JPH06264849A - エンジンの補助空気制御装置 - Google Patents

エンジンの補助空気制御装置

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JPH06264849A
JPH06264849A JP5049708A JP4970893A JPH06264849A JP H06264849 A JPH06264849 A JP H06264849A JP 5049708 A JP5049708 A JP 5049708A JP 4970893 A JP4970893 A JP 4970893A JP H06264849 A JPH06264849 A JP H06264849A
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JP
Japan
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valve
control valve
flow rate
engine
opening
Prior art date
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Application number
JP5049708A
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English (en)
Inventor
Hatsuo Nagaishi
初雄 永石
Hiroyuki Itoyama
浩之 糸山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン温度に応じて開度の定まる第1の流
量制限弁のバイパス通路に、アクセル開度に応動して開
度の定まる第2の流量制限弁を設けることにより、第1
の流量制限弁と直列配置される流量制御弁の故障に対処
しつつ、流量制御弁による調整範囲の拡大をはかる。 【構成】 吸気絞り弁1をバイパスする補助空気通路2
に電気信号に応動して流量を調整する流量制御弁3とエ
ンジン温度に応じ低温時の開度が大きく高温で開度が小
さくなる第1の流量制限弁4とを直列に設けるととも
に、アクセル開度に応動して開度が定まる第2の流量制
限弁6を第1の流量制限弁4をバイパスする分岐通路5
に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、吸入空気量制御によ
る車両の運転性を改善することをねらって大容量の流量
制御弁を用いる場合の、制御弁故障時のフェイルセーフ
を考慮した補助空気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】補助空気制御装置に電気信号に応動する
流量制御弁が用いられることがある(実開昭62−11
9446号公報参照)。
【0003】これを図15で説明すると、吸気絞り弁1
A,1Bをバイパスする補助空気流量を調整する流量制
御弁3に大容量のものが設けられる場合に、ステップモ
ーター式の制御弁3が故障によりコントロールユニット
5からの指令値(電気信号)に従わないとき、ドライバ
ーの要求以上のトルクが発生することがある。
【0004】これを避けるため、流量制御弁3と直列に
流量制限弁4が設置される。この制限弁15は温水ワッ
クス式のもので、低水温時の開度が大きく高水温で開度
が小さくなるものである。このため、暖機後でアイドル
時の要求空気量が小さい場合に、大容量の制御弁3が信
号線のショートなどにより全開となることがあっても、
暖機後には高水温時の制限弁開度で規制された流量しか
補助空気通路2を流れることがなく、これによってアイ
ドル回転が上がりすぎることがないようにされるのであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の流量
制御弁3を用いた補助空気量制御装置は、アイドル回転
のフィードバック制御以外のエンジン制御にも適用され
ることがある。たとえば、リーンバーンエンジンでは理
論空燃比からリーン空燃比への切換時に切換の前後でト
ルクが変化しないように制御弁3を開くことで補助空気
流量を増量するのであるが、この切換時のトルク制御を
余裕をもって行うため制御弁流量に大容量のものが要求
される。
【0006】しかしながら、従来装置にあっては、高水
温時の制限弁流量で制御弁3の流量が制限される構成で
あるため、補助空気流量の調整範囲を大きくすることが
できない。このため、従来装置がリーンバーンエンジン
における空燃比切換時のトルク制御に適用されたとき
は、リーン空燃比への切換時に流量不足でトルクの増加
が生じ、このトルク段差によって運転ショックが生じて
しまうのである。
【0007】そこでこの発明は、エンジン温度に応じて
開度の定まる第1の流量制限弁のバイパス通路に、アク
セル開度に応動して開度の定まる第2の流量制限弁を設
けることにより、第1の流量制限弁と直列配置される流
量制御弁の故障に対処しつつ、流量制御弁による調整範
囲の拡大をはかることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、吸気絞り
弁をバイパスする補助空気通路に電気信号に応動して流
量を調整する流量制御弁とエンジン温度に応じ低温時の
開度が大きく高温で開度が小さくなる第1の流量制限弁
とを直列に設けるとともに、アクセル開度に応動して開
度が定まる第2の流量制限弁を前記第1の流量制限弁を
バイパスする分岐通路に設けた。
【0009】第2の発明は、前記流量制御弁が非通電時
またはエンジン停止時に全閉以外の開度になる。
【0010】第3の発明は、前記流量制御弁が非通電時
またはエンジン停止時に全閉と全開のあいだの中途開度
になる。
【0011】
【作用】補助空気通路は、第1の制限弁により暖機後に
なると流路面積が狭くされる。
【0012】これに対して、第2の制限弁のほうは、ア
クセル開度に応動し、たとえばアクセル開度の所定値以
上で全開する(あるいはアクセルペダルを踏み込むほど
開度が大きくなる)。
【0013】第2の制限弁の全開状態ではこの制限弁が
ないのと同じになり、従来より分岐通路の分だけ絞り弁
をバイパスして流れる補助空気が増える。
【0014】分岐通路で増やされる補助空気も、流量制
御弁により調整されると、分岐通路の分だけ流量制御弁
で扱える空気量範囲が従来より広がる。暖機後であって
も、暖機後の第1の制限弁を流れる流量以上の流量が流
量制御弁により調整され、これによって制御弁に対する
流量要求に十分応えられる。
【0015】一方、第2の制限弁が全開する領域での走
行中に、故障により流量制御弁が急に全開になったとき
は、分岐通路を流れる流量分だけ従来より余計に絞り弁
をバイパスして流れ、これを受けて供給燃料量が増し、
エンジン回転が急に上昇する。
【0016】このエンジンの回転上昇を感じたドライバ
ーがアクセルペダルを戻すと、エンジン回転はもとの回
転数へと戻される。アクセルペダルを戻すことで第2の
制限弁が閉じられ、これによってシリンダに流入する空
気量が減るわけである。
【0017】絞り弁が全閉位置になるアイドル時に流量
制御弁が故障で全開固着したときも、適切なアイドル回
転に抑えられる。アイドル時に第2の制限弁がたとえば
全閉になると分岐通路がないのと同じになり、この状態
では従来と変わらなくなるのである。
【0018】第2の発明で、エンジン停止中の流量制御
弁の固着や流量制御弁への電源系統の断線などの故障が
生じたとき、非通電時やエンジン停止時の制御弁位置で
ある全閉以外の開度で保持される確率が一番高くなる
と、非通電時全閉になる従来の流量制御弁より、アイド
ル回転が高めに維持されることになり、エンストに至り
にくい。
【0019】第3の発明で、エンジン停止中の流量制御
弁の固着や流量制御弁への電源系統の断線などの故障が
生じたとき、非通電時やエンジン停止時の制御弁位置で
ある中途開度で保持される確率が一番高くなると、第2
の発明と同じに、非通電時全閉になる従来の流量制御弁
よりエンストに至りにくく、かつ非通電時全開の制御弁
にくらべ、回転が高すぎて走行しがたいとか、エンジン
音がうるさいというようなことがなくなる。
【0020】
【実施例】図1において、1はアクセルペダル(図示し
ない)と機械的に連動する吸気絞り弁、2はこの絞り弁
1をバイパスする補助空気通路、3はコントロールユニ
ットからの電気信号に応動する大容量の流量制御弁であ
る。
【0021】補助空気通路2には流量制御弁3と温水ワ
ックス式の第1の流量制限弁4とが、直列に設けられ、
第1の制限弁4をバイパスする分岐通路5に第2の流量
制限弁としてのダイヤフラム弁6が設けられる。
【0022】第1の制限弁4は従来と同じもので、図2
に示したように、リターンスプリング4aにより弁体4
bを図で反時計方向(開弁方向)に付勢するとともに、
弁体4bと一体動するアーム4cによりピストン4dを
ワックス4eの満たされた容器4f内に突出させ、その
一方で容器4fの周囲を冷却水通路4gで覆っている。
エンジンの始動後に冷却水の温度が上がってくるとワッ
クス4eが膨張してピストン4dを図で左側に押し出
し、弁体4bを図で時計方向(閉弁方向)に駆動するわ
けで、図3に示した制限弁4の流量特性は従来と同じで
ある。4hは調整ネジ、4iはロックナットである。
【0023】これに対して、VC負圧に応動するダイヤ
フラム弁6は、ダイヤフラム6aで仕切られた圧力室6
bに弁体6cを閉弁方向に付勢するリターンスプリング
6dを収納するとともに、圧力室6bを負圧通路6fを
介して絞り弁1の全閉位置の近傍に開口するVCホール
6eに接続したもので、絞り弁1の全閉時はVC負圧が
ゼロであるためダイヤフラム弁6が全閉位置にあるが、
絞り弁1が開かれていくと、VCホール6eから導かれ
るVC負圧に応動して、図4のようにダイヤフラム弁6
が開かれていく。VC負圧は、絞り弁開度TVOに応じ
て発達する負圧であり、このVC負圧を用いることでダ
イヤフラム弁6をアクセルペダルと連動させて動作させ
ているわけである。
【0024】図5はダイヤフラム弁6の流量特性で、横
軸は絞り弁の流路面積、縦軸はダイヤフラム弁の開度で
ある。図5のように絞り弁流路面積の小さい領域では絞
り弁1の取り付け誤差などによるバラツキが生じるの
で、許容バラツキの上限は制御弁3がたとえば全閉から
壊れて全開となったときの車両運転性(加速感)で許容
できる限界で決まり、下限は制御弁流量によりトルクを
どの程度制御したいかの割合で決まる。
【0025】ここで、この例の作用を説明すると、補助
空気通路2は、温水ワックス式の第1の制限弁4により
暖機後になると従来と同じに補助空気通路2の流路面積
が狭くされる。
【0026】ところが、ダイヤフラム弁6のほうは、絞
り弁1の流路面積が所定値(図5でたとえば1.5cm
2)以上となる領域で全開位置となり、この状態ではダ
イヤフラム弁6がないのと同じになる。ダイヤフラム弁
6が全開する領域では、従来より分岐通路5の分だけ絞
り弁をバイパスして流れる補助空気が増えるわけであ
る。
【0027】この分岐通路5で増やされる補助空気も、
上流に位置する制御弁3により調整される。つまり、分
岐通路5の分だけ制御弁3で扱える空気量範囲が従来よ
り広がる。暖機後であっても、暖機後の制限弁4を流れ
る流量以上の流量を制御弁3により調整することができ
るのであり、これによって制御弁3に対する流量要求に
十分応えることができる。
【0028】一方、ダイヤフラム弁6が全開する領域で
の走行中に、故障により制御弁3が急に全開になったと
きは、分岐通路5を流れる流量分だけ従来より余計に絞
り弁1をバイパスして流れ、これを受けて供給燃料量が
増し、エンジン回転が急に上昇する。
【0029】こうしたエンジンの回転上昇はドライバー
の予期しないところとなるが、これを感じたドライバー
がアクセルペダルを戻すと、エンジン回転はもとの回転
数へと戻る。アクセルペダルを戻すことで絞り弁1が閉
じられると、VC負圧がゼロになってダイヤフラム弁6
が閉じられ、これによってシリンダに流入する空気量が
減るからである。
【0030】絞り弁1が全閉位置になるアイドル時に制
御弁3が故障で全開固着したときも、適切なアイドル回
転に抑えることができる。アイドル時にはダイヤフラム
弁6が全閉位置にあるため、分岐通路5がないのと同じ
になる。この状態は、従来と変わらないため、補助空気
流量が第1の制限弁4により制限されることになり、そ
のときの冷却水の温度に応じて図3の流量特性で定まる
回転数に制御弁故障全開時のアイドル回転数が落ち着く
のである。
【0031】ところで、図1の構成により制御弁3によ
る補助空気流量の調整範囲が広がると、大流量の補助空
気を必要とするエンジン制御への適用が可能である。こ
こではリーンバーンエンジンに適用した例を図6に示
す。同図において、図1と同じ部品には同じ番号をつけ
ている。
【0032】さて、理論空燃比からリーン空燃比への切
換時に上記の流量制御弁3を1次の応答遅れで開くこと
によって、空燃比切換の前後でトルクを一定とする制御
はすでに提案している(特開昭63−50641号公報
参照)。
【0033】これをあらまし説明すると、図6のように
マイコンからなるコントロールユニット11が設けら
れ、補助空気通路2の分岐開口部よりもさらに上流に設
けたエアフローメータ12からの吸入空気流量信号、ク
ランク角度センサ13からの基準位置信号やエンジン回
転数信号、スロットルセンサ14からの絞り弁開度信号
がコントロールユニット11に入力されている。
【0034】コントロールユニット11はこれらのセン
サ情報にもとづきリーン空燃比への切換時に、リニヤソ
レノイド式の流量制御弁3をデューティ制御することに
よって吸入空気流量を増量する。
【0035】図8は割り込み処理で、10msのクロッ
ク信号に同期してステップ2〜4が、またクランク角度
の基準位置信号Refに同期してステップ6が実行され
る。ステップ2では運転条件信号からマップを検索して
目標燃空比(燃空比は空燃比の逆数)を求め、その結果
をレジスタのTfbyaに格納する。なお、燃空比を用
いるのは、燃料制御は目標空燃比をめざして行い、空気
流量の検出値から最終的に供給燃料量を求めていること
を考えると、(空気流量)×(燃空比)=(供給燃料
量)の関係が成立することから、燃空比のほうが空燃比
よりも扱いやすいためである。
【0036】このTfbyaの値は、運転条件がリーン
空燃比を目標とする条件に切換わると、図7で示したよ
うにステップ的に変化する。これに対して、実空燃比は
クランク角度に同期してほぼ1次の応答遅れで変化する
ので、この1次遅れで変化する実空燃比を予測する値と
してステップ6(詳細は図9)で Dfbya=Tfbya×D#+Dfbyan-1×(1−D#) … ただし、D#;加重平均係数 Dfbyan-1;前回のDfbya の式で目標燃空比のダンパ値を求め、その結果をレジス
タのDfbyaに格納する。
【0037】ステップ3ではこうして求めた目標燃空比
のダンパ値Dfbyaに応じて制御弁3に出力する目標
デューティ(制御弁開度)TDutyを計算する。制御
弁3の実流量は前後差圧の影響を受け、同じ流路面積で
も前後差圧が小さくなる高負荷時になると流量が減るの
で、前後差圧が違っても同じ流量が流れるように、図1
0のように絞り弁開度(エンジン負荷相当量)TVOを
も加味して決定することが望ましい(図10のステップ
21,22)。結果はレジスタのDutyに格納し、こ
れをデューティ駆動信号として制御弁3に出力する(図
10のステップ23,24)。なお、リーン空燃比の条
件になければ制御弁3を閉じておくため、目標デューテ
ィTDutyを0としておく(図10のステップ21,
25)。
【0038】このようにして、制御弁3が目標燃空比の
ダンパ値Dfbyaに対応してデューティ制御される
と、補助空気通路を流れる空気量が、リーン空燃比への
切換時には、図7のように1次遅れで増加するのであ
る。
【0039】一方、燃料噴射弁(吸気ポートに設けられ
る)15に与える燃料噴射パルス幅Tiを Ti=Tp×Tfbya×Coef×α+Ts … ただし、Tp;基本噴射パルス幅 Coef;1と各種補正係数の和 α;空燃比フィードバック補正係数 Ts;無効パルス幅 の式で計算する(図8のステップ4)。
【0040】一定のリーン空燃比条件(たとえば80℃
以上の冷却水温、部分負荷域などをすべて満足すると
き)に切換わると、式はTi=Tp×Tfbya+T
sとなり、Tiは図7のように切換前より少しだけ小さ
くなる。これは、リーン空燃比で燃焼させるほうが燃焼
効率がよいため、燃料噴射量(Ti)が切換前後で一定
であれば、切換後に若干のトルク増加があるので、一定
トルクとするには切換後の燃料は切換前より少なくする
ことができるのである。つまり、この燃料差がリーン燃
焼による燃費向上になるわけである。
【0041】以上で制御弁3を用いての空燃比切換時の
トルク制御の概説を終える。
【0042】さて、こうした空燃比切換時のトルク制御
に、図1の構成の装置を適用したときは、制御弁3によ
る補助空気の調整範囲が広いことから、トルク制御を余
裕をもって行うことができ、空燃比切換時の運転性を一
段と向上できる。
【0043】図11の第2の実施例は、ツイン絞り弁
(メイン絞り弁21とサブ絞り弁22)のうちのサブ絞
り弁22を第2の流量制限弁として構成したもので、第
1の流量制限弁4をバイパスする分岐通路5が、制限弁
4の設けられる補助空気通路2よりメイン絞り弁21に
近い側に配置され、この分岐通路5をも貫通するスロッ
トルシャフト23にサブ絞り弁22がメイン絞り弁21
と同じ角度で取り付けられる。25はスロットルシャフ
ト23の一端に取り付けられるアクセルドラムで、ワイ
ヤー26を介してアクセルペダル(図示せず)と連結さ
れている。
【0044】28は流量制御弁としてのロータリーバル
ブ(リニアソレノイド式の1つ)で、回転体28aの円
筒状部分が補助空気通路2を遮断するように突出し、こ
の円筒状部分に図12にも示したように、円周方向に三
角のスリット28bがあけられている。回転体28aを
図12で矢印方向に回すと、スリット28bとの重なり
部分(斜線部分)が大きくなる。この重なり部分を大き
くしたり小さくすることによって制御弁流路面積を変え
るのである。
【0045】この例では、第2の流量制限弁による流量
精度が第1の実施例より向上する。許容バラツキ幅の上
限は制御弁3が壊れて全開となったときの車両運転性で
許容できる限界で決まり、下限は制御弁流量によりトル
クをどの程度制御したいかの割合で決まることを図5で
述べたが、この上限と下限とのあいだの許容バラツキ幅
の狭いことが要求されるときは、図5のように大きなバ
ラツキ幅が生じるダイヤフラム弁6では適用できないこ
とがある。たとえば、狭い要求幅を、ダイヤフラム弁6
に生じるバラツキが越えたのでは、適用できないのであ
る。これに対して、図11の例ではサブ絞り弁22に生
じる流量バラツキは、メイン絞り弁21に生じる流量バ
ラツキと同じ程度に収まるため、上限と下限のあいだの
許容幅が狭いことが要求されるときでも、適用可能とな
るのである。
【0046】図11の例をリーンバーンエンジンに適用
するときは、メイン絞り弁21をベースエンジン(通常
の三元触媒方式エンジン)の口径と同じに、サブ副絞り
弁22を、空燃比が22まで定トルクを実現できるよう
にその面積を主絞り弁の40%程度とすることができ
る。
【0047】図13は第3実施例である。これは、非通
電時(またはエンジン停止時)に中途開度になる流量制
御弁で、図1の制御弁3や図11のロータリーバルブ2
8に代えて用いられる。
【0048】円筒状の一対のコイル(閉方向コイル31
a,開方向コイル31b)が通電時に互いに磁界を逆向
きに発生するように巻かれており、双方のコイル31
a,31bの非通電時には、弁体31cを右方向に付勢
するリターンスプリング31dとこの逆に左方向に付勢
するリターンスプリング31eのバランスする位置に弁
体31cがあり、この状態では制御弁31が全閉と全開
のあいだの中途開度(たとえば半開位置)にある。い
ま、閉方向コイル31aだけに通電すると、リターンス
プリング31dに抗し弁体31cが図で左方向に動くた
め、制御弁31が全閉し(図示状態)、この逆に開方向
コイル31bにだけ通電したときは、リターンスプリン
グ31eに抗し弁体31cが図で右方向に動いて制御弁
31が全開する。
【0049】31fは制御弁全閉時の漏らし量調整ネ
ジ、31gは非通電時の中途開度調整ネジである。
【0050】なお、リニヤソレノイド式とすることによ
って、全開(または全閉)と非通電時の中途開度とのあ
いだの開度を連続的にとるようにすることもできる。
【0051】このような制御弁31では、エンジン停止
中の制御弁31の固着や制御弁31への電源系統の断線
などの故障が生じたとき、非通電時の制御弁位置である
中途開度で保持される確率が一番高くなるので、非通電
時全閉になる従来の制御弁より、冷機時から暖機後にか
けて適切なアイドル回転を実現することができる。
【0052】たとえば、制御弁非通電時のアイドル回転
を図14に示すと、従来の制御弁(非通電時全閉の制御
弁)で全閉固着する頻度が多いと、冷機時にアイドル回
転を持続できずエンストしやすいのであるが、図13の
例(非通電時中途開度の制御弁)では、かなりの低温ま
でエンストに至るようなアイドル回転にならないのであ
る。
【0053】図14には、第4実施例である非通電時全
開の流量制御弁についても重ねて示している。この制御
弁では故障時に全開位置に保持されることが多いため、
図13の例と同様に、エンストに至るような回転になる
ことはない。
【0054】しかしながら、非通電時全開の制御弁で
は、故障により全開位置に保持されたときのアイドル回
転数が図13の例より若干高くなるため、図13の例の
ほうが、非通電時全開の制御弁にくらべ、回転が高すぎ
て走行しがたいとか、エンジン音がうるさいというよう
なこともなくすことができる。
【0055】図1と図11の2つの実施例についてだ
け、リーンバーンエンジンへの適用例を説明したが、こ
れに限られるものでなく、他の2つの実施例(図13の
非通電時中途開度の制御弁の例と非通電時全開の制御弁
の例)についても同様に適用することができる。
【0056】また、4つの実施例は、他のエンジン制御
にも適用することができる。たとえばブーストコントロ
ール制御では、減速時に吸入負圧が急激に大きくなる
と、HC濃度が高くなったりオイル消費が増えるため、
吸入負圧が設定値以上になると、絞り弁をバイパスして
一定量の空気が流され、これによって吸入負圧の急激な
上昇が防止される。このブーストコントロール制御に適
用したときは、中高回転域でも十分な量の補助空気を流
すことができるので、排気性能や運転性能が一段と向上
し、オイル消費をさらに低減することができる。
【0057】エアコンなどの負荷の切換に対するトルク
制御に適用したときも、中高回転域での流量が満足でき
るものとなり、負荷の切換前後の運転性能を向上させる
ことができる。
【0058】
【発明の効果】第1の発明によれば、吸気絞り弁をバイ
パスする補助空気通路に電気信号に応動して流量を調整
する流量制御弁とエンジン温度に応じ低温時の開度が大
きく高温で開度が小さくなる第1の流量制限弁とを直列
に設けるとともに、アクセル開度に応動して開度が定ま
る第2の流量制限弁を前記第1の流量制限弁をバイパス
する分岐通路に設けたため、走行中に制御弁が故障して
全開となったときの不自然な加速感やアイドル時に故障
により制御弁が全開固着したときのアイドル回転の上昇
を抑制しつつ、補助空気流量の調整範囲を大きくでき、
リーンバーンエンジンでの空燃比切換時のトルク制御、
減速時のブーストコントロール制御、エアコンなど負荷
切換時のトルク制御などにおいて制御弁に対する大流量
要求に十分応えることができる。
【0059】第2の発明で、非通電時またはエンジン停
止時に全閉以外の開度になる流量制御弁を用いること
で、第1の発明の効果に加えて、アイドル回転が持続が
できなくなる頻度を少なくすることができる。
【0060】第3の発明で、非通電時またはエンジン停
止時に全閉と全開のあいだの中途開度になる流量制御弁
を用いることで、第2の発明の同様にエンストに至りに
くいほか、第2の発明より回転が高すぎて走行しがたい
とか、エンジン音がうるさいというようなことをなくす
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の吸気管の要部断面図である。
【図2】温水ワックス式の流量制限弁4の作動を説明す
るための詳細図である。
【図3】温水ワックス式の流量制限弁の流量特性図であ
る。
【図4】VC負圧とこのVC負圧に応動するダイヤフラ
ム弁リフトの特性図である。
【図5】ダイヤフラム弁6の流量特性図である。
【図6】第1実施例をリーンバーンエンジンの空燃比切
換時のトルク制御に適用したときのシステム図である。
【図7】空燃比切換時の作用を説明するための波形図で
ある。
【図8】ジョブ割り込み処理を示すフローチャートであ
る。
【図9】図8のサブルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図10】図8のサブルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図11】第2実施例の吸気管の要部断面図である。
【図12】ロータリーバルブ回転体の斜視図である。
【図13】第3実施例の流量制御弁の断面図である。
【図14】流量制御弁が、それぞれ非通電時全開、非通
電時中途開度および非通電時全閉である場合を重ねて示
す、制御弁非通電時のアイドル回転数の特性図である。
【図15】従来装置をアイドル回転数制御に適用したと
きのシステム図である。
【符号の説明】
1 吸気絞り弁 2 補助空気通路 3 流量制御弁 4 第1の流量制限弁 5 分岐通路 6 ダイヤフラム弁(第2の流量制限弁) 11 コントロールユニット 12 エアフローメータ 13 クランク角度センサ 14 スロットルセンサ 15 燃料噴射弁 21 メイン絞り弁 22 サブ絞り弁 28 ロータリーバルブ(流量制御弁) 31 流量制御弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気絞り弁をバイパスする補助空気通路
    に電気信号に応動して流量を調整する流量制御弁とエン
    ジン温度に応じ低温時の開度が大きく高温で開度が小さ
    くなる第1の流量制限弁とを直列に設けるとともに、ア
    クセル開度に応動して開度が定まる第2の流量制限弁を
    前記第1の流量制限弁をバイパスする分岐通路に設けた
    ことを特徴とするエンジンの補助空気制御装置。
  2. 【請求項2】 前記流量制御弁が非通電時またはエンジ
    ン停止時に全閉以外の開度になることを特徴とする請求
    項1に記載のエンジンの補助空気制御装置。
  3. 【請求項3】 前記流量制御弁が非通電時またはエンジ
    ン停止時に全閉と全開のあいだの中途開度になることを
    特徴とする請求項1に記載のエンジンの補助空気制御装
    置。
JP5049708A 1993-03-10 1993-03-10 エンジンの補助空気制御装置 Pending JPH06264849A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0874146A2 (en) * 1997-04-25 1998-10-28 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Control apparatus of internal combustion engine equipped with electronic throttle control device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0874146A2 (en) * 1997-04-25 1998-10-28 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Control apparatus of internal combustion engine equipped with electronic throttle control device
EP0874146A3 (en) * 1997-04-25 2000-09-06 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Control apparatus of internal combustion engine equipped with electronic throttle control device

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