JPH0626868Y2 - 飾リング体の回転構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、飾リング体の回転構造に関するものである。

〔従来の技術〕 飾リング体の回転構造の従来技術としては、実開昭６１
−２０２０８６号公報に開示されているものがある。こ
の構造は第２図に断面図に示す如く、胴１００には上方
側壁に突出部と上方中央に第１の段部１００ａと上方外
側に第２の段部１００ｂとがそれぞれ形成され、前記突
出部と係合する周状溝が内壁に形成された飾リング体１
１０は前記第１の段部１００ａに回転自在に取付けら
れ、前記飾リング体１１０の外側を保護する保護部材１
２０は前記第２の段部１００ｂの径方向に圧入固定され
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の飾リング体１１０の構造において
は、胴１００の上方に飾リング体１１０と該飾リング体
１１０の外側に保護部材１２０とが並んで配設されてい
るので、胴１００の径方向の厚みが厚くなり、胴１００
の小型化が図れない。

その上、現在では、飾リング体１１０を使用した腕時計
ケースにおいて、ファッション化時代にのったデザイン
バリエーションの拡大の必要性が高く望まれている。し
かし、従来構造では、デザインバリエーションの拡大を
図ると、構造が複雑になってしまう問題がある。例え
ば、飾リング体１１０で胴１００の外周部を覆い、胴１
００の上方から見て胴１００及び保護部材１２０の外周
部が見えなくなるようなデザインとした場合、保護部材
１２０を上下２体に分割し、この２体に分割した保護部
材をそれぞれ胴１００に固定しなければならず、特に、
上部に分割した保護部材を胴１００に固定するには、胴
１００の上面側に固定するスペースがないため、どの位
置にどのように固定するかが問題となり、固定する構造
が複雑になると考えられる。

また、飾リング体１１０の胴１００への係合（回転可能
に）及び抜け止め等は、胴１００に飾リング体１１０を
圧入し、飾リング体１１０の周状溝を胴１００の突出部
に係合させることでなされているが、突出部及び周状溝
の形状と位置精度等の加工精度の問題と、飾リング体１
１０を胴１００へ圧入する際の突出部及び周状溝の変形
等により、飾リング体１１０のスムーズで安定した回転
を得ることが難しかった。

本考案の目的は、上記問題点を解決し、簡単構造で且
つ、飾リング体の回転構造部の小型化及び胴の小型化と
デザインバリエーションの拡大とが計れる新規なる感覚
の飾リング体の回転構造を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の構成は、胴に取付けられた樹脂よりなる飾リン
グ体の回転構造に於て、前記胴の上方外側の段部に、上
面に表示部が形成された前記飾リング体を載置し、外飾
リング体の上方を覆うように、風防ガラスが取付けられ
且つ、上部外周のツバ部に抜き窓が形成されたベゼルを
前記胴に固定し、前記飾リング体は外側面が前記胴の外
側面より突出し、更に、前記表示部が前記抜き窓より表
示されると共に、前記飾リング体が前記胴の段部と前記
ベゼルのツバ部との間で回転自在取付けたものである。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図は、本考案の一実施例である飾リング体の回転構
造を示す要部断面図である。

胴１、ベゼル７は、金属により形成されている また、飾パイプ４、飾リング体５は、合成樹脂もしくは
ゴムにより形成されている。胴１の外壁３に挿着された
飾パイプ４は、胴１の下方外周に形成した段部２と飾リ
ング体５の間で挟持されている。

次に、胴１の上方外側の段部１ａに、上面に表示部５ａ
が形成された飾リング体５を載置する。尚、段部１ａの
垂直壁と飾リング体５の内周部の相対する位置にそれぞ
れ溝１ｂと５ｂが形成されており、該溝１ｂと５ｂにま
たがってＯリング１２又はバネが装着され、飾リング体
５が適度の摩擦トルクを持って回転可能となっている。

また、飾リング体５の外周下部に凸部６が形成されてお
り、飾リング体５の下面と胴１の段部１ａ及び飾パイプ
４の上面とのスキ間が見えない様になっている。更に、
胴１の上方内側に段部１ｃが形成されており、該段部１
ｃには防水用のＯリング１３が装着されている。

次に、飾リング体５の上方を覆うように、パッキンを介
して風防ガラス１１が取付け固定され且つ、上部外周の
ツバ部９に複数個の抜き窓８が形成されたベゼル７を胴
１に載置し、胴１の上方内側の段部１ｃの下面にカシメ
１０により固定されている。この結果、段部１ｃに装着
されたＯリング１３がベゼル７により圧縮され、胴１と
ベゼル７との合面の防水を保っている。

また、飾リング体５は胴１の段部１ａとベゼル７のツバ
部９との間で回転自在であると共に、飾リング体５の外
側面は胴１の外側面及び飾パイプ４の外側面より突出し
ている。

尚、飾パイプ４にアルマイト処理されたアルミニウムや
陽極酸化処理されたチタン等を使用することも可能であ
る。また、ベゼル７のツバ部９についても全周に設ける
のではなく数箇所設けても良いことは言う迄もない。ま
た、ベゼル７の固定を本実施例に於てカシメ１０で行な
ったが、溶接やパッキンによる固定でも可能である。

〔考案の効果〕

以上の説明で明らかなように、本考案によれば、飾リン
グ体が胴と該胴の上方に並べて配設されたベゼルとの間
で回転自在に取付けられている構造であるので、飾リン
グ体の回転構造が簡単となったと共に、飾リング体の回
転構造の径方向の小型化とそれによる胴の小型化も計れ
た。その上、ベゼルのツバ部が飾リング体の保護の役目
も果しており、外部からの衝撃により飾リング体の回転
性能等を劣化することも防いでいる また、ベゼルのツバ部形状の変化や、ツバ部の抜き窓の
数量の変化により、いろいろなデザイン変化を持たせる
ことができる。その上、飾リング体に形成された表示部
がベゼルの抜き窓より見える新しい感覚の表示もでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す飾リング体の回転構造
の要部断面図、第２図は従来例を示す飾リング体の回転
構造の要部断面図である。 １……胴、１ａ，１ｃ，２……段部、１ｂ，５ｂ……
溝、３……外壁、４……飾パイプ、５……飾リング体、
５ａ……表示部、６……凸部、７……ベゼル、８……抜
き窓、９……ツバ部、１０……カシメ、１１……風防ガ
ラス、１２，１３……Ｏリング。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 星 政美 東京都田無市本町６丁目１番12号 シチズ ン時計株式会社田無製造所内 (72)考案者 渡辺 義秋 山梨県富士吉田市下吉田1402 (72)考案者 滝口 淳一 山梨県南都留郡西桂町小沼2076 (72)考案者 中島 康一 東京都田無市本町６丁目１番12号 シチズ ン時計株式会社田無製造所内 審査官 山田 昭次

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴に取付けられた樹脂よりなる飾リング体
   の回転構造に於て、前記胴の上方外側の段部に、上面に
   表示部が形成された前記飾リング体を載置し、該飾リン
   グ体の上方を覆うように、風防ガラスが取付けられ且
   つ、上部外周のツバ部に抜き窓が形成されたベゼルを前
   記胴に固定し、前記飾リング体は外側面が前記胴の外側
   面より突出し、更に、前記表示部が前記抜き窓より表示
   されると共に、前記飾リング体が前記胴の段部と前記ベ
   ゼルのツバ部との間で回転自在に取付けられていること
   を特徴とする飾リング体の回転構造。