JPH0626138A - プレキャストコンクリート板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレキャストコンクリート板で壁のコーナ部
を構築する場合に、容易に構築することができるプレキ
ャストコンクリート板を提供することである。 【構成】 適宜大きさのコンクリート２板と、該コンク
リート板２に補強筋４で接続された折り曲げ可能な折り
曲げ板３とによりなり、これらコンクリート板２と折り
曲げ板３には前記補強筋４と直交してトラス筋５が逆Ｖ
字状に配設され、その上部が上面から突出されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレキャストコンクリ
ート板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プレキャストコンクリート板は床や壁を
構築する際に広く使用されている。特に壁の構築におけ
るコーナ部は、図７の（１）及び（２）に示す方法で構
築されている。前記（１）の場合は、プレキャストコン
クリート板１０を予めＬ型に製造するものであるが、こ
れは両面にトラス筋２０を突設させて製造することがで
きないため、片面にはトラス筋２０が突設されていな
い。また前記（２）の場合は、２枚のプレキャストコン
クリート板１０を直角状に付き合わせてコーナ部を形成
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記（１）の
場合は、トラス筋の突設されていない面は、トラス筋に
かわる接続具及び接続方法を使用しなければならず、ま
た（２）の場合は、２枚のプレキャストコンクリート板
を使用するため手間がかかるといった問題点があった。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、プレキャストコンクリート板で壁のコ
ーナ部を構築する場合に、容易に構築することができる
プレキャストコンクリート板を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するための本発明の要旨は、コンクリート板の一面から
トラス筋が突設したプレキャストコンクリート板におい
て、前記コンクリート板の側面に一面からトラス筋が突
設した折り曲げ可能な折り曲げ板を設けたことに存す
る。

【０００５】

【作用】本発明は、コンクリート板の側面に一面からト
ラス筋が突設した折り曲げ可能な折り曲げ板を設けたこ
とにより、該折り曲げ板を直角に折り曲げると片面側全
面にトラス筋が突設されたＬ字状のプレキャストコンク
リート板を形成できるので壁のコーナ部を容易に構築す
ることができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図１はプレキャストコンクリート板の断
面図、図２は同平面図である。本発明のプレキャストコ
ンクリート板１は適宜大きさのコンクリート板２と、該
コンクリート板２に補強筋４で折り曲げ可能に接続され
た折り曲げ板３とによりなり、これらコンクリート板２
と折り曲げ板３には前記補強筋４と直交してトラス筋５
が逆Ｖ字状に配設され、その上部が上面から突出されて
いる。

【０００７】前記トラス筋５は図３に示すように、二等
辺三角形の各頂点に配筋された一本の上端筋５ａと、二
本の下端筋５ｂと、これら上端筋５ａと下端筋５ｂとの
間に配筋された波形のラチス筋５ｃとにより三角柱状に
形成され、下端筋５ｂがコンクリート板２及び折り曲げ
板３中に埋設されている。尚、このトラス筋５は前記の
ように逆Ｖ字状に限らず、正Ｖ字状に配設することも可
能である。

【０００８】このコンクリート板２と折り曲げ板３とは
分離して補強筋４で接合されており、その接合面２ａ、
３ａが４５度に傾斜して形成されているので、図４の
（１）に示すように、折り曲げ板３を直角に折り曲げて
Ｌ字状のプレキャストコンクリート板１を形成すること
ができる。またこの接合面２ａ、３ａの傾斜は４５度に
限らず、任意の角度に設定することができ、所定の角度
によって、折り曲げ角を任意に変化させることができ
る。したがって、Ｌ字状に限らず、図４の（２）に示す
ように、任意の形状のプレキャストコンクリート板１を
形成することができる。

【０００９】このプレキャストコンクリート板１の製造
は、図５の（１）及び（２）に示すように、型枠内６に
補強筋４を短片方向にそって配筋する。次いでこれらの
補強筋４上に、補強筋４と交差させてトラス筋５を逆Ｖ
字状にして長辺方向に沿って適宜間隔ごとに配筋し、そ
の下端筋５ｂと前記補強筋４とを溶接等により接合す
る。

【００１０】次に、前記トラス筋４と同じ方向に沿って
コンクリート板２と折り曲げ板３とを分離形成する仕切
壁７を形成し、型枠６内にコンクリートを打設する。そ
してコンクリートの硬化後に脱型すると、コンクリート
板２と、これに補強筋４のみで接続された折り曲げ板３
とによりなるプレキャストコンクリート板１が形成され
る。

【００１１】このようなプレキャストコンクリート板１
により壁を構築する場合は、図６に示すように、工場で
予め折り曲げ形成するか、或は現場において折り曲げ形
成したプレキャストコンクリート板１を建込み、その内
側に内型枠８を形成する。そしてこの内型枠８の上面に
プレキャストコンクリート床板（図示せず）を掛け渡す
と共に、そのプレキャストコンクリート床板上と前記内
型枠８とプレキャストコンクリート床１との間にコンク
リート９を打設して壁を構築する。

【００１２】

【発明の効果】コンクリート板の側面に片面からトラス
筋が突設した折り曲げ可能な折り曲げ板を設けたことに
より、前記折り曲げ板を折り曲げると片面側前面にトラ
ス筋が突設したＬ字状のプレキャストコンクリート板を
形成することができるので、該プレキャストコンクリー
ト板で壁のコーナ部を容易に構築することができる。

【００１３】折り曲げ板を任意の角度に折り曲げするこ
とができるので、任意の角度に折り曲げ形成されたプレ
キャストコンクリート板を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレキャストコンクリート板の断面図である。

【図２】プレキャストコンクリート板の平面図である。

【図３】トラス筋の斜視図である。

【図４】（１）及び（２）は折り曲げ板を折り曲げたプ
レキャストコンクリート板の断面図である。

【図５】（１）及び（２）は製造方法を示すプレキャス
トコンクリート板の断面図である。

【図６】プレキャストコンクリート板を使用した壁の断
面図である。

【図７】（１）及び（２）は従来のプレキャストコンク
リート板を使用した壁の断面図である。

【符号の説明】

１ プレキャストコンクリート板 ２ コンクリート板 ３ 折り曲げ板 ４ 補強筋 ５ トラス筋 ５ａ 上端筋 ５ｂ 下端筋 ５ｃ ラチス筋

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート板の一面からトラス筋が突
   設したプレキャストコンクリート板において、前記コン
   クリート板の側面に一面からトラス筋が突設した折り曲
   げ可能な折り曲げ板を設けたことを特徴とするプレキャ
   ストコンクリート板。