JPH06192736A - 磁気特性の優れた方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた方向性けい素鋼板の製造方法Info
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- JPH06192736A JPH06192736A JP4348716A JP34871692A JPH06192736A JP H06192736 A JPH06192736 A JP H06192736A JP 4348716 A JP4348716 A JP 4348716A JP 34871692 A JP34871692 A JP 34871692A JP H06192736 A JPH06192736 A JP H06192736A
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Abstract
に安定して得ることのできる製造方法の提案。 【構成】 熱間粗圧延の終了温度を1200℃以上、粗圧延
終了から仕上圧延出側までを 150秒以内、仕上圧延出側
温度を1000℃以下とし、かつ該鋼板を最終焼鈍前に焼鈍
し表層の炭素量を0.01〜0.04%減少させ、その後酸洗に
よって酸化物を除去しておき、最終冷延後の板表面の残
存酸素量を0.15g/m2 以下とし、さらに脱炭処理によ
って生じる表面の酸化物の酸素量を 0.9〜1.88g/m2
に規制する。
Description
他の電気機器の鉄心材料として使用される磁気特性の優
れた方向性けい素鋼板の製造方法に関するものである。
磁気特性に優れること、具体的には磁場の強さ 800A/
mにおける磁束密度B8 (T)が高く、また50Hzの交流
磁束密度 1.7Tにおける鉄損特性W17/50 (W/kg)が
低いことが要求される。このため方向性けい素鋼板は、
2次再結晶を利用して{110 }<001 >方位いわゆるゴ
ス方位の結晶粒を発達させたものである。そして磁気特
性の優れた材料を得るには、磁化容易軸である<001 >
軸を圧延方向に高度に揃えることが必要であり、適当な
圧延と熱処理を組合わせた諸工程によって、ゴス方位に
2次再結晶粒を安定して発達させることが重要である。
特にインヒビターと呼ばれるAlN 及びMnS、MnSe等の析
出物を均一かつ微細に分散させることが肝要である。
号公報には、熱間圧延時の仕上前面温度を1150℃以下に
し仕上圧延中にインヒビターを析出させる方法が提示さ
れている。これは、AlN 等のインヒビター析出温度以下
に鋼板を冷却し、これに圧延による歪を導入することに
よりAlN 等のインヒビターを析出させる方法である。し
かし、この方法では、仕上圧延前に表層部分が冷却され
るため、板面表層部のAlN 等のインヒビターが析出粗大
化するため2次再結晶が不安定になるという問題があ
る。
の析出制御を熱間圧延の巻取時に高温巻取・保持する方
法を示しているしかし、この方法では工業的にコイル長
手・幅方向に温度を均一に制御することは難しく、実用
的ではない。
の優れた方向性けい素鋼板を工業的に安定して得ること
のできる製造方法を提案することを目的とするものであ
る。
i: 2.0〜4.5 %、C:0.01〜0.12%、酸可溶性Al:0.0
10 〜0.06%、N:0.0030〜0.0120%、Mn:0.02〜0.15
%を含み、さらにS又はSeのいずれか一種または二種を
0.005 〜0.060 %含有する鋼を熱間圧延後、1回乃至中
間焼鈍を挟む複数の冷間圧延を施し最終板厚となし、次
いで脱炭焼鈍に引続き焼鈍分離剤を塗布し最終仕上焼鈍
を施す一連の工程によって方向性けい素鋼板を製造する
にあたり、熱間圧延時の粗圧延の終了温度を1200℃以
上、粗圧延終了から仕上圧延出側までの時間を 150秒以
内とし、かつ仕上圧延出側温度を1000℃以下とし、かつ
該鋼板を最終冷延前に焼鈍し表層の炭素量を0.01〜0.04
%減少させ、その後酸洗によって酸化物を予め除去低減
しておき、最終冷延後の板表面に残存する酸化物を酸素
量で0.15g/m2 以下となし、さらに脱炭処理によって
生じる表面の酸化物の量を酸素量で 0.9〜 1.8g/m2
とすることを特徴とする磁気特性の優れた方向性けい素
鋼板の製造方法である。
得るためにインヒビター制御の方法を鋭意検討した結
果、熱間圧延時のインヒビター微細化及び集合組織の適
正化、さらに2次再結晶焼鈍前の諸工程で炭素量を制御
すること、表面酸化物を制御することが大いに有効であ
ることを発見した。
細化する手段として仕上圧延時にインヒビターを微細に
析出させることが望ましく、そのためには粗圧延の終了
温度を1200℃以上とし、粗圧延終了から仕上圧延出側ま
での時間を 150秒以内とし、かつ仕上圧延出側温度を10
00℃以下とすることが必要である。また、集合組織を適
切なものにするためには、熱延板を焼鈍して表層部分の
炭素を0.02〜0.03%減少させて冷間圧延をすることが必
要である。
めには最後の脱炭処理によって生じる表面酸化物の量を
1.0〜1.8 g/m2 にしなければ2次再結晶が不完全に
なる。酸化物がこの範囲をはずれると焼鈍雰囲気へのイ
ンヒビターの解離を阻止することができないからであ
る。さらに上記酸化物の量を制御する際には、熱延板の
脱炭焼鈍の際に生じるスケールは極力除去しておく必要
がある。この時のスケールが残存していると、最後の脱
炭処理時の表面酸化物を上記のように制御しても2次再
結晶は不完全になる。
2次再結晶に及ぼす影響について述べる。脱炭焼鈍時に
生じる酸化物はシリカを主成分とし、さらに鉄の種々の
酸化物等で構成されている。これらの酸化物はその後に
塗布される焼鈍分離剤としてのMgO と仕上焼鈍中に反応
して絶縁性を有するグラスフィルムを形成する。この仕
上焼鈍中に2次再結晶が起こり、磁気特性の良好な方向
性電磁鋼板が作られるわけであるが、その際にインヒビ
ターが仕上焼鈍中にできた酸化物の性質によっては、2
次再結晶に役立つ前に解離して板外に排出され効果がな
くなることが解ってきた。
物量だけでなく酸化物の質の問題も重要であるという知
見に基づいている。酸化物の質の制御は最後の脱炭焼鈍
前の残存スケールの量で可能であり、本発明に示された
残存スケールの範囲でなければたとえ、酸化物の量が適
正であっても充分に安定した2次再結晶粒が得られない
ことが明確になった。
い組成範囲について説明する。 Si: 2.0〜4.5 % Siは、鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効に寄与する
が、 4.5%を上回ると冷延性が損なわれ、一方 2.0%に
満たないと比抵抗が低下するだけでなく、2次再結晶・
純化のために行われる最終高温焼鈍中にα−γ変態によ
って結晶方位のランダム化を生じ、十分な鉄損改善効果
が得られないので、Si量は 2.0〜4.5 %程度とするのが
好ましい。
らず、ゴス方位の発達に有用な元素であり、少なくとも
0.01%以上の含有が好ましい。しかしながら0.12%を超
えて含有されるとかえってゴス方位に乱れが生じるので
上限は0.12%程度が好ましい。
必要とするが、あまりに多すぎると磁気特性を劣化させ
るので、上限は0.12%程度に定めるのが好ましい。イン
ヒビターとしては、いわゆる下記のAlN 系のほかに、 M
nS、MnSe系がある。
インヒビターとして有力な元素である。抑制力確保の観
点からは、少なくともAlは0.01%及びNは0.0090%を必
要とするが、Alは0.060 %及びNは0.0120%を超えると
その効果が損なわれるので、その下限はそれぞれAl:0.
01%及びN:0.0030%、上限はAl:0.06%及びN:0.01
20%とする。
060 % Se、Sの範囲についても、上述したAlN 系の場合と同様
な理由により、上記の範囲に定めた。なお上述したMnS
、MnSe系及びAlN 系はそれぞれ併用することが電磁特
性上望ましい。
e、Alの他、Cu、Ni、Sn、Cr、Ge、Sb、Mo、Zn、Te、Bi
及びPなども有利に適合するので、それぞれ少量併せて
含有させることもできる。ここに上記成分の好適添加範
囲はそれぞれ、Cu、Ni、Sn、Cr:0.01〜0.15%、Ge、S
b、Mo、Zn、Te、Bi:0.005 〜0.1 %、P:0.01〜0.2
%であり、これらの各インヒビター成分についても、単
独使用及び複合使用いずれもが可能である。
ブは、高温加熱され熱間粗圧延、引き続き熱間仕上圧延
を施される。熱間粗圧延の終了温度は1200℃以上でなけ
ればならない。これを下回ると引き続き行われる熱間仕
上圧延においてインヒビターが粗大析出して磁気特性を
不安定にする。また熱間仕上圧延の終了温度は1000℃以
下でなければいけない。これを上回ると充分微細化した
インヒビターの析出が得られないばかりでなく、形成さ
れる集合組織が不充分であり、2次再結晶後の方位の揃
いを損なう。また熱間粗圧延終了から熱間仕上圧延終了
までの時間は 150秒以下でなければならない。これを上
回ると、熱間仕上圧延中に析出するインヒビターが粗大
化してしまい、2次再結晶が不完全になる。
知の手法により冷間圧延されるが、冷間圧延は1回で行
っても中間に再結晶焼鈍を挟む複数の冷間圧延で行って
もよい。また最終冷延前の焼鈍においては、表層部の脱
炭が必要である。脱炭量は板厚全方向を含んだ分析で0.
01〜0.04%の低下が必要でこの範囲を下回ると脱炭の効
果がなく2次再結晶で方位のよい集合組織が得られず、
一方、上回ると2次再結晶が不充分になる。
シリカを主成分としており、鋼板表層中に食い入ってお
り、完全に除去するには特に酸洗を強化したりブラシの
軽研削が必要である。最終冷延後(最後の脱炭焼鈍前)
の板表面に残存する酸化物が酸素量で0.15g/m2 を越
えると、最終仕上焼鈍時に2次再結晶が不完全になる。
これは、残留スケールが多い時には、最後の脱炭焼鈍時
に、鉄の酸化物が表層に多く形成され、最終仕上焼鈍時
にインヒビターが解離して地鉄外に抜けてしまうためで
あると推察される。
終脱炭焼鈍される。その際表面に、やはりシリカを主成
分とする酸化物が形成されるが、その量は酸素量で 0.9
〜1.8 g/m2 であることが必要である。この範囲を外
れると多すぎても少なすぎても2次再結晶が不完全にな
ったり膜質が悪く製品価値を失う。ただし上記範囲であ
っても、最終冷延後の板表面に残存するスケール量が酸
素量で0.15g/m2 を越えていると2次再結晶は不完全
である。
一般的に知られたMgO のスラリーを塗布する。塗布後の
鋼板は通常コイル状に巻き取られて、仕上焼鈍が施され
る。仕上焼鈍は2次再結晶と鋼中の不純物を除去する純
化とを兼ねた焼鈍であり、通常1200℃程度の高温でなさ
れる。仕上焼鈍後のコイルは必要に応じて絶縁のための
コーティングを施されて製品となる。
%、 solAl:0.020 %、N:0.0085%を含有するけい素
鋼スラブを熱間圧延を施し、熱間粗圧延終了温度を1230
℃、熱間仕上圧延終了温度を 980℃とした。また比較例
として熱間粗圧延終了温度1150℃、熱間仕上圧延終了温
度を 920℃及び1000℃とした。
仕上終了)を80秒、 100秒、 120秒、 150秒と変化させ
た。さらに脱炭量、残存スケール量、最終脱炭焼鈍後の
表面酸素量を変化させて、最終仕上焼鈍までの工程を処
理し、絶縁被膜を施して磁気特性を測定した。得られた
磁気特性B8は表1に示す。
%、 solAl:0.022 %、N:0.0090%を含有するけい素
鋼スラブを熱間圧延を施し、熱間粗圧延終了温度を1235
℃、熱間仕上圧延終了温度を 980℃とした。また比較例
として熱間粗圧延終了温度1160℃、熱間仕上圧延終了温
度を1050℃とした。
仕上終了)を80秒、 150秒と変化させた。さらに脱炭量
は0.02%とし、残存スケール量、最終脱炭焼鈍後の表面
酸素量を変化させて、最終仕上焼鈍までの工程を処理
し、絶縁被膜を施して磁気特性を測定した。得られた磁
気特性B8は表2に示す。
定して良好な磁性を有する方向性けい素鋼板を製造する
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%でSi: 2.0〜4.5 %、C:0.01〜0.
12%、酸可溶性Al:0.010 〜0.06%、N:0.0030〜0.01
20%、Mn:0.02〜0.15%を含み、さらにS又はSeのいず
れか一種または二種を0.005 〜0.060 %含有する鋼を熱
間圧延後、1回乃至中間焼鈍を挟む複数の冷間圧延を施
し最終板厚となし、次いで脱炭焼鈍に引続き焼鈍分離剤
を塗布し最終仕上焼鈍を施す一連の工程によって方向性
けい素鋼板を製造するにあたり、熱間圧延時の粗圧延の
終了温度を1200℃以上、粗圧延終了から仕上圧延出側ま
での時間を 150秒以内とし、かつ仕上圧延出側温度を10
00℃以下とし、かつ該鋼板を最終冷延前に焼鈍し表層の
炭素量を0.01〜0.04%減少させ、その後酸洗によって酸
化物を予め除去低減しておき、最終冷延後の板表面に残
存する酸化物を酸素量で0.15g/m2 以下となし、さら
に脱炭処理によって生じる表面の酸化物の量を酸素量で
0.9〜 1.8g/m2 とすることを特徴とする磁気特性の
優れた方向性けい素鋼板の製造方法。
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JP2020169368A (ja) * | 2019-04-05 | 2020-10-15 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
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