JPH0626908Y2 - レジローラの回転ムラ防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は複写機等の装置におけるレジローラの回転のコ
ントロールを行う装置に関し、特に、レジローラに回転
ムラが発生することを防止して、用紙の先端位置決めを
正確に行いながら、画像転写部に向けて用紙を送り出す
ことができるようにする装置に関する。

（従来の技術） 複写機等の装置においては、プラテンに載置した原稿の
画像を画像読取り装置によって走査し、その原稿の反射
光を感光体ドラムに照射して静電潜像を形成し、その静
電潜像に対して現像装置からトナーを供給し、トナー画
像を形成する。そして、給紙カセット等に収容された用
紙を用紙搬送装置によって画像転写部に向けて送り出
し、感光体ドラムの画像転写部で、転写コロトロン等の
放電によって、感光体ドラムから用紙に転写する。その
後で、未定着トナー画像を担持した用紙を定着装置に送
り込み、前記定着装置において加熱と加圧等の作用を加
えてトナーを溶融して用紙に定着する動作を行い、コピ
ーとして完成して排出トレイに排出する。

上記したような一般の複写機において、感光体ドラムに
形成したトナー画像を用紙に転写する際に、前記感光体
ドラムに形成されるトナー画像に対して、用紙の先端部
の位置決めを行い、その感光体ドラムのトナー画像担持
部分に対応させて、用紙の先端部が一致するように、前
記用紙のタイミングを設定することが要求される。

そのために、一般の複写機等の装置に設ける用紙搬送装
置においては、第４図に示されるように、感光体ドラム
１の画像転写部の手前の部分にレジローラ装置１０を設
け、前記レジローラ装置によって用紙Ｐを一旦停止させ
てから、感光体ドラム１の回転に対応させて、用紙の送
り出しの作用を行うような方式が用いられている。

すなわち、第４図に示されるような用紙搬送装置におい
て、用紙は、図示を省略した給紙装置から、給紙ローラ
等の装置によって搬送され、搬送ローラ装置７により上
下のガイド板３、４の間を搬送されて、レジローラ装置
１０に到達するが、前記レジローラ装置が停止状態にあ
ることより、その用紙の先端部がローラ間に入る状態で
停止される。

しかし、前記レジローラ装置の手前の部分に配置されて
いる搬送ローラ装置７は、用紙搬送路の所定の位置に設
けられた用紙センサーによって用紙が検知された後で、
所定の時間だけ駆動される。そして、用紙の先端部をレ
ジローラ装置のローラ間に突入させた状態で、追加送り
の作用を行うことによって、用紙が図示されるようにル
ープを形成し、用紙に形成したループの反力により用紙
の先端部がローラ間に均一に突入する状態で停止される
ものとなる。したがって、上記したように、用紙に形成
されたループによって、レジローラ装置が駆動を開始し
た際に、用紙の先端部がローラの軸線に平行になる状態
で用紙の先端部をニップし、レジローラ装置による送り
出しの作用が行われ得るようにされる。

（考案が解決しようとする問題点） 上記したような一般の複写機は、通常コピー用紙と呼ば
れる比較的薄い用紙を対象として、用紙搬送装置を構成
する各ローラ装置が設定されているものであるから、通
常の用紙に対して複写を行う場合には、上記したような
機構によって、十分に用紙の先端レジストレーションの
作用が行われるものとなる。

ところが、用紙としてハガキ等のような厚くて腰の強い
ものを用いる場合には、レジローラ装置により一旦停止
された用紙が、搬送ローラ装置によって尚も送り込まれ
ることによりループを形成する。しかし、前記用紙のル
ープ部分の前後の位置に対してレジローラ装置と、搬送
ローラ装置を駆動することによって、感光体ドラムの画
像転写部分に送り込む際に、用紙の送りの速度が一定し
ないという問題が発生する。

前述したような問題は、第２図および第３図に示される
ように、レジローラ装置の搬送ローラ装置との２つの搬
送装置によって、用紙に対する送りの動作が行なわれて
いる間と、用紙の後端部が上流部の搬送ローラ装置によ
る送り作用を受ける部分から抜け出して、レジローラの
みにより搬送される状態に移行する間に発生する。第２
図に示される例において、レジローラ装置１０の駆動軸
に設けるローラギヤ１４に対して、図示を省略した駆動
装置の駆動ギヤ１５が噛み合い、ローラ軸に対する駆動
力の伝達作用が行われる。前記レジローラ装置に対する
駆動を行う状態では、駆動ギヤ１５の歯１５ａが、ロー
ラギヤ１４の歯１４ａを押圧する状態で係合し、レジロ
ーラに対する駆動を行う。

これに対して、用紙がレジローラ装置と、上流部に配置
する搬送ローラ装置の双方にニップされる状態で搬送さ
れている状態では、用紙に形成されるループの反力がレ
ジローラ装置のローラを回転させる方向に付勢する状態
となる。したがって、用紙の前後に配置されるローラ装
置を同じ速度で駆動すると、第３図に示されるように、
用紙によりローラギヤ１４を回転させる作用が発生し、
前記ギヤ１４の歯１４ａは、駆動ギヤ１５の歯１５ａを
押す状態で回転されるような状態となる。

そこで、ハガキのような硬い紙や、腰の強い用紙を用い
て複写する場合には、用紙の先端部をレジローラ装置に
突入させて整合作用を付与した後で、用紙を画像転写部
に向けて送り出す際に、レジローラ装置では、第３図に
示される状態で、用紙に対する搬送作用が行われる。そ
して、用紙の後端部が搬送ローラ装置を抜けた位置で、
第２図に示される状態で、レジローラ装置による搬送作
用が行われる。したがって、前記第２図から第３図に示
されるような駆動状態に移行する間に、歯の噛み合いの
間隔に相当する時間分だけ、用紙の送りが停止すること
になる。それによって、感光体ドラムから用紙に転写さ
れるトナー画像にズレが発生し、画像の一部が損傷され
る等の問題が発生する。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられている装置
の欠点を解消するもので、レジローラ装置のローラ軸に
対して一定の負荷をかけておくことにより、厚紙のルー
プの反力によりレジローラ装置が駆動ギヤよりも先に回
転されることを防止出来るようにして、用紙の送り作用
の途中で用紙が停止することを防止する装置を提供する
ことを目的としている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案は、複写機等の給紙装置と感光体の画像転写位置
の間に配置され、用紙の先端部の位置決めと搬送とを行
うレジローラ装置を、駆動手段に接続するレジローラ
と、前記レジローラに押圧されるピンチローラにより構
成し、前記レジローラの軸に設けたギヤに対して、駆動
装置の駆動ギヤを噛み合わせて駆動の伝達を行う装置に
関する。本考案においては、前記レジローラ装置の駆動
軸に対して、軸負荷コントロール手段を設け、前記軸負
荷コントロール手段を、前記レジローラ装置の駆動軸に
対してブレーキ作用を付与する装置として構成してい
る。

前述したように、レジローラ装置のローラ軸に対して、
ブレーキ作用を付与する軸負荷コントロール手段を設け
たことにより、厚紙に複写を行う場合でも、前記厚紙に
形成されたループの反力によって、レジローラ装置が押
されて回転することを防止出来るものとなり、用紙の送
りの途中で、その用紙が一時停止する状態の発生を防止
出来るものとなる。そして、本考案の用紙搬送装置で
は、駆動モータによるレジローラ装置の搬送速度にした
がって、用紙の送りの作用を行い得るものとなるので、
用紙が感光体ドラムの回転速度に一致して送られ、転写
される画像にズレ等が発生することをなくすことが出来
るものとなる。

（実施例） 図示された例に従って、本考案のレジローラの回転ムラ
防止装置の構成を説明する。第１図に示されるように、
本考案のレジローラ装置１０は、ローラ軸１２に設けら
れる複数個のレジローラ１１……と、前記レジローラ１
１に対応して配置されるピンチローラ１７とから構成さ
れている。これ等のピンチローラ１７はローラ軸１８に
支持された状態で、前記ローラ装置の自重、または、押
圧手段を介して所定の圧力でレジローラに対して押圧さ
れるものとなり、両ローラ間の用紙に対するニップ圧力
を設定出来るようにされている。

本考案のレジローラ装置において、レジローラ１１の駆
動軸としてのローラ軸１２は、複写機本体のフレーム１
９に軸受（図示を省略）を介して支持されるが、前記ロ
ーラ軸１２の端部にギヤ１４を設け、前記ギヤ１４が駆
動装置の駆動ギヤ１５に噛合うことによって、駆動ギヤ
１５を介して駆動が行われ、レジローラを一定の速度で
回転させる。

さらに、本考案のローラ軸１２には、図示されるように
トルクリミッター１３を設けている。このトルクリミッ
ター１３としては、従来より用いられているトルクリミ
ッターを用いることが出来るものであり、前記トルクリ
ミッターによって、ローラ軸１２に対して一定の値のブ
レーキ力を作用させることが出来る。前記トルクリミッ
ター１３による負荷の値は、モータによって与えられる
ローラの駆動力よりは小さく、厚紙等に形成したループ
の反力により加えられるローラの回転力よりは大きい値
として設定される。そして、そのように構成することに
よって、レジローラ装置には、厚紙によって加えられる
回転力に打ち勝って、駆動機構により加えられる搬送力
にしたがって、用紙の搬送を行い得るものとなる。

また、本考案のレジローラの回転ムラ防止装置におい
て、ローラ軸に設けられるトルクリミッターとしては、
その負荷の値を変化させ得るような装置を用いることが
可能である。そして、複写が行われる用紙の種類等によ
って、前記トルクリミッターのブレーキ力を変化させ、
ローラの駆動側にかかる負荷を、厚紙以外の用紙に対し
ても任意に設定出来るようにすることによって、どのよ
うな種類の用紙に対しても、その用紙に対応したブレー
キ力を発生させることが出来る。

本考案に用いられ得るトルクリミッターとしては、例え
ば、クラッチ板の摩擦による方式、軸にスプリングを巻
き付けた方式のもの、オイルの粘性を利用する方式のも
の、または、磁力によるもの等の任意の形式のブレーキ
力の発生装置を用いることが可能である。そして、上記
したようにブレーキ力を調整出来るように構成して、ト
ルクリミッターを設けたレジローラ装置においては、例
えば、第４図に示されるように用紙搬送路を構成するこ
とができる。

前記第４図に示すように用紙搬送路を構成する場合にお
いて、搬送ローラ装置７の排出部分に対して用紙厚さ検
知センサー５を配置して、前記用紙厚さ検知センサー５
によって用紙の厚さを検知させ、その情報を複写機本体
の制御装置に入力して、前記制御装置からの出力によっ
てトルクリミッターのブレーキ力の調整を行うことが出
来るようになる。

したがって、上記したようにトルクリミッターの制御装
置を構成する場合には、複写機で使用される用紙の性質
に対応させて、その用紙に最も適したブレーキ力をトル
クリミッターに作用させることが出来る。そして、搬送
ローラ装置によって用紙に加えられる押圧力に十分対抗
させて、レジローラ装置による搬送作用を行うことが出
来、用紙に転写される画像にズレ等が生じることを防止
出来るものとなる。

また、本考案の上記したようなトルクリミッターを用い
ることによって、第３図に示されるようなギヤの噛み合
い状態が発生することはなくなり、ローラ軸のローラギ
ヤ１４と、駆動ギヤ１５との噛み合いは、第２図に示さ
れるような状態で、モータ等の駆動によってレジローラ
装置は一定の速度で回転が行われ、用紙を所定の速度で
搬送することが出来るものとなる。

さらに、本考案の上記したような構成を有する用紙搬送
装置は、複写機のみでなく、その他の用紙の搬送装置、
例えば、レーザプリンターや、印刷装置等の用紙の取扱
装置一般に適用が可能なものであり、それによって、厚
さの異なる用紙、または、腰の強さの違う用紙等に対し
て、搬送作用を安定した状態で行い得るものとなる。

（考案の効果） 本考案のレジローラの回転ムラ防止装置は、上記したよ
うな構成を有するものであるから、レジローラ装置の手
前部分で形成される用紙のループの反力によってレジロ
ーラが回転され、ギヤと軸、および、ギヤ間のバックラ
ッシュにより、ギヤの噛み合い状態が逆転することを防
止出来る。そして、上記したような用紙による逆転が発
生することを防止出来ることにより、用紙の搬送速度を
一定に維持出来るものとなり、複写機に適用した場合に
は、感光体ドラムから用紙にトナー画像を転写する際
に、画像のズレ等が発生することを防止出来、良好な状
態のコピーを得ることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のレジローラ装置の側面図、第２図はギ
ヤの正常な噛み合い状態の説明図、第３図はレジローラ
のギヤが用紙により押されて余分に回転した状態の説明
図であり、第４図は本考案が適用される用紙搬送装置の
構成を示す説明図である。 図中の符号 １……感光体ドラム、５……用紙厚さ検知センサー、７
……搬送ローラ装置、８……搬送ローラ、９……ピンチ
ローラ、１０……レジローラ装置、１１……レジロー
ラ、１２……ローラ軸、１３……トルクリミッター、１
４……ローラギヤ、１５……駆動ギヤ、１７……ピンチ
ローラ、１８……ローラ軸、１９……フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複写機等の給紙装置と感光体の画像転写位
   置の間に配置され、用紙の先端部の位置決めと搬送とを
   行うレジローラ装置を、駆動手段に接続するレジローラ
   と、前記レジローラに押圧されるピンチローラにより構
   成し、 前記レジローラの軸に設けたギヤに対して、駆動装置の
   駆動ギヤを噛み合わせて駆動の伝達を行う装置におい
   て、 前記レジローラ装置の駆動軸に対して、軸負荷コントロ
   ール手段を設け、 前記軸負荷コントロール手段を、前記レジローラ装置の
   駆動軸に対してブレーキ作用を付与する装置として構成
   することを特徴とするレジローラの回転ムラ防止装置。