JPH042724A - 磁気特性の優れた薄手一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた薄手一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH042724A JPH042724A JP2103188A JP10318890A JPH042724A JP H042724 A JPH042724 A JP H042724A JP 2103188 A JP2103188 A JP 2103188A JP 10318890 A JP10318890 A JP 10318890A JP H042724 A JPH042724 A JP H042724A
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Landscapes
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は、トランス等の鉄心に用いて好適な磁気特性
とくに磁束密度に優れた薄手一方向性電磁鋼板の製造方
法に関するものである。
とくに磁束密度に優れた薄手一方向性電磁鋼板の製造方
法に関するものである。
(従来の技術)
一方向性電磁w4Igiは、主にトランスやその他の電
子機器の鉄心材料として使用され、磁束密度が高く、か
つ鉄損の低いことが要求される。鉄損を下げるには、S
i量を増して素材の固有抵抗を高め渦電流損を下げる方
法と成品板厚を薄くして渦電流損を下げる方法とがある
。板厚を低減する場合、例えば化学研磨によって薄くす
るというような方法では、工業的規模での生産としては
歩留りの低下が甚だしい。従って、いかにして圧延によ
り薄くするかが問題となるが、清くすると仕上げ焼鈍時
の二次再結晶が不安定となり、0.23+ma以下の板
厚で磁気特性の優れた成品を工業的に生産することは、
通常は不可能である。このため薄板化に当たっては、冷
延途中でAINの微細析出処理を行ったり(特開昭59
−126722号公報) 、Snを添加し、かつ熱間圧
延工程の条件を厳しくする(特開昭60−197819
号公報)ことにより、二次再結晶の安定化を図っている
。
子機器の鉄心材料として使用され、磁束密度が高く、か
つ鉄損の低いことが要求される。鉄損を下げるには、S
i量を増して素材の固有抵抗を高め渦電流損を下げる方
法と成品板厚を薄くして渦電流損を下げる方法とがある
。板厚を低減する場合、例えば化学研磨によって薄くす
るというような方法では、工業的規模での生産としては
歩留りの低下が甚だしい。従って、いかにして圧延によ
り薄くするかが問題となるが、清くすると仕上げ焼鈍時
の二次再結晶が不安定となり、0.23+ma以下の板
厚で磁気特性の優れた成品を工業的に生産することは、
通常は不可能である。このため薄板化に当たっては、冷
延途中でAINの微細析出処理を行ったり(特開昭59
−126722号公報) 、Snを添加し、かつ熱間圧
延工程の条件を厳しくする(特開昭60−197819
号公報)ことにより、二次再結晶の安定化を図っている
。
(発明が解決しようとする課題)
しかしながら、前者では工程が複雑化し、また後者では
二次再結晶は安定するもののコストが高くなり、さらに
は磁束密度が低下するところに問題を残していた。
二次再結晶は安定するもののコストが高くなり、さらに
は磁束密度が低下するところに問題を残していた。
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、1回
の冷延で磁気特性の優れた薄手一方向性電磁鋼板を工業
的に安定して生産することができる方法を提案すること
を目的とする。
の冷延で磁気特性の優れた薄手一方向性電磁鋼板を工業
的に安定して生産することができる方法を提案すること
を目的とする。
(課題を解決するための手段)
すなわちこの発明は、
C: 0.02〜0.1 wt%(以下単に%で示す)
、Si:2〜4 %、 Mn : 0.05〜0.10%、 sol、A1 : 0.01〜0.065%、Se :
0.01〜0.10%、 N : 0.003〜0.015%およびSb : 0
.01〜0.20 % を含有するスラブを、板厚: 1.6 mm以下まで熱
間圧延し、500°C以下の温度で巻き取ったのち、8
3〜90%の圧下率で冷間圧延を施して0.15〜0.
25anの最終板厚に仕上げ、ついで脱炭焼鈍後、70
0〜840°Cの温度範囲で10〜100時間保持した
のち、5〜50℃/hの昇温速度で純化焼鈍の温度域ま
で加熱し、しかるのち純化焼鈍を施すことからなる磁気
特性の優れた薄手一方向電磁鋼板の製造方法である。
、Si:2〜4 %、 Mn : 0.05〜0.10%、 sol、A1 : 0.01〜0.065%、Se :
0.01〜0.10%、 N : 0.003〜0.015%およびSb : 0
.01〜0.20 % を含有するスラブを、板厚: 1.6 mm以下まで熱
間圧延し、500°C以下の温度で巻き取ったのち、8
3〜90%の圧下率で冷間圧延を施して0.15〜0.
25anの最終板厚に仕上げ、ついで脱炭焼鈍後、70
0〜840°Cの温度範囲で10〜100時間保持した
のち、5〜50℃/hの昇温速度で純化焼鈍の温度域ま
で加熱し、しかるのち純化焼鈍を施すことからなる磁気
特性の優れた薄手一方向電磁鋼板の製造方法である。
以下、この発明の基礎となった実験結果について説明す
る。
る。
供試材には、インヒビターとしてAIとSe、 Sbと
を含む鋼種AおよびAIとSとを含む鋼種Bを用いた。
を含む鋼種AおよびAIとSとを含む鋼種Bを用いた。
それぞれの化学成分は第1表に示すとおりである。
1」−1
(%)
上記の各鋼塊を、1420°Cで28分間均熱して十分
にAIN、 MnS、 MnSeを固溶させたのち、熱
間圧延を施して2.7mの板厚としてから、490″C
で巻取り、ついで冷間圧延によって1.5an厚に仕上
げ、その後1100°C11分間の中間焼鈍後、急冷し
たのち、0.23鵬の最終板厚まで冷間圧延し、840
″Cで脱炭焼鈍を行ったのち、MgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布した。仕上げ焼鈍は、所定の各温度で3
0時間保定後、純化焼鈍の温度域まで10℃/hの昇温
速度で昇温し、その温度で純化焼鈍を行った。
にAIN、 MnS、 MnSeを固溶させたのち、熱
間圧延を施して2.7mの板厚としてから、490″C
で巻取り、ついで冷間圧延によって1.5an厚に仕上
げ、その後1100°C11分間の中間焼鈍後、急冷し
たのち、0.23鵬の最終板厚まで冷間圧延し、840
″Cで脱炭焼鈍を行ったのち、MgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布した。仕上げ焼鈍は、所定の各温度で3
0時間保定後、純化焼鈍の温度域まで10℃/hの昇温
速度で昇温し、その温度で純化焼鈍を行った。
第1〜4図に、鋼種AおよびBそれぞれにつき、保定温
度と磁束密度および鉄損との関係について調べた結果を
示す。なお図中、矢印の範囲は標準偏差である。
度と磁束密度および鉄損との関係について調べた結果を
示す。なお図中、矢印の範囲は標準偏差である。
鋼種Aでは、保定温度が700〜840″Cの範囲で安
定した高磁束密度、低鉄損の成品が得られた。
定した高磁束密度、低鉄損の成品が得られた。
一方、AIとSを含む鋼種Bでは、鋼種Aに比べ全般的
に磁束密度が低いだけでなく、保定温度が上がるに従っ
て磁束密度は低下した。
に磁束密度が低いだけでなく、保定温度が上がるに従っ
て磁束密度は低下した。
^1. Se、 Sbを素材中に含む場合に、上述した
ような仕上げ焼鈍によって高い磁束密度が得られる理由
は、次のとおりと考えられる。
ような仕上げ焼鈍によって高い磁束密度が得られる理由
は、次のとおりと考えられる。
すなわち、700〜840 ”Cでの保定中に方位の優
れた二次再結晶核が生成し、この段階で生成した方位の
優れた二次再結晶核が保定後の昇温中に成長する結果、
高磁束密度が得られるものと考えられる。
れた二次再結晶核が生成し、この段階で生成した方位の
優れた二次再結晶核が保定後の昇温中に成長する結果、
高磁束密度が得られるものと考えられる。
この点につき、いま少し具体的に説明すると、素材中に
Se、 Sbを含まない鋼種Bの場合は、700〜84
0°Cでの保定中にMnS、AINといった析出物が粗
大、に成長してインヒビターの抑制力が失われてしまい
、その結果磁束密度は逆に低下するものと考えられる。
Se、 Sbを含まない鋼種Bの場合は、700〜84
0°Cでの保定中にMnS、AINといった析出物が粗
大、に成長してインヒビターの抑制力が失われてしまい
、その結果磁束密度は逆に低下するものと考えられる。
これに対し、素材中にSe、 Sbを含む場合には、M
nSeがMnSに比べて保定中の析出物の成長速度が遅
いだけでなく、sbが表面に濃化して仕上げ焼鈍雰囲気
の影響を和らげることから、AINの分解、粗大化を抑
えることができ、それ故素材中にSe、 Sbを含む場
合は700〜840°Cの保定中にインヒビター抑制力
が維持される結果、核生成処理の効果が上がるものと考
えられる。
nSeがMnSに比べて保定中の析出物の成長速度が遅
いだけでなく、sbが表面に濃化して仕上げ焼鈍雰囲気
の影響を和らげることから、AINの分解、粗大化を抑
えることができ、それ故素材中にSe、 Sbを含む場
合は700〜840°Cの保定中にインヒビター抑制力
が維持される結果、核生成処理の効果が上がるものと考
えられる。
このように、仕上げ焼鈍条件を適正化することにより、
A1. Se、 Sb系インヒビターを用いた場合にお
いて良好な磁気特性を有する薄手の一方向性電磁調板が
得られることが判明したが、かかる薄手の一方向性電磁
鋼板の製造においては、集合組織を適正化するために、
最終冷延圧下率を83〜90%にする必要があり、冷延
工程では2回の圧延が必要であった。この理由は、熱延
板を常法の熱間圧延で製造する場合、薄手化のためには
熱延温度が低下しすぎるために、インヒビターの析出に
何らかの不適合が生じるためと考えられる。
A1. Se、 Sb系インヒビターを用いた場合にお
いて良好な磁気特性を有する薄手の一方向性電磁調板が
得られることが判明したが、かかる薄手の一方向性電磁
鋼板の製造においては、集合組織を適正化するために、
最終冷延圧下率を83〜90%にする必要があり、冷延
工程では2回の圧延が必要であった。この理由は、熱延
板を常法の熱間圧延で製造する場合、薄手化のためには
熱延温度が低下しすぎるために、インヒビターの析出に
何らかの不適合が生じるためと考えられる。
しかしながら2回の冷延が1回の冷延で済むならば、そ
の工程省略に伴う経済効果は極めて大きいため、その方
法について検討した。
の工程省略に伴う経済効果は極めて大きいため、その方
法について検討した。
第1表の鋼種Aと同じ化学成分になる鋼塊をサンプルに
用い、これを第2表に示す条件で熱間圧延を行い、その
後1100℃、1分の焼鈍を施したのち、急冷し、同じ
(第2表に示す条件で冷間圧延を行った。なお冷延途中
には300°C,2分の時効処理を施した。
用い、これを第2表に示す条件で熱間圧延を行い、その
後1100℃、1分の焼鈍を施したのち、急冷し、同じ
(第2表に示す条件で冷間圧延を行った。なお冷延途中
には300°C,2分の時効処理を施した。
その後、湿潤水素雰囲気において840°Cで脱炭焼鈍
を施したのち、MgOを主成分とする焼鈍分離材を塗布
してから、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼鈍は、次のA
、B二つの方法で行った。
を施したのち、MgOを主成分とする焼鈍分離材を塗布
してから、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼鈍は、次のA
、B二つの方法で行った。
方法A:30℃/hで800″Cまで昇温し、その温度
に30時間保定したのち、20°C)hで純化焼鈍温度
まで昇温し、その温度で純化焼鈍す る方法。
に30時間保定したのち、20°C)hで純化焼鈍温度
まで昇温し、その温度で純化焼鈍す る方法。
方法B:30℃/hで700℃まで昇温後、保定せずに
15℃/hで純化焼鈍温度まで昇温し、その温度で純化
焼鈍する方法。
15℃/hで純化焼鈍温度まで昇温し、その温度で純化
焼鈍する方法。
かくして得られた各成品の磁気特性について調べた結果
を第2表に併記する。
を第2表に併記する。
第−I−表
第2表から明らかなように、熱延板の板厚を薄くすると
共にコイルの巻取り温度を下げ、かつ仕上げ焼鈍パター
ンを特定した場合(条件1)のみ、良好な磁気特性が得
られた。これに対し、仕上げ焼鈍を従来法で行った場合
(条件4)や冷延圧下率が高すぎる場合(条件2)には
、二次再結晶が起きないことがわかる。
共にコイルの巻取り温度を下げ、かつ仕上げ焼鈍パター
ンを特定した場合(条件1)のみ、良好な磁気特性が得
られた。これに対し、仕上げ焼鈍を従来法で行った場合
(条件4)や冷延圧下率が高すぎる場合(条件2)には
、二次再結晶が起きないことがわかる。
なお上記の実験では、インヒビターとしてAI。
Se、 Sbを含有する素材を用いた場合について示し
たが、AI、 Sを用いたものでは二次再結晶が起きな
い。これは熱延板板厚を薄くすることに伴って冷却が早
まり、AINの析出が熱延段階で起こるためである。こ
の点、AI、 Se、 Sb系ではAINの析出挙動が
A1. S系の場合とは異なり、熱延時には析出が起
こらないので二次再結晶が良好に進行する。
たが、AI、 Sを用いたものでは二次再結晶が起きな
い。これは熱延板板厚を薄くすることに伴って冷却が早
まり、AINの析出が熱延段階で起こるためである。こ
の点、AI、 Se、 Sb系ではAINの析出挙動が
A1. S系の場合とは異なり、熱延時には析出が起
こらないので二次再結晶が良好に進行する。
次に、適正なコイル巻取り温度についての実験結果を以
下に示す。
下に示す。
第1表の鋼種Aと同じ化学成分になる鋼塊を、1420
″Cで28分間で加熱後、熱間圧延を施して1.5閣の
板厚としてから、400〜600℃の範囲の種々の温度
で巻取り、ついで1100°Cで1分間の焼鈍後、急冷
し、300 ”C,2分間の時効処理を含む冷延によっ
て板厚を0.17mmとし、840°Cの湿潤水素雰囲
気中で脱炭焼鈍を行ったのち、MgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布し、前記の方法Aで仕上げ焼鈍を施した
。
″Cで28分間で加熱後、熱間圧延を施して1.5閣の
板厚としてから、400〜600℃の範囲の種々の温度
で巻取り、ついで1100°Cで1分間の焼鈍後、急冷
し、300 ”C,2分間の時効処理を含む冷延によっ
て板厚を0.17mmとし、840°Cの湿潤水素雰囲
気中で脱炭焼鈍を行ったのち、MgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布し、前記の方法Aで仕上げ焼鈍を施した
。
得られた成品の磁束密度を、コイル巻取り温度との関係
で第5図に示す。
で第5図に示す。
同図より明らかなように、500℃以下で巻き取った場
合に良好な磁気特性が得られている。
合に良好な磁気特性が得られている。
ここにコイル巻取り温度を500″C以下にすることに
よって良好に二次再結晶が進行する理由は定かではない
が、sbの粒界偏析に起因するためと考えられる。つま
り熱延時の圧下率が高いほど熱延板の結晶粒径が微細に
なり、そのため粒界密度が増す。コイルの巻取り温度が
500°Cより高い場合は、コイルの冷却中にsbが粒
界偏析してしまい、仕上げ焼鈍の際に効果的に表面濃化
しにくいため、仕上げ焼鈍条件を適正化してもその効果
が得られないと考えられる。
よって良好に二次再結晶が進行する理由は定かではない
が、sbの粒界偏析に起因するためと考えられる。つま
り熱延時の圧下率が高いほど熱延板の結晶粒径が微細に
なり、そのため粒界密度が増す。コイルの巻取り温度が
500°Cより高い場合は、コイルの冷却中にsbが粒
界偏析してしまい、仕上げ焼鈍の際に効果的に表面濃化
しにくいため、仕上げ焼鈍条件を適正化してもその効果
が得られないと考えられる。
(作 用)
この発明において、成分組成範囲を前記の範囲に限定し
た理由は次のとおりである。
た理由は次のとおりである。
C: 0.02〜0.1%
Cは、熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化ならび
にゴス方位の発達に有用な元素であるが、0.02%未
満では良好な一次再結晶組織が得られず、一方0.1%
を超えると脱炭不良となり磁気特性が劣化するので、0
.02〜0.1%の範囲に限定した。
にゴス方位の発達に有用な元素であるが、0.02%未
満では良好な一次再結晶組織が得られず、一方0.1%
を超えると脱炭不良となり磁気特性が劣化するので、0
.02〜0.1%の範囲に限定した。
Si:2〜4 %
Siは、鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効に寄与す
るが、2%未満では電気抵抗が低くて良好な鉄損が得ら
れず、一方4%を超えると冷間加工性が著しく劣化する
ので、2〜4%の範囲に限定した。
るが、2%未満では電気抵抗が低くて良好な鉄損が得ら
れず、一方4%を超えると冷間加工性が著しく劣化する
ので、2〜4%の範囲に限定した。
Mn : 0.05〜0.10%、Se : 0.01
〜0.10%MnとSeは、インヒビターMnSeを形
成させるために必要な元素であり、インヒビターとして
の機能を発揮させるためには、0.05〜0.10%の
Mnを必要とする。次にSeは、0.01%未満ではイ
ンヒビター量が不足し、一方0.10%を超えると純化
焼鈍での脱Seが困難となるため、0.01〜0.10
%の範囲で含有させるものとした。
〜0.10%MnとSeは、インヒビターMnSeを形
成させるために必要な元素であり、インヒビターとして
の機能を発揮させるためには、0.05〜0.10%の
Mnを必要とする。次にSeは、0.01%未満ではイ
ンヒビター量が不足し、一方0.10%を超えると純化
焼鈍での脱Seが困難となるため、0.01〜0.10
%の範囲で含有させるものとした。
sol、A1 : 0.01〜0.065%、N :
0.003〜0.015%AIおよびNは、インヒビタ
ーAINを形成するのに必要な元素であり、良好な磁気
特性を得るためには、0.01〜0.065%のAtと
0.003〜0.015%のNが必要である。これらの
上限を超えるとAINの粗大化を招き、一方これらの下
限未満ではAINの絶対量が不足する。
0.003〜0.015%AIおよびNは、インヒビタ
ーAINを形成するのに必要な元素であり、良好な磁気
特性を得るためには、0.01〜0.065%のAtと
0.003〜0.015%のNが必要である。これらの
上限を超えるとAINの粗大化を招き、一方これらの下
限未満ではAINの絶対量が不足する。
Sb : 0.01〜0.20%
sbは、粒界偏析型インヒビターとして機能するが、0
.01%未満ではインヒビターとしての効果に乏しく、
一方0.20%を超えると脱炭性および表面被膜形成に
悪影響を与えるので、0.01〜0.20%の範囲に限
定した。
.01%未満ではインヒビターとしての効果に乏しく、
一方0.20%を超えると脱炭性および表面被膜形成に
悪影響を与えるので、0.01〜0.20%の範囲に限
定した。
以上、基本成分について説明したが、この発明ではさら
に、補助インヒビターとしてCuを添加することができ
る。ここにCuは、0.02%未満ではその添加効果に
乏しく、一方0.3%を超えるとコスト上の問題がある
ので、0.02〜0.3%の範囲で含有させるのが好ま
しい。さらにMo、 Sn、 GeおよびNiなどをそ
れぞれ、Mo : 0.01〜0.05%、 Sn :
0.01〜0.30%、 Ge : 0.01〜0.
30%、 Ni : 0.01〜0.20%の範囲で添
加してもよい。
に、補助インヒビターとしてCuを添加することができ
る。ここにCuは、0.02%未満ではその添加効果に
乏しく、一方0.3%を超えるとコスト上の問題がある
ので、0.02〜0.3%の範囲で含有させるのが好ま
しい。さらにMo、 Sn、 GeおよびNiなどをそ
れぞれ、Mo : 0.01〜0.05%、 Sn :
0.01〜0.30%、 Ge : 0.01〜0.
30%、 Ni : 0.01〜0.20%の範囲で添
加してもよい。
さて上記の好適成分組成に調整した鋼塊に、熱間圧延を
施して板厚:1.6+mn以下の熱延板としたのち、5
00”C以下の温度でコイルに巻取る。従来は熱延の圧
下率を上げると二次再結晶が安定して起こらなかったが
、この発明ではインヒビター成分としてAI、 Se、
Sb系を用い、仕上げ焼鈍条件を適正化しているので
、1.6鵬以下の板厚でも二次再結晶が安定して起こる
ようになった。ここに熱延板の厚みが1.6mmを超え
ると、最終板厚を薄くするために冷延圧下率を上げなけ
ればならないが、冷延圧下率を上げると、1回の冷延で
は後工程で二次再結晶を十分に行わせることができず、
特性は劣化する。またコイル巻取り温度は高すぎると、
仕上げ焼鈍の組合せ効果が得られないため、巻取り温度
は500°C以下とする。とはいえ300°C未満にな
ると巻取り時にコイルが割れるというトラブルが発生し
易(なるので、好適範囲は300〜500°Cである。
施して板厚:1.6+mn以下の熱延板としたのち、5
00”C以下の温度でコイルに巻取る。従来は熱延の圧
下率を上げると二次再結晶が安定して起こらなかったが
、この発明ではインヒビター成分としてAI、 Se、
Sb系を用い、仕上げ焼鈍条件を適正化しているので
、1.6鵬以下の板厚でも二次再結晶が安定して起こる
ようになった。ここに熱延板の厚みが1.6mmを超え
ると、最終板厚を薄くするために冷延圧下率を上げなけ
ればならないが、冷延圧下率を上げると、1回の冷延で
は後工程で二次再結晶を十分に行わせることができず、
特性は劣化する。またコイル巻取り温度は高すぎると、
仕上げ焼鈍の組合せ効果が得られないため、巻取り温度
は500°C以下とする。とはいえ300°C未満にな
ると巻取り時にコイルが割れるというトラブルが発生し
易(なるので、好適範囲は300〜500°Cである。
次に、冷間圧延における圧下率は83〜90%とする必
要がある。というのは圧下率が83%より小さいと磁束
密度が低下するだけでなく、鉄損も増加し、一方90%
より大きいとその後にこの発明に従う仕上げ焼鈍を施し
ても二次再結晶が安定して起こらないからである。
要がある。というのは圧下率が83%より小さいと磁束
密度が低下するだけでなく、鉄損も増加し、一方90%
より大きいとその後にこの発明に従う仕上げ焼鈍を施し
ても二次再結晶が安定して起こらないからである。
冷延後は脱炭焼鈍を行う。これは公知の方法でよい。次
にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布する。この際
焼鈍分離剤中にTiO□等公知の添加物を混入してもよ
い。
にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布する。この際
焼鈍分離剤中にTiO□等公知の添加物を混入してもよ
い。
最終仕上げ焼鈍は、700〜800°Cの温度範囲内の
任意の温度で10〜100時間保定したのち、5〜50
℃/hの昇温速度で、1100〜1250″Cの純化焼
鈍温度域まで昇温する。
任意の温度で10〜100時間保定したのち、5〜50
℃/hの昇温速度で、1100〜1250″Cの純化焼
鈍温度域まで昇温する。
ここに保定温度が700″Cに満たないとsbの濃化が
十分でなく、一方840°Cを超えるとsbを添加して
もMnSeの抑制力が低下してしまう。また保持時間は
10〜100時間としたが、10時間に満たないと効果
がなく、一方100時間を超えてもその効果は飽和に達
するだけでなく、むしろ生産効率の点で不利を招く。
十分でなく、一方840°Cを超えるとsbを添加して
もMnSeの抑制力が低下してしまう。また保持時間は
10〜100時間としたが、10時間に満たないと効果
がなく、一方100時間を超えてもその効果は飽和に達
するだけでなく、むしろ生産効率の点で不利を招く。
なお最終焼鈍雰囲気にはあまり影響を受けないので従来
のいかなる方法も適用可能である。
のいかなる方法も適用可能である。
また最終仕上げ焼鈍後に鋼板に張力を付加するコーティ
ングを行うと鉄損が一段と低下する。さらに公知の磁区
細分化技術を適用することにより、−層鉄損を低減させ
ることもできる。
ングを行うと鉄損が一段と低下する。さらに公知の磁区
細分化技術を適用することにより、−層鉄損を低減させ
ることもできる。
(実施例)
実施例I
C: 0.071%、 Si : 3.31%、 Mn
: 0.064%、Al:0.030%、 N :
0.0080%、 Se : 0.024%、Sb :
0.027%、Cu : 0.07%およびMo :
0.012%を含み、残部は実質的にFeの組成にな
る鋼塊を、熱間圧延によって板厚=1.2〜2.0mm
の熱延板としたのち、450°Cの温度でコイルに巻取
り、ついで1100°C,1分間の加熱急冷後、300
°C,2分間の時効処理を含む1回の冷間圧延で0.5
〜0.10の最終板厚に仕上げたのち、840°C,3
分間の脱炭焼鈍を行い、ついでMgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布してから、700〜840°Cの範囲内
の所定温度で50時間保定し、その後10℃/hの昇温
速度で1200″Cまで昇温し、この温度で純化焼鈍を
行った。
: 0.064%、Al:0.030%、 N :
0.0080%、 Se : 0.024%、Sb :
0.027%、Cu : 0.07%およびMo :
0.012%を含み、残部は実質的にFeの組成にな
る鋼塊を、熱間圧延によって板厚=1.2〜2.0mm
の熱延板としたのち、450°Cの温度でコイルに巻取
り、ついで1100°C,1分間の加熱急冷後、300
°C,2分間の時効処理を含む1回の冷間圧延で0.5
〜0.10の最終板厚に仕上げたのち、840°C,3
分間の脱炭焼鈍を行い、ついでMgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布してから、700〜840°Cの範囲内
の所定温度で50時間保定し、その後10℃/hの昇温
速度で1200″Cまで昇温し、この温度で純化焼鈍を
行った。
かくして得られた製品の磁気特性について調べた結果を
第3表に示す。
第3表に示す。
たのち、450〜560°Cの温度でコイルに巻取り、
ついで1100°C,1分間の加熱急冷後、300°C
,2分間の時効処理を含む1回の冷間圧延で0.20+
mnの最終板厚に仕上げたのち、840°C,3分間の
脱炭焼鈍を行い、ついでMgOを主成分とする焼鈍分離
剤を塗布してから、700〜870°Cの範囲内の所定
温度で50時間保定し、その後7℃/hの昇温速度で1
200°Cまで昇温し、この温度で純化焼鈍を行った。
ついで1100°C,1分間の加熱急冷後、300°C
,2分間の時効処理を含む1回の冷間圧延で0.20+
mnの最終板厚に仕上げたのち、840°C,3分間の
脱炭焼鈍を行い、ついでMgOを主成分とする焼鈍分離
剤を塗布してから、700〜870°Cの範囲内の所定
温度で50時間保定し、その後7℃/hの昇温速度で1
200°Cまで昇温し、この温度で純化焼鈍を行った。
かくして得られた製品の磁気特性について調べた結果を
第4表に示す。
第4表に示す。
同表より明らかなように、この発明に従って得られたも
のはいずれも、磁束密度および鉄損ともに優れた値を示
している。
のはいずれも、磁束密度および鉄損ともに優れた値を示
している。
実施例2
C: 0.070%、Si : 3.28%、Mn :
0.072%、Al二0.020%、N : 0.0
87%、Se : 0.022%、Sb : 0.02
2%、Cu : 0.08%、Ni : 0.06%お
よびMo : 0.01%を含有し、残部は実質的にF
eの組成になる鋼塊を、熱間圧延によって板厚:1.3
〜2.0胴の熱延板とし実施例3 第5表に示す種々の組成になる鋼塊を、熱間圧延によっ
て厚み:1.6〜1.0mmの熱延板としてから、45
0°Cでコイルに巻取り、ついで1100’C,1分間
の加熱後、300°C,2分間の時効処理を含む冷間圧
延によって0.22mmの最終板厚としたのち、脱炭焼
鈍を施し、ついでMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布してから、750°Cで20時間保定後、10℃/h
の昇温速度で1200℃まで加熱し、同温度で純化焼鈍
した。
0.072%、Al二0.020%、N : 0.0
87%、Se : 0.022%、Sb : 0.02
2%、Cu : 0.08%、Ni : 0.06%お
よびMo : 0.01%を含有し、残部は実質的にF
eの組成になる鋼塊を、熱間圧延によって板厚:1.3
〜2.0胴の熱延板とし実施例3 第5表に示す種々の組成になる鋼塊を、熱間圧延によっ
て厚み:1.6〜1.0mmの熱延板としてから、45
0°Cでコイルに巻取り、ついで1100’C,1分間
の加熱後、300°C,2分間の時効処理を含む冷間圧
延によって0.22mmの最終板厚としたのち、脱炭焼
鈍を施し、ついでMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布してから、750°Cで20時間保定後、10℃/h
の昇温速度で1200℃まで加熱し、同温度で純化焼鈍
した。
かくして得られた製品の磁気特性について調べた結果を
第5表に示す。
第5表に示す。
(発明の効果)
かくしてこの発明によれば、1回の冷間圧延で最終板厚
に仕上げた場合であっても、良好な二次再結晶組織を安
定して得ることができ、ひいては磁気特性とくに磁束密
度に優れた一方向性電磁銅板を得ることができる。
に仕上げた場合であっても、良好な二次再結晶組織を安
定して得ることができ、ひいては磁気特性とくに磁束密
度に優れた一方向性電磁銅板を得ることができる。
第1図は、鋼種Aの保定温度と磁束密度との関係を示す
グラフ、 第2図は、鋼種Bの保定温度と磁束密度との関係を示す
グラフ、 第3図は、鋼種Aの保定温度と鉄損との関係を示すグラ
フ、 第4図は、鋼種Bの保定温度と鉄損との関係を示すグラ
フ、 第5図は、コイル巻取温度と磁束密度との関係を示すグ
ラフである。 第3図 保定;j廣(で) イヌf温度(°の 第1図 イ呆定:111(”C) イ呆定.UICc) コイル各1スリJり責(τ)
グラフ、 第2図は、鋼種Bの保定温度と磁束密度との関係を示す
グラフ、 第3図は、鋼種Aの保定温度と鉄損との関係を示すグラ
フ、 第4図は、鋼種Bの保定温度と鉄損との関係を示すグラ
フ、 第5図は、コイル巻取温度と磁束密度との関係を示すグ
ラフである。 第3図 保定;j廣(で) イヌf温度(°の 第1図 イ呆定:111(”C) イ呆定.UICc) コイル各1スリJり責(τ)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、C:0.02〜0.1wt%、 Si:2〜4wt%、 Mn:0.05〜0.10wt%、 sol.Al:0.01〜0.065wt%、Se:0
.01〜0.10wt%、 N:0.003〜0.015wt%および Sb:0.01〜0.20wt% を含有するスラブを、板厚:1.6mm以下まで熱間圧
延し、500℃以下の温度で巻き取ったのち、83〜9
0%の圧下率で冷間圧延を施して0.15〜0.25m
mの最終板厚に仕上げ、ついで脱炭焼鈍後、700〜8
40℃の温度範囲で10〜100時間保持したのち、5
〜50℃/hの昇温速度で純化焼鈍の温度域まで加熱し
、しかるのち純化焼鈍を施すことを特徴とする磁気特性
の優れた薄手一方向電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2103188A JPH0742507B2 (ja) | 1990-04-20 | 1990-04-20 | 磁気特性の優れた薄手一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2103188A JPH0742507B2 (ja) | 1990-04-20 | 1990-04-20 | 磁気特性の優れた薄手一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH042724A true JPH042724A (ja) | 1992-01-07 |
JPH0742507B2 JPH0742507B2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=14347547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2103188A Expired - Lifetime JPH0742507B2 (ja) | 1990-04-20 | 1990-04-20 | 磁気特性の優れた薄手一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0742507B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013047383A (ja) * | 2011-07-28 | 2013-03-07 | Jfe Steel Corp | 極薄方向性電磁鋼板の製造方法 |
WO2014132354A1 (ja) * | 2013-02-27 | 2014-09-04 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6601649B1 (ja) | 2017-12-28 | 2019-11-06 | Jfeスチール株式会社 | 低鉄損方向性電磁鋼板とその製造方法 |
-
1990
- 1990-04-20 JP JP2103188A patent/JPH0742507B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013047383A (ja) * | 2011-07-28 | 2013-03-07 | Jfe Steel Corp | 極薄方向性電磁鋼板の製造方法 |
WO2014132354A1 (ja) * | 2013-02-27 | 2014-09-04 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0742507B2 (ja) | 1995-05-10 |
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Legal Events
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S531 | Written request for registration of change of domicile |
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