JPH062652B2 - 歯科補綴物 - Google Patents
歯科補綴物Info
- Publication number
- JPH062652B2 JPH062652B2 JP61197340A JP19734086A JPH062652B2 JP H062652 B2 JPH062652 B2 JP H062652B2 JP 61197340 A JP61197340 A JP 61197340A JP 19734086 A JP19734086 A JP 19734086A JP H062652 B2 JPH062652 B2 JP H062652B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dental prosthesis
- resin
- calcium silicate
- heat
- present
- Prior art date
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- Dental Preparations (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、機械的強度が高く、着色した際に透明感のあ
る審美性に優れた色調が得られる歯科補綴物に関する。
る審美性に優れた色調が得られる歯科補綴物に関する。
[従来の技術] 永年の間、義歯床,歯冠,ブリッジ等の樹脂製歯科補綴
物はメタクリル酸エステルを主成分をするアクリル樹脂
が用いられ、ポリマーとモノマーの常温または加熱重合
による加圧成形法により製作されていたが、これらアク
リル系樹脂を用いたものは口腔内の咬合力により時々破
折することがあった。
物はメタクリル酸エステルを主成分をするアクリル樹脂
が用いられ、ポリマーとモノマーの常温または加熱重合
による加圧成形法により製作されていたが、これらアク
リル系樹脂を用いたものは口腔内の咬合力により時々破
折することがあった。
そのため、ポリカーボネート樹脂のような耐衝撃性の強
い樹脂を石膏型に射出成形して得られた補綴物が実用化
されているが、弾性率が低いため、薄い部分が咬合圧で
変形してしまい、口腔粘膜を圧迫して不快感を与え、さ
らに粘膜を傷付けるといった欠点を有していた。そこで
歯科業界では、薄くても咬合圧に対して撓まないほどの
剛性とねばりを具備し、さらに歯科補綴物という特性上
審美性をも有する樹脂製歯科補綴物が切望されていた。
い樹脂を石膏型に射出成形して得られた補綴物が実用化
されているが、弾性率が低いため、薄い部分が咬合圧で
変形してしまい、口腔粘膜を圧迫して不快感を与え、さ
らに粘膜を傷付けるといった欠点を有していた。そこで
歯科業界では、薄くても咬合圧に対して撓まないほどの
剛性とねばりを具備し、さらに歯科補綴物という特性上
審美性をも有する樹脂製歯科補綴物が切望されていた。
この問題に対処するため、近年において、耐熱性透明熱
可塑性樹脂であるポリスルホン樹脂やポリエーテルスル
ホン樹脂にガラスチョップドストランド繊維を混入する
方法や、チタン酸カリウム又はチタン酸カリウム水和物
の繊維を混入する方法(特開昭58−167504号公
報)が試みられている。
可塑性樹脂であるポリスルホン樹脂やポリエーテルスル
ホン樹脂にガラスチョップドストランド繊維を混入する
方法や、チタン酸カリウム又はチタン酸カリウム水和物
の繊維を混入する方法(特開昭58−167504号公
報)が試みられている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、これらの方法にあっては、弾性率を満足
する量の繊維を添加することにより、樹脂が完全に不透
明となり、着色しても樹脂製歯科補綴物の必要条件であ
る審美性に欠けるという欠点を有する。
する量の繊維を添加することにより、樹脂が完全に不透
明となり、着色しても樹脂製歯科補綴物の必要条件であ
る審美性に欠けるという欠点を有する。
[問題点を解決するための手段] 従って、本発明は前記従来技術の欠点を解決した、機械
的強度が高く、且つ着色した際に透明感のある審美性に
優れた色調が得られる歯科補綴物を提供することを目的
とする。
的強度が高く、且つ着色した際に透明感のある審美性に
優れた色調が得られる歯科補綴物を提供することを目的
とする。
そして、その目的は、本発明によれば、耐熱性透明熱可
塑性樹脂に、ケイ酸カルシウム又はケイ酸カルシウム水
和物の微細な単結晶繊維を混入してなる歯科補綴物によ
り達成される。
塑性樹脂に、ケイ酸カルシウム又はケイ酸カルシウム水
和物の微細な単結晶繊維を混入してなる歯科補綴物によ
り達成される。
すなわち、本発明によれば樹脂製歯科補綴物に要求され
る抗折たわみの性質を満足(3.5Kgf時2.0mm以
下、5.0Kgf時2.2mm以上で5.0mm以下)し、且
つ、弾性率も十分に高い特性とする範囲の量の繊維を混
入した際にも樹脂の透明性を保持し、着色した際に審美
性の優れた色調の歯科補綴物を得ることができる。
る抗折たわみの性質を満足(3.5Kgf時2.0mm以
下、5.0Kgf時2.2mm以上で5.0mm以下)し、且
つ、弾性率も十分に高い特性とする範囲の量の繊維を混
入した際にも樹脂の透明性を保持し、着色した際に審美
性の優れた色調の歯科補綴物を得ることができる。
本発明に使用するケイ酸カルシウムの微細な単結晶繊維
とは、酸化カルシウムと二酸化ケイ素を結合した組成か
らなる化合物中のオルトケイ酸カルシウム(Ca2Si
O4)のα、β、γ変態等であり、ケイ酸カルシウム水
和物の微細な単結晶繊維とは、ゾノトライト(6CaO
・6SiO2・H2O)やオルトケイ酸カルシウムの水
和物等である。
とは、酸化カルシウムと二酸化ケイ素を結合した組成か
らなる化合物中のオルトケイ酸カルシウム(Ca2Si
O4)のα、β、γ変態等であり、ケイ酸カルシウム水
和物の微細な単結晶繊維とは、ゾノトライト(6CaO
・6SiO2・H2O)やオルトケイ酸カルシウムの水
和物等である。
該単結晶繊維は、通常無処理でも使用しうるが、耐熱性
透明熱可塑性樹脂と親和性をもたせるために、アミノシ
ラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤、クロ
ミッククロライド、その他目的に応じた表面処理剤を使
用することができる。
透明熱可塑性樹脂と親和性をもたせるために、アミノシ
ラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤、クロ
ミッククロライド、その他目的に応じた表面処理剤を使
用することができる。
本発明に使用する熱可塑性樹脂としては、耐熱性があ
り、且つ透明であって歯肉に近似した色に着色が可能
で、強靭性を有した樹脂であることが好ましい。従っ
て、ポリスチレン、ポリメチルペンテン−1、ポリメチ
ルメタクリレート、透明ナイロン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエ
ステルカーボネート、透明ABS樹脂、ポリスルホン系
樹脂などが使用できるが、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホンなどポリスルホン系樹脂が耐熱性、強靭性等に
優れていることから特に好ましい。
り、且つ透明であって歯肉に近似した色に着色が可能
で、強靭性を有した樹脂であることが好ましい。従っ
て、ポリスチレン、ポリメチルペンテン−1、ポリメチ
ルメタクリレート、透明ナイロン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエ
ステルカーボネート、透明ABS樹脂、ポリスルホン系
樹脂などが使用できるが、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホンなどポリスルホン系樹脂が耐熱性、強靭性等に
優れていることから特に好ましい。
ケイ酸カルシウム又はケイ酸カルシウム水和物の微細な
単結晶繊維の、耐熱性透明熱可塑性樹脂への混入割合は
10重量%以下が好ましい。この割合が10重量%を超
えると、得られる歯科補綴物の透明性が低下してくるの
で好ましくない。
単結晶繊維の、耐熱性透明熱可塑性樹脂への混入割合は
10重量%以下が好ましい。この割合が10重量%を超
えると、得られる歯科補綴物の透明性が低下してくるの
で好ましくない。
次に、本発明の歯科補綴物の製造方法について説明す
る。
る。
即ち、補綴物形空洞をキャビティーとする石膏型によ
り、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエ
ーテルスルホン樹脂等の耐熱性透明熱可塑性樹脂を射出
成形法または圧縮成形法で成形し、樹脂を冷却硬化した
後、石膏型を破砕することにより、本発明の歯科補綴物
を得ることができる。
り、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエ
ーテルスルホン樹脂等の耐熱性透明熱可塑性樹脂を射出
成形法または圧縮成形法で成形し、樹脂を冷却硬化した
後、石膏型を破砕することにより、本発明の歯科補綴物
を得ることができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基き説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
らに限定されるものではない。
(実施例1〜2) 高純度炭酸カルシウムを焼成して得られた所定量の酸化
カルシウムと、所定量の高純度石英とをオートクレーブ
により一定条件で処理して製造された、第1表に示す性
質を有するゾノトライト〔6CaO・6SiO2・H2
O、日本石灰工業(株)製、0.2μφ、10μ長〕
を、押出機を使用し常法により第2表に示した割合でポ
リスルホン樹脂〔ユニオンカーバイド社製、Ude1ポ
リスルホンP−1700〕に混入し、各種機械強度及び
光学的性質を測定した。測定結果を第2表に示す。
カルシウムと、所定量の高純度石英とをオートクレーブ
により一定条件で処理して製造された、第1表に示す性
質を有するゾノトライト〔6CaO・6SiO2・H2
O、日本石灰工業(株)製、0.2μφ、10μ長〕
を、押出機を使用し常法により第2表に示した割合でポ
リスルホン樹脂〔ユニオンカーバイド社製、Ude1ポ
リスルホンP−1700〕に混入し、各種機械強度及び
光学的性質を測定した。測定結果を第2表に示す。
(比較例1〜5) 実施例に用いたポリスルホン樹脂に種々の繊維を混入
し、各種機械強度及び光学的性質を測定した。測定結果
を第2表に示す。
し、各種機械強度及び光学的性質を測定した。測定結果
を第2表に示す。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明の歯科補綴物によれば、ケイ
酸カルシウムまたはケイ酸カルシウム水和物の微細な単
結晶繊維を耐熱性透明熱可塑性樹脂へ混入しているの
で、得られた歯科補綴物の引張強度、曲げ弾性率および
衝撃強度が高められ、しかもその程度は他の繊維の混入
の場合に比して大きいという利点を有すると共に、着色
した際に透明感のある審美性に優れた色調が得られると
いう利点をも併せて備えているものである。
酸カルシウムまたはケイ酸カルシウム水和物の微細な単
結晶繊維を耐熱性透明熱可塑性樹脂へ混入しているの
で、得られた歯科補綴物の引張強度、曲げ弾性率および
衝撃強度が高められ、しかもその程度は他の繊維の混入
の場合に比して大きいという利点を有すると共に、着色
した際に透明感のある審美性に優れた色調が得られると
いう利点をも併せて備えているものである。
Claims (2)
- 【請求項1】耐熱性透明熱可塑性樹脂に、ケイ酸カルシ
ウム又はケイ酸カルシウム水和物の微細な単結晶繊維を
混入してなることを特徴とする歯科補綴物。 - 【請求項2】ケイ酸カルシウム又はケイ酸カルシウム水
和物の微細な単結晶繊維の混入割合が10重量%以下で
ある、特許請求の範囲第1項記載の歯科補綴物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61197340A JPH062652B2 (ja) | 1986-08-25 | 1986-08-25 | 歯科補綴物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61197340A JPH062652B2 (ja) | 1986-08-25 | 1986-08-25 | 歯科補綴物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6354158A JPS6354158A (ja) | 1988-03-08 |
JPH062652B2 true JPH062652B2 (ja) | 1994-01-12 |
Family
ID=16372842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61197340A Expired - Lifetime JPH062652B2 (ja) | 1986-08-25 | 1986-08-25 | 歯科補綴物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH062652B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2705805C2 (ru) * | 2017-12-20 | 2019-11-12 | Андрей Викторович Пугач | Костный имплантат |
-
1986
- 1986-08-25 JP JP61197340A patent/JPH062652B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6354158A (ja) | 1988-03-08 |
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