JP2905444B2

JP2905444B2 - 高電圧抵抗パックの製造方法

Info

Publication number: JP2905444B2
Application number: JP17745696A
Authority: JP
Inventors: 一郎経沢
Original assignee: HOKURIKU DENKI KOGYO KK
Current assignee: HOKURIKU DENKI KOGYO KK
Priority date: 1996-06-17
Filing date: 1996-06-17
Publication date: 1999-06-14
Anticipated expiration: 2014-06-14
Also published as: JPH09120901A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＣＲＴ（Ｃａｔ
ｈｏｄｅＲａｙＴｕｂｅ陰極線管）のブリーダー
抵抗器等、高電圧がかかる抵抗器を絶縁性のケース内に
収容した高電圧抵抗パックの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＣＲＴのフォーカス電圧調整用等
の可変抵抗器を有した高電圧抵抗パックに設けられてい
るブリーダー抵抗器１は、図６に示すように、基板エッ
ジからのクラックの発生防止や、放電防止のため、エポ
キシ系の軟質樹脂２に全面が覆われた状態で高電圧抵抗
パックに取り付けられている。この軟質樹脂２は、テフ
ロン製の型枠３にブリーダー抵抗器１を収容して、その
回りに軟質樹脂２を流し込み硬化させることにより成形
している。

【０００３】そして、この成形に際して、ブリーダー抵
抗器１は、非常に高電圧がかかるものであり、特にその
角の部分を確実に軟質樹脂２で覆うため、ブリーダー抵
抗器１の角部で大きく膨らんで、湾曲した形状に軟質樹
脂２が成形されている。

【０００４】また、実開平２−７２５０１号公報に開示
されている様に、ブリーダ抵抗ケースに一旦ブリーダ抵
抗を収納しエポキシ樹脂を注入し硬化させ、この後ブリ
ーダ抵抗をこのケースとも高圧ブロックケース内に収納
し、エポキシ樹脂をこの高圧ブロックケース内に注入し
て固めたものも提案されている。ここで、上記ブリーダ
抵抗ケースに注入される樹脂は比較的軟質な樹脂であ
り、高圧ブロックケース内に注入される樹脂は、硬度の
高いものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の軟質樹脂で
覆う技術の場合、ブリーダー抵抗器１に軟質樹脂２を設
けるためのテフロン製の型枠３は、繰り返して使用する
うちに成形した軟質樹脂２に寸法のばらつきが生じてく
るという問題がある。そしてこれにより、微妙に湾曲さ
せた成形部によりブリーダー抵抗器１全体を覆っている
ので、その絶縁性等の品質にばらつきが生じてしまい、
しかも非常に高価であり、コスト的に頻繁に型枠３を交
換できるものでもない。

【０００６】また、実開平２−７２５０１号公報に開示
されているものの場合、ブリーダケースを高圧ブロック
ケースの所定の位置に位置決めする手段が開示されてお
らず、特にブリーダ抵抗ケースは高圧ブロックケースの
内周面から所定の距離だけ離して取り付けられることが
好ましく、そのために取り付けおよび位置決め用の保持
部等を設けると、後にこの内部ケースを絶縁樹脂で埋め
て固める際にこの保持部内に気泡が残り易くなり、きわ
めて高電圧下で使用するものであるにもかかわらず、耐
圧性能の低下等が問題となる。また、複数の高電圧抵抗
器を高圧ブロックケース内に設けようとすると、その耐
圧性や配置が問題となり、一方は外部に設置されるた
め、全体形状が大きくなるという問題があった。

【０００７】この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑
みて成されたもので、簡単な構成で構造も小さく、高電
圧下においても電流リークが生じにくい高電圧抵抗パッ
クの製造方法を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、高電圧抵抗
器を絶縁性の本体ケースの収納部内に固定し絶縁性樹脂
を充填して成る高電圧抵抗パックであって、上記高電圧
抵抗器を収容し本体ケースとは別体に形成された内部ケ
ースを設け、上記本体ケースの収納部は上記内部ケース
が互いに直角にその本体ケースの側縁部に沿って位置す
ように本体ケースの側面に沿ってＬ字状に形成されてい
る高電圧抵抗パックである。

【０００９】またこの発明は、上記高電圧抵抗器を収容
し本体ケースとは別体に形成された内部ケースを設け、
上記本体ケースの収納部は上記内部ケースが互いに屈曲
した位置でその本体ケースに沿って位置するように本体
ケースの側面に沿って形成され、上記内部ケースを上記
収納部内に固定するため上記内部ケースの外表面上であ
って上記高電圧抵抗器の高電圧側近傍を避けた位置に取
り付け片を形成するとともに、上記収納部内に上記内部
ケースを取り付ける際に上記取り付け片が固定される保
持部をこの収納部に設けた高電圧抵抗パックである。

【００１０】

【作用】この発明の高電圧抵抗パックは、高電圧抵抗器
を内部ケースに収納した状態で本体ケースの収納部に複
数の高電圧抵抗器を取り付けることができ、耐圧性能が
高く、しかも外形を小さいものにすることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下この発明の一実施例について
図面に基づいて説明する。この実施例の高電圧抵抗パッ
ク１０は、図１ないし図５に示すように、ＣＲＴのフォ
ーカス電圧およびスクリーン電圧を調整するためのいわ
ゆるフォーカスパックであり、ノリル樹脂やポリブチレ
ンテレフタレート（ＰＢＴ）等の絶縁性樹脂製の本体ケ
ース１１内に、図示しない可変抵抗器等が収納され、エ
ポキシ樹脂等の絶縁樹脂１５が注入されてケース１１の
開口部側が密閉されている。

【００１２】また、本体ケース１１には、フォーカス回
路のブリーダー抵抗である高電圧抵器１４が収納される
収納部１２が形成されている。収納部１２は、本体ケー
ス１１の２方の側面に沿って９０度に屈曲した、Ｌ字状
に形成されている。この高電圧抵抗器１４は、基板の表
面に高圧側から低圧側にかけて図示しない抵抗体が形成
されたもので、本体ケース１１とは別体に設けられた内
部ケース１６内に収容されて、この内部ケースとも収納
部１２に収納される。

【００１３】この内部ケース１６は、箱体の一側面が開
口部となったもので、その内部にはさらに、高電圧抵抗
器１４を保持する一対の保持部１７が一体に形成され、
保持部１７には、溝１８が形成されて高電圧抵抗器１４
をガイドして収納し保持するようになっている。また内
部ケース１６の外側底面部には、図４，図５に示すよう
に、本体ケース１１の収納部１２に突設された保持部２
０，２１に嵌込まれる取り付け片２２，２３が一体に形
成されている。この取り付け片２２，２３は、保持部２
０，２１の形状に対応してその幅方向が互いに９０度回
転した位置関係で設けられている。そして、保持部２
０，２１は、スリット状の切り欠き部２４，２５を有し
ており、内部ケース１６の取り付け片２２，２３を挟み
込むように設けられ、切り欠き部２４，２５の方向が９
０度回転した位置関係になっている。また、取り付け片
２３及びこれに対応する保持部２１は、外部放電防止の
ため、高電圧抵抗器１４の高圧側１４ａを避けて相対的
に低圧側１４ｂに寄った位置に形成されている。

【００１４】内部ケース１６は、内部に高電圧抵抗器１
４を収容し、さらに、その高電圧抵抗器１４を覆い囲む
ようにして、エポキシ系樹脂等のシュアーＤ硬度が７０
以下の軟質樹脂２６が内部ケース１６の空間部に充填さ
れ、内部ケース１６内で、高電圧抵抗器１４が確実に保
持され絶縁されるようになっている。

【００１５】本体ケース１１の収納部１２内には、高電
圧抵抗器１４を収容した内部ケース１６が、上述のよう
に保持部２０，２１に取り付け片２２，２３が嵌合して
取り付けられ、さらに、図１に示すように、他の内部ケ
ース２７も、取り付け片である係合片３０を、収納部１
２の側壁に設けられた保持部である係合凹部３１に挿入
して取り付けられる。そして、この収納部１２内の空間
部は、後にフライバックトランスを取り付けた際にシュ
アーＤ硬度７８〜９２の硬質のエポキシ樹脂等の絶縁樹
脂が充填され、内部ケース１２とも完全に密閉される。

【００１６】この実施例の高電圧抵抗パックは、高電圧
がかかる高電圧抵抗器１４を内部ケース１６に収納し
て、その内部ケース１６とも本体ケース１１の収納部１
２に取り付けたので、取り付け作業が容易であり、しか
も二重構造のため、絶縁樹脂に生じるクラックによる放
電も起きにくく、確実に高電圧抵抗器１４を保護してい
る。さらに、内部ケース１６，２７を、Ｌ字状の収納部
１２に配置し、耐圧性能を確保しつつケース本体１１の
形状をコンパクトなものにしている。

【００１７】また、内部ケース１６の取り付けに際し
て、収納部１２の保持部２０，２１および内部ケース１
６の取り付け片２２，２３が互いに非対称になっている
ので、内部ケース１６の取り付け方向を間違えることも
なく、確実に固定される。しかも保持部２０，２１には
切り欠き部２４，２５が形成され、フライバックトラン
スからの充填樹脂が、この切り欠き部２４，２５から保
持部２０，２１内に確実に侵入し、保持部２０，２１の
内部に気泡が残ったりすることがない。

【００１８】尚、この発明の内部ケースは、高電圧抵抗
器をその収納スペースに保持するものであれば良く、そ
の取り付け方法や形状は適宜設定できるものであり、例
えば、図１に示すように、内部ケース１６の低圧側１６
ｂの側面に取り付け片３２を一体成形し、収納部１２の
内壁に保持部３４を形成しても良い。さらに、取り付け
片や保持部の形状も適宜設定できるものであり、各々一
個づつ非対称形状に形成しても良い。また、高電圧抵抗
器も、種々の種類のものに適用することができ、その形
や用途は問わない。

【００１９】

【発明の効果】この発明の高電圧抵抗パックは、本体ケ
ースの側面に沿って屈曲した収納部を形成し、この収納
部に複数の内部ケースを収納するようにしたもので、本
体ケースの外形を小さいものにすることができ、しかも
耐圧性能も高いものにすることができる。さらに、本体
ケース内の収納部に収納される高電圧抵抗器を内部ケー
スに一旦収納保持し、この内部ケースとも本体ケースの
収納部に取り付け固定したので、取り付け作業が容易で
あり、寸法精度も高く、製造コストも低くすることがで
きる。さらに、絶縁ケースが二重構造になっているの
で、耐電圧性も高く、たとえいずれかのケースにクラッ
ク等ができても、電流リークが生じる心配はなく、確実
に絶縁が確保される。

【００２０】しかも、内部ケースは取り付け片を有し、
この取り付け片により収納部内の保持部に固定されるの
で、収納部内壁から一定の距離をおいて内部ケースが取
り付けられ、内部放電を確実に防止できる。しかも、取
り付け片は、高電圧側を避けて形成されているので、高
電圧側での放電を確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の実施例の高電圧抵抗パ
ックの平面図である。

【図２】この発明の一実施例の高電圧抵抗器の内部ケ
ースを示す斜視図である。

【図３】この実施例の内部ケースに高電圧抵抗器を収
納した状態の平面図である。

【図４】この実施例の高電圧抵抗パックの高電圧抵抗
器表面を含む面での断面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】従来の技術の高電圧抵抗器の斜視図である。

【符号の説明】

１０高電圧抵抗パック１１本体ケース１２収納部１４高電圧抵抗器１４ａ高圧側１６内部ケース２０，２１保持部２２，２３取り付け片

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】高電圧抵抗器を絶縁性の本体ケースの収
納部内に固定し絶縁性樹脂を充填する高電圧抵抗パック
の製造方法において、上記高電圧抵抗器を収容し本体ケ
ースとは別体に形成された内部ケースを設け、上記内部
ケースに高電圧抵抗器を収容して樹脂を充填し、上記内
部ケースを上記収納部内に固定し、上記本体ケースの上
記収納部内の側壁面に沿って上記内部ケースを収容し、
その後上記内部ケースを囲むように上記内部ケース内充
填された樹脂よりも硬い樹脂を充填する高電圧抵抗パッ
クの製造方法。