JP2758543B2 - 磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法

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JP2758543B2 JP5001875A JP187593A JP2758543B2 JP 2758543 B2 JP2758543 B2 JP 2758543B2 JP 5001875 A JP5001875 A JP 5001875A JP 187593 A JP187593 A JP 187593A JP 2758543 B2 JP2758543 B2 JP 2758543B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】方向性けい素鋼板の製造方法に係
わり、この明細書で述べる技術内容は、板厚を薄くし
て、鉄損特性を向上させる技術に関する研究開発の成果
を提案することにある。
【0002】
【従来の技術】方向性けい素鋼板には、磁気特性として
磁束密度が高いこと及び鉄損が低いことが要求される。
近年のエネルギー危機を境にして、方向性けい素鋼板
は、より鉄損の低いものへの要望がますます強くなって
いる。方向性けい素鋼板の磁気特性は、磁束密度B
8 (磁化力 800 A/mにおける値)と鉄損特性W17/50(50
Hzで 1.7Tの最大磁化時の値)とで示され、現在におい
ては、磁束密度としてB8 で1.92T、鉄損特性としてW
17/50で0.90W/kgの如き優れた製品の工業的規模での製
造も可能となっている。
【0003】かかる優れた磁気特性を有する材料は、鉄
の磁化容易軸である〈001〉方位が鋼板の圧延方向に
高度に揃った結晶組織で構成されるものであり、かよう
な集合組織は、方向性けい素鋼板の製造工程中、最終仕
上焼鈍の際にいわゆるゴス方位と称される(110)
〔001〕方位を有する結晶粒を優先的に巨大成長させ
る2次再結晶と呼ばれる現象を通じて形成される。この
(110)〔001〕方位の2次再結晶粒を十分に成長
させるための基本的な要件としては、2次再結晶過程に
おいて、(110)〔001〕方位以外の好ましくない
方位を有する結晶粒の成長を抑制するインヒビターの存
在と、(110)〔001〕方位の2次再結晶粒が十分
に発達するのに好適な1次再結晶組織の形成とが不可欠
であることは周知の事実である。
【0004】前者のインヒビターとしては、一般にMnS
,MnSe,AlN 等の微細析出物が利用され、さらにこれ
らに加えてSbやSnなどの粒界偏析型の元素を複合添加し
て上記微細析出型のインヒビターの結晶成長抑制力を補
強することが行われている。一方、後者の1次再結晶組
織の形成は、主として冷間圧延での最終圧延の圧下率で
もって制御され、インヒビターの抑制力の大きさに応じ
てかかる圧下率を整合させる必要があることが知られて
いる。例えば、AlN を主要インヒビターとする場合は、
最終圧延の圧下率が90%前後、具体的には80〜95%であ
り、MnSe又はMnS とSbとをインヒビターとする場合は、
60%前後が最終圧延の最適圧下率であることが知られて
いる。
【0005】さて、方向性けい素鋼板の鉄損を低減する
ためには、 良好な2次再結晶を行わせ、磁束密度を高める、 鋼中に含有させるSiの量を増す、 2次再結晶の粒径を低減する、 鋼板の板厚を低減する、 ことが有効であることが知られている。このうち、の
磁束密度の向上については、B8 で既に飽和磁束密度の
95%程度に達している現状では、これ以上の飛躍は大き
く望めない。またのSi含有量の増加は、鋼板の加工性
を劣化させ、圧延が不可能となるので、現行以上の増加
は望めない。さらにの2次再結晶粒の粒径は、現状で
既に3〜6mmに達しているので、これ以上に低下させた
場合は2次再結晶そのものが不完全となって、B8 が低
下し、鉄損値は逆に増加する。の鋼板の板厚を低減す
る方法は、工業的には容易であり、鉄損特性の飛躍的な
向上が期待されるもので、これまでも多くの技術が開示
されてきた。
【0006】例えば、特公昭59-20745号公報には、MnSe
とSbをインヒビターとして含有する鋼素材に、最終圧延
を圧下率64%で施して板厚0.20mmの方向性けい素鋼板を
製造することが実施例3に開示されている。また特開昭
58-217630 号公報にはAlN とMnS をインヒビターとしCu
とSnを含有する鋼素材の、最終圧延の圧下率を89%とし
て板厚0.225mm の方向性けい素鋼板を製造することが実
施例1に開示されている。さらに特開昭59-126722 号公
報には、AlN とMnS をインヒビターとして含有する熱延
板に圧下率15〜40%の予備冷延を行った後、最終冷延を
80〜90%の圧下率で行なう方向性けい素鋼板の製造技術
が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの技術
では鋼板の板厚減少に伴う2次再結晶の劣化の抑制が十
分でなく、磁束密度の値や鉄損の値は十分なものとは云
えないものであった。
【0008】すなわち、これらの先行技術は、鋼板の板
厚の低減に伴う2次再結晶の劣化を抑制すべく、冷延2
回法に関して含有成分や冷延圧下率の検討を行っている
が、いずれも飛躍的な向上が得られなかったのである。
この理由は、冷延2回法を採用して、目標とする最終板
厚と得ようとした場合の第1回目の圧延の圧下率は、1
次再結晶組織にさほど大きな影響を及ぼさず、結局、1
次再結晶組織は最終冷延である第2回目の圧延の圧下率
で決定されるので、第1回目の圧延は、熱延板の厚み
と、第2回目の圧延前に必要とされる板厚との差を解消
するための単なる板厚調整のための圧延に過ぎないから
である。
【0009】結局のところ、前掲特公昭59-20745号公報
に開示された、第2回目の圧延の圧下率は64%で、MnSe
+Sb系としては従来と同一であり、また前掲特開昭59-1
26722 号公報に開示されたAlN +MnS 系の第2回目の圧
延の圧下率は80〜90%で従来の冷延1回法の圧下率と変
わりがない。したがって、両者とも従来技術に対し、基
本的には大きな変化がないため、方向性けい素薄鋼板の
製造技術としても大幅な向上が認められなかったのであ
る。
【0010】この発明は、上述した方向性けい素薄鋼板
の製造にかかわる磁気特性劣化の不利を解消して、磁気
特性の向上をもたらす方法を提案することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、含けい素鋼
スラブを出発材として、この出発材に熱間圧延を施した
後、冷間圧延を、中間焼鈍を挟んで複数回施し、脱炭焼
鈍、次いで焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上焼鈍を行
う方向性けい素鋼板の製造方法であって、前記出発材に
はsol.Al:0.010 〜0.040 wt%、N:45〜70 wt ppm 及
びSb:0.005 〜0.050 wt%を含み、かつsol.Al,Nの各
含有量〔Al〕,〔N〕(wt%)が次式 0.30≦27〔N〕/14〔Al〕≦0.60 を満足するスラブを用いること、前記冷間圧延を3回、
中間焼鈍を2回行うものとして、一方の中間焼鈍には10
50〜1150℃で30〜90秒間の高温焼鈍を、他方の中間焼鈍
には900 〜1000℃で30〜90秒間の低温焼鈍を行うこと、
冷間圧延は、第1回目の圧延の圧下率を10%以上、第2
回目の圧延の圧下率を45〜65%、第3回目の圧延の圧下
率を65〜80%で行うことの結合を特徴とする磁気特性に
優れた方向性けい素鋼板の製造方法である。
【0012】以下、この発明の解明経緯について説明す
る。発明者らは、AlN を主インヒビターとする方向性け
い素薄鋼板の2次再結晶の劣化機構を研究し、この原因
が鋼板表層部のインヒビターの抑制力の劣化に起因する
ことを確認した。すなわち、圧延と焼鈍との繰返しによ
って鋼板表層部のインヒビターは粗大化し、2次再結晶
直前での鋼板表層部の抑制力が大幅に低減するのが一般
的であるが、他方で2次再結晶の良好な核生成領域は、
かかる鋼板表面から板厚の約10分の1の領域にあるた
め、板厚が薄くなればなる程、この鋼板表層部の抑制力
低下の影響を受け、良好な2次再結晶が困難となること
を見出したものである。この対策として発明者らは、先
に特開平2-115319号公報においてSbを添加することを提
案したが、この対策によっても、例えば板厚0.20mm以下
の製品については良好な磁気特性が得難かった。
【0013】しかしながら、この研究の過程において、
Sbを含有する鋼にあっては製造工程の途中における窒素
の鋼中への多量の侵入を抑えるのが、良好な2次再結晶
を行うために有利であることがわかった。
【0014】すなわち、鋼中に、Alを 0.025wt%含有す
る場合、全量をAlN として析出させるための必要N量は
次の計算により、 (14/27)・〔Al〕=(14/27) ×0.025 ≒ 0.013wt% (〔Al〕は、sol.Alの含有量(wt%)を表わす) 約130wt ppm が必要である。しかしながら、溶鋼中に13
0wt ppm ものNを含有させると、凝固時やスラブ再加熱
時においてN2ガスによるふくれを生じるため、溶鋼への
添加は最大限でも90wt ppmに抑える必要がある。したが
って、冷延工程途中で窒化処理を施して2次再結晶の前
に十分なN含有量を確保することが必要とされ、例えば
特開平 4-23522号公報では窒化処理によって150wt ppm
以上のNを確保することが望ましいとの指摘がなされて
いる。
【0015】しかしながら、Sbを鋼中に含有する場合
は、冷延工程の途中での窒化が困難となる。しかも、窒
素含有量として150wt ppm (27〔N〕/14〔Al〕として
1.16)といった窒化は、逆に磁気特性を劣化させること
が発明者らの研究により判明した。Sbを含有する鋼の場
合は、2次再結晶直前でのN含有量として100wt ppm
(27〔N〕/14〔Al〕として0.77)以下に抑えることが
必要であることがわかった。
【0016】Sbを鋼中に含有する場合の適正なN含有量
につき、発明者らの詳細な研究結果では、27〔N〕/14
〔Al〕の値は、0.62程度が最も良く、したがって0.025
wt%のAlを含有する場合には、初期含有窒素量は80wt p
pm程度が最も良好で、このことは発明者らによる前述の
特開平2-115319号公報の実施例で示してある。
【0017】ところで、初期含有窒素量がさらに低い場
合には、通常の手法である冷延2回法の実験では、やは
り磁気特性が劣化したのであるが、その後、新たに冷延
3回法を用い、特定の中間焼鈍と冷延圧下率を採用した
場合では、極めて良好な磁気特性が得られることを新規
に見出し、これに関する種々の研究を行った結果、この
発明を完成させたのである。
【0018】次に、この発明の端緒となった実験につい
て述べる。 C:0.07wt%,Si:3.32wt%,Mn:0.07wt%,Al:0.02
5 wt%,P:0.005 wt%,S:0.003 wt%,Se:0.018
wt%,Sb:0.020 wt%及びN:0.0085wt%を含有する2.
0mm 厚の熱延板(a)と、C:0.07wt%,Si:3.35wt
%,Mn:0.07wt%,Al:0.025 wt%,P:0.007 wt%,
S:0.003 wt%,Se:0.018 wt%,Sb:0.020 wt%及び
N:0.0060wt%を含有する2.0mm 厚の熱延板(b)とを
用意した。
【0019】これら2種の熱延板をそれぞれ2分割し、
一方は1000℃で40秒間の熱延板焼鈍の後、酸洗し、第1
回目の圧延を圧下率40%で施し、厚み1.20mmとした。次
に1100℃で1分間の中間焼鈍を施した後、第2回目の圧
延を圧下率85%で施し、最終板厚0.18mmとした〔冷延2
回法工程〕。
【0020】残る一方は、1000℃で40秒間の熱延板焼鈍
の後、酸洗し、第1回目の圧延を圧下率30%で施し、厚
み1.40mmとした。次に1100℃で1分間の第1回目の中間
焼鈍を施した後、第2回目の圧延を圧下率50%で施し、
板厚0.70mmとした。次に950℃で1分間の第2回目の中
間焼鈍を施した後、第3回目の圧延を圧下率74%で施
し、0.18mmの最終板厚とした〔冷延3回法工程〕。
【0021】これらの鋼板は、 850℃で2分間、湿水素
雰囲気中での脱炭焼鈍の後、5%のTiO2を含有するMgO
を焼鈍分離剤として塗布し、1200℃で10時間の最終仕上
焼鈍を施した。最終仕上焼鈍後の各鋼板は未反応の焼鈍
分離剤を除去した後、張力コーティングの焼付を兼ねる
平坦化焼鈍を施した。かくして得られた鋼板の磁気特性
を測定した結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】この実験結果からN含有量の低かった熱延
板(b)は、冷延3回法によって極めて優れた磁気特性
が得られることがわかる。
【0024】次に、冷延工程における各条件の適正範囲
を決めるため、前記の熱延板(b)を用い、第2回目の
圧延の圧下率と第3回目の圧延の圧下率とを種々に変更
し、第1回目の中間焼鈍を1100℃で1分間、第2回目の
中間焼鈍を 950℃で1分間として、他は前述の実験と同
一条件にて、冷延3回法での板厚0.18mmの方向性けい素
鋼板の製造実験を行った。かくして得られた鋼板の磁束
密度と第2回目、第3回目の冷延圧下率との関係につき
調べた結果を図1に示す。図1より第2回目の圧延での
好適な圧下率の範囲は45〜65%、第3回目の圧延での好
適な圧下率の範囲は65〜80%であることが示される。
【0025】さらに熱延板(b)を用い、第1回目の中
間焼鈍の温度と第2回目の中間焼鈍の温度を種々に変更
し、第1回目の圧延の圧下率を30%、第2回目の圧延の
圧下率を50%,第3回目の圧延の圧下率を74%として、
他は前述の実験と同一条件にて冷延3回法での板厚0.18
mmの方向性けい素鋼板の製造実験を行った。なお、中間
焼鈍の均熱時間はいずれも1分間とした。かくして得ら
れた鋼板の磁束密度と第1回目の中間焼鈍の温度、第2
回目の中間焼鈍の温度との関係につき調べた結果を図2
に示す。
【0026】図2より中間焼鈍の好適温度範囲は1050℃
〜1150℃の高温度範囲と 900℃〜1000℃の低温度範囲と
の組合せが好適であることが示される。なお、第1回目
の圧延の圧下率は10%以上であれば十分であり、また熱
延板焼鈍は磁気特性の安定化に有効であるものの、必ず
しも必要とはされなかった。
【0027】このような実験結果をもとに、発明者らが
種々検討を加えた結果、この発明の冷延3回法で磁気特
性が向上する機構は下記のように推定された。第1回目
の圧延は、鋼板に加工歪を加えて、次の第1回目の中間
焼鈍の昇温過程でAlN を析出させるのに必要である。し
たがって10%以上の圧下率を必要とする。第2回目の圧
延は、次の第2回目の中間焼鈍によって鋼板表層に(1
10)〔001〕組織を集積させるためであり、このた
め45〜65%の圧下率を必要とする。第3回目の圧延は次
の脱炭焼鈍によって形成される1次再結晶組織を鋼板の
抑制力と整合させるために必要で、薄鋼板特有の表層部
抑制力の劣化に合致させるため65〜80%の圧下率とする
ことが必要である。なお、65〜80%の圧下率に合致させ
るため、板厚中央部のインヒビター抑制力も若干弱めて
おくことが必要で、そのためには、Nの含有量を低めと
し、27〔Al〕/14〔N〕の値として0.30〜0.60とするこ
とが必要である。また、Sbは鋼板表面に偏析し、鋼板表
層部のインヒビターの大幅な抑制力の低下を防止すると
同時に、窒化を防止する作用をもつ。
【0028】さて、2回の中間焼鈍であるが、1回は高
温度の中間焼鈍が必要である。これは鋼中に含有するC
の作用によってγ変態を促進させ、冷却後のパーライト
組織や、粗大セメンタイトの析出によって、鋼板中央部
の組織のランダム化と細粒化に有効となるからである。
このためには、1050〜1150℃が必要である。1150℃を超
える場合は高温のためにインヒビターが劣化し不適合と
なる。同様の理由で焼鈍時間は、90秒間を超えると不適
合となる。また、1050℃〜1150℃の高温焼鈍を、中間焼
鈍で2回繰返すとやはり、インヒビターが劣化し、磁気
特性が低下する。
【0029】以上の発見にもとづき、薄方向性けい素鋼
板の製造において極めて優れた磁気特性が得られる方法
を開発し、この発明を完成させたものである。
【0030】
【作用】この発明における出発材である、含けい素鋼ス
ラブの成分組成範囲について説明する。Cは、γ変態を
利用して熱間圧延組織の改善に有効な成分であるが、多
過ぎると脱炭が困難になるので0.03wt%以上0.09wt%以
下が好ましい。Siは、少ないと電気抵抗が小さくなって
良好な鉄損特性が得られず、一方多過ぎると冷間圧延が
困難になるので 2.5wt%以上 4.5wt%以下の範囲とする
のが望ましい。Mnは、インヒビター成分として利用し得
るが、多過ぎると溶体化が困難であるので、0.05wt%以
下の範囲が好適である。
【0031】Alは、この発明の主インヒビターであるAl
N を構成するのに必須の成分であり、少ないとインヒビ
ター量の不足を招き、多過ぎると粗大析出を招くので0.
01wt%以上0.040 wt%以下の範囲とする。
【0032】Nもこの発明の主インヒビターであるAlN
を構成するのに必須の成分であるが、Alに対する必要量
よりも低くし、抑制力を若干低減する点がこの発明の肝
要な点である。このためには、Nの適正な含有量として
は45〜70wt ppmでかつ、Alとのモル濃度比を示す27
〔N〕/14〔Al〕の値において、0.30〜0.60の範囲に規
制することが必要である(ここにおいて、〔N〕,〔A
l〕はそれぞれN及びAlの含有量(wt%),27,14はそ
れぞれAl及びNの原子量である)。ここでNの含有量が
少ないと、インヒビターとしての抑制効果が消失し、逆
に多過ぎた場合、この発明の目的のためには抑制効果が
過剰となる。
【0033】Sbは、この発明の効果を得るためには、必
要不可欠の成分であり、偏析型元素としてのインヒビタ
ー抑制力の補助としての効果の他に、鋼板表層部の抑制
力の消失を抑える効果及び窒化を抑制する等の効果を有
する。したがって0.005 wt%以上は必要であるが、0.05
0 wt%を超えると鋼のぜい化をもたらし、圧延が困難と
なるので、0.005 〜0.050 wt%の範囲とする。
【0034】この他に、インヒビター成分としてS,S
e,Sn,Ge,Bi,Cu,Cr,P,B等を添加してもこの発
明の効果を妨げない。ここで、S,Se,Geについては0.
005 wt%以上0.05wt%以下が好ましく、Sn,Cr,Cuにつ
いては0.02wt%以上0.3 wt%以下、Biについては0.005
wt%以上0.02wt%以下、Pについては0.01wt%以上0.07
wt%以下、Bについては0.0005wt%以上0.0030wt%以下
の範囲が好適である。
【0035】さらに熱間ぜい化に起因する表面欠陥防止
のために0.005 wt%以上0.020 wt%以下でのMoの添加は
好ましい。
【0036】次に製造工程について述べる。かかる組成
を有する鋼は、インゴット又はスラブを必要に応じて再
圧延し、サイズを合わせた後、加熱して熱間圧延を施
す。スラブ加熱については1350〜1400℃での長時間加熱
や1400℃以上の短時間加熱、又はインヒビターとしてAl
N 単独の場合、1200〜1300℃での低温加熱を行なう等、
公知の手法を適用することができる。また、それに引続
く熱間圧延も従来の方法でよく、スラブ加熱を省略する
直接圧延法を適用してもよい。
【0037】熱間圧延された後の鋼板は、必要に応じて
熱延板焼鈍が施され、酸洗後に、第1回目の圧延を行
う。この圧延は加工歪を付加し、次工程である第1回目
の中間焼鈍の昇温途中でAlN を析出させる目的で行い、
一定量以上の歪付加のために圧下率は10%以上を必要と
する。
【0038】第2回目の圧延は、次の工程である第2回
目の中間焼鈍による鋼板表層の再結晶集合組織として
(110)〔001〕組織を高めるためであるので、圧
下率として45〜65%とすることが必要である。すなわ
ち、圧下率が45%に足りない場合、集合組織の発達が不
十分となるし、逆に65%を超えると(111)強度が増
加し(110)〔001〕強度は低下する。これは2次
再結晶粒のうち、良好な析出核の減少を意味し、鋼板の
板厚が薄くなる程、かかる核の生成が不利となるので製
品の磁気特性の劣化を招く。したがって圧下率は45〜65
%が必要である。
【0039】第3回目の圧延は、次の工程の脱炭焼鈍に
よって形成される1次再結晶組織を、鋼板内部及び鋼板
表層部の抑制力に整合させるために必要で、薄鋼板特有
の表層部抑制力の劣化状態に合致させるべく、圧下率を
65〜80%とすることが必要である。圧下率が80%を超え
る場合は、1次再結晶組織が細か過ぎて、2次再結晶不
良となるし、65%に満たない場合は、抑制力の方が強過
ぎる結果、方位の悪い粒が2次再結晶して磁気特性が劣
化するので不適合である。
【0040】以上これらの圧延は、高温度のいわゆる温
間圧延としても良いし、また、パス間で時効処理を行っ
ても良い。これらの処理により、より良い磁気特性が期
待できる。
【0041】さて、これらの圧延の途中に挟まれる2回
の中間焼鈍であるが、1回は高温度の焼鈍が、他の1回
は低温度の焼鈍が必要で、これらの組合せが必要であ
る。高温度の中間焼鈍は1050℃〜1150℃とし、30秒間〜
90秒間の均熱時間が必要で、これは鋼中に含有するCの
作用によってγ変態を促進し、冷却後のパーライト組織
や粗大セメンタイトの析出によって鋼板の板厚中央部の
組織を改善することを目的とするからである。したがっ
て1050℃未満では変態量が少なく上記効果に乏しい。ま
た1150℃を超えた場合は高温によるインヒビターの劣化
を招き磁気特性が不良となる。また均熱時間が30秒間未
満では上記効果に乏しく、90秒間を超えるとインヒビタ
ーの劣化を招く。さらに冷却条件としては400 ℃以上の
領域における急冷が上述のパーライト組織の増加に有効
で好ましい。
【0042】低温度の中間焼鈍は圧延組織を再結晶さ
せ、次工程の圧延に備えることが目的である。この目的
のためには900 ℃〜1000℃で30秒間〜90秒間均熱の焼鈍
が必要であり、ここに900 ℃未満では再結晶に不十分で
あり、1000℃を超えるとインヒビターの劣化を招く。ま
た均熱時間が30秒間未満では再結晶に不十分であり、90
秒間を超えると、インヒビターが劣化し、磁気特性の低
下を招く。
【0043】中間焼鈍としては、かかる高温焼鈍と低温
焼鈍との組合せが必要で、例えば2回とも、高温焼鈍を
行った場合は、インヒビターを劣化させ、磁気特性の低
下を招く。高温焼鈍と低温焼鈍との順序は問わない。
【0044】第3回目の圧延の後、鋼板は脱炭焼鈍に供
される。脱炭焼鈍としても、公知のいずれの技術の適用
も可能であるが、通常800 〜900 ℃で1分間〜2分間、
N2をバランスガスとした湿水素雰囲気中で行われる。な
お、この際に雰囲気による窒化処理を行っても良いが、
鋼中N含有量が100 wt ppmを超えると確実に磁気特性が
劣化するので、注意を要する。
【0045】脱炭焼鈍後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布
しコイル状に巻きとり、最終仕上焼鈍に供す。焼鈍分離
剤としてはMgO を主剤としMgSO4 ,SrSO4 ,Sr(OH)2
TiO2等公知の添加剤を含有させることができる。
【0046】最終仕上焼鈍は乾水素雰囲気中で、1200℃
近辺の温度に保持して行われるが、その昇温過程におい
て2次再結晶が生じる。通常2次再結晶の雰囲気として
はN2とH2との混合ガス雰囲気が使用され、特に2次再結
晶の前に一定温度で長時間保持することが磁気特性の向
上をもたらす。
【0047】最終仕上焼鈍後の鋼板は未反応の焼鈍分離
剤を除去した後、平坦化焼鈍に供される。通常この際に
絶縁コーティング、特に張力コーティングが施こされて
製品となるが、レーザーやプラズマその他の手法によっ
て磁区細分化処理を施すことも可能であることは云うま
でもない。
【0048】
【実施例】表2に示す成分組成になるスラブA〜Sを準
備した。
【0049】
【表2】
【0050】実施例1 表2に示したスラブのうち、記号A〜Dのスラブ各2本
ずつを1420℃、10分間均熱し、熱間圧延によって1本は
厚み2.0 mmのコイル、もう1本は厚み1.5 mmのコイルと
した。
【0051】厚み2.0 mmの熱延コイルは、1000℃で1分
間の熱延板焼鈍を施し酸洗後、圧下率25%の冷間圧延に
より厚み1.50mmにし、1100℃で1分間の第1回目の中間
焼鈍を施した後、圧下率50%の冷間圧延により厚み0.75
mmにし、950 ℃で1分間の第2回目の中間焼鈍を施した
後、圧下率76%の冷間圧延により最終板厚0.18 mm に仕
上げた〔実施例:冷延3回法〕。
【0052】一方、厚み1.50mmの熱延コイルは1100℃で
1分間の熱延板焼鈍を施し酸洗後、圧下率50%の冷間圧
延により厚み0.75mmとし、950 ℃で1分間の中間焼鈍を
施した後、圧下率76%の冷間圧延により最終板厚0.18mm
に仕上げた〔従来例:冷延2回法〕。
【0053】これらのコイルは、いずれも850 ℃で2分
間、湿水素雰囲気中での脱炭焼鈍後、5%のTiO2を含有
するMgO を焼鈍分離剤として塗布した後、1200℃で10時
間の最終仕上焼鈍を施した。最終仕上焼鈍後の各コイル
は、未反応の焼鈍分離剤を除去した後、張力コーティン
グの焼付を兼ねる平坦化焼鈍を施した。かくして得られ
た鋼板の、磁気特性を測定した結果を図3に示す。図3
に示されるように、Sbを含有し、かつ冷延3回法で製造
された製品は極めて良好な磁気特性を示す。
【0054】実施例2 Al含有量及び最終冷延圧下率の影響を調べるために、表
2に示したスラブのうち、記号C,E,F,G及びHの
スラブを各3本ずつ1410℃、15分間均熱し、熱間圧延に
よってそれぞれ厚み1.3 mm、1.7 mm及び2.5 mmのコイル
に作製した。
【0055】まず厚み1.3 mmの熱延コイルは、1000℃で
1分間の熱延板焼鈍を施し酸洗後、圧下率43%の冷間圧
延により厚み0.74mmとし、1100℃で1分間の第1回目の
中間焼鈍を施した後、圧下率50%の冷間圧延により厚み
0.38mmとして、950 ℃で1分間の第2回目の中間焼鈍を
施した後、圧下率61%の冷間圧延により厚み0.15mmに仕
上げた〔比較例〕。
【0056】また厚み1.7 mmの熱延コイルは、1000℃で
1分間の熱延板焼鈍を施こし酸洗後、圧下率29%の冷間
圧延により厚み1.20mmとし、1100℃で1分間の第1回目
の中間焼鈍を施した後、圧下率50%の冷間圧延により厚
み0.60mmとして、950 ℃で1分間の第2回目の中間焼鈍
を施した後、圧下率75%の冷間圧延により厚み0.15mmに
仕上げた〔実施例〕。
【0057】さらに厚み2.5 mmの熱延コイルは、1000℃
で1分間の熱延板焼鈍を施こし酸洗後、圧下率25%の冷
間圧延により厚み2.00mmとし、1100℃で1分間の第1回
目の中間焼鈍を施した後、圧下率50%の冷間圧延により
厚み1.00mmとして、950 ℃で1分間の第2回目の中間焼
鈍を施した後、圧下率85%の冷間圧延により厚み0.15mm
に仕上げた〔比較例〕。
【0058】これらの3種のコイルは、いずれも850 ℃
で2分間、湿水素雰囲気中での脱炭焼鈍後、5%のTiO2
と2%の Sr(OH)2・8H2O を含有するMgO を焼鈍分離剤
として塗布して1200℃で10時間の最終仕上焼鈍を施し
た。最終仕上焼鈍後の各コイルは未反応の焼鈍分離剤を
除去した後、張力コーティングの焼付を兼ねる平坦化焼
鈍を施した。かくして得られた鋼板の磁気特性を測定し
た結果を図4に示す。図4に示されるように、Alを0.01
2 %から0.037 %の範囲で含有し、かつ冷延3回法の第
3回目の圧下率が75%の場合に極めて良好な磁気特性の
製品が得られた。
【0059】実施例3 N含有量及び第2回めの冷延圧下率の影響を調べるため
に、表2に示したスラブのうち、記号C(N含有量55wt
ppm,27〔N〕/14〔Al〕=0.53)及び記号I(N含有
量83wt ppm ,I(N含有量83wt ppm , 27 〔N〕/14
〔Al〕=0.70)の2種のスラブを各3本ずつ1420℃、15
分間均熱し、熱間圧延によってそれぞれ厚み1.8 mm,2.0
mm及び2.8 mmのコイルを作製した。
【0060】厚み1.8 mmの熱延コイルは、1000℃で1分
間の熱延板焼鈍を施し、酸洗後圧下率44%の冷間圧延に
より厚み1.00mmとし、1100℃で1分間の第1回目の中間
焼鈍を施した後、圧下率40%の冷間圧延により厚み0.60
mmとして、さらに 950℃で1分間の第2回目の中間焼鈍
を施した後、圧下率75%の冷間圧延により厚み0.15mmに
仕上げた〔比較例〕。
【0061】厚み2.0 mmの熱延コイルは1000℃で1分間
の熱延板焼鈍を施し、酸洗後、圧下率40%の冷間圧延に
より厚み1.20mmとし、1100℃で1分間の第1回目の中間
焼鈍を施した後、圧下率50%の冷間圧延により厚み0.60
mmとして、さらに 950℃で1分間の第2回目の中間焼鈍
を施した後、圧下率75%の冷間圧延により厚み0.15mmに
仕上げた〔実施例〕。
【0062】厚み2.8 mmの熱延コイルは、1000℃で1分
間の熱延板焼鈍を施し、酸洗後、圧下率40%の冷間圧延
により厚み2.00mmとし、1100℃で1分間の第1回目の中
間焼鈍を施した後、圧下率70%の冷間圧延により厚み0.
60mmとして、さらに 950℃で1分間の第2回目の中間焼
鈍を施した後、圧下率75%の冷間圧延により厚み0.15mm
に仕上げた〔比較例〕。
【0063】これらのコイルは、いずれも850 ℃で2分
間、湿水素雰囲気中での脱炭焼鈍後、5%のTiO2を含有
するMgO を焼鈍分離剤として塗布した後、1200℃で10時
間の最終仕上焼鈍を施した。最終仕上焼鈍後の各コイル
は未反応の焼鈍分離剤を除去した後、張力コーティング
の焼付を兼ねる平坦化焼鈍を施した。かくして得られた
鋼板の、磁気特性を測定した結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】表3に示されるように、N含有量がこの発
明の範囲(45〜70ppm )を満足するスラブ記号Cにおい
て、第2回目の冷間圧延の圧下率がこの発明に従う50%
の場合に極めて良好な磁気特性が得られる。
【0066】実施例4 表2に示したスラブのうち、記号Cのスラブを4本、14
30℃で15分間均熱し熱間圧延によって、厚み2.2 mmのコ
イルとした。これらの熱延コイルに1000℃で40秒間の熱
延板焼鈍を施し、酸洗後、厚み1.50mmまで冷間圧延を施
した。
【0067】中間焼鈍の影響を調べるために、これら4
本のコイルのうち2本は第1回目の中間焼鈍として、11
00℃で1分間の焼鈍を施した後、厚み0.67mmにまで冷間
圧延し、次いでこのうちの1本は、1100℃で1分間の焼
鈍を施した後、最終板厚0.20mmにまで冷間圧延した(比
較例)。残る1本は950 ℃で1分間の焼鈍を施した後、
最終板厚0.20mmにまで冷間圧延した(実施例)。
【0068】さらに、残る2本のコイルについては、第
1回目の中間焼鈍として、950 ℃で1分間の焼鈍を施し
た後、厚み0.67mmにまで冷間圧延し、次いでこのうちの
1本は1100℃で1分間の焼鈍を施した後、最終板厚0.20
mmにまで冷間圧延した(実施例)。残る1本は950 ℃で
1分間の焼鈍を施した後、最終板厚0.20mmにまで冷間圧
延した(比較例)。
【0069】これらのコイルはいずれも、 850℃で2分
間、湿水素雰囲気中での脱炭焼鈍後、5%のTiO2を含有
するMgO を焼鈍分離剤として塗布し、1200℃で10時間の
最終仕上焼鈍を施した。最終仕上焼鈍後の各コイルは、
未反応の焼鈍分離剤を除去した後、張力コーティングの
焼付を兼ねる平坦化焼鈍を施した。かくして得られた鋼
板の磁気特性を測定した結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】表4に示されるように、第1回目の中間焼
鈍及び第2回目の中間焼鈍が、この発明に従う高温焼鈍
と低温焼鈍との組み合わせの場合に極めて、良好な磁気
特性が得られる。
【0072】実施例5 表2に示したスラブのうち、記号C及びK〜Sのスラブ
を1430℃で10分間均熱し熱間圧延によって厚み2.0 mmの
コイルとした。また記号Jのスラブを1220℃で40分間均
熱し熱間圧延によって厚み2.0mm のコイルとした。
【0073】これらの熱延コイルに熱延板焼鈍を施すこ
となしに酸洗後、厚み1.20mmにまで冷間圧延し、第1回
目の中間焼鈍として、1100℃で1分間の焼鈍を施した
後、厚み0.60mmに冷間圧延した。さらに第2回目の中間
焼鈍として 950℃で1分間の焼鈍を施した後、最終板厚
0.15mmにまで冷間圧延し、 850℃で2分間、湿水素雰囲
気中での脱炭焼鈍後、5%のTiO2を含有するMgO を焼鈍
分離剤として塗布し、1200℃で10時間の最終仕上焼鈍を
施した。最終仕上焼鈍後の各コイルは、未反応の焼鈍分
離剤を除去した後、張力コーティングの焼付を兼ねる平
坦化焼鈍を施した。かくして得られた鋼板の磁気特性を
測定した結果を表5に示す。
【0074】
【表5】
【0075】
【発明の効果】かくして、AlN とSbを鋼中に含有させ、
NのAlに対する当量を低く規制し、かつ冷延3回法の各
圧延圧下率と中間焼鈍条件を規制するこの発明によっ
て、方向性けい素薄鋼板の磁気特性を著しく改善するこ
とができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁束密度に及ぼす第2回目の圧延と第3回目の
圧延の圧下率の影響を示す図である。
【図2】磁束密度に及ぼす第1回目と第2回目の中間焼
鈍の温度の影響を示す図である。
【図3】磁気特性に及ぼすSb量の影響を示すグラフであ
る。
【図4】磁気特性に及ぼすAl含有量と第3回目の圧延の
圧下率の影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 誠 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭62−67115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含けい素鋼スラブを出発材として、この
    出発材に熱間圧延を施した後、冷間圧延を、中間焼鈍を
    挟んで複数回施し、脱炭焼鈍、次いで焼鈍分離剤を塗布
    してから最終仕上焼鈍を行う方向性けい素鋼板の製造方
    法であって、 前記出発材にはsol.Al:0.010 〜0.040 wt%、N:45〜
    70 wt ppm 及びSb:0.005 〜0.050 wt%を含み、かつso
    l.Al,Nの各含有量〔Al〕,〔N〕(wt%)が次式 0.30≦27〔N〕/14〔Al〕≦0.60 を満足するスラブを用いること、 前記冷間圧延を3回、中間焼鈍を2回行うものとして、 一方の中間焼鈍には1050〜1150℃で30〜90秒間の高温焼
    鈍を、他方の中間焼鈍には900 〜1000℃で30〜90秒間の
    低温焼鈍を行うこと、 冷間圧延は、第1回目の圧延の圧下率を10%以上、第2
    回目の圧延の圧下率を45〜65%、第3回目の圧延の圧下
    率を65〜80%で行うことの結合を特徴とする磁気特性に
    優れた方向性けい素鋼板の製造方法。
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