JP3300034B2 - 磁束密度の極めて高い方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁束密度の極めて高い方向性珪素鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変圧器その他の電気
機器の鉄心などの用途に好適な磁束密度の極めて高い、
方向性珪素鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】変圧器その他電気機器の鉄心などに利用
される方向性鋼板には、低鉄損とともに高い磁束密度を
有することが求められている。磁束密度を向上させるた
めには、冷間圧延時の圧下率を80%以上にして、ゴス
方位からのずれが小さい二次再結晶粒を発生させる必要
がある。しかし冷間圧延率を80%以上とすると、脱炭
焼鈍後の一次再結晶組織中の二次再結晶の核となるべき
ゴス方位やそれに近い結晶粒の数が減るために二次再結
晶は困難となる。
【0003】それを解決したのがAlの添加によるAl
Nをインヒビターとする素材を用いる技術である。Al
NはMnSあるいはMnSeに比較して、高い温度まで
一次再結晶粒成長を強く抑制する力を持っている。その
ため冷間圧延時の圧下率を80%以上にして、一次再結
晶粒径を小さくした場合にも結晶粒の成長は抑制され二
次再結晶を生起させることができた。しかしながら、A
lNをインヒビターとする方向性珪素鋼の磁束密度の向
上と安定のためには多大の努力がはらわれてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】AlNをインヒビター
とした素材を用いる技術の問題として、冷間圧下率が高
いことに起因する二次再結晶の不安定さがある。その不
安定さを改善するためには、一次再結晶組織の改善が必
要である。良好な一次再結晶組織を得るために、脱炭焼
鈍の前に、予備的な焼鈍を施す技術が開示されている。
例えば、特公昭40−16769号公報には冷間圧延後
の鋼板を500〜700℃の範囲に少なくとも2分以上
保持することにより一次再結晶粒を発生させる技術が開
示されている。しかしこの技術は、500〜700℃の
温度域での一次再結晶により比較的広い酸可溶性Al範
囲で二次再結晶を生起させることが主眼であり、磁束密
度の値を向上させるという点では極めて不十分である。
また特開昭59−70723号公報には最終冷間圧延板
に再結晶温度以下の焼鈍を行うことにより、再結晶組織
中の(110)組織を増加させ磁気特性を改善する技術
が開示されている。この技術を用いることにより磁気特
性は向上したものの二次再結晶が困難である板厚の薄い
場合の磁束密度の向上は不十分であり、たとえば特開昭
59−70723号公報の実施例3においては板厚0.
225mmでの磁束密度の値(B10)は、1.93T
(B8では1.92Tと推定される)であり、磁束密度
の向上は不十分である。
【0005】そこでこの発明は、従来技術ではなし得な
かった、極めて高い磁束密度をもつ方向性珪素鋼板を安
定して製造する方法について提案することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、二次再
結晶現象について綿密な検討を加えた結果、最終冷間圧
延後脱炭焼鈍前に露点15℃以下の水素中で焼鈍を行う
ことにより所期の目的が有利に達成されるとの知見を得
た。この発明は上記の知見に立脚するものである。
【0007】すなわちこの発明は、Siを2.0〜4.
5%含み、さらにAlをインヒビター形成成分として含
有する珪素鋼スラブを熱間圧延後、1回または中間焼鈍
を含む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚とし、つい
で脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面にMgOを主成分とす
る焼鈍分離剤を塗布してから二次再結晶焼鈍および純化
焼鈍を施す一連の工程において方向性珪素鋼を製造する
に当たり、最終冷間圧延後に、750〜1050℃の温
度において30秒〜10分間、少なくとも10%以上の
水素を含む露点15℃以下の焼鈍雰囲気中での焼鈍を施
した後に、通常の脱炭焼鈍を施すことを特徴とする磁束
密度の極めて高い方向性珪素鋼の製造方法であり、また
好ましくは上記珪素鋼スラブの組成が、Si:2.0〜
4.5%、C:0.02〜0.10%、Al:0.01
0〜0.065%、N:0.0010〜0.0150
%、Mn:0.02〜0.20%、SまたはSeのいず
れか1種を単独または合計で0.01〜0.040%を
含むことを特徴とする磁束密度の極めて高い方向性珪素
鋼板の製造方法であり、またさらに好ましくは上記珪素
鋼スラブの組成が、Si:2.0〜4.5%、C:0.
02〜0.10%、Al:0.010〜0.065%、
N:0.0010〜0.0150%、Mn:0.02〜
0.20%、SまたはSeのいずれか1種を単独または
合計で0.01〜0.040%を含み、さらにSb:
0.01〜0.20%、Cu:0.02〜0.20%、
P:0.01〜0.30%、Mo:0.01〜0.05
%、Sn:0.02〜0.20%、Ge:0.005〜
0.30%、Ni:0.02〜0.20%のうちから選
んだ1種または2種以上を含むことを特徴とする磁束密
度の極めて高い方向性珪素鋼板の製造方法である。
【0008】
【作用】以下、この発明の基礎になった実験結果につい
て説明する。C:0.069%、Si:3.31%、M
n:0.078%、Se:0.024%、Sb:0.0
26%、Al:0.025%およびN:0.0089%
を含むスラブを、1420℃に加熱後2.2mm厚の熱
間圧延板としたのち、1000℃、30秒の熱間圧延板
焼鈍を行ってから、冷間圧延で1,5mm厚の中間厚と
したのち、1100℃、60秒の中間焼鈍後、冷間圧延
によって0.22mm厚の厚さとした。ついで露点ー2
0℃の水素雰囲気中で900℃で5分の焼鈍を行った。
比較として露点−20℃の窒素雰囲気で焼鈍を施した条
件と焼鈍を行わない条件の実験も行った。その後840
℃2分の露点65℃の湿潤水素雰囲気で脱炭焼鈍を施し
た。脱炭焼鈍後の表面の集合組織をX線インバース法で
調査した。その後MgOに6%のTiO2 を添加した焼
鈍分離剤を塗布した。それらのコイルから切り板のサン
プルを採取し、常温から20℃/hの昇温速度で水素7
5%窒素25%の雰囲気で仕上げ焼鈍を行い、850℃
から15℃おきにサンプルを取り出し、結晶組織を観察
して、表層と中心層の一次再結晶粒径の変化を調査し
た。そしてコイルの本体も、同様の条件で仕上げ焼鈍を
行い最終の磁気特性を調査した。
【0009】かくして得られた脱炭焼鈍板表面の集合組
織を図1に、仕上げ焼鈍における表層と中心層の一次再
結晶粒径変化を図2に、製品板の磁性結果を図3にそれ
ぞれ示す。図1より明らかなように、最終冷間圧延後の
焼鈍により集合組織は変化しないこと、図2より明らか
なように、最終冷間圧延後の焼鈍を水素雰囲気で行った
場合に、表層の一次再結晶粒の成長が促進され、二次再
結晶温度が100℃程度低下していること、図3より明
らかなように、最終冷間圧延後、脱炭焼鈍前に水素中焼
鈍した条件のコイルは著しく磁束密度が良好であること
がわかる。
【0010】このようにこの発明は、最終冷間圧延後、
脱炭焼鈍前に水素中で焼鈍することにより磁束密度が著
しく向上するという全く新しい知見に基づいて完成され
たものである。ここにこの発明によって磁束密度が向上
する理由については、必ずしも明らかでないが次のとお
りであると考えられる。
【0011】最終冷間圧延後、脱炭焼鈍前に水素中で焼
鈍することにより、脱炭焼鈍板の集合組織はほとんど変
化しておらず、この焼鈍の効果は一次再結晶集合組織に
変化を与えているものではない。最終冷間圧延後、脱炭
焼鈍前に水素中で焼鈍することの効果は、この焼鈍を窒
素中で行ったものや焼鈍を行わないものに比べて、仕上
げ焼鈍中に表層の結晶粒の成長が促進され、二次再結晶
温度が低下することにある。
【0012】その理由は、最終冷間圧延後の水素中での
焼鈍は、脱炭焼鈍前であるので表層にはSiO2を主体とす
る内部酸化層が形成されていないために、表層のNの分
解が促進されるためであると考えられる。その結果表層
においては、仕上げ焼鈍初期のAlN量が少ないため
に、低い温度で二次再結晶核の生成が起こると考えられ
る。中心部では表層に比べると、仕上げ焼鈍初期のAl
N量が多く、粒成長は進行せずに一次再結晶粒が保存さ
れている。その結果最終冷間圧延後に水素中で焼鈍を行
った条件のものでは、低温で表層において発生した二次
再結晶核は、よりインヒビターの抑制力がたもたれてい
る状態で中心部のマトリックスを食って成長することに
なる。図2より明らかなように、最終冷間圧延後の焼鈍
を水素雰囲気で行った場合の二次再結晶開始直前におけ
る中心層の一次再結晶(粒径10μm程度)は、最終冷
間圧延後の焼鈍を窒素雰囲気で行った条件や、焼鈍を行
わなかった条件の二次再結晶開始直前の中心層の一次再
結晶粒(粒径15〜19μm程度)に比べて小さく、二
次再結晶開始時に抑制力が保たれているものといえる。
このような中心層の抑制力が保たれた状態で、表層より
成長した二次再結晶粒の方位が、極めて理想ゴス方位に
近い方位であるために磁束密度が極めて高くなるものと
いえるが、おそらく理想ゴス方位ほど、インヒビターの
抑制力が保たれている場合には、優先的に中心部のマト
リックスを食って早く成長する性質があるものと思われ
る。
【0013】従来二次再結晶の安定化と磁束密度の向上
のためには一次再結晶組織の改善、特に二次再結晶核と
なるべき(110)組織の増加という観点で多くの技術
が開示されている。たとえば、冷間圧延中あるいは冷間
圧延のパス間に時効処理を施す方法や、中間焼鈍時に表
層から一部脱炭してα→γ変態を抑える方法や脱炭焼鈍
の昇温速度を高める方法などがある。前述の特開昭59
−70723号公報で開示されている冷間圧延板の予備
焼鈍技術も同じ効果である。しかしこれらの方法では単
に一次再結晶組織中の(110)を増加させ、二次再結
晶粒が発生する確率を高くする効果が主であるために、
二次再結晶は安定するもののゴス方位からずれた二次再
結晶粒が発生して磁束密度が低下することが本質的に避
けられなかった。本発明の方法はこれらの一次再結晶組
織の改善効果と技術思想を全く異にしており、一次再結
晶組織中の(110)を増加させることでなく、二次再
結晶する際に、低温で表層において二次再結晶核を発生
させて、理想ゴス方位に極めて近い粒のみを選択的に、
中心部へと成長させてきわめて高い磁束密度を得るとい
う画期的な技術である。
【0014】さらに本発明の技術では、磁束密度の向上
のために、必ずしも一次再結晶組織中の(110)の存
在量をさほど高める必要はないために、前述した冷間圧
延工程での時効処理や中間焼鈍における表層脱炭などを
行う必要がないために、焼鈍回数は1回増加するもの
の、総合的に判断すると生産の観点においても工業的に
極めて有用な技術であるといえる。
【0015】この発明で対象とする素材は、Siを2〜
4.5%を含み、さらにAlをインヒビター形成成分と
して含有する珪素鋼スラブであり、ここで珪素鋼スラブ
の好適成分組成は、上記Siのほか、C:0.02〜
0.10%、そしてAl:0.010〜0.065%、
N:0.0010〜0.0150%、Mn:0.02〜
0.20%、SまたはSeの少なくともいずれか1種を
単独または合計で0.010〜0.040%を含み、そ
の他必要に応じSb:0.01〜0.20%、Cu:
0.02〜0.20%、P:0.01〜0.30%、M
o:0.01〜0.05%、Sn:0.02〜0.20
%、Ge:0.005〜0.30%、Ni:0.02〜
0.20%、のうちから選んだ1種または2種以上を含
むものである。 ここに各成分を上記の範囲に限定した
理由は次の通りである。
【0016】Siは、製品の電気抵抗を高め渦電流損を
低減させる上で必要な元素であるが、2.0%に満たな
いと最終仕上げ焼鈍中にα−γ変態によって結晶方位が
損なわれ、一方4.5%を越えると冷間圧延性に問題が
生じるので、2.0〜4.5%に限定した。Cは0.0
2%未満では良好な一次再結晶組織が得られず、一方
0.010%越えると脱炭不良となり磁気特性が劣化す
るので、0.02〜0.10%とする。
【0017】AlとNはインヒビターとして機能するも
のであるが、良好な磁束密度を得るためには、Al:
0.010〜0.065%、N:0.0010〜0.0
150%が必要である。というのはこれを越える量では
AlNが粗大化して抑制力を失い、一方これ未満ではA
lNの量が不足し、所望のインヒビター効果が期待でき
ないからである。
【0018】MnとSおよびSeはインヒビターとして
機能するものであるが、Mnが0.02%未満、あるい
はSまたは/およびSeが0.010%未満ではインヒ
ビター機能が不十分であり、一方Mnが0.20%超、
Sまたは/およびSeが0.040%超ではスラブ加熱
に要する温度が高すぎて実用的でないので、Mnは0.
02〜0.20%、Sまたは/およびSeは0.010
〜0.040%とする。
【0019】また磁束密度を向上させるためにSb、C
u、Pを添加させることは可能である。しかしながらS
bが0.20%を越えると脱炭性が悪くなり、一方0.
01%未満ではSb添加の効果が弱いので0.01〜
0.20%が望ましい。Cuは、0.20%を越えると
酸洗性が悪くなり、一方0.01%未満ではCu添加効
果が弱いので0.01〜0.20%が望ましい。Pは
0.30%を越えると脆性が悪化し、0.01%未満で
はP添加の効果に乏しいので0.01〜0.30%とす
る。
【0020】さらに表面性状を完全にするためにMoを
0.05%添加できるが、0.05%を越えると脱炭性
が悪くなり、一方0.01%未満では添加効果が乏しい
ので添加する場合には0.01〜0.05%が好まし
い。さらに鉄損を向上させるためにSn、Ge、Niを
添加することができる。Snは0.30%を越えると脆
化し、0.01%未満では添加効果が乏しいので0.0
1〜0,30%が好ましい。Geは0.30%を越える
と良好な一次再結晶組織が得られず、一方0.005%
未満では効果が乏しいので0.005〜00.30%が
望ましい。Niは0.20%を越えると熱間強度が低下
し、0.01%未満では効果が乏しいので0.01〜
0.20%が望ましい。
【0021】次に、この発明に従う製造方法について具
体的に説明する。この発明の対象としている方向性珪素
鋼の製造においては、従来用いられている製鋼法で得ら
れた溶鋼を連続鋳造法または造塊法で鋳造し、必要に応
じて熱間圧延板焼鈍を行った後、1回または中間焼鈍を
挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚とする。
【0022】さてこの発明では最終冷間圧延の後で焼鈍
を施すことが重要である。ここに焼鈍温度は750〜1
050℃で30秒〜10分とする。というのは焼鈍温度
が750℃に満たないと磁束密度の向上効果に乏しく、
1050℃を越えると逆に磁束密度が低下するので75
0〜1050℃とする。また焼鈍時間は30秒未満では
磁束密度の向上効果に乏しく、10分を越えると磁束密
度が低下するので30秒〜10分とする。焼鈍雰囲気は
露点15℃以下で少なくとも10%以上の水素を含ませ
ることが肝要である。というのは露点が15℃以上であ
ると酸化膜が表面に形成され、表層のAlNの分解効果
が不十分かつ、次工程である脱炭焼鈍における脱炭が阻
害され磁束密度が低下するためであり、水素が10%未
満であると板表層でのAlNの分解効果が不十分である
ために磁束密度の向上効果がないからである。焼鈍方法
としては最終冷間圧延後に独立の工程で行っても良い
が、脱炭焼鈍工程の前半で行えば生産能率的には有利で
ある。
【0023】上記の焼鈍に続き通常の湿潤雰囲気での脱
炭焼鈍を施し、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
し、ついで1200℃程度の温度で最終仕上げ焼鈍を行
い、必要に応じ張力を付与するコーティングを施して製
品とする。
【0024】
【実施例】
(実施例1)C:0.069%、Si:3.25%、A
l:0.024%、N:0.0085%、Mn:0.0
75%、Se:0.020%およびSb:0.026%
を含み、残部実質的にFeからなる珪素鋼スラブを、1
420℃で30分加熱した後、熱間圧延して2,2mm
厚の熱間圧延板とした後、1000℃で30秒焼鈍して
から1.5mmまで冷間圧延し、ついで1100℃で6
0秒焼鈍してから0.23mmまで冷間圧延した。つい
で表1に表される条件で焼鈍を行ったのち、840℃で
120秒の脱炭焼鈍を施し、MgOを塗布してから、1
200℃で5時間の仕上げ焼鈍を行った。
【0025】かくして得られた製品の磁気特性について
調べた結果を表1に併記する。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例2)表2に示される成分組成にな
る珪素鋼スラブを、1430℃で20分間加熱後、熱間
圧延により2.3mm厚の熱間圧延板としたのち、10
00℃で60秒の焼鈍を施し、ついで1.5mm厚まで
冷間圧延したのち、1100℃で2分間の中間焼鈍後、
冷間圧延で0.23mmに仕上げた。ついで900℃で
3分間の露点−20℃、水素50%窒素50%の雰囲気
で焼鈍を行った。その後840℃で2分間の脱炭焼鈍を
施し、MgOを塗布してから、1200℃で5時間の仕
上げ焼鈍を施した。
【0028】かくして得られた製品の磁気特性について
調べた結果を表2に併記する。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、最終冷間圧
延後に水素を少なくとも10%含む雰囲気で焼鈍するこ
とにより、表層のAlNを分解し、二次再結晶温度を低
下させ、理想ゴス方位の選択的成長を促進させることに
より、極めて高い磁束密度を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱炭焼鈍板表面の集合組織の測定結果を示す。
【図2】仕上げ焼鈍時の表層と中心部の一次再結晶粒径
を示す。
【図3】最終冷間圧延後の焼鈍条件と製品の磁気特性の
関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/12 C21D 9/46 501 C22C 38/00 303 H01F 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siを0.2〜4.5%含み、さらにA
    lをインヒビター形成成分として含有する珪素鋼スラブ
    を熱間圧延後、1回または中間焼鈍を含む2回以上の冷
    間圧延を施して最終板厚とし、ついで脱炭焼鈍を施した
    後、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
    してから二次再結晶焼鈍および純化焼鈍を施す一連の工
    程において方向性珪素鋼を製造するに当たり、最終冷間
    圧延後に、750〜1050℃の温度において30秒〜
    10分間、少なくとも10%以上の水素を含む露点15
    ℃以下の焼鈍雰囲気中での焼鈍を施した後に、通常の脱
    炭焼鈍を施すことを特徴とする磁束密度の極めて高い方
    向性珪素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の珪素鋼スラブの組成が、
    Si:2.0〜4.5%、C:0.02〜0.10%、
    Al:0.010〜0.065%、N:0.0010〜
    0.0150%、Mn:0.02〜0.20%、Sまた
    はSeのいずれか1種を単独または合計で0.01〜
    0.040%を含むことを特徴とする磁束密度の極めて
    高い方向性珪素鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の珪素鋼スラブの組成が、S
    i:2.0〜4.5%、C:0.02〜0.10%、A
    l:0.010〜0.065%、N:0.0010〜
    0.0150%、Mn:0.02〜0.20%、Sまた
    はSeのいずれか1種を単独または合計で0.01〜
    0.040%を含み、さらにSb:0.01〜0.20
    %、Cu:0.02〜0.20%、P:0.01〜0.
    30%、Mo:0.01〜0.05%、Sn:0.02
    〜0.20%、Ge:0.005〜0.30%、Ni:
    0.02〜0.20%のうちから選んだ1種または2種
    以上を含むことを特徴とする磁束密度の極めて高い方向
    性珪素鋼板の製造方法。
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