JPH06267353A - 発泡絶縁電線の製造方法 - Google Patents

発泡絶縁電線の製造方法

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JPH06267353A
JPH06267353A JP5614493A JP5614493A JPH06267353A JP H06267353 A JPH06267353 A JP H06267353A JP 5614493 A JP5614493 A JP 5614493A JP 5614493 A JP5614493 A JP 5614493A JP H06267353 A JPH06267353 A JP H06267353A
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JP
Japan
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insulating layer
conductor
foaming
insulated wire
crystallinity
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JP5614493A
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English (en)
Inventor
Akira Kabumoto
昭 株本
Masayasu Ito
正康 伊藤
Satoshi Ono
聡 小野
Naoki Yoshida
尚樹 吉田
Kiyoshi Nakayama
清 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導体と絶縁層との密着性が良好であり、かつ
絶縁層に均一に分散した微細気泡が高い気泡率で含ま
れ、機械特性が良好で誘電率が低い発泡絶縁電線を製造
できる方法を提供する 【構成】 導体の周囲に結晶性の熱可塑性樹脂発泡体か
らなる絶縁層を被覆した発泡絶縁電線を製造するにあた
り、導体の周囲に結晶化度が10%以下の絶縁層を被覆
する工程と、導体を加熱することにより導体に接する絶
縁層の結晶化度を30%以上にする工程と、得られた絶
縁層被覆電線に不活性ガスを含有させて加熱により発泡
させる工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータなどの高
速通信用電線、ケーブルなどに用いられる発泡絶縁電線
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータに代表される電子機
器の発展に伴い、これらの機器に使用される電線、ケー
ブルなどに関して、信号伝送速度の高速化または電線、
ケーブルの高密度化が要求されている。信号伝送速度の
高速化を達成するためには、電線、ケーブルの絶縁層と
して誘電率の小さい樹脂を用い、かつできるだけ誘電率
を下げるために気泡率を高くする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの要求を達成す
るために、例えば特開昭63−250027号公報に
は、臨界せん断速度を50sec-1に規定したフッ素樹
脂を発泡させながら、それを導体に被覆する方法が開示
されている。この方法では、被覆層の厚さが0.3mm
で、気泡率が65〜74%という良好な発泡電線が得ら
れている。
【0004】しかし、この方法は、発泡剤を含有させた
フッ素樹脂を押出機から常圧に押し出して発泡させる方
法を用いているため、最小の気泡径でも100μm程度
になってしまう。この方法を絶縁層の厚さが0.3mm
程度の極細線に適用すると、厚み方向に気泡が2〜3個
しか存在せず、かつ気泡分散が不均一になるため、非常
に変形しやすい。また、この方法では、樹脂が発泡する
際に発泡が3次元的に進行するため、導体と樹脂との間
に隙間が生じ、機械特性だけでなく、電気特性にまで悪
影響を及ぼす。さらに、この方法では、発泡によって電
線全体の寸法が大きく変化するため、寸法の制御が困難
であるという問題を生じる。したがって、この方法によ
り導体と絶縁層との密着性が良好で、しかも機械特性、
電気特性に問題のない発泡絶縁電線を製造することは非
常に困難である。
【0005】また、特開昭64−67832号公報に
は、導体の周囲に、発泡剤を含まないプラスチックを内
層、発泡剤を含むプラスチックを外層とし、同時押し出
し被覆を行った後、外層を発泡させる方法が開示されて
いる。この方法では、内層を設けることにより、発泡気
体が導体周囲に集中するのを防止して、導体との密着性
の向上を図っている。
【0006】しかし、この方法では、押し出し被覆後に
外層のみを発泡させているため、発泡時の樹脂膨張の影
響が導体と内層との界面にまで及ばないようにするため
には、無発泡の内層の厚さを大きくする必要がある。そ
の結果、気泡率の低下ひいては誘電率の増大をもたらす
ため、好ましくない。
【0007】本発明は、導体と絶縁層との密着性が良好
であり、かつ絶縁層に均一に分散した微細気泡が高い気
泡率で含まれ、機械特性が良好で誘電率が低い発泡絶縁
電線を製造できる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の発泡絶縁
電線の製造方法は、導体の周囲に結晶性の熱可塑性樹脂
発泡体からなる絶縁層を被覆した発泡絶縁電線を製造す
るにあたり、導体の周囲に結晶化度が10%以下の絶縁
層を被覆する工程(以下「第1工程」という)と、導体
を加熱することにより導体に接する絶縁層の結晶化度を
30%以上にする工程(以下「第2工程」という)と、
得られた絶縁層被覆電線に不活性ガスを含有させて加熱
することにより発泡させる工程(以下「第3工程」とい
う)とを具備したことを特徴とするものである。
【0009】以下、本発明の方法を工程毎に詳細に説明
する。
【0010】第1工程は、導体の周囲に結晶化度が10
%以下の絶縁層を被覆する工程である。導体材料として
は、銅、アルミニウムなどが用いられる。絶縁層として
用いられる結晶性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETと略す)、ポリブチレ
ンレテフタレートなどの飽和ポリエステル系樹脂、ある
いはポリフェニレンスルフィド(以下、PPSを略す)
などが挙げられる。前述した特開昭64−67832号
公報の方法と異なり、本発明においては1種類の材質か
らなる絶縁層を用いる。
【0011】前記のような結晶性の熱可塑性樹脂を、導
体を通したクロスヘッドダイスより押し出し、導体の周
囲に被覆する。この際、水冷または空冷により急速冷却
して、絶縁層の結晶化度が10%以下となるようにす
る。これらの操作を行いながら、絶縁層被覆電線を巻き
取る。絶縁層の結晶化度は小さければ小さいほど、不活
性ガスの含有量を増大させることができるため良好であ
るが、実用的には10%以下であれば問題ない。
【0012】第2工程は、得られた絶縁被覆電線の導体
部分を加熱することにより、導体に接する絶縁層の結晶
化度を30%以上とする工程である。導体を加熱する方
法としては、導体に通電する方法が好ましい。通電条件
は、導体の表面温度が100℃以上となる条件とするこ
とが好ましい。また、この加熱の影響が絶縁層全体に及
ばないように、電線表面が室温以下となるように常時冷
却する。
【0013】導体に接する絶縁層の結晶化度を30%以
上としたのは、30%未満では導体に接する絶縁層の不
活性ガスの含有量が増大して発泡しやすくなるため好ま
しくないためである。絶縁層の結晶化度が30%以上で
あると、不活性ガスの含有量が減少する傾向が顕著にな
ることが実験的に明らかになっている。
【0014】結晶化度が30%以上である絶縁層の厚さ
は、平均気泡径の2倍以上であることが好ましい。
【0015】第3工程は、絶縁層被覆電線に不活性ガス
を含有させて加熱することにより発泡させる工程であ
る。より具体的には、絶縁層被覆電線を、高圧容器内に
入れ、不活性ガスを所定の条件で含有させた後、高圧容
器より取り出し、絶縁層の融点以下の温度に加熱するこ
とにより発泡させる。
【0016】不活性ガスとしては、アルゴンガス、窒素
ガス、炭酸ガス、フッ化炭素系ガスなどが挙げられる。
これらのうちでも炭酸ガスは絶縁層への含有量が高くな
るため好ましい。
【0017】本発明によれば、絶縁層の厚み方向に沿っ
て樹脂自身の結晶化度を変化させているので、不活性ガ
スを含有させた際に、導体に近接した絶縁層では不活性
ガスの含有量が少なく、表面側の絶縁層では不活性ガス
の含有量が多くなる。したがって、加熱により発泡させ
ると、導体と絶縁層との密着力を低下させることなく、
高気泡率を有する良好な発泡絶縁電線を得ることができ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0019】なお、以下の実施例において、絶縁層の結
晶化度は、DSCによる方法を用いて算出した。すなわ
ち、発泡絶縁電線より試料をサンプリングしてDSC測
定装置にセットし、10℃/分の速度で昇温することに
より、この試料の結晶化および融解に基づく熱量を測定
し、下式に基づいて算出した。
【0020】結晶化度(%)=(A−B)/C ここで、A:融解に基づく熱量 B:結晶化に基づく熱量 C:100%結晶化樹脂の融解熱量(117.6J/
g) である。100%結晶化樹脂の融解熱量に関しては、種
々の値が提唱されているが、ここではGroeninc
kxらによる測定値(飽和ポリエステル樹脂ハンドブッ
ク、湯木和男編、p.222、日刊工業新聞社)を用い
た。
【0021】実験例1〜3 外径が0.05〜0.1mmの銅からなる導体線に、絶
縁層としてPET(ユニチカ製、SAグレード)樹脂を
厚みが0.3mmとなるように被覆しながら急冷した。
このときの絶縁層の結晶化度は5%であった。その後、
導体に電流を流すことにより、導体を130℃まで加熱
し、この状態を10分間保持することにより、導体に近
接した絶縁層の結晶化を進行させた。なお、導体加熱中
に、絶縁層全体の結晶化の進行を抑制するために、電線
表面を20℃の流水にて冷却した。
【0022】この際、導体に流す電流の条件を種々変化
させて、導体に近接した絶縁層の結晶化度を変化させた
絶縁層被覆電線を製造した。
【0023】実験例4 PETの代わりに、PPS(東レ、トレリナ)を用いた
以外は、実験例1と同様にして絶縁層被覆電線を製造し
た。
【0024】得られた各絶縁層被覆電線について、導体
に近接した絶縁層の結晶化度を表1に示す。
【0025】また、各絶縁層被覆電線を高圧容器内に入
れ、60kg/cm2 の炭酸ガスを30分間浸透させ
た。次に、高圧容器より電線を取り出した後、240℃
の発泡炉に30秒間通すことにより発泡させ、発泡絶縁
電線を製造した。
【0026】得られた各発泡絶縁電線について、走査型
電子顕微鏡による観察により、絶縁層に含まれる気泡の
平均気泡径および気泡率を測定した。
【0027】また、JIS−C3005の加熱変形試験
に従い、試験温度23℃、荷重280g、荷重時間10
分の条件で電線を変形させ、変形率を測定した。
【0028】また、発泡前および発泡後の電線と絶縁層
との密着力を測定し、発泡前の値を100として発泡後
の値を密着力保持率で表し、両者の密着性を評価した。
【0029】これらの結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 表1から明らかなように、導体に近接した絶縁層の結晶
化度が30%以上である場合には、作製された電線の絶
縁層に含まれる気泡の大きさが微細であり、気泡率も8
0%を越え、発泡による変形も認められず、導体と絶縁
層との密着力も発泡前と比較して低下しない。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、導
体と絶縁層との密着性が良好であり、かつ絶縁層に含ま
れる気泡が微細で気泡率が高く、機械特性が良好な発泡
絶縁電線を製造できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】 結晶化度(%)={(A−B)/C}×100 ここで、A:融解に基づく熱量 B:結晶化に基づく熱量 C:100%結晶化樹脂の融解熱量 である。100%結晶化樹脂の融解熱量に関しては、種
々の値が提唱されているが、PET樹脂についてはGr
oeninckxらによる測定値(117.6J/g:
飽和ポリエステル樹脂ハンドブック、湯木和男編、p.
222、日刊工業新聞社)、PPS樹脂についてはMa
emura E.らによる測定値(146.2J/g:
Polym.Eng.Sci.,29(2),p.14
0,1989)を用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 尚樹 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 中山 清 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の周囲に結晶性の熱可塑性樹脂発泡
    体からなる絶縁層を被覆した発泡絶縁電線を製造するに
    あたり、導体の周囲に結晶化度が10%以下の絶縁層を
    被覆する工程と、導体を加熱することにより導体に接す
    る絶縁層の結晶化度を30%以上にする工程と、得られ
    た絶縁層被覆電線に不活性ガスを含有させて加熱するこ
    とにより発泡させる工程とを具備したことを特徴とする
    発泡絶縁電線の製造方法。
JP5614493A 1993-03-16 1993-03-16 発泡絶縁電線の製造方法 Pending JPH06267353A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009130805A1 (ja) * 2008-04-22 2009-10-29 株式会社オートネットワーク技術研究所 Pet樹脂押出被覆設備およびpet樹脂押出被覆方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009130805A1 (ja) * 2008-04-22 2009-10-29 株式会社オートネットワーク技術研究所 Pet樹脂押出被覆設備およびpet樹脂押出被覆方法

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