JPH0626222Y2 - 自動車用座席のカバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車用座席のカバーに関するものである。更
に詳述に述べれば、バケットタイプの自動車用座席（背
凭部の上端に枕部が着脱自在に設けられたタイプ…第５
図参照…）にも、ハイバックタイプの自動車用座席（背
凭部と枕部が一体的に構成されたタイプ…第６図参照
…）にも装着でき、またバケットタイプ、ハイバックタ
イプのそれぞれのタイプ間での形状の相違があるものに
も装着できるといった特長を有する自動車用座席のカバ
ーに関するものである。

〔従来の技術〕

自動車用座席のカバーは座席の大きさ、形状に合わせて
製作されてきた。従って、全ての車種の座席用として用
意することは容易なことではなかった。汎用タイプだけ
をとって見ても１０種類は下らない状況にある。従って
自動車用座席のカバーは製造管理、在庫管理の難しい商
品と言われてきた。

〔考案が解決しようとする課題〕

そこで、本考案者は現在バケットタイプの自動車用座席
が背凭部と枕部に別れていることから、背凭部のカバー
と枕部のカバーを別々に用意している点に注目、もし、
これが一体的に構成されるならば、そして、この一体的
に構成されたものがハイバックタイプの座席カバーとし
ても利用できるならば、一つのカバーでバケットタイ
プ、ハイバックタイプに両用できるとして種々考察を加
えてきた。その結果、現在の自動車用の座席カバーが座
席によくフィットさせる方向でニットを選択したり、裁
断、縫製に留意されているが、カバーを座席にフィット
させるのではなく、ルーズに座席に装着する方向での新
たな発想に基づいた場合には上記した一つのカバーでバ
ケットタイプ、ハイバックタイプに両用できることを見
出した。

〔課題を解決するための具体的手段〕と〔作用〕 即ち、本考案は自動車用座席の背凭部（イ）とこの背凭
部（イ）につづく枕部（ロ）の両者を一体的にカバーす
る背凭部１と枕部２とからなる一方にのみ開口する袋状
のカバーであって、その大きさが背凭部１から枕部２に
掛けて自動車用座席の背凭部１とこの背凭部１につづく
枕部２の大きさより比較的ゆったりした大きさに形成さ
れ、当該袋状カバーの両側部の前部と後部又は前部中央
の背凭部１と枕部２の境界部４付近に前記境界部４付近
をしぼる紐条体３を有していることを特徴とする自動車
用座席のカバーＡである。

本考案は自動車用座席のカバーに関するもので、座席の
背凭部（イ）と座席部（ハ）のうち背凭部（イ）側に改
良を加えたものである。従って、背凭部と枕部がセパレ
ートタイプのカバーにも一体タイプのカバーにも利用で
きる。

本考案に係る自動車用座席のカバーは座席がバケットタ
イプでもハイバックタイプでも使用できるように、自動
車用座席の背凭部（イ）とこの背凭部（イ）につづく枕
部（ロ）の両者を一体的にカバーする背凭部１と枕部２
とからなる一方にのみ開口する袋状のカバーであって、
その大きさが背凭部１から枕部２に掛けて自動車用座席
の背凭部１とこの背凭部１につづく枕部２の大きさより
比較的ゆったりした大きさに形成され、当該袋状カバー
の両側部の前部と後部又は前部中央の背凭部１と枕部２
の境界部４付近に前記境界部４付近をしぼる紐条体３を
設け、このカバーＡを座席に装着した時には、前記紐条
体３を結んだり、係合したり、巻きつけて後、固定した
りする等によって座席に被覆したカバーを座席にしっか
り装着することができ、同時ルーズに被覆されていたカ
バーの背凭部１と枕部２の境界部４付近はしっかりとし
ぼられ、美観上も好ましいものとなるようにしたもので
ある。

従って、カバーの材質は従来のカバーと変わりなく使用
でき、フィット感をよくする意味でのニットの使用は有
効である。

本考案に係る自動車用座席のカバーのポイントは(1)背
凭部１から２に掛けて比較的ゆったりと形成された一方
にのみ開口する袋状のカバーであって、(2)背凭部１と
枕部２の境界部４付近の両側部の前部と後部又は前部中
央に前記境界部４付近をしぼる紐条体３が設けられた点
にある。

従って、紐条体３とその取り付け方等について以下に説
明する。

第１図に示すカバーＡはバケットタイプの座席（第５図
参照）に被覆したもので、カバーの背凭部１と枕部２の
境界部４付近で且つカバーの両側部の前部と後部に紐条
体３として紐の一端が縫着されたものであり合計４本の
紐が設けられている。

第２図に示すカバーＡは第１図に示すカバーＡの状態か
ら両側部の前部と後部にある紐同志を強く蝶結びしたも
ので、座席の背凭部（イ）と枕部（ロ）の空間部にカバ
ーＡの背凭部１と枕部２の境界部４付近の一部が喰い込
むように、紐でしぼられた状態を示している。

第３図に示すカバーＡはハイバックタイプの座席（第６
図参照）に被覆したもので、カバーの背凭部１と枕部２
の境界部４付近の前部中央に横方向に置いた長紐の中央
部が縫着されたものである。長紐の左右両端部を座席の
背凭部の背後に廻して、蝶結びをして、しばる。

上記のカバーの変形例として、長紐を短くし、その紐の
左端表面にベルクロファスナー（登録商標）のオス側を
設け、右端裏面にベルクロファスナー（登録商標）のメ
ス側を設け、紐を結ぶかわりに係合させることもでき
る。

更にはベルクロファスナー（登録商標）のかわりに紐の
左端に一定の間隔を置いて複数個の孔を設け、紐の右端
にはベルトの係止金具を設けてベルトとしてもよい。

第４図に示すカバーＡはハイバックタイプの座席（第６
図参照）に被覆したもので、第３図に示す長紐のかわり
に、伸縮自在なエンドレスのバンドの一部を縫着したも
のである。このエンドレスのバンドを座席の背凭部の背
後に廻して、カバーの背凭部１と枕部２の境界部４付近
を座席の背凭部（イ）と枕部（ロ）の境界部付近に締め
付ける。

上記のカバーの変形例として、エンドレスのバンドを切
断して、その切断両端部にいわゆるＳ環のような係合金
具を設けるのもよい。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明した通りの構成で、一方にのみ開口す
る袋状のカバーは背凭部１から枕部２に掛けて比較的ゆ
ったりと形成されていることから、バケットタイプの座
席にもハイバックタイプの座席にも装着でき、ゆったり
した部分は背凭部１と枕部２の境界部４付近の両側部の
前部と後部又は前部中央に前記境界部４付近をしぼる紐
条体３を結んだり、係合したり、巻きつけて後固定した
りする等によって座席に被覆したカバーを座席にしっか
り装着することができ、同時にゆったりと被覆されてい
たカバーＡの背凭部１と枕部２の境界部４付近はしっか
りとしぼられ、美観上も好ましいものとなる。しかして
バケットタイプの座席にもハイバックタイプの座席にも
装着できる本考案の自動車用座席のカバーＡは座席の背
凭部そのものの大きさには車種がかわっても大差がない
ので一種類のカバーで全車種に適合させることができる
ため商品の製造管理、在庫管理の一切のわずらわしさか
らも解放され、その効果は計り知れないものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る自動車用座席のカバーを説明するた
めのもので、第１図、第２図、第３図、第４図は本考案
に係る自動車用座席にカバーを被覆したところを示す斜
視図、第５図はバケットタイプの座席の正面図、第６図
はハイバックタイプの座席の正面図である。 なお、図中１は背凭部、２は枕部、３は紐条体、４は境
界部、Ａはカバーを示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車用座席の背凭部とこの背凭部につづ
   く枕部の両者を一体的にカバーする背凭部１と枕部２と
   からなる一方にのみ開口する袋状のカバーであって、そ
   の大きさが背凭部１から枕部２に掛けて自動車用座席の
   背凭部１とこの背凭部１につづく枕部２の大きさより比
   較的ゆったりした大きさに形成され、当該袋状カバーの
   両側部の前部と後部又は前部中央の背凭部１と枕部２の
   境界部４付近に前記境界部４付近をしぼる紐条体３を有
   していることを特徴とする自動車用座席のカバーＡ。
2. 【請求項２】紐条体３が布製の紐、ゴム製の紐、バンド
   のいずれかである請求項(1)に記載の自動車用座席のカ
   バーＡ。