JPH06263488A - 表面処理されたガラス繊維 - Google Patents
表面処理されたガラス繊維Info
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- JPH06263488A JPH06263488A JP5046935A JP4693593A JPH06263488A JP H06263488 A JPH06263488 A JP H06263488A JP 5046935 A JP5046935 A JP 5046935A JP 4693593 A JP4693593 A JP 4693593A JP H06263488 A JPH06263488 A JP H06263488A
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- glass fiber
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C25/00—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
- C03C25/10—Coating
- C03C25/24—Coatings containing organic materials
- C03C25/26—Macromolecular compounds or prepolymers
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
- H05K1/0313—Organic insulating material
- H05K1/0353—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
- H05K1/0366—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 縮合多環系芳香族樹脂をガラス繊維に含浸さ
せて繊維強化製品 (例、プリント配線板用のリジッド積
層基板) を製造する場合に、製品の曲げ強度を改善する
ことができるガラス繊維の表面処理。 【構成】 ヒドロキシメチル基およびハロメチル基から
選ばれた少なくとも2個の置換基を有する芳香族化合物
によりガラス繊維(例、ガラスクロス)を表面処理す
る。
せて繊維強化製品 (例、プリント配線板用のリジッド積
層基板) を製造する場合に、製品の曲げ強度を改善する
ことができるガラス繊維の表面処理。 【構成】 ヒドロキシメチル基およびハロメチル基から
選ばれた少なくとも2個の置換基を有する芳香族化合物
によりガラス繊維(例、ガラスクロス)を表面処理す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面処理されたガラス
繊維に関し、特に縮合多環系芳香族樹脂をマトリックス
樹脂とする繊維強化プラスチック、例えばプリプレグの
製造に有用な、表面処理されたガラス繊維に関する。
繊維に関し、特に縮合多環系芳香族樹脂をマトリックス
樹脂とする繊維強化プラスチック、例えばプリプレグの
製造に有用な、表面処理されたガラス繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】縮合多環系芳香族樹脂は、縮合多環芳香
族化合物または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合
物との混合物からなる原料物質と、少なくとも2個のヒ
ドロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化
合物からなる架橋剤とを、酸触媒の存在下で反応させて
得られた熱硬化性樹脂であり、フェノール樹脂やエポキ
シ樹脂より耐熱性に優れ、ポリイミド樹脂より安価に製
造可能であることから、これらの樹脂に代わって、繊維
強化プラスチック(FRP)の製造への利用が拡大する
ものと期待されている。この縮合多環系芳香族樹脂をマ
トリックス樹脂とするFRP管やプリプレグは、特開平
3−393 号および同4−189827号公報に開示されてい
る。
族化合物または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合
物との混合物からなる原料物質と、少なくとも2個のヒ
ドロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化
合物からなる架橋剤とを、酸触媒の存在下で反応させて
得られた熱硬化性樹脂であり、フェノール樹脂やエポキ
シ樹脂より耐熱性に優れ、ポリイミド樹脂より安価に製
造可能であることから、これらの樹脂に代わって、繊維
強化プラスチック(FRP)の製造への利用が拡大する
ものと期待されている。この縮合多環系芳香族樹脂をマ
トリックス樹脂とするFRP管やプリプレグは、特開平
3−393 号および同4−189827号公報に開示されてい
る。
【0003】縮合多環系芳香族樹脂は、長期耐熱温度が
約260 ℃とポリイミド樹脂の長期耐熱温度 (約200 ℃)
よりも高く、誘電率および吸水性が低いことから、特に
これらの特性が要求されるプリント配線板用の基板材料
に非常に適している。この種の基板には、樹脂単味のフ
ィルムからなるフレキシブル基板と、補強用繊維 (通常
はEガラス繊維) に樹脂を含浸させたプリプレグの積層
成形により製造されるリジッド基板(積層基板)があ
る。
約260 ℃とポリイミド樹脂の長期耐熱温度 (約200 ℃)
よりも高く、誘電率および吸水性が低いことから、特に
これらの特性が要求されるプリント配線板用の基板材料
に非常に適している。この種の基板には、樹脂単味のフ
ィルムからなるフレキシブル基板と、補強用繊維 (通常
はEガラス繊維) に樹脂を含浸させたプリプレグの積層
成形により製造されるリジッド基板(積層基板)があ
る。
【0004】リジッド基板においては、曲げ強度や基板
性能の信頼性を確保するために、補強用ガラス繊維と樹
脂との接着性が要求される。このガラス繊維と樹脂との
接着性は、他のあらゆるFRPでも必要または望ましい
特性である。
性能の信頼性を確保するために、補強用ガラス繊維と樹
脂との接着性が要求される。このガラス繊維と樹脂との
接着性は、他のあらゆるFRPでも必要または望ましい
特性である。
【0005】ガラス繊維とマトリックス樹脂との接着性
を改善するために、ガラス繊維の表面処理が一般に行わ
れてきた。この種の表面処理剤として普通に使用されて
きたのは、アクリルシラン系やアミノシラン系などの各
種のシランカップリング剤であった。
を改善するために、ガラス繊維の表面処理が一般に行わ
れてきた。この種の表面処理剤として普通に使用されて
きたのは、アクリルシラン系やアミノシラン系などの各
種のシランカップリング剤であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シランカップ
リング剤は、縮合多環系芳香族樹脂との接着性にすぐれ
ているとは言いがたく、シランカップリング剤で表面処
理されたガラス繊維 (例、ガラスクロス) に縮合多環系
芳香族樹脂を含浸させてFRP製品を製造しても、製品
の曲げ強度が十分でなく、また曲げ試験済みの供試材の
断面SEM(走査式電子顕微鏡)観察から、他のマトリ
ックス樹脂の場合には観察されないような層間剥離現象
が観測されている。そのため、縮合多環系芳香族樹脂を
マトリックス樹脂とする各種のFRP製品は、その性能
を十分に発揮できないでいた。
リング剤は、縮合多環系芳香族樹脂との接着性にすぐれ
ているとは言いがたく、シランカップリング剤で表面処
理されたガラス繊維 (例、ガラスクロス) に縮合多環系
芳香族樹脂を含浸させてFRP製品を製造しても、製品
の曲げ強度が十分でなく、また曲げ試験済みの供試材の
断面SEM(走査式電子顕微鏡)観察から、他のマトリ
ックス樹脂の場合には観察されないような層間剥離現象
が観測されている。そのため、縮合多環系芳香族樹脂を
マトリックス樹脂とする各種のFRP製品は、その性能
を十分に発揮できないでいた。
【0007】本発明の目的は、上記縮合多環系芳香族樹
脂との接着性が良好な表面処理剤で表面処理されたガラ
ス繊維を提供することである。
脂との接着性が良好な表面処理剤で表面処理されたガラ
ス繊維を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記縮合多
環系芳香族樹脂の製造において架橋剤として用いられ
る、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメ
チル基を有する芳香族化合物が、ガラス繊維の表面処理
剤として使用でき、この芳香族化合物は、縮合多環系芳
香族樹脂の原料物質の1つであることから、この樹脂と
の接着性に優れ、こうして表面処理されたガラス繊維と
縮合多環系芳香族樹脂とからFRP製品を製造すると、
従来に比べて曲げ強度が著しく高くなることを知り、本
発明を完成した。
環系芳香族樹脂の製造において架橋剤として用いられ
る、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメ
チル基を有する芳香族化合物が、ガラス繊維の表面処理
剤として使用でき、この芳香族化合物は、縮合多環系芳
香族樹脂の原料物質の1つであることから、この樹脂と
の接着性に優れ、こうして表面処理されたガラス繊維と
縮合多環系芳香族樹脂とからFRP製品を製造すると、
従来に比べて曲げ強度が著しく高くなることを知り、本
発明を完成した。
【0009】ここに、本発明の要旨は、ヒドロキシメチ
ル基およびハロメチル基から選ばれた少なくとも2個の
置換基を有する芳香族化合物により表面処理されたガラ
ス繊維にある。
ル基およびハロメチル基から選ばれた少なくとも2個の
置換基を有する芳香族化合物により表面処理されたガラ
ス繊維にある。
【0010】ここで、「ガラス繊維」の形態は特に制限
されず、例えば、長繊維 (ロービング) 、短繊維 (チョ
ップドストランド) 、クロス、マット、テープなど、従
来よりFRP製品の製造に利用されてきた任意の形態で
よい。
されず、例えば、長繊維 (ロービング) 、短繊維 (チョ
ップドストランド) 、クロス、マット、テープなど、従
来よりFRP製品の製造に利用されてきた任意の形態で
よい。
【0011】
【作用】縮合多環系芳香族樹脂は、縮合多環芳香族化合
物または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物との
混合物からなる原料物質 (例、ナフタレン、またはナフ
タレンとフェノールとの混合物) と、少なくとも2個の
ヒドロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族
化合物からなる架橋剤 [例、ジヒドロキシメチルベンゼ
ン (別名:キシリレングリコール)]とを、酸触媒 (例、
原料または架橋剤と反応性または水不溶性のスルホン酸
化合物) の存在下で反応させることにより得られる熱硬
化性樹脂である。この反応は、溶融状態でも、また溶液
状もしくは分散液状で実施することもできる。この樹脂
をガラス繊維に含浸させるには、上記反応をBステージ
状態で止めて、熱硬化性樹脂として使用する。
物または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物との
混合物からなる原料物質 (例、ナフタレン、またはナフ
タレンとフェノールとの混合物) と、少なくとも2個の
ヒドロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族
化合物からなる架橋剤 [例、ジヒドロキシメチルベンゼ
ン (別名:キシリレングリコール)]とを、酸触媒 (例、
原料または架橋剤と反応性または水不溶性のスルホン酸
化合物) の存在下で反応させることにより得られる熱硬
化性樹脂である。この反応は、溶融状態でも、また溶液
状もしくは分散液状で実施することもできる。この樹脂
をガラス繊維に含浸させるには、上記反応をBステージ
状態で止めて、熱硬化性樹脂として使用する。
【0012】この樹脂をマトリックス樹脂として、各種
形態のガラス繊維に樹脂を含浸させ、次いで成形および
加熱を行うと、FRP製品が得られる。これらは、例え
ば、フィラメントワインディング法、プリプレグ法な
ど、従来よりFRP製品の製造に利用されてきた任意の
方法で行うことができる。
形態のガラス繊維に樹脂を含浸させ、次いで成形および
加熱を行うと、FRP製品が得られる。これらは、例え
ば、フィラメントワインディング法、プリプレグ法な
ど、従来よりFRP製品の製造に利用されてきた任意の
方法で行うことができる。
【0013】本発明においては、このガラス繊維とし
て、ヒドロキシメチル基およびハロメチル基から選ばれ
た少なくとも2個の置換基で芳香環の水素が置換された
芳香族化合物により表面処理されたガラス繊維を用い
る。使用可能な芳香族化合物の例には、o-、m-またはp-
ジヒドロキシメチルベンゼン (別名:o-、m-またはp-キ
シリレングリコール) 、ジヒドロキシメチルキシレン
類、トリヒドロキシメチルベンゼン類、o-、m-またはp-
ジクロロメチルベンゼンなどがある。このうち好ましい
は、o-、m-またはp-ジヒドロキシメチルベンゼンであ
る。
て、ヒドロキシメチル基およびハロメチル基から選ばれ
た少なくとも2個の置換基で芳香環の水素が置換された
芳香族化合物により表面処理されたガラス繊維を用い
る。使用可能な芳香族化合物の例には、o-、m-またはp-
ジヒドロキシメチルベンゼン (別名:o-、m-またはp-キ
シリレングリコール) 、ジヒドロキシメチルキシレン
類、トリヒドロキシメチルベンゼン類、o-、m-またはp-
ジクロロメチルベンゼンなどがある。このうち好ましい
は、o-、m-またはp-ジヒドロキシメチルベンゼンであ
る。
【0014】ガラス繊維の具体的な表面処理方法は特に
制限されないが、一般には、上記芳香族化合物を適当な
溶媒 (例、メタノールなどの低級アルコール、シクロヘ
キサノン) に溶解した溶液を調製し、この溶液を噴霧、
浸漬などの手段でガラス繊維に塗布し、溶媒を除去する
ことにより実施できる。塗布後にガラス繊維を加熱し
て、溶媒を除去すると同時に、繊維と上記芳香族化合物
との間に結合を生じさせることが好ましい。この加熱
は、例えば、80〜100 ℃の温度で 0.5〜2時間程度行え
ばよい。この処理における芳香族化合物の付着量 (即
ち、溶液濃度と処理時間) は特に制限されず、前述した
目的が達成されるように実験により適当に選択すればよ
い。
制限されないが、一般には、上記芳香族化合物を適当な
溶媒 (例、メタノールなどの低級アルコール、シクロヘ
キサノン) に溶解した溶液を調製し、この溶液を噴霧、
浸漬などの手段でガラス繊維に塗布し、溶媒を除去する
ことにより実施できる。塗布後にガラス繊維を加熱し
て、溶媒を除去すると同時に、繊維と上記芳香族化合物
との間に結合を生じさせることが好ましい。この加熱
は、例えば、80〜100 ℃の温度で 0.5〜2時間程度行え
ばよい。この処理における芳香族化合物の付着量 (即
ち、溶液濃度と処理時間) は特に制限されず、前述した
目的が達成されるように実験により適当に選択すればよ
い。
【0015】この表面処理により、表面処理剤として用
いた芳香族化合物中のヒドロキシメチル基やハロメチル
基が、ガラス表面の水酸基または酸素原子と縮合反応
(脱水反応または脱ハロゲン化水素反応) や水素結合を
生じて、ガラス表面に上記化合物が結合する。こうして
ガラス繊維の表面に結合した芳香族化合物に、Bステー
ジ状態にある縮合多環系芳香族樹脂を含浸させ、次いで
成形後または成形と同時に加熱して樹脂を硬化させる
と、ガラス繊維に付着した芳香族化合物は、樹脂とも脱
水縮合反応により化学結合を形成する。このように、ガ
ラス繊維の表面処理剤である上記芳香族化合物は、この
化合物が有しているヒドロキシメチルまたはハロメチル
官能基が、ガラス繊維とマトリックス樹脂の両方と反応
して化学結合できるため、加熱硬化中にマトリックス樹
脂とガラス繊維繊維を芳香族化合物を通して強固に結合
することができるものと考えられる。
いた芳香族化合物中のヒドロキシメチル基やハロメチル
基が、ガラス表面の水酸基または酸素原子と縮合反応
(脱水反応または脱ハロゲン化水素反応) や水素結合を
生じて、ガラス表面に上記化合物が結合する。こうして
ガラス繊維の表面に結合した芳香族化合物に、Bステー
ジ状態にある縮合多環系芳香族樹脂を含浸させ、次いで
成形後または成形と同時に加熱して樹脂を硬化させる
と、ガラス繊維に付着した芳香族化合物は、樹脂とも脱
水縮合反応により化学結合を形成する。このように、ガ
ラス繊維の表面処理剤である上記芳香族化合物は、この
化合物が有しているヒドロキシメチルまたはハロメチル
官能基が、ガラス繊維とマトリックス樹脂の両方と反応
して化学結合できるため、加熱硬化中にマトリックス樹
脂とガラス繊維繊維を芳香族化合物を通して強固に結合
することができるものと考えられる。
【0016】一方、従来のアクリル系またはアミノ系シ
ランカップリング剤は、ガラス表面との脱水反応や水素
結合は容易に起こり、ガラス繊維に対する結合は起こる
ものの、芳香族環を持たないその骨格が縮合多環系芳香
族樹脂の骨格とは大きく異なるため、縮合多環系芳香族
樹脂との接着性が小さい。その結果、縮合多環系芳香族
樹脂との接着強度が高くならず、結果として樹脂とガラ
ス繊維との接着強度を十分に確保することができなかっ
た。
ランカップリング剤は、ガラス表面との脱水反応や水素
結合は容易に起こり、ガラス繊維に対する結合は起こる
ものの、芳香族環を持たないその骨格が縮合多環系芳香
族樹脂の骨格とは大きく異なるため、縮合多環系芳香族
樹脂との接着性が小さい。その結果、縮合多環系芳香族
樹脂との接着強度が高くならず、結果として樹脂とガラ
ス繊維との接着強度を十分に確保することができなかっ
た。
【0017】本発明の表面処理ガラス繊維を用いて前述
したリジッド基板を製造する場合、まず、この表面処理
ずみのガラス繊維と縮合多環系芳香族樹脂とからプリプ
レグを形成する。プリプレグの製造は溶剤法とホットメ
ルト法のいずれの方法でも実施できる。ガラス繊維は低
誘電率のガラス繊維であるのが好ましく、その形態は、
クロス、マット、テープなどが可能であるが、通常はガ
ラスクロスである。プリプレグ中の樹脂含有率は20〜60
重量%の範囲内が適当である。
したリジッド基板を製造する場合、まず、この表面処理
ずみのガラス繊維と縮合多環系芳香族樹脂とからプリプ
レグを形成する。プリプレグの製造は溶剤法とホットメ
ルト法のいずれの方法でも実施できる。ガラス繊維は低
誘電率のガラス繊維であるのが好ましく、その形態は、
クロス、マット、テープなどが可能であるが、通常はガ
ラスクロスである。プリプレグ中の樹脂含有率は20〜60
重量%の範囲内が適当である。
【0018】得られたプリプレグを5〜20枚程度積層
し、熱プレス法により積層体を熱圧着させると同時に樹
脂を所望の程度まで硬化させることにより積層成形する
と、リジッド基板 (積層基板) が得られる。適当な熱プ
レス条件は、温度 120〜230 ℃、加圧力25〜100 kgf/cm
2 、保持時間10〜120 分間である。この熱プレスは、通
常は積層体を2枚の銅箔の間に挟み込んでから行う。そ
れにより、両面が銅箔で被覆されたリジッド銅張基板が
直接製造される。その後、銅箔表面にイメージング、エ
ッチング、金属めっき加工を施すと、リジッド型プリン
ト配線板が製造される。
し、熱プレス法により積層体を熱圧着させると同時に樹
脂を所望の程度まで硬化させることにより積層成形する
と、リジッド基板 (積層基板) が得られる。適当な熱プ
レス条件は、温度 120〜230 ℃、加圧力25〜100 kgf/cm
2 、保持時間10〜120 分間である。この熱プレスは、通
常は積層体を2枚の銅箔の間に挟み込んでから行う。そ
れにより、両面が銅箔で被覆されたリジッド銅張基板が
直接製造される。その後、銅箔表面にイメージング、エ
ッチング、金属めっき加工を施すと、リジッド型プリン
ト配線板が製造される。
【0019】本発明の表面処理ガラス繊維は、上記のリ
ジッド基板の製造以外にも、フィラメントワインディン
グ法、プリプレグ法を始めとする多様なFRP成形方法
により、縮合多環系芳香族樹脂をマトリックス樹脂とす
る各種FRP製品の製造に利用することができる。
ジッド基板の製造以外にも、フィラメントワインディン
グ法、プリプレグ法を始めとする多様なFRP成形方法
により、縮合多環系芳香族樹脂をマトリックス樹脂とす
る各種FRP製品の製造に利用することができる。
【0020】また、本発明の表面処理ガラス繊維は、前
述した縮合多環系芳香族樹脂がマトリックス樹脂である
FRPの製造に特に有用であるが、表面処理剤として使
用した芳香族化合物中の官能基 (ヒドロキシメチル基ま
たはハロメチル基) と反応性のある芳香環や水酸基を有
する他の樹脂 (例、エポキシ樹脂やフェノール樹脂)を
マトリックス樹脂とするFRPの製造にも適用可能であ
る。
述した縮合多環系芳香族樹脂がマトリックス樹脂である
FRPの製造に特に有用であるが、表面処理剤として使
用した芳香族化合物中の官能基 (ヒドロキシメチル基ま
たはハロメチル基) と反応性のある芳香環や水酸基を有
する他の樹脂 (例、エポキシ樹脂やフェノール樹脂)を
マトリックス樹脂とするFRPの製造にも適用可能であ
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例において、部および%は、特に指定の
ない限り、重量部および重量%である。
説明する。実施例において、部および%は、特に指定の
ない限り、重量部および重量%である。
【0022】実施例1 p-キシリレングリコールのエタノール溶液 (10モル%濃
度) を調製し、この溶液をTガラスクロス (平織り、厚
み0.1 mm、嵩密度104.5 g/m2) に噴霧し (噴霧量100 g/
m2) 、次いで80℃に1時間加熱して、表面処理を完了し
た。この加熱によりp-キシリレングリコールがガラス表
面に強固に結合した表面処理ガラスクロスが得られた。
度) を調製し、この溶液をTガラスクロス (平織り、厚
み0.1 mm、嵩密度104.5 g/m2) に噴霧し (噴霧量100 g/
m2) 、次いで80℃に1時間加熱して、表面処理を完了し
た。この加熱によりp-キシリレングリコールがガラス表
面に強固に結合した表面処理ガラスクロスが得られた。
【0023】一方、ナフタレン100 部、p-キシリレング
リコール173 部、および触媒のβ−ナフタレンスルホン
酸 8.3部からなる混合物を、110 ℃で3時間加熱・攪拌
することにより付加縮合反応させて、Bステージ状態の
縮合多環系芳香族樹脂を得た。この樹脂は外観が褐色透
明であり、70℃における溶融粘度が16,500 cps、数平均
分子量が580 であった。この樹脂をテトラヒドロフラン
に溶解して、樹脂固形分50%、常温粘度が50cps の樹脂
ワニスを調製した。
リコール173 部、および触媒のβ−ナフタレンスルホン
酸 8.3部からなる混合物を、110 ℃で3時間加熱・攪拌
することにより付加縮合反応させて、Bステージ状態の
縮合多環系芳香族樹脂を得た。この樹脂は外観が褐色透
明であり、70℃における溶融粘度が16,500 cps、数平均
分子量が580 であった。この樹脂をテトラヒドロフラン
に溶解して、樹脂固形分50%、常温粘度が50cps の樹脂
ワニスを調製した。
【0024】この樹脂ワニス中に上記の表面処理ガラス
クロスを通過させることにより、ガラス繊維に樹脂を含
浸させた。その後、ガラスクロスを60℃で1時間乾燥し
て溶媒を除去し、樹脂含有量約30%のガラスクロスプリ
プレグを作製した。このガラスクロスプリプレグを、1.
6 mm厚の成形体が得られる枚数だけ重ね合わせ、2枚の
電解銅箔 (各35μm厚) の間に挟み込み、100 kgf/cm2
の圧力下、230 ℃で60分間熱プレスして積層成形するこ
とにより、厚さ約1.6 mmのリジッド銅張積層基板を得
た。
クロスを通過させることにより、ガラス繊維に樹脂を含
浸させた。その後、ガラスクロスを60℃で1時間乾燥し
て溶媒を除去し、樹脂含有量約30%のガラスクロスプリ
プレグを作製した。このガラスクロスプリプレグを、1.
6 mm厚の成形体が得られる枚数だけ重ね合わせ、2枚の
電解銅箔 (各35μm厚) の間に挟み込み、100 kgf/cm2
の圧力下、230 ℃で60分間熱プレスして積層成形するこ
とにより、厚さ約1.6 mmのリジッド銅張積層基板を得
た。
【0025】得られた銅張積層基板 (本発明品) の曲げ
強度をJIS C6481 に従って測定したところ、70 kgf/mm2
であった。一方、表面処理していないTガラスクロスま
たはアクリルシラン系表面処理剤により表面処理した
(処理剤付着量0.07重量%) を用いて同様に製造したリ
ジッド銅張積層基板 (従来品) の曲げ強度は50 kgf/mm2
であった。
強度をJIS C6481 に従って測定したところ、70 kgf/mm2
であった。一方、表面処理していないTガラスクロスま
たはアクリルシラン系表面処理剤により表面処理した
(処理剤付着量0.07重量%) を用いて同様に製造したリ
ジッド銅張積層基板 (従来品) の曲げ強度は50 kgf/mm2
であった。
【0026】また、曲げ試験後の試験片の曲げ破面を断
面SEM観察したところ、従来品の積層基板では層間剥
離現象が顕著に観察されたのに対し、本発明の積層基板
ではこのような層間剥離現象は認められなかった。
面SEM観察したところ、従来品の積層基板では層間剥
離現象が顕著に観察されたのに対し、本発明の積層基板
ではこのような層間剥離現象は認められなかった。
【0027】
【発明の効果】実施例にも示すように、本発明によりヒ
ドロキシメチル基またはハロメチル基を2以上含有する
芳香族化合物で表面処理されたガラス繊維は、表面処理
剤が縮合多環系芳香族樹脂と高い接着性を示すことか
ら、これに縮合多環系芳香族樹脂を含浸させてFRP製
品を製造した場合に、得られるFRP製品の曲げ強度を
著しく高めることができる。その結果、この種のFRP
製品の性能向上と利用拡大に貢献する。
ドロキシメチル基またはハロメチル基を2以上含有する
芳香族化合物で表面処理されたガラス繊維は、表面処理
剤が縮合多環系芳香族樹脂と高い接着性を示すことか
ら、これに縮合多環系芳香族樹脂を含浸させてFRP製
品を製造した場合に、得られるFRP製品の曲げ強度を
著しく高めることができる。その結果、この種のFRP
製品の性能向上と利用拡大に貢献する。
Claims (1)
- 【請求項1】 ヒドロキシメチル基およびハロメチル基
から選ばれた少なくとも2個の置換基を有する芳香族化
合物により表面処理されたガラス繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5046935A JPH06263488A (ja) | 1993-03-08 | 1993-03-08 | 表面処理されたガラス繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5046935A JPH06263488A (ja) | 1993-03-08 | 1993-03-08 | 表面処理されたガラス繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06263488A true JPH06263488A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12761181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5046935A Withdrawn JPH06263488A (ja) | 1993-03-08 | 1993-03-08 | 表面処理されたガラス繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06263488A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007123735A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Kyocera Chemical Corp | 配線基板用基材、配線基板用積層基材の製造方法及び配線基板 |
-
1993
- 1993-03-08 JP JP5046935A patent/JPH06263488A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007123735A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Kyocera Chemical Corp | 配線基板用基材、配線基板用積層基材の製造方法及び配線基板 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000509 |