JPH06263918A - 導電性複合材の製造方法 - Google Patents

導電性複合材の製造方法

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JPH06263918A
JPH06263918A JP26293293A JP26293293A JPH06263918A JP H06263918 A JPH06263918 A JP H06263918A JP 26293293 A JP26293293 A JP 26293293A JP 26293293 A JP26293293 A JP 26293293A JP H06263918 A JPH06263918 A JP H06263918A
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electrically
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conductive filler
composite
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Takaomi Sugihara
孝臣 杉原
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Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化チタンウイスカーの基材面に炭化チタン
と炭素とからなる組成の複合導電層を被覆した導電性フ
ィラーを用い、優れた導電性能と機械的特性を兼備する
導電性複合材を製造する。 【構成】 酸化チタンウイスカー基材をフェノール樹脂
エタノール溶液に撹拌分散させて強制濾過し、濾過ケー
キを乾燥後、不活性雰囲気中で 800〜1700℃の温度で焼
成して基材面に炭化チタンと炭素とからなる組成の複合
導電層が被覆された導電性フィラーを形成する。この導
電性フィラーを、体積含有率(Vf)が5〜30%になる量比
でプラスチックスもしくは絶縁性セラミックスのマトリ
ックス材料に複合化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックスまたは
セラミックスに優れた導電性能と改善された強度特性を
付与することができる導電性複合材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】導電性を付与したプラスチック材は、電
子機器やその部品の静電防止、電波吸収、電磁波シール
ド等の部材として汎用されている。プラスチック材料に
導電性を付与する手段としては、マトリックス樹脂成分
中に導電性を備えるフィラーを分散して充填複合成形す
る方法が主要な技術とされており、導電性フィラーには
従来から銅、鉄、ニッケルなどの粉末、繊維もしくは箔
片といった金属系物質、カーボンブラック、黒鉛粉末あ
るいは炭素繊維のような炭素系物質等が単独または複合
的に使用されている(例えば特開昭55−160881号公報、
同57−123858号公報、同58−73198 号公報、同63−3015
96号公報等) 。このほか、着色可能な導電性フィラーと
して二酸化チタン顔料の表面に、酸化第二錫を被覆した
もの(特公昭58−39175 号公報) や酸化第二錫およびア
ンチモンを被覆したもの(特開昭56−41603 号公報)が
知られており、更に透明性のある導電性フィラーとして
二酸化チタン基体の粒子面に特定比率の酸化錫と酸化ア
ンチモンの被覆層を設けた導電性二酸化チタン粉末(特
開昭61−141616号公報)も提案されている。
【0003】ところが、上記の導電性フィラーはマトリ
ックス樹脂に対する補強的効果の面では期待できない。
このため、少量の配合によってマトリックス樹脂に優れ
た導電性能と共に補強効果を与えることができる導電性
フィラーとして、アスペクト性状を有するウイスカー状
のチタン酸カリウムや酸化チタンの表面に酸化錫、酸化
アンチモン等の導電層を形成したものが開発されている
(特公昭61−26933 号公報、特開昭63−233016号公報)
【0004】酸化チタンウイスカーを基材とした前記の
導電性フィラーは、マトリックス樹脂に配合した場合に
透明で材質強度を向上させる効果を示すが、導電性付与
の面では必ずしも満足されないうえ、導電層を形成する
ためにウイスカー基材に酸やアルカリ洗浄を施さないと
良好な導電性能が付与されなかったり、被覆された酸化
錫および酸化アンチモン層が剥離し易い問題点がある。
【0005】一方、導電性のセラミックス材としては、
従来からSiC系、LaCrO3 系、ZrO2 系の材質
が知られているが、これらセラミックス材料の電気抵抗
は下限が10-2Ωcm程度の比較的大きな抵抗値を示す。
そのうえ、導電性セラミックスは抵抗温度特性が負であ
るために温度上昇に伴って電気抵抗が低下する傾向があ
り、高温域において電流の急増による熱暴走を生じて温
度制御を困難にすることがある。そこで、導電材として
ZrB2 、ZrC、ZrN、TaB2 、TaC、Ta
N、TiB2 、TiC、TiN等の粉末を用いてアルミ
ナ系セラミックスを焼結した、電気抵抗が低く、しかも
正の抵抗温度特性を有する導電性セラミックスが提案さ
れている(特開昭59−78973 号公報)。
【0006】しかし、この導電性セラミックスは導電材
が粉末状であるため多量に混合分散させない限り効果的
な導電性能が付与されないうえ、セラミックス焼結体の
材質強度および破壊靭性が損なわれる難点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸化
チタンウイスカーの表面に導電性に優れる炭化チタンと
炭素とからなる複合被膜層を強固に形成した導電性フィ
ラーを用い、これをプラスチックスまたはセラミックス
からなるマトリックス材料に複合化することにより優れ
た導電性能ならびに機械的特性を兼備する導電性複合材
を効率よく製造するための方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による導電性複合材の製造方法は、酸化チタ
ンウイスカー基材をフェノール樹脂エタノール溶液に撹
拌分散させて強制濾過し、濾過ケーキを乾燥後、不活性
雰囲気中で800〜1700℃の温度で焼成して基材面
に炭化チタンと炭素とからなる組成の複合導電層が被覆
された導電性フィラーを形成し、該導電性フィラーを体
積含有率(Vf)が5〜30%になる量比でプラスチックス
もしくは絶縁性セラミックスのマトリックス材料に複合
化することを構成上の特徴とする。
【0009】導電性フィラーの基材となる酸化チタンウ
イスカーは、製造履歴を問われるものではない。したが
って、例えばルチルTiO2 とアルカリ金属塩化物およ
びオキシ燐化合物を混合して焼成する方法、TiO
2 源、亜鉛化合物、アルカリ金属化合物および燐酸化合
物を混合しで焼成する方法、あるいはTiOSO4 ・2
2 Oのような針状結晶または針状チタン酸塩の加水分
解で得られた針状水和物を焼成する方法などによって製
造された酸化チタンウイスカーを使用することができ
る。しかし、酸化チタンウイスカー基材の形態として、
直径0.2〜3μm 、長さ5〜100μm 範囲の性状を
選択することが好ましい。この理由は、直径が0.2未
満で長さが5μm を下廻る場合には導電性フィラーを多
量に配合しないと優れた導電性能を得ることができず、
また直径3μm 、長さ100μm を越える酸化チタンウ
イスカーを製造することは困難であるからである。
【0010】酸化チタンウイスカー基材は、フェノール
樹脂をエタノールに溶解した溶液に分散させる。該フェ
ノール樹脂エタノール溶液は、フェノール樹脂濃度を
0.1〜3重量%としてエタノールに溶解し、長時間静
置してフェノール樹脂が分子量単位で均一分散する均相
化状態としたものを使用することが望ましい。フェノー
ル樹脂濃度が0.1重量%を下廻ると炭化チタンおよび
炭素の複合導電層の形成が困難となり、他方、3重量%
を越えると前記の複合導電層の被覆形成が不均一とな
る。酸化チタンウイスカーの撹拌分散は、好ましくはフ
ェノール樹脂エタノール溶液100重量部に対し2〜2
0重量部の割合で撹拌しながら少しずつ添加する操作で
おこなわれる。
【0011】ついで、分散液を加圧または/および吸引
下に強制濾過する。この際、加圧吸引の度合を調整して
酸化チタンに対する残溶液付着量が100〜200重量
%になるように条件設定することが好結果を与える。こ
の残溶液付着量が100重量%未満であると複合導電層
の被覆形成が不足して十分な導電性能を付与することが
できず、200重量%を越えると形成される複合導電層
が剥離し易くなる。濾過後の湿潤ケーキは絡みをほぐし
て風乾し、引き続き100℃程度の温度に加熱して被覆
された樹脂成分を硬化する。
【0012】フェノール樹脂膜が形成された酸化チタン
ウイスカー基材は不活性雰囲気に保持された加熱炉に移
し、800〜1700℃の温度により焼成処理する。焼
成温度が800℃未満であると被覆したフェノール樹脂
膜の炭化ならびに酸化チタンウイスカーとの界面反応が
円滑に進行せず、他方、1700℃を越えると基材の酸
化チタンウイスカーが変形を生じて導電性を減退させ
る。
【0013】上記のプロセスを経て酸化チタンウイスカ
ー基材の表面に炭化チタンと炭素とからなる複合導電層
が被覆形成された導電性フィラーが製造されるが、被覆
する複合導電層の膜厚は3〜40nmの範囲になるように
調整することが望ましい。
【0014】形成した導電性フィラーは、マトリックス
材料となるプラスチックスまたは絶縁性セラミックスに
体積含有率が5〜30%になる量比で複合化する。導電
性フィラーの体積含有率(Vf)が5%未満ではマトリック
ス材料に導電性を付与することができず、また30%を
越える体積含有率(Vf)ではマトリックス材料に対する均
一分散が困難となるうえ、成形体を形成することが不可
能になることがある。
【0015】導電性フィラーは、前述したように直径
0.2〜3μm 、長さ5〜100μmの酸化チタンウイ
スカー基材により形成されたものが好ましく適用される
が、この性状範囲で異なる大小範囲のアスペクト性状を
有する2種類以上の導電性フィラーを配合してマトリッ
クス材料に複合化すると一層導電性能を向上させること
ができる。例えば平均アスペクト比が20、25および
30の性状をもつ3種類の導電性フィラーを配合して使
用に供するケースが該当する。最も好適な具体例として
直径0.2〜0.6μm 、長さ5〜15μm で平均アス
ペクト比25の導電性フィラー35〜45重量%、直径
0.5〜1.5μm 、長さ10〜30%で平均アスペク
ト比20の導電性フィラー35〜45重量%、直径1.
0〜3.0μm 、長さ25〜100μm で平均アスペク
ト比30の導電性フィラー10〜30重量%の配合組成
を挙げることができる。
【0016】マトリックス材料をプラスチックスとする
複合化は、次のようにしておこなわれる。マトリックス
樹脂としては、例えばフェノール系、エポキシ系、不飽
和ポリエステル系、ジアリルフタレート系、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル、四弗化エチレンなど各種の熱硬化性または熱
可塑性樹脂類を挙げることができるが、本発明の目的に
はエポキシ系樹脂が特に好適に使用される。
【0017】予め硬化材を配合したマトリックス樹脂液
を撹拌しながら導電性フィラーを少しずつ加えて混合し
たのち、混合物をロール混練機等を用いて十分に混練処
理して均一に分散させる。ついで、真空下で脱泡処理し
て所定形状に成形する。成形化はプレス成形、射出成形
などでおこなうことができ、成形時または成形後に加熱
して樹脂成分を硬化することにより導電性複合材を得
る。
【0018】マトリックス材料を絶縁性セラミックスと
して複合化する場合には、次のようにおこなわれる。絶
縁性セラミックスの材質および種類としては、例えばア
ルミナ、ベリリア、マグネシア、ジルコニア、ムライ
ト、スピネル、コージェライト、窒化珪素、窒化硼素な
どを挙げることができる。これら絶縁性セラミックスの
粉末に導電性フィラーを配合してボールミルに入れ、エ
タノールを分散媒として十分に湿式混合したのち、乾燥
して粉砕処理する。粉砕後の混合物を一旦圧縮成形し、
更に1500℃以上の温度でホットプレス焼結して導電
性複合材を得る。
【0019】
【作用】本発明においてマトリックス材料に複合化され
る導電性フィラーは、本来的に材質強度の高い酸化チタ
ンウイスカーの基材面に炭化チタンおよび炭素からなる
組成の複合導電層が薄膜として被覆形成されている。こ
の複合導電層は単なる物理的な被覆とは異なり、焼成処
理時にフェノール樹脂膜の炭化により生成した炭素の一
部が酸化チタンウイスカー基材面で界面反応を生じて炭
化チタン(TiC) に転化し、この作用で良好な導電性能を
有する炭化チタンと炭素の複合層が傾斜機能組織となっ
て一体に結合する特有の被覆形態となる。このため、被
覆形態は極めて強固で容易に剥離することはなく、また
被覆層が薄いので基材の酸化チタンの白色が透過して着
色可能な白色ないし灰白色を呈する。
【0020】このような導電性フィラーが保有する特有
の複合導電層と基材の微細な繊維質性状が相乗して、複
合化するマトリックス材料に優れた導電性能と繊維補強
による機械的特性の改善効果が付与される。特に異なる
大小範囲のアルペクト性状を有する2種類以上の導電性
フィラーを配合して用いる場合には、複合組織内部で異
性状の微小繊維相互が接触度合を高めた状態で均質に分
散しており、この組織が導電性能を一層向上させるため
に機能する。したがって、マトリックス材料がプラスチ
ックスの場合には優れた導電性能と併せて材質強度、熱
変形温度、耐摩耗性などの機械的特性が向上し、かつ着
色自在な複合材が得られ、またマトリックス材料がセラ
ミックスの場合には優れた導電性能と高い材質強度なら
びに破壊靭性が同時に改善される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比しなが
ら詳細に説明する。
【0022】実施例1〜8、比較例1〜5 (1) 導電性フィラーの製造 フェノール樹脂をエタノールに溶解したのち、7日間静
置してフェノール樹脂の高分子鎖がエタノール中に均一
相として分散する濃度0.4重量%のフェノール樹脂エ
タノール溶液を調製した。この溶液100重量部に対し
直径および長さ範囲に異なる酸化チタンウイスカー基材
10重量部を撹拌しながら少しずつ添加し、引き続きマ
クネチックスターラーにより2時間撹拌を継続した。つ
いで分散液を加圧濾過装置を用いて加圧濾過し、酸化チ
タンウイスカー基材に対する残溶液付着量が175重量
%の湿潤ケーキを得た。湿潤ケーキの絡みをほぐしたの
ち1晩風乾し、引き続き100℃の温度で2時間乾燥し
て樹脂成分を硬化させた。フェノール樹脂膜を形成した
酸化チタンウイスカー基材を32メッシュの篩通処理を
施したのち、アルゴン雰囲気に保持された高周波加熱炉
に入れて1000℃の温度により焼成してアスペクト性
状の異なる5種類の導電性フィラーを製造した。各導電
性フィラーは、酸化チタンウイスカーの基材面に炭化チ
タンと炭素とからなる組成の複合導電層が傾斜機能組織
を呈して被覆されており、平均膜厚は約5nmで白色に近
似する灰白色を帯びていた。得られた各導電性フィラー
のアスペクト性状を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】(2) 導電性プラスチック複合材の製造 予め83.3g のエポキシ樹脂液〔油化シェルエポキシ
(株)製“エピコート828 ”〕に16.7g の硬化材
〔油化シェルエポキシ(株)製“エピキュアZ”〕を配
合したマトリックス樹脂を撹拌しながら、表1に示した
A〜Eのアスペクト性状を有する各導電性フィラーを所
定の体積含有率(Vf)になる量比で少しずつ加え、撹拌を
継続して十分に混合した。ついで、混合物を3本ロール
混練装置(ロール間隔0.2mm)により10分間混練し、真
空脱泡して表面に離型剤を塗布した金型に充填した。金
型中の充填物を再び真空脱泡したのち、100kgf/cm2
の圧力を加えてプレス処理し、引き続き80℃で2時
間、150℃で2時間の加熱条件で樹脂成分を硬化させ
た。
【0025】(3) 特性評価 このようにして製造した導電性プラスチック材について
各種の特性を測定し、その結果を表2に示した。比較の
ために炭化珪素ウイスカー(直径 0.3〜0.6 μm,長さ5
〜15μm)を同様に配合した複合物(比較例4)、酸化チ
タン粉末(粒径0.5〜2μm)を同様に配合した複合物
(比較例5)の特性を対比させて表2に併載した。な
お、各特性の測定試験は、引張強度についてはJIS
K7113−1981、圧縮強度はJIS K7208−1975、曲げ
強度はJIS K7203−1982、熱変形温度はJIS K
7207−1977、摩耗量はJIS K7204−1977に従ってテ
ーパー式摩耗試験機(摩耗輪CS-17 、1000サイクル、荷
重1kg) により、また体積抵抗率はASTM D257 に
よった。
【0026】
【表2】
【0027】表2の結果から、本発明により製造された
導電性プラスチック材は、本発明の要件を外れる比較例
による同複合材料に比べて高度の導電性能と材質強度を
併せ保有し、そのほか熱変形温度、耐摩耗性等も大幅に
向上していることが認められる。しかし、導電性フィラ
ーの性状として直径0.2μm 未満で長さが4μm 未満
のものを用いた実施例8では若干導電性能の減退傾向が
認められた。
【0028】実施例9〜14 表1に示したB〜Dの導電性フィラーを適宜に組み合わ
せて配合し、配合した導電性フィラーを用いた以外は全
て実施例3と同一条件により体積含有率(Vf)が25%の
導電性プラスチック材を製造した。得られた複合材の各
種特性を測定し、その結果を導電性フィラーの配合組成
と対比させて表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】表3の結果から、酸化チタンの性状が直径
0.2〜3μm 、長さ5〜100μm の範囲で形成され
た異なる大小アスペクト性状を有する導電性フィラーを
配合使用すると優れた特性の複合材料が得られ、特に
B、CおよびDの3種類を配合した導電性フィラーによ
る複合材料の導電性能が向上していることが判明する。
【0031】実施例15〜22、比較例6〜9 (1) 導電性フィラーの製造 実施例1〜8と同一条件で製造した。
【0032】(2) 導電性セラミック材の製造 導電性フィラーを所定の体積含有率(Vf)になる量比でア
ルミナ粉末〔住友化学工業(株)製、AKP−30〕に
配合し、エタノールとともに遊星ボールミルで80分間
湿式混合し、エタノールを揮散させて乾燥したのち粉砕
処理を施した。この混合物を金型に充填し、500kgf/
cm2 の圧力で一軸成形し、更に成形物をラバープレス装
置に移し3t/cm2 の圧力下でCIP成形した。ついで、
得られた各成形体をホットプレス装置により、真空中で
400kgf/cm2 の圧力を加えながら1590℃の温度で
焼結処理して導電性セラミック材を製造した。
【0033】(3) 特性評価 製造された各導電性セラミック材について各種の特性を
測定し、その結果を表4に示した。比較のために、炭化
珪素ウイスカー(直径 0.3〜0.6 μm,長さ5〜15μm)を
同様に配合した複合物(比較例8)および酸化チタン粉
末(粒径 0.5〜2μm)を同様に配合した複合物(比較例
9) の特性について表4に併載した。なお、破壊靭性の
測定はSEPB法によった。
【0034】
【表4】
【0035】表4の結果は、概ね表2と同様の傾向を示
すものであった。
【0036】実施例23〜28 表1に示したB〜Dの導電性フィラーを適宜に組み合わ
せて配合し、配合した導電性フィラーを用いた以外は全
て実施例17と同一条件により体積含有率(Vf)が25%の
導電性セラミック材を製造した。得られた複合材の各種
特性を測定し、導電性フィラーの配合組成と対比させて
表5に示した。
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば酸化チタ
ンウイスカーの表面に炭化チタンと炭素とからなる組成
の複合導電層が一体強固に被覆形成された導電性フィラ
ーを分散複合化することにより、高度の導電性能と材質
強度を兼備し、その他の特性も有意に改善された導電性
複合材料を効率よく製造することが可能となる。したが
って、マトリックス材料がプラスチックスの場合には機
械的特性の要求が厳しい条件下で使用される高性能の静
電防止材、電波吸収材、電磁波シールド材等の部材とし
て、またセラミックスの場合に例えば苛酷な環境下で使
用される発熱体などとして極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンウイスカー基材をフェノール
    樹脂エタノール溶液に撹拌分散させて強制濾過し、濾過
    ケーキを乾燥後、不活性雰囲気中で800〜1700℃
    の温度で焼成して基材面に炭化チタンと炭素とからなる
    組成の複合導電層が被覆された導電性フィラーを形成
    し、該導電性フィラーを体積含有率(Vf)が5〜30%に
    なる量比でプラスチックスもしくは絶縁性セラミックス
    のマトリックス材料に複合化することを特徴とする導電
    性複合材の製造方法。
  2. 【請求項2】 直径0.2〜3μm 、長さ5〜100μ
    m の酸化チタンウイスカー基材により形成された異なる
    大小範囲のアスペクト性状を有する2種類以上の導電性
    フィラーを配合してマトリックス材料に複合化する請求
    項1記載の導電性複合材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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