JPH06269780A - イオン水生成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸性イオン水生成室内の圧力とアルカリイオ
ン水生成室内の圧力を常にバランス良く保ち、隔膜を浸
透しての酸性イオン水とアルカリイオン水との混合を防
止して、効率のよい所定の電解処理ができるイオン水生
成装置を提供すること。 【構成】 酸性イオン水生成室１６内の水圧とアルカリ
イオン水生成室１７内の水圧が違っている場合には、各
イオン水生成室１６，１７内の水圧差に応じて、流量調
整弁１５がどちらかのイオン水生成室側へ移動し、酸性
イオン水生成室１６から吐出される酸性イオン水の量
と、アルカリイオン水生成室１７から吐出されるアルカ
リイオン水の量を各々変化させて、両イオン水生成室内
の水圧が均等になるように調整される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水道等の水源から供給
された用水を電解槽内に導入して電解処理することによ
りアルカリイオン水及び酸性イオン水を得るイオン水生
成装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のイオン水生成装置として
は図４に示すものが存在する。このイオン水生成装置５
０の内部には、圧力センサー５１、温度センサー５２、
内部に活性炭や中空糸膜を有する浄化フィルター５３、
カルシウム添加槽５４、電解槽５５、電解槽５５に電流
を供給する駆動回路５６、電源回路５７及び制御回路５
８が設けられ、また、イオン水生成装置５０の外面に
は、電源スイッチ４０及び操作パネル５９が設置されて
いる。圧力センサー５１、温度センサー５２、浄化フィ
ルター５３、カルシウム添加槽５４及び電解槽５５の間
には、図４に示されるようにそれぞれ給水ホース６０、
ホース６１、ホース６２、ホース６３、アルカリ水吐出
ホース６４及び酸性水吐出ホース６５が接続されてい
る。

【０００３】水道等の水源から給水ホース６０を介して
供給された用水は圧力センサー５１及び温度センサー５
２を通過した後、浄化フィルター５３によって用水に含
まれる塵や塩素が除去される。浄化された用水はホース
６２を経てカルシウム添加槽５４に入り、内部に投入さ
れているグリセロリン酸カルシウムを溶解させる構成と
なっている。

【０００４】電解槽５５の内部には、図５に示すよう
に、陰極６６及び陽極６７の各電極と、生成したアルカ
リ，酸性各イオン水の混合を防止するための隔膜６８と
が設けられている。陰極６６及び陽極６７には駆動回路
５６からそれぞれマイナス、プラスの電圧が印加され、
隔膜６８を介して陰極６６側にはアルカリイオン水が、
陽極６７側には酸性イオン水がそれぞれ生成される。

【０００５】イオン水生成装置本体には、図６に示すよ
うに、前記種々のユニットを内蔵したハウジング６９に
電源スイッチ４０を備えた操作パネル５９が設けられて
いる。また、ハウジング６９の側面からは、内部の電源
回路５７に接続される電源コード７０及び電源プラグ７
１が、底面からは給水ホース６０、アルカリ水吐出ホー
ス６４及び酸性水吐出ホース６５がそれぞれ出ている。

【０００６】次に、従来のイオン水生成装置５０の動作
を説明する。

【０００７】使用者が本イオン水生成装置５０の電源ス
イッチ４０を投入し用水を通水すると、イオン水生成装
置５０の内部の圧力センサー５１が通水されたことを検
知し、また、温度センサー５２が供給された用水の温度
を検知し、それぞれの信号を制御回路５８に伝える。制
御回路５８は、通水されたこと及びその用水の水温に基
づいて、温水警告をリセットした後、電解処理を開始す
る。操作パネル５９のスイッチを使って予め使用者が設
定した電解強度に従った電流を電解槽５５に供給するよ
うに駆動回路５６を制御する。浄化フィルター５３を通
過した用水にはカルシウム添加槽５４でグリセロリン酸
カルシウムが添加され、さらに電解槽５５で電解処理さ
れてアルカリイオン水及び酸性イオン水が生成される。
生成されたアルカリイオン水及び酸性イオン水はそれぞ
れアルカリ水吐出ホース６４、酸性水吐出ホース６５か
ら吐出される。

【０００８】供給された用水の水温が設定温度より高い
場合には、浄化フィルター５３内の活性炭の吸着物質の
溶出、あるいは高温に弱い中空糸膜の破壊や劣化が起こ
るため、電解処理は行わず、操作パネル５９に温水警告
表示を出し、使用者に警告を与える。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ようなイオン水生成装置では、前記隔膜６８を隔てて酸
性イオン水生成室側とアルカリイオン水生成室側とに分
かれているが、各イオン水生成室内の圧力が違うと、圧
力の高いイオン水生成室側のイオン水が前記隔膜６８を
浸透して圧力の低いイオン水生成室側へと流れ込み混入
するといった問題があった。

【００１０】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、酸性イオン水生成室内の圧力と
アルカリイオン水生成室内の圧力とを、常にバランス良
く保ち、隔膜を浸透しての酸性イオン水とアルカリイオ
ン水との混合を防止して、効率のよい所定の電解処理が
可能なイオン水生成装置を提供することを目的としてい
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のイオン水生成装置は、隔膜を隔てて酸性イ
オン水生成室及びアルカリイオン水生成室を形成した電
解槽内に水道等の水源から用水を供給して電解処理する
ことによりアルカリイオン水及び酸性イオン水を得るイ
オン水生成装置において、前記酸性イオン水が生成され
る前記酸性イオン水生成室内の圧力と、前記アルカリイ
オン水が生成される前記アルカリイオン水生成室内の圧
力とが略等しくなるように調整するための圧力調整手段
を備えたことを特徴とするものである。

【００１２】

【作用】上記の構成を有する本発明のイオン水生成装置
によれば、前記圧力調整手段は酸性イオン水が生成され
る酸性イオン水生成室内の圧力とアルカリイオン水が生
成されるアルカリイオン水生成室内の圧力とを略等しく
なるように調整する。従って、前記酸性イオン水及びア
ルカリイオン水が前記隔膜を浸透して混合するようなこ
とがない。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。

【００１４】図１は本実施例のイオン水生成装置の電解
槽１０の構成を示す概略図であり、図２及び図３は流量
調整弁付近の部分拡大図である。図４および図５に示し
た従来のイオン水生成装置５０と同一の部分については
同一の名称及び同一の符号を引用し、その詳細な説明は
省略する。

【００１５】図１に示すように、本実施例のイオン水生
成装置の電解槽１０には、通常プラスの直流電圧を印加
する陽極１１と、マイナスの直流電圧を印加する陰極１
２とが対向配置される。前記両電極１１，１２の間の電
解槽内の略中央には、イオン交換用の隔膜１３と、用水
の流れ方向と略直交する方向の回転軸１４を中心として
回動可能な流量調整弁１５とが設けられる。その流量調
整弁１５は圧力調整弁を構成するものである。前記隔膜
１３及び流量調整弁１５によって仕切られることによ
り、図１の左側に酸性イオン水生成室１６が、右側にア
ルカリイオン水生成室１７がそれぞれ形成される。

【００１６】なお、図１乃至図３によれば、前記流量調
整弁１５と、前記電解槽１０の内面及び前記隔膜１３の
保持部材１３Ａとの間に僅かな隙間が見受けられるが、
これはその流量調整弁１５等の形状を正確に表現するた
めに便宜上図示したものであり、実際には前記流量調整
弁１５の回動が支障なく行われることが考慮された上で
前記隙間はほとんどないものである。従って、前記酸性
イオン生成室１６とアルカリイオン水生成室１７とは略
密閉状態に仕切られている。

【００１７】前記流量調整弁１５が回転軸１４を中心に
して左右に回動する事により、酸性水吐出口１８または
アルカリ水吐出口１９の開口部の面積を変化させる事が
できる。

【００１８】水道等の水源から供給された用水はホース
６３を通って給水口２０、２１から電解槽１０内に導入
され、電解槽１０内で電解処理されて、酸性イオン水生
成室１６で生成された酸性イオン水は酸性水吐出口１８
を通って酸性水吐出ホース６５から吐出され、アルカリ
イオン水生成室１７で生成されたアルカリイオン水はア
ルカリ水吐出口１９を通ってアルカリ水吐水ホース６４
から吐出される。

【００１９】前記陽極１１には駆動回路５６によりプラ
スの電圧が印加され、陰極１２には駆動回路５６により
マイナスの電圧が印加される。

【００２０】次に本実施例の動作について説明する。

【００２１】使用者が本イオン水生成装置の電源スイッ
チ４０を投入し用水を通水すると、イオン水生成装置内
部の圧力センサー５１が通水されたことを検知し、ま
た、温度センサー５２が供給された用水の温度を検知
し、それぞれの信号を制御回路５８に伝える。制御回路
５８は通水されたこと及びその用水の水温に基づいて、
温水警告をリセットした後、操作パネル５９のスイッチ
を使って予め使用者が設定した電解強度に従った電流
を、電解槽１０に供給するように駆動回路５６に信号を
伝える。

【００２２】浄化フィルター５３によって塵や塩素が除
去された用水は、カルシウム添加槽５４でグリセロリン
酸カルシウムが添加され、ホース６３から電解槽１０へ
送られる。

【００２３】用水をホース６３から電解槽１０の給水口
２０、２１を通って酸性イオン水生成室１６及びアルカ
リイオン水生成室１７に導入すると、陽極１１及び陰極
１２による電気分解作用によって、隔膜１３を通して陰
イオンが酸性イオン水生成室１６側へ、陽イオンがアル
カリイオン水生成室１７側へ移動するイオン交換が行な
われる。そして、酸性イオン水生成室１６には酸性イオ
ン水が生成され、アルカリイオン水生成室１７にはアル
カリイオン水が生成される。

【００２４】ここで、酸性イオン水生成室１６内の水圧
よりもアルカリイオン水生成室１７内の水圧の方が大き
いと、流量調整弁１５は各々のイオン水生成室内の圧力
差によって、図２に示すように、回転軸１４を中心にし
て酸性イオン水生成室１６側へ回動する。すると、流量
調整弁１５により酸性水吐出口１８の開口部面積が小さ
くなり、逆にアルカリ水吐出口１９の開口部面積が大き
くなる。そのため、酸性水吐出口１８から酸性水吐出ホ
ース６５へ吐出される水量が少なくなり、酸性イオン水
生成室１６内の水圧は上がり、また、アルカリ水吐出口
１９からアルカリ水吐出ホース６４へ吐出される水量は
増加して、アルカリイオン水生成室１７内の水圧は下が
る。そして、酸性イオン水生成室１６内の水圧とアルカ
リイオン水生成室１７内の水圧とはほぼ等しくなる。

【００２５】一方、アルカリイオン水生成室１７内の水
圧よりも酸性イオン水生成室１６内の水圧の方が大きい
と、流量調整弁１５は各々のイオン水生成室内の圧力差
によって、図３に示すように、回転軸１４を中心にして
アルカリイオン水生成室１７側へ回動する。すると、流
量調整弁１５によりアルカリ水吐出口１９の開口部面積
が小さくなり、逆に酸性水吐水口１８の開口部面積が大
きくなる。そのため、アルカリ水吐出口１９からアルカ
リ水吐出ホース６４へ吐出される水量が少なくなり、ア
ルカリイオン水生成室１７内の水圧は上がり、また、酸
性水吐出口１８から酸性水吐出ホース６５へ吐出される
水量は増加して、酸性イオン水生成室１６内の水圧は下
がる。そして、酸性イオン水生成室１６内の水圧とアル
カリイオン水生成室１７内の水圧とは、略等しくなる。

【００２６】このように、酸性イオン水生成室１６内の
水圧とアルカリイオン水生成室１７内の水圧とが違って
いる場合には、各イオン水生成室内の水圧差に応じて、
流量調整弁１５がどちらかのイオン水生成室側へ移動
し、酸性イオン水生成室１６から吐出される酸性イオン
水の量と、アルカリイオン水生成室１７から吐出される
アルカリイオン水の量を各々変化させて、両イオン水生
成室内の水圧が均等になるように調整される。そのた
め、酸性イオン水生成室１６内の水圧とアルカリイオン
水生成室１７内の水圧とは、常にバランスが保たれ、隔
膜１３を浸透しての酸性イオン水とアルカリイオン水と
の混入が防止でき、効率のよい所定の電解処理が可能と
なる。

【００２７】電解槽１０内で電解処理されて、酸性イオ
ン水生成室１６に生成された酸性イオン水は、酸性水吐
出口１８を通って酸性水吐出ホース６５から吐出され
る。また、アルカリイオン水生成室１７に生成されたア
ルカリイオン水は、アルカリ水吐出口１９を通ってアル
カリ水吐出ホース６４から吐出される。

【００２８】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ことなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変
更を加えることができる。

【００２９】例えば、本実施例では流量調整弁１５を電
解槽１０の吐出側に設け、電解槽１０から吐出される流
量を変化させることにより、酸性イオン水生成室１６内
の圧力とアルカリイオン水生成室１７内の圧力とを調整
しているが、流量調整弁１５を電解槽１０の給水口２
０、２１側に設け、電解槽１０へ導入される流量を変化
させることにより、酸性イオン水生成室１６内の圧力と
アルカリイオン水生成室１７内の圧力とを均等に調整す
るようにしてもよい。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のイオン水生成装置によれば、酸性イオン水生成室
内の圧力とアルカリイオン水生成室内の圧力とを、常に
バランス良く保ち、隔膜を浸透しての酸性イオン水とア
ルカリイオン水との混合を防止して、効率のよい所定の
電解処理が可能なイオン水生成装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のイオン水生成装置の電解槽の構成を
示す概略断面図である。

【図２】本実施例のイオン水生成装置の流量調整弁付近
の部分拡大断面図である。

【図３】本実施例のイオン水生成装置の流量調整弁付近
の部分拡大断面図である。

【図４】従来のイオン水生成装置の構成を示すブロック
図である。

【図５】従来のイオン水生成装置の電解槽の構成を示す
概略断面図である。

【図６】従来のイオン水生成装置の外観を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１０ 電解槽 １１ 陽極 １２ 陰極 １３ 隔膜 １５ 流量調整弁（圧力調整手段） １６ 酸性イオン水生成室 １７ アルカリイオン水生成室

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 隔膜を隔てて酸性イオン水生成室及びア
   ルカリイオン水生成室を形成した電解槽内に水道等の水
   源から用水を供給して電解処理することによりアルカリ
   イオン水及び酸性イオン水を得るイオン水生成装置にお
   いて、 前記酸性イオン水が生成される前記酸性イオン水生成室
   内の圧力と、前記アルカリイオン水が生成される前記ア
   ルカリイオン水生成室内の圧力とが略等しくなるように
   調整するための圧力調整手段を備えたことを特徴とする
   イオン水生成装置。