データから決定する。本実施例では、処理の
煩雑さを避けるため、板側端から75mm板中央側へ入
り込んだ点を一意にエッジドロップ開始点2と定義す
る。
【0022】本実施例で用いるニューラルネットワーク
の構成を図4に示す。図4において、ニューラルネット
ワークは入力層7個、中間層12個、出力層1個のニュ
ーロンにより構成され、各ニューロンは隣接する層間で
リンクにより相互結合している。 ネットワークを構成
する全てのニューロンは、以下に説明する同一の機能を
持つ。各ニューロンの機能を図5を用いて説明する。図
5において、複数の入力xi に対し、重み係数wi 、及
び入出力関数fを用いて出力yを(6),(7)式により計算
する。
【0023】 X=x1 ×w1 +x2 ×w2 +・・・・+xn ×wn ・・・(6) Y=f(X) ・・・(7) (7)式に用いる入出力関数fは、シグモイド関数と呼ば
れ、図6に示す。このように入出力関数に非線形な関数
を用いることによって、ネットワーク全体の入出力間に
非線形特性を持たせることが可能になる。
【0024】図4において、ニューラルネットワークに
入力するデータは、カーボン当量Ceq,仕上最終スタン
ド出側目標板厚H,仕上最終スタンド出側目標板幅W,
単位板幅当たり予測圧延荷重の仕上後段(5〜7スタン
ド)の平均値p5-7 ,仕上出側目標温度FT7,ワーク
ロール組替え後からの累積圧延本数RN,当該板幅の連
続圧延本数RNW、 の全7データである。これら7つの
入力データを入力層の7つのニューロンにそれぞれ与
え、入力層→中間層→出力層の順に前述した各ニューロ
ンの持つ機能を実行し、最終的に出力層ニューロンの出
力として推定エッジドロップ量EDを得る。
【0025】上記で用いるニューラルネットワークは、
エッジドロップ量の実績値を用いて予め学習しておく。
ニューラルネットワークの学習とは、ネットワークを構
成する各ニューロン間の結合度合い(重み係数wi )を
出力層ニューロンの出力がエッジドロップ量実績値と一
致するように調節することである。ネットワークの学習
を行う際、上記7つの入力データについて当該圧延機で
行われる全ての圧延条件を網羅する実績データを用意す
ることにより、ネットワークはあらゆる圧延条件に対し
て正確にエッジドロップ量を出力するようになる。
【0026】また、図4に示すニューラルネットワーク
の層数、及び中間層ニューロンの個数は、色々な条件で
ネットワークの学習を行い、ネットワークによるエッジ
ドロップ量の推定誤差が最も小さくなるように、試行錯
誤的に決定したものである。尚、学習アルゴリズムとし
ては公知のバックプロパゲーション法を用いている。ス
テップ102では、101で求めたエッジドロップの推
定値に基づいて、制御目標として用いるボディクラウン
値を計算する。製造仕様で与えられる目標板クラウンC
A (mm)は、図2における板中心部1の板厚hCと板ク
ラウン管理点3における板厚hCRの差、即ち次式の値で
ある。
【0027】 CA =hC −hCR ・・・(8) 尚、板クラウン管理点3の位置は製造仕様によって予め
決められた値であり、通常板側端から25mm程度板中
央側へ入り込んだ点で定義される。
【0028】ボディクラウンの目標値CB(mm)は、
製造仕様で与えられる目標板クラウンCAと、ステップ
101で求めたエッジドロップ量ED(mm)により次
式で計算される。
【0029】 CB =CA −ED ・・・(9) ステップ103では、102で求めたボディクラウンC
B を実現する各スタンドのロールベンディング装置の設
定値を計算する。計算方法については、前述した従来方
法が板クラウン制御対象をボディクラウンに変更した場
合でもそのまま適用できる。即ち、基本式(1)〜(3)に現
れる各スタンドの入出側クラウンCFlat,Cを全て
ボディクラウンに置き換えることによって、各スタンド
のボディクラウン及びメカニカル板クラウンのスケジュ
ールを求め、これを実現する各スタンドのロールベンデ
ィング力の設定値を計算する。
【0030】ステップ104では、103で求めたロー
ルベンディング力の設定値をロールベンディング制御装
置に対し出力する。
【0031】下記表1に、7つのスタンドから構成さ
れ、各圧延スタンドにクラウン制御装置としてワークロ
ールベンディング装置を装備した熱間連続仕上圧延機に
おいて、最終スタンド出側における目標板厚2.1m
m,目標板クラウン50μmの材料と、目標板厚3.5
mm,目標板クラウン70μmの材料と、目標板厚4.
9mm,目標板クラウン80μmの材料に対して、本発
明法と、エッジドロップを含めた目標板クラウンを制御
対象とした従来法とを、それぞれ実施した場合の、最終
スタンド出側実績板クラウン目標値との偏差の標準偏差
を示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1からわかるように、本発明法を用いる
ことにより、各種の材料に対して目標板クラウンを精度
よく実現することができるという優れた結果が得られ
た。また表1からわかるように本発明法では、特に薄物
に対して有効であるという結果が得られたが、これは、
薄物を圧延する場合は一般に圧延荷重が過大となること
によってエッジドロップが大きくなるため、このエッジ
ドロップの推定手段を有する本発明法の効果が顕著に現
れた結果である。
【0034】本実施例では、各圧延スタンドにクラウン
制御装置としてワークロールベンディング装置を装備し
た熱間仕上圧延機における板クラウン制御に本発明を適
用した場合について述べたが、クラウン制御装置として
ワークロールシフト装置、ペアクロス装置あるいはその
他の装置を有する熱間仕上圧延機又は冷間圧延機にも同
様に適用できる。また、本実施例では、ニューラルネッ
トワークの入力データとしてカーボン当量Ceq,仕上
最終スタンド出側目標板厚H,仕上最終スタンド出側目
標板幅W,単位板幅当たり予測圧延荷重の仕上後段(5
〜7スタンド)の平均値p5-7 ,仕上出側目標温度FT
7,ワークロール組替え後からの累積圧延本数RN,当
該板幅の連続圧延本数RNW、の7つのデータを用いた
場合について述べたが、入力データの個数及び種類につ
いては圧延機の仕様および圧延条件によって異なるもの
であり、発明の本質を左右しない。
【0035】
【効果】本発明では多段スタンドを有する連続圧延設備
における板材のクラウン制御において、板材のクラウン
制御装置の設定値を求める際、クラウン制御装置で制御
不可能なエッジドロップと、エッジドロップを除いた、
クラウン制御装置で制御可能なボディクラウンに分離
し、エッジドロップの発生量を、材料のカーボン当量,
板厚,板幅,予測圧延荷重,仕上出側温度等のエッジド
ロップに対する影響因子を用いてニューラルネットワー
クにより推定し、ボディクラウンを制御対象として圧延
機に装備されているクラウン制御装置の設定値を求める
ようにしたので、板クラウン管理範囲全域における板ク
ラウン制御を高精度に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における、板クラウン制御
装置の設定値を決定する処理を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図2】 板材の板幅方向断面の板中心から片側半分を
示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施例が適用された熱間仕上圧延
機の構成概要を示すブロック図である。
【図4】 本発明の一実施例で推定エッジドロップ量E
Dを算出するニューラルネットワークの構成を示すブロ
ック図である。
【図5】 図4に示すニューラルネットワークの1つの
ニューロンの構成を示すブロック図である。
【図6】 図4に示すニューラルネットワークの1つの
ニューロンの持つ入出力関数の一例を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1:板中心点 2:エッジドロップ開
始点 3:板クラウン管理点 4:板側端 5:バックアップロール 6:ワークロールベン
ディング装置 7:ワークロール 8:演算器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】 Ci =(1−ηi )・MCi +ηi・(1−ri )・CFlat i-1 ・・・(1) Δεi =ξi{(Ci /hi )−(CFlat i-1 /hi-1 } ・・・(2) CFlat i-1 =Ci-1 −hi-1 ・Δεi-1 ・・・(3) (1)式はiスタンド入側の板クラウンCFlat i-1 とiス
タンド出側の板クラウンCi の関係式であり、ηi
(−)は入側クラウン比率が出側クラウン比率に遺伝す
る割合を意味するクラウン比率遺伝係数、ri (−)は
圧下率である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】(1)式においてMCi(mm)は、板材とワ
ークロール間の荷重分布が板幅方向に均一である場合に
実現される板クラウンであり、メカニカル板クラウンと
称され、圧延荷重,接触弧長,板幅等を用いて圧延機の
みの変形解析によって計算される。(2)式は入出側のク
ラウン比率と板形状Δεi との関係式であり、ξi
(−)は入出側のクラウン比率の変化が出側形状の変化
に及ぼす影響を意味する形状変化係数、hi(mm)は
出側板厚である。(3)式はi−1スタンド出側クラウン
i-1 とiスタンド入側クラウンCFlat i-1 との関係
式である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本方法では、上記(1),(2)及び(3)式を基
本式として、原板のクラウンから最終スタンド出側目標
板クラウンを造りこむ各スタンドの板クラウンの最適な
スケジュールを、各スタンドのクラウン制御装置の能力
限界及び各スタンド間における形状限界を考慮し、これ
らの限界範囲内で実現可能なものを求める。最終的には
各スタンドで必要とされるメカニカル板クラウンMCi
を求めることに帰着され、このメカニカル板クラウンM
i は下式のようにクラウン制御装置の制御量の関数と
なる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 MCi =CPi ・Pi +CFi ・Fi +COi ・・・(4) (4)式はクラウン制御装置としてロールベンディング装
置を用いる場合のメカニカル板クラウンMCi の計算式
であり、Pi (ton)は圧延荷重、Fi (ton)はロールベ
ンディング力である。CPi (ton/mm),CFi (ton/m
m),COi (mm)は板幅や圧延機の機械的仕様のみによ
って決まる係数であり、各スタンドで必要とされるメカ
ニカル板クラウンMCi が求まれば、(4)式によりロー
ルベンディング装置の設定値が容易に計算される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段スタンドを有する連続圧延設備にお
    ける板材のクラウン制御において、各圧延機に設けられ
    たクラウン制御装置の設定値を求める際、材料の板クラ
    ウンを、巾方向へのメタルフローにより急激に板厚が減
    少する板側端部分のクラウンすなわちエッジドロップ
    と、巾方向へのメタルフローが無視できる板中央部のク
    ラウンすなわちボディクラウンの2つに板クラウンを分
    割し、エッジドロップについては、その発生量を、板材
    のカーボン当量,板厚,板幅,予測圧延荷重,仕上出側
    温度等のエッジドロップ発生影響因子を用いてニューラ
    ルネットワークにより推定し、この推定したエッジドロ
    ップ量を目標板クラウンから差し引いたボディクラウン
    の制御目標値を新たに算出し、このボディクラウンの制
    御目標値に従って各圧延機に装備されているクラウン制
    御装置の設定値を求めることを特徴とする、連続圧延に
    おける板クラウン制御方法。
JP5064351A 1993-03-23 1993-03-23 連続圧延における板クラウン制御方法 Withdrawn JPH06269823A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5064351A JPH06269823A (ja) 1993-03-23 1993-03-23 連続圧延における板クラウン制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5064351A JPH06269823A (ja) 1993-03-23 1993-03-23 連続圧延における板クラウン制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06269823A true JPH06269823A (ja) 1994-09-27

Family

ID=13255745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5064351A Withdrawn JPH06269823A (ja) 1993-03-23 1993-03-23 連続圧延における板クラウン制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06269823A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108637020A (zh) * 2018-05-09 2018-10-12 北京科技大学 一种自适应变异pso-bp神经网络带钢凸度预测方法
CN113474098A (zh) * 2019-02-21 2021-10-01 杰富意钢铁株式会社 轧制载荷预测方法、轧制载荷预测装置及轧制控制方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108637020A (zh) * 2018-05-09 2018-10-12 北京科技大学 一种自适应变异pso-bp神经网络带钢凸度预测方法
CN113474098A (zh) * 2019-02-21 2021-10-01 杰富意钢铁株式会社 轧制载荷预测方法、轧制载荷预测装置及轧制控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lee et al. Application of neural-network for improving accuracy of roll-force model in hot-rolling mill
WO2020171096A1 (ja) 圧延荷重予測方法、圧延荷重予測装置、及び圧延制御方法
JPH0824925A (ja) 金属帯の圧延方法
CN107442575A (zh) 一种带钢湿平整表面粗糙度的预测方法
CN117655118B (zh) 多模融合的带钢板形控制方法和装置
KR20190078334A (ko) 연속 압연 패스 스케쥴 설정 장치
Zhu et al. A fuzzy algorithm for flatness control in hot strip mill
JPH06269823A (ja) 連続圧延における板クラウン制御方法
JP2968332B2 (ja) 連続圧延機におけるクラウンの制御方法
JP4696775B2 (ja) 板幅制御方法および装置
JP2003305511A (ja) 冷間圧延における板形状制御方法
CN100512988C (zh) 轧制控制方法和轧制控制装置
CN113695404A (zh) 一种带钢热连轧宽度控制方法
JP7480764B2 (ja) 鋼板の圧延荷重予測方法、連続式圧延機の制御方法、及び鋼板の製造方法
JP2021109185A (ja) 圧延装置の制御方法、圧延装置の制御装置、および鋼板の製造方法
JP5862247B2 (ja) 金属帯の圧延方法
JP4102267B2 (ja) 冷間タンデム圧延における板幅制御方法
CN115221683A (zh) 一种热连轧动态耦合辊型的在线计算方法
JP7156318B2 (ja) 圧延装置の制御方法、圧延装置の制御装置、および鋼板の製造方法
JP4086119B2 (ja) 酸洗前熱延鋼帯の冷間圧延における形状制御方法
JP6699628B2 (ja) 金属帯の圧延方法および冷却設備の制御装置
JPS626713A (ja) 熱間圧延機の圧延材出側温度制御方法
JP4164306B2 (ja) 冷間圧延におけるエッジドロップ制御方法
KR100887192B1 (ko) 후판 압연에서의 판 두께 제어방법
Bozhkov et al. Controlling the surface roughness of cold-rolled strip. part 3

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000530