JPH06262720A - 超深絞り用制振鋼板及びその製造方法 - Google Patents

超深絞り用制振鋼板及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06262720A
JPH06262720A JP5051735A JP5173593A JPH06262720A JP H06262720 A JPH06262720 A JP H06262720A JP 5051735 A JP5051735 A JP 5051735A JP 5173593 A JP5173593 A JP 5173593A JP H06262720 A JPH06262720 A JP H06262720A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
steel plate
vibration
steel sheet
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5051735A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Shinozaki
正利 篠崎
Kenjiro Tokunaga
賢次郎 徳永
Takao Iwasaki
孝夫 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP5051735A priority Critical patent/JPH06262720A/ja
Publication of JPH06262720A publication Critical patent/JPH06262720A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】スキン鋼板の内外面の凹部の深さ,大きさと配
置間隔との関係,接着剤の種類,鋼板の特性値等を配慮
することにより、超深絞り成形が可能で型かじりもない
超深絞り用制振鋼板を提供する。 【構成】制振鋼板の二枚のスキン鋼板1,2が平均r値
で1.8 以上の深絞り性を有すると共に、少なくとも一枚
のスキン鋼板の外表面に深さHが2 〜80μmの凹部4
を持つ規則的な模様が、(模様の大きさD/模様の間隔
L=0.5 〜5 )の関係で存在し、かつ樹脂層3が熱硬化
タイプポリエステル系樹脂からなるものとした。これに
よりLDR2.3 を越える超深絞り成形が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深絞りプレス成形性に
優れると共に、接着強度の良好な超深絞り用制振鋼板と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のエンジンオイルパン等
の深絞り成形加工の用途に供される例えば冷延鋼板は、
プレス成形時における耐油焼付性を向上させるために、
ショットブラストまたは放電加工によりダル仕上げされ
たワークロールを用いて調質圧延することが行われてい
る。しかしこのように加工された鋼板でも深絞り成形が
十分とはいえず、それを補うためにこの冷延鋼板の表面
に固形潤滑剤を塗布して実用に供しているのが現状であ
る。一方、十分な深絞り性を得るための別の方法とし
て、例えば特公平3−34401号,特公平3−344
02号,特公平3−54004号等には、レーザによる
ダル加工を施してロール表面に規則的な凹凸をつけたス
キンパスロールを用いて調質圧延することにより、鋼板
表面に規則的な粗度パターンを付与して潤滑条件を改善
し、冷延鋼板の深絞り性と型かじり性を向上させる技術
が提案されている。また、特公昭41−182122号
公報には、冷間圧延した後軟化焼鈍し、次にエッチング
ロールによりスキンパスを行うことにより、表面に所定
深さの模様を施した加工性に優れた冷延鋼板の製造方法
が開示されている。
【0003】ところで、最近は車外騒音の低減が社会的
要請となり、その関係でエンジンオイルパン等の部材へ
の制振性・防音性に優れた制振鋼板の使用が注目される
ようになり、必然的に超深絞り用制振鋼板が要求される
に至っている。制振鋼板は二枚のスキン鋼板を接着剤の
樹脂層を介し接合したものであり、その加工にあたって
は接着強度の高さが重要な要素になる。制振鋼板の接着
性の改善に関する従来技術としては、例えば特開平1−
127332号公報に提案されたものがある。これは、
各スキン鋼板の接着面(内面)に、表面をショットダル
方法により粗面化した圧延ロールで冷間圧延または調質
圧延を施すことにより所要の凹凸を付与し、そのアンカ
ー効果で鋼板と樹脂層との間の接合力を高めている。ま
た、特開平4−182122号公報には、接着面にエッ
チングロールで圧延することにより形成された凹凸を有
する二枚の金属板の一方に非混合二液型接着剤のうちの
一液を、他方に他液を塗布した後、凹凸模様が互いに嵌
め合うように圧着してなるクラッド金属板が示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例は、一枚の鋼板の深絞り性の改善に関するものか、
又は単に制振鋼板の接着性の改善に関するものであっ
て、制振鋼板の特に超深絞り性の改善を図ろうとする場
合に、そのまま適用することはできないものである。例
えば、スキン鋼板の接着面をショットダル加工し凹凸粗
面として接着力を高める。また、スキン鋼板の外表面
に、ロール表面に凹凸をつけたスキンパスロールを用い
て油溜まりとなる適当な凹部パターンを成形して潤滑条
件を改善することにより、深絞り性と型かじり性を向上
させる等のことが考えられる。しかし、二枚のスキン鋼
板を接着剤で貼り合わせるときには通常、脱気圧着装置
や加圧装置等を通過する。その際に、それらの装置にお
ける圧着ロールによりスキン鋼板の内外面の凹凸が潰さ
れて、接着力のアンカー効果も、深絞りプレス時の潤滑
油保持効果も減少してしまうといったような問題点が生
じていた。
【0005】そこで本発明は、このような従来の問題点
に着目してなされたものであって、スキン鋼板の内外面
の凹部の深さ,大きさと配置間隔との関係,凹部形成ロ
ール加工のタイミング,接着剤の種類,鋼板の特性値等
を配慮することにより、LDR2.3 を越える超深絞り成
形が可能で型かじりもない超深絞り用制振鋼板及びその
製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するため
に、本発明の第1の発明は、二枚のスキン鋼板を樹脂層
を介して接合してなる超深絞り用制振鋼板であって、各
スキン鋼板が平均r値で1.8 以上の深絞り性を有すると
共に、少なくとも一枚のスキン鋼板の外表面に深さ2 〜
80μmの凹部を持つ規則的な模様が、(模様の大きさ
/模様の間隔=0.5 〜5 )の関係で存在し、かつ前記樹
脂層が熱硬化タイプポリエステル系樹脂からなることを
特徴とする。
【0007】また、本発明の第2の発明は、二枚のスキ
ン鋼板を樹脂層を介し接合して制振鋼板を製造するに際
して、各スキン鋼板を接着剤で接合する前または接合し
た後の一回だけ、あるいは接合する前及び接合した後の
二回にわたり、レーザダルロールを用いたスキンパス圧
延を施すことにより、少なくとも一枚のスキン鋼板の外
表面に、深さ2 〜80μmの凹部を持つ規則的な模様を
形成することを特徴とする。
【0008】以下に、図面を参照して本発明を詳細に説
明する。図1(a),(b)は、本発明の制振鋼板の断
面プロファイルの諸形態を示したものである。各図にお
いて、1,2は上下二枚のスキン鋼板であり、樹脂層3
を介して接合されている。1a,2aは各スキン鋼板の
接合面される内面、1b,2bは各スキン鋼板の外面
(すなわち制振鋼板外面)である。
【0009】図1(a),(b)の制振鋼板は、その鋼
板外面1b,2bの少なくとも一方に、大きさ(直径)
D,深さHの凹部4が間隔Lを隔てて規則的に形成され
た模様を有しており、その接合された内面1a,2aは
いずれもダル面になっている。図1(c)〜(g)の制
振鋼板は、同じく鋼板外面1b,2bの少なくとも一方
に凹部4を持つ模様を有すると共に、接合された内面1
a,2aの少なくとも一方にも同様に凹部4を持つ規則
的な模様が形成されているものである。凹部4を持つ模
様がない接合内面1a,2aはダル面である。このよう
に、接合内面1a,2aの側にも凹部4を持つ規則的な
模様を形成すると、単にダル面としたものより強い接着
強度が得られる利点がある。
【0010】本発明のスキン鋼板1,2は、材料特性と
して平均r値1.8 以上の深絞り性を有するものを使用す
る。平均r値1.8 未満では、縮みフランジ変形抵抗が増
す一方、ポンチ肩付近での破断抵抗が減少して限界絞り
比(LDR)が2.3 より低くなる。上記二枚のスキン鋼
板1,2の内面1a,2aがダル面の場合は、貼り合わ
せて制振鋼板とする以前に、例えばショットダル加工や
放電加工等を施してダル面とし、このダル面を対向させ
て接着剤による貼着面にする。または、ショットダル加
工や放電加工等を施してダル面とする代わりに、ショッ
トダル方法により粗面化した圧延ロールを用いたスキン
パスを施すことによりダル面を形成することもできる。
各スキン鋼板の内面1a,2aをダル面とする加工は、
二枚とも同じ加工法によっても良く、また、一枚のスキ
ン鋼板の内面はショットダル加工や放電加工等を施して
ダル面とし、他の一枚のスキン鋼板の内面はレーザダル
ロールを用いて凹凸の模様を形成するなど異なる加工法
によっても良い。
【0011】これに対して、スキン鋼板1,2の内面1
a,2aに凹部4を持つ規則的な模様を有する場合は、
貼り合わせて制振鋼板とする以前に、予め凹部4を持つ
規則的な模様がレーザー加工されているワークロールを
用いてスキンパスを施すことによりスキン鋼板の内面1
a,2aに凹部4を持つ模様を形成して貼着面にしてあ
る。
【0012】前記凹部4の深さHは、2〜80μmであ
る。深さHが2μm未満では、超深絞りに必要な潤滑油
量が保持できない。一方、深さHが80μmを越えると
凹凸模様をつけること自体が難しく、たとえ凹凸模様が
できてもその深い空隙を樹脂で満たすのに多量の樹脂が
必要である。また、凹部4の大きさDと間隔Lとの関係
は、L/Dの比が0.5 〜5 の範囲を保つようにしてい
る。凹部4は制振鋼板の絞り成形時に潤滑油を保持する
油溜まりとして機能するものであって、L/Dの値が0.
5 未満では模様がダブリ凹凸模様が形成されない。一
方、L/Dの値が5 を越えると、凹部の間隔が広すぎて
油の保持量が少ないため、制振鋼板の超深絞り成形にお
ける耐型かじり性が低下する。
【0013】前記凹部4をもつ模様を鋼板の内面1a,
2aや外面1b,2bに形成するには、先ず、圧延用ワ
ークロールの表面上に例えばレーザー加工を施して、上
記の大きさの凹部を持つ規則的な模様を形成して、その
ワークロールをスキンパスロールとして鋼板をスキンパ
ス圧延することにより鋼板面にロール面の模様を転写す
る。ここで、スキンパスロールにレーザー加工を施す方
法の概要を図2,図3に示す。図2において、レーザー
発生装置6により発生するレーザービームはパルスビー
ム7となって支持台上で定速回転するスキンパスロール
5の表面に照射される。このときパルスビーム7はロー
ル軸に平行に定速移動させる。照射されたパルスビーム
7により、上記スキンパスロール5の表面5aは微小半
球状に溶融され、図3のイ,ロ,ハ,ニの順に変化する
が、この変化はパルスビーム7のエネルギーが大きいた
め瞬時に行われ、同図ニに示すごとき凹状の微小クレー
タ10とリング状突部11が形成される。このリング状
突部11を機械的に削り取って表面を均したスキンパス
ロール5を用いてスキンパス圧延を行うと、図4に示す
ようにスキン鋼板又は制振鋼板の外面1b,2bや内面
1a,1bにロール5の模様が転写されて、鋼板面に凹
部4を持つ規則的な模様が形成される。
【0014】本発明にあっては、二枚のスキン鋼板1,
2を貼り合わせる樹脂層3には、熱硬化タイプポリエス
テル系樹脂が好適に用いられる。このものは本出願人が
先に制振鋼板用樹脂組成物として提案したものであって
(特開昭64−48813号公報)、重量平均分子量5
000以上で軟化点が50℃以上150℃以下の飽和共
重合ポリエステルと架橋剤としての多価イソシアネート
化合物からなっている。そして0〜50℃の常温領域で
の制振性に優れており、かつ成形加工時必要な接着性能
にも優れ、さらには成形後の高温下での接着安定性,耐
久性に極めて高い性能を有している。これを本発明の接
着剤に使用することにより、接着強度が高く、超深絞り
成形しても剥離がない超深絞り用制振鋼板が容易に得ら
れる。
【0015】なお、この樹脂層3の樹脂に、例えばNi
粉の如き導電性フィラーを配合したものを用いて、得ら
れる制振鋼板に導電性を付与することによりスポット溶
接可能としても良い。図5(I),(II),(II
I)は、本発明の制振鋼板の基本的な製造工程を、冷延
鋼板の場合について例示したものである。
【0016】図5(I)に示す工程は、制振鋼板とした
後にスキンパスを施して制振鋼板の外面に凹部4を形成
するもので、図1(a),(b)に示した断面形態を有
する制振鋼板を製造するのに適した工程である。先ず一
般的な冷延鋼板製造ラインにおいて各スキン鋼板1,2
が製造される。すなわち、所定の成分組成を有する鋼片
を熱間圧延して所定板厚の熱延鋼帯とし、それを酸洗
後、冷間圧延により例えば0.4 mmなど薄い板厚の冷延
鋼帯として連続焼鈍を施し、裏面にショットダル加工ま
たは放電加工してスキン材コイルにする。このスキン材
コイルを用いて制振鋼板製造ラインにより、図6に示す
手順で制振鋼板が製造される。その場合、二個のスキン
材コイルのダル加工面が樹脂層3を介し接合されるとき
に内側となるように図外のペイオフリールから払い出
す。払い出されたスキン鋼板1と2は図6(a)に示す
ように、外面1b,2bを外側とし、ダル加工した面1
a,2aが内側を向いて対向する。次の図6(b)に示
す工程で、内側面1a,2aに樹脂層3を塗布し乾燥す
る。あるいは塗布する代わりに別途作成した樹脂フィル
ムを挟んでスキン鋼板1,2を重ね合わせ、図外の脱気
圧着装置,加圧保持装置等を通過させて熱圧着せしめて
制振鋼板とする。その後、ここで得られた制振鋼板を図
6(c)工程に送り、ロール表面がレーザ加工されたス
キンパスロール5を用いてスキンパス圧延を行う。この
スキンパスにより、制振鋼板の外面1b,2bにスキン
パスロール5の模様が転写されて、凹部4を持つ規則的
な模様が、超深絞り成形に耐える油溜まりとして形成さ
れる。スキンパス圧延において、上のロール5のみにレ
ーザ加工を施したものを用いた場合は、図1(b)に示
すように、制振鋼板の外面1bにのみ凹部4を持つ規則
的な模様が形成され、外面2bの方は、平滑面のままと
なる。
【0017】図5(II)に示す工程は、貼り合わせて
制振鋼板とする前のスキン鋼板にスキンパスを施して凹
部4を形成し、その後貼り合わせて制振鋼板とするもの
で、熱間圧延,酸洗,冷間圧延,焼鈍までは上記図5
(I)の場合と同様である。続いて、その焼鈍されたス
キン材コイルに対して、ロール表面がレーザ加工された
スキンパスロール5を用いてスキンパス圧延を施す。こ
のスキンパス圧延において、上下の両ロール5,5にレ
ーザ加工を施したものを用いた場合は、スキン材コイル
の上面と下面との両面に凹部4を持つ規則的な模様が形
成される。また、何れか一方のロール5にのみレーザ加
工を施したものを用いた場合は、スキン材コイルの一方
の面にのみ凹部4を持つ規則的な模様が形成される。こ
のスキン鋼板を制振鋼板製造ラインにて貼り合わせるこ
とにより本発明の超深絞り用制振鋼板が得られるが、供
給される上下二枚のスキン鋼板1,2の組み合わせ方に
応じて、図1の(c)〜(g)までの形態ができる。
(c)は内外両面1a,1bに凹部4を形成したスキン
鋼板1に、内外面2a,2bともダル面としたスキン鋼
板2を組み合わせる。(d)は内外両面1a,1bに凹
部4を形成したスキン鋼板1に、内面2aのみに凹部4
を形成したスキン鋼板2を組み合わせる。(e)は内外
両面1a,1bに凹部4を形成したスキン鋼板1に、同
じく内外両面2a,2bに凹部4を形成したスキン鋼板
2を組み合わせる。(f)は内外両面1a,1bに凹部
4を形成したスキン鋼板1に、外面2bのみに凹部4を
形成したスキン鋼板2を組み合わせる。(g)は外面1
bのみに凹部4を形成したスキン鋼板1に、内面2aの
みに凹部4を形成したスキン鋼板2を組み合わせる。
【0018】このように組み合わせた二枚のスキン鋼板
1,2を接着層3で貼り合わせて制振鋼板を形成する際
に、脱気圧着装置,加圧保持装置等の圧着ロールを通過
させる。従来は、この圧着ロールにより前工程のスキン
パス圧延で形成されたスキン鋼板の表面1b,2bの凹
部4を持つ規則的な模様が潰されるという問題があっ
た。発明者はこの点について研究の結果、凹部4の深さ
が20μm以上あれば貼り合わせ時の圧着ロールで潰さ
れることはないことを見出した。したがって、図5(I
I)に示すような工程は、凹部4の深さが20μm以上
の場合に好適であり、凹部4の深さが20μm未満の場
合には、次に述べる図5(III)の製造工程が適して
いる。図5(III)に示す工程は、先ず貼り合わせて
制振鋼板とする前のスキン鋼板にスキンパスを施して内
面側の凹部4を形成し、それを貼り合わせて制振鋼板と
した後に、更にスキンパスを施して制振鋼板の外面に凹
部4を形成するものである。すなわち、上記と同様に熱
間圧延,酸洗,冷間圧延,焼鈍の工程を経て得られたス
キン材に対してスキンパス圧延を施す。その場合、ロー
ル表面がレーザ加工されたスキンパスロール5を用い
て、制振鋼板とするとき接着面となる内面側にのみ凹部
4を形成する。こうして、内面に凹部4を形成した二枚
のスキン鋼板同士または内面に凹部4を形成したスキン
鋼板と凹部4が形成されていないスキン鋼板とを組み合
わせ接着層3で貼り合わせて制振鋼板を形成する。その
制振鋼板にさらにスキンパスロール5によるスキンパス
圧延を施し、表面1b,2bの両面もしくは何れか一方
の面に深さ2μmないし20μm未満(勿論、20μm
以上であっても80μmを越えなければ良い)の範囲の
凹部4を形成する。
【0019】なお、以上の説明は制振鋼板のスキン材と
して冷延鋼板を用いた場合を述べたが、これに限らず例
えば合金化溶融亜鉛鋼板その他の表面処理鋼板を用いる
こともできる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。板厚0.4
mm,平均r値およそ2.0 の極低炭素鋼板をスキン材と
し、熱硬化タイプポリエステル系樹脂で貼り合わせて、
図1(a)〜(g)に示す断面形態に対応せしめた制振
鋼板(a)〜(g)を製造して発明品試料とした。各試
料の外面,内面に形成した模様の凹部は深さ20μm、
直径Dは100μm、凹部の間隔Lは200μmとし、
L/Dは2.0 である。
【0021】一方、同じスキン材と接着剤を用いて、内
外面の何れにも凹部を持つ規則的な模様を有しない制振
鋼板を製造して、これを比較品試料とした。上記の各試
料について、剪断接着強度と深絞り成形加工した場合の
LDR(限界絞り比),型かじりの有無,しわ発生の状
態を比較した。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表中、発明品試料(b),(c),(d)
及び(g)に付した※は、制振鋼板にする前に、スキン
鋼板にスキンパスロール5を用いてスキンパス圧延を施
すことにより、スキン鋼板の外表面に凹部を持つ規則的
な模様を予め形成したことを表している。表1から明ら
かなように、本発明による制振鋼板は、高い接着強度及
び耐型かじり性を有しており、深絞り加工性が従来例で
ある比較品に比べて優れている。また、接着面となる内
面にも凹部を持つ規則的な模様を形成した発明品試料
(d)及び(e)のものは、シワも軽減された。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
制振鋼板の二枚の各スキン鋼板が平均r値で1.8 以上の
深絞り性を有すると共に、少なくとも一枚のスキン鋼板
の外表面に深さ2 〜80μmの凹部を持つ規則的な模様
が、(模様の大きさ/模様の間隔=0.5 〜5 )の関係で
存在し、かつ前記樹脂層が熱硬化タイプポリエステル系
樹脂からなるものとした。そのため高い接着強度と耐型
かじり性が得られて、その結果、LDR2.3 を越える超
深絞り成形が可能となり、例えば自動車のオイルパンな
どの超深絞り成形品に本発明の制振鋼板を使用すれば、
車外騒音の低減に寄与できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制振鋼板の(a)〜(g)の7種
の断面形態を示した断面図である。
【図2】スキンパスロールにレーザー加工を行う装置の
略図である。
【図3】レーザーパルスビームによりロール表面に凹部
を形成する場合の拡大説明図である。
【図4】スキンパス圧延時の圧延ロールと鋼板の表面部
の形状を示す説明図である。
【図5】本発明に係る(I),(II),(III)の
3種の製造工程を例示したブロック図である。
【図6】本発明に係る制振鋼板の製造方法を(a),
(b),(c)の工程順に示した説明図である。
【符号の説明】
1 スキン鋼板 2 スキン鋼板 3 樹脂層 4 凹部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚のスキン鋼板を樹脂層を介して接合
    してなる制振鋼板であって、各スキン鋼板が平均r値で
    1.8 以上の深絞り性を有すると共に、少なくとも一枚の
    スキン鋼板の外表面に深さ2 〜80μmの凹部を持つ規
    則的な模様が、(模様の大きさ/模様の間隔=0.5 〜5
    )の関係で存在し、前記樹脂層が熱硬化タイプポリエ
    ステル系樹脂からなることを特徴とする超深絞り用制振
    鋼板。
  2. 【請求項2】 二枚のスキン鋼板を樹脂層を介し接合し
    て制振鋼板を製造するに際して、少なくとも一枚のスキ
    ン鋼板の外表面に、深さ2 〜80μmの凹部を持つ規則
    的な模様を、各スキン鋼板を接着剤で接合する前または
    /および接合した後に、レーザダルロールを用いたスキ
    ンパス圧延により形成することを特徴とする請求項1記
    載の超深絞り用制振鋼板の製造方法。
JP5051735A 1993-03-12 1993-03-12 超深絞り用制振鋼板及びその製造方法 Pending JPH06262720A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5051735A JPH06262720A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 超深絞り用制振鋼板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5051735A JPH06262720A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 超深絞り用制振鋼板及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06262720A true JPH06262720A (ja) 1994-09-20

Family

ID=12895164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5051735A Pending JPH06262720A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 超深絞り用制振鋼板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06262720A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001056719A1 (fr) * 2000-02-01 2001-08-09 Nok Corporation Element metallique et procede de traitement de surface de celui-ci

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001056719A1 (fr) * 2000-02-01 2001-08-09 Nok Corporation Element metallique et procede de traitement de surface de celui-ci
US7195800B2 (en) 2000-02-01 2007-03-27 Nok Corporation Metal part, and surface treating method thereof
US7354658B2 (en) 2000-02-01 2008-04-08 Nok Corporation Oil seal

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230201899A1 (en) Sheet steel having a deterministic surface structure
US20110108608A1 (en) Method for producing an aluminum composite material
US10889912B2 (en) Aluminium alloy strip for adhesive connection
US4886713A (en) Deep drawable aluminum sheet or strip
JPH06262720A (ja) 超深絞り用制振鋼板及びその製造方法
JP4155124B2 (ja) 金属クラッド板およびその製造方法
US6189770B1 (en) Method of producing sectional strips and sectional sheets
JP6398790B2 (ja) 圧延クラッド薄板およびその製造方法
JP2877847B2 (ja) Niメッキ鋼板の製造方法
JP4850570B2 (ja) 突合せ溶接金属板
JPH06269961A (ja) 複合材の製造方法
JPH02121786A (ja) 銅・アルミニウムクラッド板の製造方法
JPH0335003B2 (ja)
JP2885057B2 (ja) クラッド鋼板の接合強度評価方法
JPH0615466A (ja) 極厚鋼板の製造方法
JPS58179582A (ja) アルミニウム被覆鋼板の製造法
JPH05212404A (ja) 広幅薄鋼板素材の製造方法及びその素材を用いた複合鋼板の製造法
JPH044986A (ja) ニッケル・ステンレス鋼クラッド材の製造方法
JP2530974B2 (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯
JPH09285878A (ja) クラッド板の製造方法
JP2530908B2 (ja) 塗装鮮映性の優れた鋼板
JPS60244490A (ja) クラツド鋼板の製造方法
JPH0480027A (ja) 溶接性に優れた制振鋼板の製造方法
JPH03204185A (ja) アルミニウムクラッド鋼板の製造方法
RU2285597C2 (ru) Способ получения заготовки из металлов и сплавов со слоистой плакировкой