JPH06264145A - 磁気特性の優れた一方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた一方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH06264145A
JPH06264145A JP5196193A JP5196193A JPH06264145A JP H06264145 A JPH06264145 A JP H06264145A JP 5196193 A JP5196193 A JP 5196193A JP 5196193 A JP5196193 A JP 5196193A JP H06264145 A JPH06264145 A JP H06264145A
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annealing
cold rolling
silicon steel
steel sheet
rolled
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Katsuo Iwamoto
勝生 岩本
Masaki Kono
正樹 河野
Takashi Suzuki
隆史 鈴木
Hirotake Ishitobi
宏威 石飛
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一方向性けい素鋼板、とくに薄もののさらな
る磁気特性の向上をはかる。 【構成】 最終冷延時の最終パス以前に 100〜 400℃の
温度範囲で1〜30分間の時効処理を施した後、鋼板表面
を両面合計で 0.5〜20μm除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁束密度を低下させ
ることなしに鉄損特性の改善を図る一方向性けい素鋼板
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性けい素鋼板に要求される特性は
高い磁束密度と低い鉄損である。従来鉄損を低減させる
方法としては、Si含有量を高める、製品厚を薄くする、
不純物を少なくする、2次再結晶粒方位の(110)[001]方
位すなわちゴス方位への集積度を高める、2次再結晶粒
を小さくするなどの方法が知られている。
【0003】例えば、特公昭40−15644 号公報には、Al
含有素材に対する最終強冷延法が、また特公昭54−2918
2 号公報にはAl含有素材で熱延板焼鈍後急冷する工程、
強冷延する工程、強冷延中の複数パスにより最終板厚に
する際、そのいずれか一回以上のパス間に 300〜 600℃
の温度範囲で1〜30秒の時間保持することにより高磁束
密度を達成する技術が開示されている。
【0004】しかしながら、最近の低鉄損化の要求に対
しては上記従来技術では達成が不可能であり、特に0.23
mm以下の薄手材に対しては高磁束密度値と低鉄損値の達
成は不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の事情に鑑み、こ
の発明の目的は一方向性けい素鋼板の製造における上述
した如き従来技術の欠点を克服し、2次再結晶粒のゴス
方位集積度を高めしかも製品の鉄損を低減し、常に安定
して優れた磁気特性を有する一方向性けい素鋼板の製造
方法を提案することであり、特に近年省エネ、省資源の
ニーズの強まりから、製品板厚の薄手化による低鉄損化
がはかられているが、この発明はこの薄手材に特に有効
に適用できるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決し、目的を達成するために鋭意研究を重ねた結
果、一方向性けい素鋼板の製造過程において、最終冷延
時の最終パス以前に 100〜 400℃の温度範囲で1〜30分
間の時効処理を施した後、鋼板表面を両面合計で 0.5〜
20μm除去することが所期した目的の達成に関し、極め
て有効であるとの知見を得た。
【0007】この発明は、上記の知見に由来するもので
ある。すなわち、この発明は、重量%で、C: 0.020〜
0.080%、Si: 2.5〜 4.0%、Mn:0.01〜0.20%、S:
0.005〜0.05%、Al:0.01〜 0.065%、N: 0.002〜0.
015%を含有する組成よりなる一方向性けい素鋼素材を
熱延後、熱延板焼鈍を行い、次いで1回の冷間圧延又は
中間焼鈍を挾む2回の冷間圧延を施した後、脱炭焼鈍を
行い焼鈍分離剤を塗布後仕上焼鈍を施す一連の工程から
なる一方向性けい素鋼板の製造方法において、上記冷間
圧延工程中、最終冷延時に最終パス以前に 100〜 400℃
の温度範囲で1〜30分間の時効処理を施した後、鋼板表
面を両面合計で 0.5〜20μm除去することを特徴とする
磁気特性の優れた一方向性けい素鋼板の製造方法であ
る。
【0008】以下この発明をなすに至った実験結果を具
体的に説明する。重量%で、C: 0.065%、Si:3.30
%、Mn: 0.075%、S: 0.025%、Al: 0.025%、N:
0.0095%を含有する組成よりなる 1.8mm厚の熱延板を10
00℃×1 minの焼鈍後酸洗し、1.25mm厚に中間冷延し、
1100℃で1 min間の中間焼鈍を施し、酸洗後に仕上冷延
を施し4パスにて0.18mm厚に仕上げるが、その途中2パ
スを径た0.50mm厚の時点で時効処理を施した。処理条件
は常温〜 500℃で処理温度は、それぞれ10分間で行い、
板表面を片面ずつ3μm、合計で6μm研削したもの
(●印)と、研削無(○印)でその後2パスを径て0.18
mm厚に仕上げた後、脱脂を径て湿水素雰囲気中で 840
℃、2 min間の脱炭焼鈍後、MgO スラリーを塗布して、
2 50%、H2 50%の混合雰囲気中で 800〜1050℃間を
20℃/hr昇熱後、H 2 雰囲気に切換えて1200℃、10hrの
仕上焼鈍を実施した。
【0009】図1に仕上焼鈍後の磁性を、磁束密度B8
(T)、鉄損W1750(w/kg)で示した。同図より明
らかなように適切な時効処理 100℃〜 400℃の温度範囲
でそれもとくに時効後、片面3μmずつ研削することで
磁束密度B8 は大巾に向上し、鉄損値が著しく低減して
いることが明確であり、研削を省略した時効処理のみの
ものは時効処理 100〜 400℃の処理条件で確かに磁束密
度B8 と鉄損W1750は改善するものの薄仕上材の磁気
特性としては不十分である。
【0010】次いで、本発明の限定条件である時効条件
について述べる。上記工程中の仕上冷延途中の2パス後
0.50mm厚を供試して時効温度を常温〜 500℃の範囲で処
理時間を30秒〜60分間で処理後、片表面をそれぞれ 2.5
μm、両面で5μm研削した後、2パスを径て0.18mm厚
に仕上げた後脱脂し、湿水素雰囲気中で 840℃、2 min
間の脱炭焼鈍後、 MgOスラリーを塗布して、N2 50%、
2 50%の混合雰囲気中で 800〜1050℃間を20℃/hrの
昇熱後、H2 雰囲気に切換えて1200℃、10hrの仕上焼鈍
を実施した。
【0011】図2に仕上焼鈍後の磁性を磁束密度B
8 (T)のレベル、<1.90T(△)、1.90〜1.92T
(○)、>1.92T(●)で示した。同図から明らかなよ
うに、時効処理 100℃〜 400℃の温度範囲で1〜30分間
処理後両面を 2.5μmずつ研削することでB8 >1.90T
の良好な磁束密度が得られるが、B8 >1.92Tの優れた
磁束密度は、 250℃、10分間を基準にして時効温度がそ
れより低い場合は時間を長く、それより高い場合は時間
を短く処理することで目的とする高磁束密度値が得られ
ることが判る。
【0012】次いで、本発明の限定条件である、時効処
理後の板表面の研削量について限定理由を述べる。上記
工程中の仕上冷延途中の2パス後 0.5mm厚を供試して、
時効処理 200℃、10 min間処理したものを研削量(両面
合計)を0〜30μmの範囲で変化させた後、2パス経て
0.18mm厚に仕上げた後、脱脂し、湿水素雰囲気中で 840
℃、2 min間の脱炭焼鈍後、 MgOスラリーを塗布して、
2 50%、H2 50%の混合雰囲気中で 800〜1050℃間を
20℃/hrの昇熱後、H2 雰囲気に切換えて1200℃、10hr
の仕上焼鈍を実施した。
【0013】図3に仕上げ焼鈍後の磁性を磁束密度B8
(T)、鉄損W1750(w/kg)で示した。同図から明
らかなように、時効処理後の研削量(両面合計)の好適
範囲は 0.5〜20μmの範囲にあることが明確である。ま
た、より好ましい範囲は2〜8μm程度であり、研削量
が多くなるほど設備費の増加、ランニングコストの増加
を招くので好適な範囲で処理することが望ましい。なお
両面合計での研削量で表示しているが、片面のみでもあ
る程度の効果はあるが両面の効果より半減する。
【0014】以下、この発明に従う製造方法を工程順に
説明する。まず素材の成分組成について。Cは、熱延板
組織改善に必要であるが多過ぎると脱炭が困難となるの
で 0.020〜 0.080%とする。Siは、あまり少ないと電気
抵抗が小さくなって良好な鉄損特性が得られず、一方多
過ぎると冷間圧延が困難となるので 2.5〜 4.0%の範囲
が好適である。
【0015】Mnは、 MnSとしてのインヒビターの析出量
を確保するためには、0.01%以上必要で多過ぎると溶体
化が困難となるので0.01〜0.20%が好適である。Sは、
インヒビターとして MnSとして析出するが、 0.005〜0.
05%が好適である。Al、Nは高磁束密度を得るためには
必須成分で、高温抑制型のインヒビターとして微細析出
させるが、多過ぎると溶体化が困難となり、Al量は0.01
〜 0.065%、N量は 0.002〜 0.015%の範囲が好適であ
る。
【0016】以上の他にさらに磁気特性向上のために、
Se、Sb、Cu、Sn、Bi、B、Ge等のインヒビター補強元素
も適宜添加することができ、その範囲は公知の範囲でよ
い。かかる鋼素材の製造工程に関しては公知の製法を適
用し、製造されたスラブを加熱して熱間圧延を施す。熱
延板焼鈍および冷延工程における中間焼鈍は必要に応じ
て 750〜1150℃の温度範囲で10 sec〜10 min間施せばよ
い。その後、1回以上の冷延によって製品板厚として仕
上げるが、最終冷延での圧下率は80〜90%の強圧下率冷
延が望ましく、また、最終冷延では本発明の限定範囲で
ある最終パス以前に 100〜 400℃の温度範囲で1〜30分
間の時効処理を施した後、ベルト研削、砥粒入りブラシ
研削、酸洗等公知の研削技術を用いて鋼板表面を両面合
計で 0.5〜20μm除去した後、仕上冷延を実施して仕上
げ、公知の方法で脱脂後、湿水素雰囲気で 700〜 900℃
の温度範囲で、鋼中C量が 0.005%以下になるまで脱炭
焼鈍を施し、 MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布後、N
2 、H2 混合雰囲気で800 〜1050℃間を5〜30℃/hrの
昇熱速度で2次再結晶後、H2 雰囲気中で1200℃、10hr
程度の仕上げ焼鈍を施す。そして分離剤除去後、張力コ
ーティングを施してから 700〜 900℃の温度域で平坦化
焼鈍を行うわけである。
【0017】
【作用】この発明に従い、最終冷延時に最終パス以前に
100〜 400℃の温度範囲で1〜30分間の時効処理を施し
た後、鋼板表面を両面合計で 0.5〜20μm除去すること
によって磁気特性が改善される理由については、まず、
時効処理の作用は公知のとおり、炭化物の微細析出促進
によって好適な冷延集合組織と脱炭焼鈍後の1次再結晶
集合組織形成に有効な手段ではあるが、これのみでは近
年要求されている薄手材の優れた磁気特性は達成しえな
い。スラブ加熱と熱延および熱延板焼鈍に加え中間焼鈍
を径て最終冷延に達するが、前記熱処理はいずれも高温
であり鋼板表面は酸化が促進され、主要なインヒビター
成分であるMn、Alが表面酸化によって表層サブスケール
への濃化が進行し、結果として、 MnSおよび AlNのイン
ヒビター析出物が解離固溶して抑制力が著しく劣化す
る。この現象は表面近傍の分析や、析出物の観察によっ
て確認されているが、とりわけ薄手材ほど表面近傍のイ
ンヒビター成分の表面濃化は、2次再結晶段階で大きな
影響を受け、2次再結晶不良や、粒方位のズレ発生によ
り磁気特性を大巾に省化させる原因となっており、最終
冷延途中で表面を研削することは鋼板表面の不良部位を
除外することになり、劣化原因の解消につながった。
【0018】なお、この研削により、鋼板表面に残存し
ている酸化物や、スケール残りが除外されて、クリーン
な地鉄表面が形成されて、その後の脱炭焼鈍における表
面形成サブスケールも好適なものが形成され、ひいては
成品板の外観も均一性、安定性を増す。なお、上記時効
処理の好適条件は微細炭化物の析出に有効な 100〜 400
℃の温度範囲で1〜30分間の処理が望ましいが、高磁性
を達成するためには、 200〜 300℃、10分前後の時効条
件が好適で、その後の研削は両面合計で2〜8μmの量
が望ましく、仕上厚が薄手化する程研削量は軽減しても
良い。また、片面では上記作用により効果が半減するこ
と、また研削量が多くなる程、設備費の上昇やランニン
グコストの上昇を招くので最も効果のみられる範囲で処
理するのが有効である。また、時効処理と表面研削の時
期であるが、仕上冷延に都合4パスを得る場合は2パス
目、5パスを得る場合は3パス目が適切であり、最終パ
ス前の場合は研削により表面粗度が増加或いは不均一と
なり、製品の外観を劣化させる恐れがあるので好ましく
ない。
【0019】
【実施例】
実施例1 重量%で、C: 0.058%、Si:3.27%、Mn: 0.073%、
S: 0.023%、Al: 0.022%、N:0.0098%を含有する
組成よりなる鋼素材を熱間圧延により 1.8mm厚の熱延板
とした。その後1000℃、1 min間の焼鈍後酸洗し、1.25
mm厚に中間冷延した後に1100℃、1 min間の中間焼鈍後
酸洗し、うち1コイルは0.18mmに仕上冷延した従来材、
うち1コイルは仕上冷延4パス中の途中2パス経過後に
250℃、10分間の時効処理後2パスを経て0.18mm厚に仕
上冷延した従来の改良材、うち1コイルは仕上冷延の途
中2パス経過後に 250℃、10分間の時効処理後、各面を
それぞれ3μm合計で6μm研削後、残り2パスを経て
0.18mm厚に仕上冷延して仕上げた本発明工程のコイルと
前記それぞれのコイルを脱脂後、湿水素雰囲気中で845
℃、2 min間の脱炭焼鈍後 Mg0スラリーを塗布した後、
2 50%、H2 50%の混合雰囲気中で 800℃〜1050℃間
を20℃/hrで昇熱後、H2 に切換えて、1200℃、10hrの
仕上焼鈍後、張力コーティングを施し、 800℃、1 min
のフラットニング焼鈍を実施して製品とした。
【0020】表1に得られた磁気特性を比較して示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、仕上冷延途中に
時効処理と表面を研削する本発明例の磁気特性が、従来
工程および従来の改良工程に比べて顕著な磁束密度の向
上と鉄損値の低減が達成された。 実施例2 重量%で、C: 0.063%、Si:3.35%、Mn: 0.078%、
S: 0.025%、Sn: 0.053%、Cu: 0.047%、Al: 0.0
25%、N:0.0099%を含有する組成よりなる 1.6mm厚の
熱延板を1000℃、1 min間の焼鈍後酸洗し、 1.2mm厚に
中間冷延後、1050℃、1 minの中間焼鈍後酸洗し、うち
1コイルは、0.15mm厚に冷延した従来工程材、うち1コ
イルは仕上冷延5パス中の途中3パス経過後に 275℃、
8 minの時効処理を実施した後、2パスを経て0.15mm厚
に冷延して仕上げた従来の改良工程材、うち1コイルは
仕上冷延5パス中の途中3パス経過後に 275℃、8 min
の時効処理と鋼板表面を、各面それぞれ 1.5μmずつ合
計で3μm研削した後、残り2パスを経て0.15mm厚に仕
上げた本発明工程のコイルと前記それぞれのコイルを脱
脂後、湿水素雰囲気中で 840℃、1.5minの脱炭焼鈍後 M
g0スラリーを塗布した後、N2 50%、H2 50%の混合雰
囲気中で 800〜1025℃間を17.5℃/hrで昇熱後、H2
囲気中で1200℃、10hrの仕上焼鈍を施した後、張力コー
ティングを施し、 800℃、1 minのフラットニング焼鈍
を実施して製品とした。
【0023】表2に得られた磁気特性を比較して示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2から明らかなように仕上冷延途中に時
効処理と表面を研削する本発明例の磁気特性が従来工程
および従来の改良工程に比べて顕著な磁束密度の向上と
鉄損値の低減が達成された。 実施例3 重量%で、C: 0.065%、Si:3.25%、Mn: 0.075%、
S: 0.025%、Sb: 0.020%、Bi: 0.013%、Te: 0.0
18%、B: 0.015%に加えてAl: 0.025%、N:0.0105
%を含む 2.2mm厚の熱延板を1000℃、1 minの焼鈍後酸
洗し、1.45mm厚に中間冷延し、1100℃、1 minの中間焼
鈍後、酸洗して、うち1コイルは、0.23mm厚に冷延した
従来工程材、うち1コイルは、仕上冷延4パス中の途中
2パス経過後に 225℃、15 minの時効処理後、2パスを
経て0.23mm厚に仕上げた従来の改良工程と、うち1コイ
ルは仕上冷延4パス中の途中2パス経過後に 225℃、15
minの時効処理後、鋼板表面をそれぞれ4μmずつ合計
で8μm研削した後、残り2パスで0.23mm厚に仕上げた
本発明工程のコイルと前記それぞれのコイルを脱脂後、
湿水素雰囲気中で 835℃、2 minの脱炭焼鈍後、 Mg0ス
ラリーを塗布した後、N2 50%、H2 50%の混合雰囲気
中で 800〜1050℃間を25℃/hr で昇熱後、H 2 雰囲気に
切換え1200℃、10hrの仕上焼鈍を経て、張力コーティン
グ塗布後、 800℃、1 minのフラットニング焼鈍を実施
して製品とした。
【0026】表3に得られた製品の磁気特性を比較して
示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3から明らかなように本発明例の磁気特
性が優れていることが判る。 実施例4 重量%で、C: 0.058%、Si:3.28%、Mn: 0.077%、
S: 0.025%、Cu: 0.055%、Sn: 0.045%、Al: 0.0
27%、N:0.0093%を含む 1.8mm厚の熱延板を1100℃、
1 minの母板焼鈍後酸洗して、うち1コイルは0.23mmに
仕上げた従来工程とうち1コイルは、仕上冷延5パス中
の途中3パス経過後に 175℃、20 minの時効後、2パス
を経て0.23mm厚に仕上げた従来の改良工程と、うち1コ
イルは、仕上冷延5パス中の途中3パス経過後に 175
℃、20 minの時効後、鋼板表面を片面ずつ 4.5μm、合
計両面で9μm研削した後2パスを経て0.23mm厚に仕上
げた本発明工程のコイルと前記それぞれのコイルを脱脂
後、湿水素雰囲気中で 840℃、2 minの脱炭焼鈍後、 M
g0スラリーを塗布した後、N2 50%、H2 50%の混合雰
囲気で 800〜1050℃間を25℃/hr で昇熱後にH2 に切換
えて1200℃、10hrの仕上焼鈍した後に、張力コーティン
グを施し 800℃、1 minのフラットニング焼鈍を経て製
品とした。
【0029】表4に得られた製品の磁気特性を比較して
示す。
【0030】
【表4】
【0031】表4から明らかなように本発明例の磁気特
性が優れていることが判る。
【0032】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、一方向性け
い素鋼板につき、高い磁束密度と低い鉄損値を有する製
品、とくに薄手材において安定して製造することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上冷延パス途中で、時効処理を常温〜 500℃
の温度範囲で各々10分間処理後、板表面を片面ずつ3μ
m、合計で6μm研削したもの(●印)と研削しないも
の(○印)の磁束密度B8 と鉄損値W1750値の関係を
示したグラフ。
【図2】仕上冷延パス途中で、時効処理を25〜 500℃の
温度範囲で 0.5〜 100分間エージング後、表面をそれぞ
れ 2.5μm、両面で5μm研削した時のB8 (T)のレ
ベルを<1.90T(△)、1.90〜1.92T(○)、>1.92T
(●)で示したグラフ。
【図3】仕上冷延パス途中で、時効処理後、表面の研削
を両面合計で0〜30μmの範囲で変化させたときの磁束
密度B8 (T)と鉄損値W1750(w/kg) の関係を示
したグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 石飛 宏威 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C: 0.020〜 0.080%、Si:
    2.5〜 4.0%、Mn:0.01〜0.20%、S: 0.005〜0.05
    %、Al:0.01〜 0.065%、N: 0.002〜 0.015%を含有
    する組成よりなる一方向性けい素鋼素材を熱延後、熱延
    板焼鈍を行い、次いで1回の冷間圧延又は中間焼鈍を挾
    む2回の冷間圧延を施した後、脱炭焼鈍を行い焼鈍分離
    剤を塗布後仕上焼鈍を施す一連の工程からなる一方向性
    けい素鋼板の製造方法において、上記冷間圧延工程中、
    最終冷延時に最終パス以前に 100〜 400℃の温度範囲で
    1〜30分間の時効処理を施した後、鋼板表面を両面合計
    で0.5〜20μm除去することを特徴とする磁気特性の優
    れた一方向性けい素鋼板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07202370A (ja) * 1993-12-21 1995-08-04 Internatl Business Mach Corp <Ibm> プリント回路カード
CN106591554A (zh) * 2016-09-30 2017-04-26 武汉钢铁股份有限公司 一种能提高低温高磁感取向硅钢磁性能的一次冷轧方法
WO2021023279A1 (zh) * 2019-08-07 2021-02-11 包头威丰新材料有限公司 一种取向硅钢退火工艺

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