JPH0626207U - 高電圧抵抗パック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】高電圧抵抗器を収納する内部ケースを他の電子
部品の取付けに有効利用できるようにする。 【構成】高電圧抵抗器挿入用開口部を有する内部ケース
１６に高電圧抵抗器１４を収納する。高電圧抵抗器挿入
用開口部を本体ケース１１の底壁部に向けるようにして
内部ケース１６を収納部１２に収納する。内部ケース１
６の内部と収納部１２に絶縁樹脂を充填する。 【効果】

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＣＲＴ（Cathod Ray Tube 陰極線管）のブリーダ抵抗器等，高電圧 がかかる抵抗器を絶縁性のケース内に収容した高電圧抵抗パックに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ＣＲＴのフォーカス電圧調整用等の可変抵抗器を有した高電圧抵抗パッ クに設けられているブリーダー抵抗器１は、図８に示すように、基板エッジから のクラックの発生防止や、放電防止のため、エポキシ系の軟質樹脂２に全面が覆 われた状態で高電圧抵抗パックに取り付けられている。この軟質樹脂２は、テフ ロン製の型枠３にブリーダー抵抗器１を収容して、その回りに軟質樹脂２を流し 込み硬化させることにより成形している。そして、このブリーダー抵抗器１は高 電圧抵抗パックの収納部に取り付けられ、さらにコンデンサの放電用に外付けの 抵抗器がこの高電圧抵抗パックに取り付けられる。

【０００３】 また、実開平２−７２５０１号公報に開示されているように、ブリーダー抵抗 ケースに一旦ブリーダー抵抗を収納し、エポキシ樹脂を注入して硬化させ、この 後ブリーダー抵抗をこのケースとも高圧ブロックケース内に収納し、エポキシ樹 脂をこの高圧ブロックケース内に注入して固めたものも提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

実開平２−７２５０１号公報に開示されているものでは、ブリーダー抵抗ケー スをのブリーダ抵抗挿入用開口部を高圧ブロックケースの開口部に向けるように している。そのためブリーダー抵抗ケースを有効に利用できず、高電圧抵抗パッ クにブリーダー抵抗器のほかに放電抵抗のような外付けの抵抗器を取り付けるこ とが面倒であり、組み立て工数及びコストの削減の妨げになっていた。

【０００５】 本考案は、上記従来の技術の問題点に鑑みて成されたもので、簡単な構成で組 立作業を容易にし、耐圧性能等の信頼性も高い高電圧抵抗パックを提供すること を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、一側面に開口部を有する絶縁性本体ケースの高電圧抵抗器収納部に 絶縁性内部ケースに収納された高電圧抵抗器が収納され、高電圧抵抗器収納部に 絶縁樹脂が充填されてなる高電圧抵抗パックを改良の対象とする。本考案では、 内部ケースが高電圧抵抗器挿入用開口部を有する箱体形状を有している。しかも 内部ケースは高電圧抵抗器挿入用開口部を本体ケースの開口部と対向する壁部に 向けるようにして高電圧抵抗器用収納部に収納されている。

【０００７】

【作用】

高電圧抵抗器挿入用開口部を本体ケースの開口部と対向する壁部に向けるよう にして内部ケースを高電圧抵抗器用収納部に収納すると、内部ケースの底壁部が 本体ケース側に位置するため、この底壁部に電子部品を固定することができるた め、内部ケースを有効利用できる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面に基づいて説明する。

【０００９】 この実施例の高電圧抵抗パック１０は、図５に示すように、ＣＲＴのフォーカ ス電圧およびスクリーン電圧を調整するためのいわゆるフォーカスパックであり 、ノリル樹脂やポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）等の絶縁性樹脂製の本体 ケース１１内に、図示しない可変抵抗器等が収納され、エポキシ樹脂等の絶縁樹 脂１５が注入されて本体ケース１１の開口部側が密閉されている。

【００１０】 また、本体ケース１１には、フォーカス回路のブリーダー抵抗である高電圧抵 抗器１４が収納される収納部１２が形成されている。この高電圧抵抗器１４は、 基板の表面に高圧側から低圧側にかけて図示しない抵抗体が形成されたもので、 本体ケース１１とは別体に設けられた内部ケース１６内に収容されて、この内部 ケース１６とも収納部１２に収納されている。

【００１１】 この内部ケース１６は、図１ないし図４に示すように、箱体の一側面に開口部 が形成されたもので、その内部にはさらに、高電圧抵抗器１４を保持する一対の 保持部１７が一体に形成され、保持部１７には、溝１８が形成されて高電圧抵抗 器１４をガイドして収納し保持するようになっている。また、内部ケース１６の 外側底面部には、図１，図３，図４に示すように、本体ケース１１の収納部１２ から突出する電子部品保持部２０，２１と、これに近接して設けられた補助片２ ２，２３が一体に形成されている。この保持部２０，２１には、二股状に先端部 が分かれたＵ字状部２４が形成されており、その間に抵抗器等を保持できるよう になっている。また補助片２２，２３は、抵抗器等からのリード線を固定するた めのもので、小さいＵ字状部２５が形成されている。ここで、上記Ｕ字状部２４ から内部ケース１６の表面までの距離は、放電防止のために離して形成されてい るものである。

【００１２】 また、内部ケース１６の一側面には、係合片３０が一体的に形成されており、 本体ケース１１の収納部１２の側壁１３に形成された係合凹部３１に係合可能に なっている。

【００１３】 さらに内部ケース１６は、内部に高電圧抵抗器１４を収容し、さらに、その高 電圧抵抗器１４を覆い囲むようにして、エポキシ系樹脂等の軟質樹脂２６が内部 ケース１６の空間部に充填され、内部ケース１６内で、高電圧抵抗器１４が確実 に保持され絶縁されるようになっている。

【００１４】 そして、本体ケース１１の収納部１２内には、高電圧抵抗器１４を収容した内 部ケース１６が、収納部１２の側壁１３に設けられた係合凹部３１に、係合片３ ０を挿入して取り付けられ、さらに他の高電圧抵抗器が設けられた内部ケース２ ７が収納部１２の所定の位置に取り付けられる。また保持部２０，２１には、図 示しないコンデンサの放電抵抗等の電子部品３２が嵌込まれ、そのリード線が補 助片２２，２３に嵌込まれる。

【００１５】 そして、この収納部１２内の空間部は、後にフライバックトランスを取り付け た際に、硬質の絶縁樹脂が充填され、内部ケース１６ともに完全に密閉される。 ここで、内部ケース１６は、係合片３０によって本体ケースの係合凹部３１に係 止され、内部ケース１６は、収納部１２の内壁から所定間隔だけ離れて位置し、 放電を確実に防止するようになっている。

【００１６】 この実施例の高電圧抵抗パックは、内部ケース１６に電子部品保持部２０，２ １を形成したので、外付け部品の取り付けが容易かつ確実になり、組み立て工数 およびコストの削減が可能になる。しかも、高電圧がかかる高電圧抵抗器１４を 内部ケース１６に収納して、その内部ケース１６とも本体ケース１１の収納部１ ２に取り付けたので、耐電圧性能も向上し、信頼性を高くすることができる。

【００１７】 次に本考案の他の実施例について、図６を基にして説明する。この実施例は、 内部ケース４０の開口部の側縁部に、電子部品３２の端子３４を係止する一対の 保持部４２を形成したものである。そして、この内部ケース４０は、開口部を本 体ケースの収納部の開口部に開口させ、上記実施例とは逆向きに本体ケースに取 り付けるものである。

【００１８】 これによっても容易にかつ確実に外付け電子部品３２の取り付けができる。

【００１９】 次に本考案のさらに他の実施例について、図７を基にして説明する。

【００２０】 この実施例は、内部ケース４４の開口部の側縁部に、外付けの電子部品保持部 ４６が延出して設けられたものである。この内部ケース４４には、本体ケースの 収納部に取り付ける取り付け突起４８が形成され、確実に位置決めがされ、絶縁 間隔が確保できる。

【００２１】 これによっても容易に外付け電子部品の取り付けを行うことができる。

【００２２】 尚、内部ケース内への樹脂充填は、あらかじめ高電圧抵抗器を樹脂で埋めてお く方法の他、フライバックトランスに取り付けた後フライバックトランス用の絶 縁樹脂をフライバックトランス内へ充填するのと一緒に充填しても良い。これに よって、樹脂充填の作業工数を削減することができる。

【００２３】 また、本考案の内部ケースの形状は、上記実施例のほか適宜設定できるもので あり、高電圧抵抗器全体をその収納スペースに保持するほか、高電圧抵抗器の一 部分のみを保持している内部ケースでも良い。さらに、内部ケースを本体ケース に取り付ける係合片も適宜の形状を選択できるものであり、本体ケース側の係合 部も、係合凹部のほか、互いに係合するものであれば良く、その形成位置も任意 に設定できるものである。

【００２４】 また、高電圧抵抗器も、種々の種類のものに適用することができ、その形や用 途は問わない。

【００２５】 本実施例の高電圧抵抗パックは、本体ケース内の収納部に収納される高電圧抵 抗器を内部ケースに一旦保持し、この内部ケースとも本体ケースの収納部に取り 付け固定するとともに、この内部ケースに、外付け電子部品の保持部を形成し、 この保持部に外付けの電子部品を取り付けるようにしたので、外付け電子部品の 取り付け作業が容易になり、組み立て工数，コストを削減することができる。さ らに、これによって外付け部品の取り付け位置が一定となり、装置の安定性，信 頼性が向上する。

【００２６】 また、内部ケースに本体ケースに取り付けるための係合片を設けることによっ て、本体ケースの係合部に上記係合片が係止され、内部ケースは、本体ケースの 収納部の内壁から所定間隔だけ離れて位置し、耐圧性能が向上し放電を確実に防 止することができる。

【００２７】

【考案の効果】

本考案によれば、高電圧抵抗器挿入用開口部を本体ケースの開口部と対向する 壁部に向けるようにして内部ケースを高電圧抵抗器用収納部に収納することによ り、内部ケースの底壁部が本体ケース側に位置して、この底壁部に電子部品を固 定することができるため、内部ケースを有効利用できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の高電圧抵抗器の内部ケース
を示す斜視図である。

【図２】この実施例の内部ケースの底面図である。

【図３】この実施例の内部ケースの平面図である。

【図４】この実施例の高電圧抵抗パックの高電圧抵抗器
表面を含む面での断面図である。

【図５】この実施例の高電圧抵抗パック平面図である。

【図６】本考案の他の実施例の内部ケースを示す平面図
である。

【図７】本考案のさらに他の実施例の内部ケースを示す
斜視図である。

【図８】従来の高電圧抵抗器の斜視図である。

【符号の説明】

１０ 高電圧抵抗パック １１ 本体ケース １２ 収納部 １６，４０，４４ 内部ケース ２０，２１，４２，４６ 保持部 ３０ 係合片 ３２ 電子部品

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一側面に開口部を有する絶縁性本体ケー
   スの高電圧抵抗器収納部に絶縁性内部ケースに収納され
   た高電圧抵抗器が収納され、前記高電圧抵抗器収納部に
   絶縁樹脂が充填されてなる高電圧抵抗パックにおいて、 前記内部ケースは高電圧抵抗器挿入用開口部を有する箱
   体形状を有しており、しかも前記高電圧抵抗器挿入用開
   口部を前記本体ケースの前記開口部と対向する壁部に向
   けるようにして前記高電圧抵抗器用収納部に収納されて
   いることを特徴とする高電圧抵抗パック。