JP2562048B2 - 誘電性もしくは圧電性を有する組成物 - Google Patents

誘電性もしくは圧電性を有する組成物

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JP2562048B2 JP63324488A JP32448888A JP2562048B2 JP 2562048 B2 JP2562048 B2 JP 2562048B2 JP 63324488 A JP63324488 A JP 63324488A JP 32448888 A JP32448888 A JP 32448888A JP 2562048 B2 JP2562048 B2 JP 2562048B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はチタン酸ジルコン酸鉛ウィスカー及び結合剤
からなる誘電性もしくは圧電性を有する組成物に関す
る。
従来技術及びその問題点 近年、電子産業の発展に伴ない誘電材料や圧電材料の
発展もめざましいものがある。誘電性や圧電性を有する
材料はいろいろのものが知られている。セラミックス系
では、水晶、ロッシェル塩(NaKC4HO6・4H2O)、BaTiO3
系、PZT系(PbTiO3−PbZrO3)、CdS、ZnOなどが知られ
ている。工業的にはBaTiO3系やPZT系の材料を焼結した
誘電体磁器や圧電体磁器が多量に使用されている。しか
しながら、高温での焼結のため省エネルギー的でないこ
と、自由な賦形性がないことなどの理由から高分子誘電
体や高分子圧電体などが開発されている。高分子誘電体
や高分子圧電体は以下に述べる特長を有している。即ち 柔軟性があること 各種の形状の製品が出来る事 人体とか水などの力学的整合性が良いこと 大きな面積が可能であること 薄いフィルムが作れること フィルム上に誘電・圧電の設計された分布を与える
ことが出来る事 など、セラミックス系にはない特徴を持っている。
高分子誘電体や高分子圧電体の種類には大きく別けて
2つの流れがあり、そのうちの1つは高分子それ自体に
誘電性や圧電性を有している群があげられる。その具体
例としてはポリフッ化ビニリデン、シアノエチル化ポリ
オール、ポリビニルフォスファベンゼン、ポリビニルキ
ノリン、シアン化ビニリデン・酢酸ビニル共重合体、フ
ッ化ビニリデン・トリフルオロエチレン共重合体などが
挙げられる。しかしながら、これら高分子誘電・圧電材
料は、その代表例であるポリフッ化ビニリデンをセラミ
ックス系のPZT系と比較すると誘電率が13と1200と誘電
率が低いことが問題であった。
そこで高分子誘電・圧電材料の特徴とセラミックス系
誘電・圧電材料の特徴と組合せてそれぞれの特徴をあわ
せ有する材料の開発が盛んである。もう1つの高分子誘
電・圧電材料としては上述の複合誘電・圧電材料をあげ
ることができる。複合誘電・圧電材料はセラミックス系
強誘電・圧電粉末と高分子のもつ加工性・柔軟性の両方
の特徴を生かしたものである。従来公知のセラミックス
系材料としてはBaTiO3系、PZT系などであり、従来公知
の高分子としては誘電率の高いポリフッ化ビニリデン関
連高分子やゴム又は熱可塑性樹脂が代表的なものであっ
た。
一般に高分子のマトリックス中にセラミックスの微粉
末を分散させた複合体の誘電率、圧電定数などは、セラ
ミックスの混合量に比例して増加する。したがって、高
い誘電率や圧電定数を得ようとすると、高分子/セラミ
ックスの比が極端に小さくなり複合誘電・圧電材料の高
分子組成物としての特徴を失うといった欠点が発生し、
従来の技術では未解決のままであった。
問題点を解決するための手段 本発明は、一般式PbO・n(Ti,X)O2(式中、Xはジ
ルコニウム、nは実数である)で示されるチタン酸ジル
コン酸鉛ウィスカーと結合剤とからなる誘電性もしくは
圧電性を有する組成物に係り、本発明によれば、加工
性、機械強度の優れた誘電性もしくは圧電性を有する樹
脂組成物が得られることが明らかになった。
本発明は従来の強誘電セラミックスの微粉末に替え
て、一般式PbO・n(Ti,X)O2(式中、X及びnは前記
に同じ)で示されるチタン酸ジルコン酸鉛ウィスカー
(以下これをチタン酸金属塩ウィスカーという)を採用
した事により、従来の問題点を解決することができた。
本発明のチタン酸金属塩スイスカーは従来知られてい
た強誘電体セラミックス微粉末であるチタン酸金属塩を
ウィスカー状、すなわち単結晶繊維化したもので、その
形状は繊維長と繊維径の比が少なくとも10以上のもので
あり、繊維長、繊維径とも使用目的により異なり特定さ
れないが、繊維長は通常1〜1000μm、好ましくは2〜
50μm、繊維径は通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜
2μmであり、繊維長/繊維径の比が20〜100程度のも
のが好ましい。
特に長繊維状ウィスカーは補強効果としては一段と優
れるが、細密充填時の空隙率が大で且つ均質な樹脂組成
分が得がたいので、一般には微細で且つ高アスペクト比
(繊維長/繊維径の比)のものが好ましいが、現在入手
できるものは0.1〜2μmの繊維径で繊維長が1〜20μ
m程度のものが多く、これらのものは本発明において充
分適用できる。
このようなチタン酸金属塩ウィスカーを強誘電体とし
て採用することにより、従来の強誘電体微粉末に比べ添
加量が少なくても目的とする誘電・圧電特性が得られ
る。また本発明の誘電性もしくは圧電性を有する樹脂組
成物は加工性が良い上、得られる成形品の機械的物性が
高く、この点は本発明で初めて達成できた全く新しい特
徴である。
本発明においてはこれら例示した各種強誘電性もしく
は圧電性ウィスカーにドーパントとしてもう1種の二価
イオンの金属元素を添加したものも使用できる。更には
これら強誘電性ウィスカーもしくは圧電性ウィスカーは
単独で、あるいは併用して使用することもできる。
本発明に採用した上記一般式で示されるチタン酸金属
塩ウィスカーの合成法につき、その代表例を記述する。
1)チタン酸ジリコン酸鉛ウィスカーの合成例チタン酸
ジルコン酸鉛は立方晶であるのでPbOとTiO2及びZrO2
反応では等軸状粒子しか合成できないが、フラックス中
でTiZrO4を合成すると針状粒子が得られることを見い出
した。この針状TiZrO4とPbOを乾式混合し、800〜900℃
で約1時間焼成するとチタン酸ジルコン酸鉛ウィスカー
が得られた。SEM写真により観察すると、繊維長と繊維
径の比が少なくとも10以上であった。
本発明においては、チタン酸金属塩ウィスカーを硬化
性結合剤で結合することにより、所望する誘電・圧電特
性を有する硬化性樹脂組成物が得られる。このような硬
化性結合剤は、当該チタン酸金属塩ウィスカー及び必要
により加える他の成分を結合して成型性を付与するもの
及び/又は、支持体に決着するものであって、触媒の存
在、又は不存在下で、化学反応を伴って高分子量化、或
いは架橋して、不溶、不融の結合剤となるものであり、
一般に、熱、光、電子線等各種外部エネルギーにより活
性化されるが、室温以下においても、雰囲気中の水分の
存在、酸素の存在又は不存在等の特殊雰囲気下で活性化
されるものがある。
尚、本発明の硬化性結合剤としては通常有機質の硬化
性樹脂が適しているが、加工性、結合力さえ具備してい
れば無機質の硬化性結合剤でも良い。
従って、本発明の結合剤は一般に、熱、光、電子線及
び/又は触媒等により化学反応を起し巨大分子化する架
橋点を有し、これらの架橋点として反応活性を示す反応
基が存在する。これらの反応基の代表的なものとして
は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ
基、ニトリル基、エポキシ基、ビニル基等の不飽和基、
アセチル基及びこれらの誘導体、有機金属化合物におけ
る置換有機基等であり、通常これらの反応基の一種又は
二種以上が共存する。
従って本発明の硬化性結合剤は、反応活性点で反応硬
化しうるものであれば特に限定されないが、代表的なも
のを例示すると、1)アミノ樹脂、2)フェノール樹
脂、3)アルキド樹脂、4)エポキシ樹脂、5)ウレタ
ン樹脂、6)ポリアミド樹脂、7)ポリエステル樹脂、
8)ビニル樹脂、9)ポリイミド樹脂、10)ポリメルカ
プト樹脂、11)シリコン樹脂、12)弗素樹脂、13)ホウ
素樹脂、14)有機チタン樹脂、15)珪酸塩、リン酸塩、
ホウ酸塩等の無機質硬化性物質等の一種又は二種以上の
混合物及びこれらの前駆物質であって、熱、光、電子
線、触媒等で硬化して不溶不融の結合剤となるものが挙
げられる。
尚、本発明の硬化性結合剤は一般に加工性の便利さか
ら、不溶不融化する前の前駆物質として与えられること
が多く、通常、固体粉末、液体、溶媒を含んだ溶液、分
散媒を含んだ分散物又はエマルジョン、更に特殊なもの
は気体として提供又は使用される。また、これらの中に
は室温下、自然雰囲気下では不安定で直ちに反応して硬
化したり、二種以上混合することにより硬化するもの、
触媒の添加により硬化するもの等、単に熱又は光等の外
部エネルギーを与えなくとも反応するものがあり、この
ように反応性が著しいものについては、反応を抑制する
環境例えば、不活性ガス雰囲気、冷暗所保存、反応抑制
剤の添加、触媒や二種以上からなる反応成分の分割保存
等が必要であるが、このような場合でも、本発明のチタ
ン酸金属塩ウィスカーを結合して硬化させるものであれ
ば良い。
更に本発明では、着色剤、分散剤、触媒、助触媒、可
塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、反応抑制剤、補強性充
填剤、非補強用充填剤等、通常用いられる各種添加剤を
併用してもよく、また、本発明のチタン酸金属塩ウィス
カー以外に補強性及び/又は非補強性の強誘電体を併用
しても良い。
本発明はチタン酸金属塩ウィスカーを硬化性結合剤で
結合することにより誘電性もしくは圧電性を有する硬化
性組成物を得るものであり、チタン酸金属塩ウィスカー
と硬化性結合剤との配合比率は使用目的、チタン酸金属
塩ウィスカー及び硬化性結合剤の種類により特定できな
いが、チタン酸金属塩ウィスカーが少なすぎると、誘電
率や圧電特性等の特性発現が期待できず、逆に硬化性結
合剤が少なすぎると結合力が不足して成型体等の強度が
不足する。従って通常結合剤100重量部(以下重量部を
部と略す)に対し、チタン酸金属塩ウィスカー10〜2000
部、好ましくは50〜1000部の範囲が実用的である。但し
本発明のチタン酸金属塩ウィスカーは、種々の色相を呈
し、補強性充填剤として優れたものであるので、これら
の補強性及び/又は色相を活用し、実質的に電気特性を
利用しない硬化性組成物、更には誘電性もしくは圧電性
を他の誘電材料に頼ったものであっても、本発明の樹脂
組成物に含まれる。
また、硬化性結合剤以外に硬化性結合剤と相溶する又
は相分離する熱可塑性樹脂を併用しても、硬化性結合剤
が組成物の必須の一成分をなしておれば、これらの熱可
塑性樹脂を併用しても良い。
本発明の誘電性もしくは圧電性を有する樹脂組成物を
製造する方法は、使用目的、硬化性結合剤の種類により
異なり、特定できないが、硬化性結合剤が、安定且つ、
作業しやすい条件、雰囲気下で、チタン酸金属塩ウィス
カーと硬化性結合剤を通常用いられている混合機、分散
機により混合又は分散させたのち、硬化条件下で処理す
ることにより得られ、このような混合、分散時必要によ
り通常用いられる触媒、溶媒、分散媒、その他各種添加
剤を加えることができる。
尚、硬化性結合剤又はその前駆物質は一般に不安定の
ものがあり、二種以上の硬化性結合剤を併用したときの
これらの一部又は全部混合時、チタン酸金属塩ウィスカ
ーや他の添加剤、触媒等の混合時、室温、自然雰囲気下
で硬化するものがあるので、このような場合は、使用直
前迄分離して保存し、使用直前に混合すべきである。
本発明の硬化性組成物は硬化性結合剤が熱硬化性であ
れば、加熱により、光硬化性なら、紫外線、電子線によ
り、また特殊雰囲気、例えば湿気硬化性、嫌気硬化性で
あればそれぞれの雰囲気下で処理することで所望する誘
電性もしくは圧電性の硬化性組成物が得られるが、これ
らの硬化を減圧下又は加圧下で行なっても良い。また、
本発明の誘電性もしくは圧電性を有する硬化性組成物
は、その一種または二種以上の複合物として用いられる
ばかりでなく、支持層表面に固着した複合物として用い
ることが出来、一般に塗装、コーティング、印刷、その
他通常用いられる成型法が全て適用できる。また本発明
の誘電性もしくは圧電性を有する樹脂組成物を製造する
際あるいは成型体に電場等を印加してエレクトレット化
することも重要である。
本発明の誘電性もしくは圧電性を有する樹脂組成物
は、耐熱性、耐薬品性、成型物の表面平滑性、強度、耐
久性がすぐれたものであり、誘電体もしくは圧電体とし
てセラミックスの代替はもちろん、従来公知の高分子誘
電・圧電材料の高性能化をはかることができ、極めて産
業利用性が高いものである。
本発明によれば、チタン酸金属塩ウィスカー及び被覆
形成能を有する結合剤(以下「基質」という)からなる
誘電性もしくは圧電性を有する被覆組成物が提供され
る。
本発明に係るこれら基質は、被覆組成物の使用目的に
より異なるが軟質性被覆層を形成する軟質基質と硬膜性
被覆層を形成する硬質基質がある。本発明の軟質基質と
は、1)ワセリン、ラノリン、ペトロラタム、歴青質化
合物等非晶質又は低融点の炭化水素化合物又はそれらの
誘導体、2)脂肪酸及び脂肪酸のグリセリンエステル等
の油脂類、3)エチレンオキシド、プロピレンオキシド
等アルキレンオキシドのホモポリマー又はコポリマーか
らなるポリアルキレンオキシド、4)脂肪酸及び脂肪酸
のグリセリンオキシドとアルキレンオキシドを付加させ
たアルキルポリアルキレンオキシド又はこれらの誘導
体、5)液状ポリエチレン、液状ポリプレン、液状アク
リル樹脂、トリブチルフォスフェート等、室温で液状又
は可塑性を示す化合物等が例示され、これらの一種又は
二種以上の混合物として用いる。
本発明の硬質基質とは、使用雰囲気条件で皮膜形成能
を有するものであり、一般に塗料、インキ、接着剤、封
止剤、成形材料等に用いられている結合剤をそのまま用
いることができる。本発明の硬質基質を例示すると高級
脂肪酸及びその誘導体、ポリオレフィン樹脂、アルキド
樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ビニリデン樹脂、ポ
リエーテル樹脂、ビニルフォルマール樹脂、ビニルアセ
タール樹脂、セルローズ系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド
イミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、
ポリサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、液晶ポリマー、ポリイミダゾール、ポリオキサゾリ
ン樹脂、フッ素樹脂及びシリコン樹脂等からなる群から
選ばれた少なくとも1種の硬質結合剤が例示される。
尚、本発明にあっては、これら基質に対し通常用いら
れる触媒、硬化剤、硬化助剤、改質剤等各種添加剤を併
用しても良い。又、使用目的によっては軟質基質、ゴム
エストラマー、硬質基質を共用しても良い。
本発明のチタン酸金属塩ウィスカーと基質の配合割合
は前述の硬化性組成物と同様であり、具体的には基質10
0部に対し、チタン酸金属塩ウィスカー10〜2000部、好
ましくは50〜1000部の範囲が実用的である。チタン酸金
属塩ウィスカーが少なすぎると、誘電性や圧電性等の特
性発現が期待できず、逆に基質が少なすぎると結合力が
不足して成型体等の被覆性能が低下し、亀裂が生じた
り、強度が充分でないなど、好ましくない。
基質としてはそれ自体の誘電率が高い方が好ましく、
例えばポリフッ化ビニリデン、シアノエチル化ポリオー
ル、ポリビニルフォスファベンゼン、フッ化ビニリデン
・トリフルオロエチレン共重合体、シアン化ビニリデン
・酢酸ビニル共重合体などが好ましい例として挙げるこ
とができる。
本発明のチタン酸金属塩ウィスカーを基質中に含有さ
せる方法としては、通常用いられる分散機、混合機、混
練機等任意のものが使用でき、室温雰囲気以外、加熱雰
囲気、冷却雰囲気、減圧雰囲気、特定ガス置換雰囲気等
の任意の雰囲気下で行なうことができる。尚、本発明で
は基質は、溶媒又は分散溶媒と共用し、溶液として又は
エマルジョン、コロイドその他分散液として用いること
ができ、更に基質中に本発明のチタン酸金属塩ウィスカ
ーを含有させる過程及び/又は含有後において被覆組成
物を使用する前後において、被覆組成物の作成及び/又
は使用時の作業性を改善するための溶液、溶媒、分散助
剤、シランカップリング剤、粘度調整剤、防腐・防バイ
剤、着色剤、可塑剤、沈澱防止剤、難燃助剤等通常用い
られる添加剤を併用することができる。
更に本発明の組成物の性能を発現させるため被覆組成
物の作成及び/又は使用前に電場等を与え、エレクトレ
ット化することもできる。
本発明はチタン酸金属塩ウィスカーが含まれることを
特徴とする誘電性もしくは圧電性を有する被覆組成物で
あり、チタン酸金属塩ウィスカーは、一般に単結晶繊維
であるので誘電性もしくは圧電性に優れた異方性を与え
るとともに補強効果をも発揮するので、極めて産業利用
性の高いものである。
本発明によれば、チタン酸金属塩ウィスカーを結合剤
により結合して所望の形態の誘電性もしくは圧電性を有
する複合シートが提供される。
本発明の誘電性もしくは圧電性を有する複合シートと
は、コンデンサー、電線被覆等の電気、電子部品、更に
は誘電率の温度変化、圧電効果、残留分極等を利用した
電気電子素子などに適用できるものであり、誘電性もし
くは圧電性を有する部分のみからなるシート及びフィル
ム、誘電性もしくは圧電性を有する層と単なる一般の絶
縁層が各一層及び/又は二層以上からなる複層構造のシ
ート及びフィルム、誘電性もしくは圧電性の異なった誘
電・圧電層と一般の絶縁層が各一層及び/又は二層以上
からなる複層構造のシート及びフィルム、これら誘電・
圧電層及び/又は一般の絶縁層が所望する図案により一
部欠落したシート及びフィルムであり、これらシート及
びフィルム中の誘電・圧電層の少なくとも一層がチタン
酸金属塩ウィスカーを含有する複合シートで構成された
ものである。
本発明において結合剤とは、チタン酸金属塩ウィスカ
ー及び必要により加える他の成分を結合したシート成型
性を付与するもの及び/又は、支持体に結着するもので
あって、原理的には制限がなく、水溶性高分子、あるい
は疎水性高分子で熱可塑性、熱硬化性のものを自由に使
用でき、利用目的によって選択されるべきものである。
尚、本発明の結合剤は通常有機質の結合剤が適している
が、シート形成能、結合力さえ具備していれば、無機質
結合剤であっても良い。本発明の結合剤の具体例を示す
と、1)ワセリン、ラノリン、ペトロタノム、歴青質化
合物等非晶質又は低融点の炭化水素化合物又はそれらの
誘導体、2)脂肪酸及び脂肪酸と多価アルコールの縮合
物、更にはこれらの重合体及び誘導体、3)エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドの
単一重合体又は共重合体、4)ロジン、マレイン化ロジ
ン、エステルガム等の天然樹脂及びその誘導体、5)オ
レフィン系樹脂、6)天然又は合成ゴム、7)アルキド
樹脂、8)アクリル樹脂、9)ビニル樹脂、10)ビニリ
デン樹脂、11)ビニルエーテル樹脂、12)ポリエーテル
樹脂、13)ビニルアセタール樹脂、14)セロローズ系樹
脂、15)エポキシ樹脂、16)ウレタン樹脂、17)ポリア
ミド樹脂、18)ポリアセタール樹脂、19)ポリエステル
樹脂、20)ポリサルフォン系樹脂、21)ポリスルフィド
系樹脂、22)ポリイミダゾール樹脂、23)ポリオキサゾ
リン、ポリオキサゾラン系樹脂、24)シリコン樹脂、2
5)ポリメルカプト樹脂、26)有機珪素化合物、有機チ
タン化合物、有機リン化合物、有機ホウ素化合物等の含
金属有機化合物、27)珪酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等の
無機質結合剤等の天然又は合成の化合物であって、これ
らの一種又は二種以上の混合物である。これらは既に高
分子量化されたものばかりでなく、加工する時高分子量
化する原料の一種又は二種以上の混合物を光、熱又は触
媒等の存在下で高分子量化して結合力を発現するもので
あれば任意に選択でき、また上述例示の結合剤のみに限
定されるものではない。
本発明はチタン酸金属塩ウィスカーと結合剤を用いシ
ート又はフィルム状に成型して誘電性もしくは圧電性を
有する複合シートを得るものであり、シタン酸金属塩ウ
ィスカーと結合剤の配合比率は、使用目的、チタン酸金
属塩ウィスカー及び結合剤の種類により特定できない
が、チタン酸金属塩ウィスカーが少なすぎると誘電・圧
電特性が期待できず、逆に結合剤が少なすぎると、結合
力が不足して、シート又はフィルムの強度が望めない。
従って、通常結合剤100部に対しチタン酸金属塩ウィス
カー50〜2000部、好ましくは100〜1000部の範囲が実用
的である。
チタン酸金属塩ウィスカーを結合剤中に含有させる方
法としては、チタン酸金属塩ウィスカーと結合剤成分
(結合剤又は結合剤の原料)又は結合剤成分の分散液、
乳化液、溶液、粉末、ペースト等及び必要により、希釈
剤、触媒、着色剤、シランカップリング剤、分散剤、可
塑剤、老化防止剤、充填剤等通常用いられる各種添加剤
からなる配合物を混合機、分散機等により混合又は分散
させた混合物、分散物を得る。
このような混合物又は分散物を用い通常の方法でシー
ト化するのであるが、その方法として、例えば上述の混
合物又は分散物を離型性を有する表面に塗布又は延展し
てシートを成型する方法、紙、有機又は無機質繊維から
なる布帛、樹脂フィルム等のシート状の支持層の表面に
塗布又は延展してシート成型する方法、カレンダー法及
び押し出し成型法等及びこれらの複合構造等種々の方法
が用いられ、加工技術さえ整えば、ブロー成型等も用い
ることができる。又、本発明の複合シートの性能を引き
出すため、シート作成時もしくはシート作成後、電場等
を与え、エレクトレット化することもできる。
本発明の複合シートにあってはチタン酸金属塩ウィス
カー及び結合剤以外に通常用いられるシート改質剤が含
まれていても良い。尚、本発明のチタン酸金属塩ウィス
カーのみで誘電性もしくは圧電性を付与できるが、通常
用いられている粉末状の誘電性セラミックス粉、圧電性
セラミックス粉、無機系誘電・圧電性化合物粉末を併用
することを何ら排除するものでない。
本発明の誘電性もしくは圧電性を有する複合シート
は、チタン酸金属塩ウィスカーが補強性に優れ、且つ必
要により配向させることができ、異方性の調整が可能で
あり、また通常の使用環境下で酸化等の物理的、化学的
変化を発生しにくく、耐熱性も優れているので、安定な
誘電性もしくは圧電性を有する複合シートが得られ、極
めて産業利用性の高いものである。
又、結合剤として弾性体を、チタン酸金属塩ウィスカ
ーとしてチタン酸ジルコン酸鉛ウィスカーからなる複合
シートは、その圧電柱は特に優れたものであった。
本発明全体を通じて、焦電性については言及していな
いが、焦電性の良好なチタン酸金属塩ウィスカー、例え
ばチタン酸鉛ウィスカーを使用した場合は焦電性を有す
る組成物が期待できる。
実 施 例 次に実施例を挙げて本発明の特徴を更に詳しく説明す
る。
実施例1 ポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス(株)製、
ジュラコン)とNBR(日本合成ゴム(株)製、JSRPN30
A、CN含量35%)を重量比で60/40に調整するように加熱
ロールを用いて190℃の温度で少量づつ混ぜ合せなが
ら、応力を加えながら混練を行ない、よく混合したとこ
ろで、チタン酸ジルコン酸鉛ウィスカー(大塚化学
(株)製、平均繊維長12μm、繊維径0.5〜0.6μm)を
上記ポリマーアロイに対し重量比でポリマーアロイ/ウ
ィスカー=35/65となるようにわずかづつ添加しながら
均一に混合し、次いで、これを加熱プレスを用いて厚さ
50μmのフィルムに成形した。このフィルムに圧電性を
付与するために成形品を約60℃に加熱しながら、そのま
まの状態で成形物の表裏より電界強度200KV/cmの直流電
界を一時間印加し、急冷することによって熱エレクトレ
ット化して得られた圧電材料の圧電定数(d31)は130.5
×10-8(CGS esu)であった。参考としてチタン酸ジル
コン酸鉛ウィスカーの代りに一般の圧電セラミックス粉
末として知られるチタン酸ジルコン酸鉛(半井化学薬品
(株)製 試薬1級)を使用し、同様に加熱プレスで厚
さ50μmのフィルムを成形し、エレクトレット化した後
その圧電定数(d31)は50.2×10-8(CGS esu)であり、
本発明の組成物が優れた圧電特性を有することが明瞭に
看取される。尚、エレクトレット化時及び圧電定数測定
時の電極としてフィルムの両面に真空蒸着した銀蒸着膜
を用いた。
発明の効果 本発明の誘電性もしくは圧電性を有する組成物は、チ
タン酸金属塩ウィスカーは補強性に優れ、且つ必要に応
じて配向させることにより異方性の高い誘電・圧電特性
を発揮するので、従来の高分子誘電・圧電材料や高分子
複合誘電・圧電材料に代って利用される、極めて産業利
用性の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安喜 稔 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大塚化学株式会社徳島研究所内 (72)発明者 竹中 稔 大阪府大阪市東区豊後町10番地 大塚化 学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−162403(JP,A) 特開 昭57−183324(JP,A) 特開 昭63−155503(JP,A) 特開 昭48−910(JP,A) 水田進、河本邦仁著「材料テクノロジ ー13セラミック材料」P.233

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式PbO・n(Ti,X)O2(式中、Xはジ
    ルコニウム、nは実数である)で示されるチタン酸ジル
    コン酸鉛ウィスカーと結合剤からなる誘電性もしくは圧
    電性を有する組成物。
  2. 【請求項2】一般式PbO・n(Ti,X)O2(式中、Xはジ
    ルコニウム、nは実数である)で示されるチタン酸ジル
    コン酸鉛ウィスカーと結合剤からなる組成物をエレクト
    レット化してなる誘電性もしくは圧電性を有する組成
    物。
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