JPH06260363A - 巻線体の絶縁処理方法及びその装置 - Google Patents

巻線体の絶縁処理方法及びその装置

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JPH06260363A
JPH06260363A JP4638093A JP4638093A JPH06260363A JP H06260363 A JPH06260363 A JP H06260363A JP 4638093 A JP4638093 A JP 4638093A JP 4638093 A JP4638093 A JP 4638093A JP H06260363 A JPH06260363 A JP H06260363A
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JP
Japan
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winding
iron core
varnish
stator
winding body
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Application number
JP4638093A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kawamura
勉 川村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定子のような巻線体全体に均一に絶縁層を
形成する。 【構成】 固定子14は保持具15に立形に保持された
状態で含浸槽11に収納されたワニスに浸漬されてい
る。この場合、固定子14は、固定子鉄心12から下方
に突出した下部コイルエンド13b及び固定子鉄心12
がワニスに浸漬されている。この状態で固定子14の巻
線13に電源17により所定期間通電されると絶縁層が
形成される。続いて、含浸槽11と連通されてワニスが
収納された貯蔵槽18を上昇すると、貯蔵槽18から含
浸槽11に下部パイプ20を通じてワニスが注入され
る。この状態で電源17から巻線13に所定期間通電す
ると、最も高温となっている上部コイルエンド13aに
絶縁層が最も厚く形成されるので、固定子14全体に均
一に絶縁層が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転電機等に用いられ
る固定子等の巻線体の絶縁処理方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、低電圧形の回転電機では、巻
線はエナメル線を鉄心に巻装或いは収納した後に、絶縁
樹脂処理を施して構成されている。この絶縁樹脂処理の
目的は、電気的及び機械的機能を確保するためのもので
ある。特に産業用回転電機にあっては、周辺空気を冷却
用として吸入しているので、空気に含まれる汚染物が巻
線表面に付着する。このため、巻線表面にピンホール或
いは傷があると、汚損物の吸湿、塩分の潮解現象により
巻線の絶縁抵抗が著しく低下し、短絡事故或いは焼損事
故の原因となるので、その対策として絶縁処理が施され
ている。
【0003】また、回転電機の製造工程は一般に機械化
及び自動化されつつあるが、上述した絶縁処理工程で
は、予備加熱−乾燥−冷却−絶縁処理−本乾燥−後処理
となり、各々の工程において回転電機の固定子の昇温,
降温が必要であり、それらの工程数が多いと共に、加工
時間が長くなるという欠点がある。
【0004】これらの対策として、特開昭50−107
407号公報,特開昭61−21474号公報に示され
たものがある。これらのものは、絶縁処理液中に回転電
機の固定子を浸漬した状態で巻線に通電してワニスをゲ
ル化させるものであり、特開昭50−107407号公
報に示されたものは、固定子を横形に配置してワニス中
に浸漬し、特開昭61−21474号公報に示されたも
のは、固定子を立形に配置してワニス中に浸漬した例で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
50−107407号公報に示されたものでは、固定子
を横形に配置して浸漬したので、固定子のスロット内の
空気が抜けにくく、長時間の浸漬が必要であると共に、
スロット内に十分なワニスが浸透しない。具体的には、
固定子鉄心から離れたコイルエンドの末端部にはワニス
がゲル状となって多量に付着する一方、固定子鉄心に近
接したコイルエンドの基端部にはゲル化したワニスの付
着量は少なく、ばらつきが大きい。
【0006】また、特開昭61−21474号公報に示
されたものでは、固定子を立形に浸漬したので、固定子
のスロット内の空気は抜きやすく、短時間でワニスをス
ロット内に充填することができる。しかしながら、交流
電流を全ての固定子コイルに通電するために、コイルエ
ンドの上部に温度センサを組込み、ジュール熱により上
部コイルエンドが設定温度となるように昇温させるよう
にしているので、絶縁槽に貯留されたワニスは上部とな
るに従って温度が高くなり、図6に概略的に示すように
固定子鉄心1の上部コイルエンド2が高温となって多量
の絶縁層が形成される。このため、回転電機として組立
てたときに、固定子鉄心1と上部コイルエンド2との間
隙がなくなって、コイルエンド2部分の冷却機能が大幅
に低下する一方、下部コイルエンド3におけるワニス付
着量は少なく、絶縁性能が低下する虞があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、鉄心に絶縁処理を施すものにおいて、
絶縁処理時間或いは絶縁工程の短縮を図ることができる
と共に、巻線が収納された鉄心のスロット内に絶縁層を
確実に形成して巻線体の温度特性を向上させ、さらに、
巻線の両コイルエンドにも絶縁層を均一に形成して製品
の品質を向上させることができる巻線体の絶縁処理方法
及びその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の巻線体の絶縁処
理方法は、鉄心及び当該鉄心のスロット内に収納された
巻線から成る巻線体を、熱硬化性の絶縁液が収容された
含浸槽内に前記スロットが上下方向を指向し且つ前記鉄
心の上端面まで浸漬した状態で所定期間通電する第1工
程を実行した後に、前記巻線体を、前記鉄心の上端面か
ら突出する上部コイルエンドを含んで絶縁液に浸漬した
状態で所定期間通電する第2工程を実行するものであ
る。
【0009】この場合、第2工程は、貯蔵槽に貯留され
た絶縁液を下部パイプを通じて含浸槽の底部から鉄心の
中心に向けて注入することにより上部コイルエンドを含
んで上記鉄心を浸漬するようにしてもよい。
【0010】また、第2工程の終了時に含浸槽内の絶縁
液を上部パイプを通じて貯蔵槽に環流すると共に当該貯
蔵槽に設けられた冷却装置により冷却してもよい。
【0011】さらに、上部コイルエンドの温度が設定温
度となったところで第1工程から第2工程に移行するし
てもよい。
【0012】また、鉄心及び当該鉄心のスロット内に収
納された巻線から成る巻線体を、熱硬化性の絶縁液が収
容された含浸槽内に前記スロットが上下方向を指向し且
つ前記鉄心の上端面から突出する上部コイルエンドまで
浸漬した状態で所定期間通電する第1工程を実行した後
に、前記巻線体を、前記鉄心の上端面まで絶縁液に浸漬
した状態で所定期間通電する第2工程を実行するように
してもよい。
【0013】一方、本発明の巻線体の絶縁処理装置によ
れば、熱硬化性の絶縁液を収納した含浸槽を設け、この
含浸槽の上方に位置するように鉄心及び当該鉄心のスロ
ット内に収納された巻線から成る巻線体を上記スロット
が上下方向を指向して保持した状態で上下動する支持手
段を設け、前記鉄心の巻線に通電可能に設けられた電源
を設け、前記含浸槽に絶縁液を供給する貯蔵槽を設けた
ものである。
【0014】この場合、含浸槽は貯蔵槽と上部パイプ及
び下部パイプを通じて絶縁液の授受を行うように連通さ
れていると共に、貯蔵槽は収容している絶縁液を冷却す
るように構成してもよい。
【0015】
【作用】請求項1記載の巻線体の絶縁処理方法の場合、
第1工程が実行されると、巻線は通電によるジュール熱
により発熱して鉄心と共に昇温する。これにより、鉄心
のスロット内の絶縁液の粘性が低くなってスロット内に
充満すると共に、下部コイルエンドの周囲及びスロット
内の絶縁液がゲル化して付着するようになる。
【0016】そして、第2工程の実行により、鉄心スロ
ット内及び上下部コイルエンドはジュール熱により昇温
されて絶縁層が形成される。このとき、第1工程におい
て、鉄心の上端面から突出している上部コイルエンドの
温度が最も高くなっているので、第2工程において上部
コイルエンドには絶縁層が厚く形成されると共に、下部
コイルエンド及び鉄心には絶縁層が薄く形成される。こ
の結果、第1工程において形成された絶縁層の形成と合
わせて、巻線体には略均一の厚さで絶縁層が形成され
る。
【0017】請求項2記載の巻線体の絶縁処理方法の場
合、第2工程において貯蔵槽に貯留されている絶縁液を
鉄心の中心にむけて含浸槽に注入することにより、下部
コイルエンド及び鉄心の表面に形成される絶縁層の形成
を阻むことができるので、絶縁層の膜厚の制御が容易と
なる。
【0018】請求項3記載の巻線体の絶縁処理方法によ
れば、第2工程が終了したときは巻線への通電により昇
温された含浸槽内の絶縁液は上部パイプを通じて貯蔵槽
に環流されると共にその貯蔵槽で冷却装置により冷却さ
れるので、絶縁液のポットライフを延ばすことができ
る。
【0019】請求項4記載の巻線体の絶縁処理方法の場
合、巻線への通電により最も高温となる上部コイルエン
ドが設定温度となったところでこの上部コイルエンドを
含んで浸漬するようにしたので、上部コイルエンドの温
度管理を適切に行うことにより巻線体全体に形成された
絶縁層の膜厚を均一化することができる。
【0020】請求項5記載の巻線体の絶縁処理方法によ
れば、第1工程が実行されると、巻線の温度が上昇して
上部コイルエンドを含む鉄心全体に絶縁層が形成され
る。このとき、巻線において上部コイルエンドが最も高
温となっているので、絶縁層の膜厚は最も厚くなってい
る。続いて、第2工程が実行されると、鉄心及び下部コ
イルエンドに絶縁層が形成されるので、鉄心に形成され
る絶縁層の膜厚は均一化される。
【0021】請求項6記載の巻線体の絶縁処理装置の場
合、支持手段を下降させて鉄心の上端面まで絶縁液を浸
漬させた状態で電源から巻線に所定期間通電する。これ
により、巻線が発熱して鉄心のスロットの周辺に位置す
る絶縁液の粘性が低下してスロット内に充満すると共
に、下部コイルエンド及び鉄心に絶縁層が形成されるよ
うになる。続いて、貯蔵槽から絶縁液を含浸槽に供給す
ることにより支持手段に支持された巻線体全体を絶縁液
に浸漬した状態で所定期間通電する。これにより、鉄心
の上端面から突出する上部コイルエンドにも絶縁層が形
成される。このとき、上部コイルエンドの温度は他の部
位の温度よりも高温となっているので、上部コイルエン
ドに形成される絶縁層の膜厚と他の部位に形成される絶
縁層の膜厚を均一化することができる。
【0022】請求項7記載の巻線体の絶縁処理装置の場
合、貯蔵槽に貯留されている絶縁液は冷却されるので、
絶縁液のポットライフが長くなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1乃至図3を
参照して説明する。図1は全体の構成を示している。こ
の図1において、含浸槽11内には熱硬化性の絶縁液た
るワニス(或いはレジン)が収容されている。固定子鉄
心12のスロットには巻線13が収納されており、これ
らの固定子鉄心12及び巻線13により巻線体たる固定
子14が形成されている。含浸槽11の上方には昇降自
在な支持手段たる保持具15が設けられており、この保
持具15により固定子14がスロットを上下方向に指向
した状態で支持されている。
【0024】固定子鉄心12のスロットに収納された巻
線13において、固定子鉄心12から突出した上部コイ
ルエンド13aには例えば熱電対のような温度センサ1
6が取付けられている。電源17は巻線13における上
部コイルエンド13aの温調を行うもので、電源電圧の
制御部及び温度計測部を備えた温度制御盤から構成され
ている。ここで、温度制御盤の電源出力端子17aには
巻線13の口出端子13cがリード線18を介して接続
されている。また、温度計測部の温度検出入力端子17
bには温度センサ16の出力端子が接続されている。
【0025】含浸槽11の側方にはワニスが収納された
貯蔵槽18が配置されており、この貯蔵槽18は図示し
ないシリンダ等で上下方向に昇降されるようになってい
る。この貯蔵槽18の側壁面及び底面には内部のワニス
を冷却するための冷却装置19が装着されている。ここ
で、含浸槽11の底部はテーパ状に形成され、その先端
に流入口11aが設けられており、その流入口11aと
貯蔵槽18の側壁面下部に設けられた流出口18aとの
間がフレキシブルな下部パイプ20により連結されてい
る。
【0026】次に、固定子14に絶縁処理を施す方法に
ついて説明する。まず、保持具15に固定子14を図1
に二点鎖で示す位置に保持すると共に、その固定子14
の巻線13に設けられた口出端子13c及び温度センサ
16の出力端子を温度制御盤の電源出力端子17a及び
温度検出端子17bに夫々接続する。
【0027】続いて、温度制御盤のスイッチをオンする
ことにより固定子14の巻線13に通電すると、ジュー
ル熱により固定子14の巻線13が昇温する。この場
合、温度制御盤は、温度センサ16からの温度検出信号
を監視しながら、図3に示すように巻線13の上部コイ
ルエンド13aの温度が一定となるように通電電流を制
御する。
【0028】そして、上部コイルエンド13aが一定温
度まで昇温したところで、スイッチをオフしてから図1
に実線で示すように含浸槽11のワニス中に固定子13
の下部コイルエンド13b及び固定子鉄心12が浸漬す
るまで保持具15を下降させる。この際、巻線13の上
部コイルエンド13aはワニス中に浸漬しない。
【0029】さて、上述のようにして固定子14をワニ
スに浸漬すると、固定子鉄心12のスロット内に付着し
た気泡がワニス中から脱泡するようになる。そして、気
泡が完全に脱泡する時間を経過した後、温度制御盤のス
イッチをオンして巻線13に通電して再加熱する。
【0030】斯様にワニス中で巻線13を加熱すると、
巻線13ひいては固定子鉄心12の周辺のワニスの粘度
が低下して流動性が向上するので、ワニスが侵入しくい
固定子鉄心12のスロット内にも容易に侵入し、スロッ
ト内がワニスで充満する。このままの状態で、さらに巻
線13に対する通電を続行して加熱すると、下部コイル
エンド13bの周辺及びスロット内のワニスがゲル化し
始め、それに伴って絶縁層が形成される。以上の動作に
より第1工程が終了する。
【0031】そして、駆動手段により貯蔵槽18を上昇
すると、貯蔵槽18に収納され冷却装置19により冷却
されたワニスが含浸槽11の流入口11を通じて流入す
る。そして、図2に示すように固定子鉄心12から上方
に突出した上部コイルエンド13aが全てワニス中に浸
漬するまで貯蔵槽18を上昇する。このとき、含浸槽1
1に注入されたワニスは固定子鉄心12の中心を通過す
るので、下部コイルエンド13b及び固定子鉄心12へ
り絶縁層の形成は阻まれるようになる。これに対して、
巻線13のうち上部コイルエンド13aは最も高温とな
っているので、この上部コイルエンド13aがワニスに
浸漬されたときは、上部コイルエンド13aの周辺のワ
ニスのゲル化ひいては絶縁層の形成が最も進行する。以
上の動作により第2工程が終了する。
【0032】そして、固定子鉄心12のワニス中の浸漬
状態で一定時間が経過すると、ワニスのゲル化によって
巻線13の各コイルエンド13a,13b及び固定子鉄
心12のスロット内に位置する巻線にも絶縁層が一様の
厚膜で形成される。
【0033】図3は上述した各工程による下部コイルエ
ンド13b,固定子鉄心12のスロット及び上部コイル
エンド13aの温度変化を示している。
【0034】そして、固定子14を含浸槽11から取出
した後に、全体を加熱乾燥して絶縁層を本硬化する。こ
の際、含浸槽11から固定子14を取出すにしても、固
定子14の巻線13或いはスロット内にはワニスがゲル
化して固着しているため、巻線13において固定子鉄心
12のスロット内或いは各コイルエンド13a,13b
からのワニスの流出がなく、そのまま加熱乾燥してもワ
ニスが流出してしまうことはない。
【0035】また、各コイルエンド13a,13bと固
定子鉄心12のスロット内に位置する巻線13へのワニ
スの付着量または充填量は、ワニスの浸漬中における巻
線13の電流通電による加熱時間と上部コイルエンド1
3aへのワニス注入時期により調整できるものであり、
必要性に応じて適宜変化させることができる。これによ
り、各コイルエンド13a,13bにワニスを多く付着
させたり、固定子鉄心12のスロット内部にワニスを多
く付着させることができる。
【0036】上記構成のものによれば、固定子14をス
ロットが上下方向に指向すると共にワニスに浸漬した状
態で巻線13に通電して加熱するようにしたので、固定
子鉄心12のスロット内に位置するワニスに含まれる気
泡を完全に脱泡してからゲル化をすることができる。従
って、固定子を横形に配置した状態で巻線に通電して加
熱する構成のものに比べて、固定子鉄心12のスロット
内のワニスの充填量が多くなり、回転電機の温度特性を
向上させることができる。
【0037】また、巻線13への通電により最も高温と
なる上部コイルエンド13aのワニスへの浸漬時間を他
の部位である下部コイルエンド13b及び固定子鉄心1
2の浸漬時間に比べて短く設定したので、固定子を立形
に配置した状態で巻線のワニスへの浸漬時間が一定であ
る従来例のものに比べて、ワニスの付着量の片寄りを防
止することができる。
【0038】さらに、本実施例により製作された回転電
機にあっては、従来から行われている特殊な付着量の多
いワニス処理の実施と同様な仕上りとなっており、特殊
なワニス処理工程が不要となる。
【0039】図4及び図5は本発明の第2実施例を示し
ており、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説
明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。即ち、
含浸槽11の側壁の中間部と貯蔵槽18の側壁面の中間
部とはバルブ21が介在して設けられたフレキシブルな
上部パイプ22により連結されている。また、含浸槽1
1の底部と貯蔵槽18の底部とを連結する下部パイプ2
0にはバルブ23が介在して設けられている。
【0040】この場合、第1工程として、固定子の上端
面までワニスを浸漬した状態で温度制御盤から巻線13
に通電して昇温する。さらに、巻線13の加熱を継続す
ると、下部コイルエンド13bの周囲及び固定子鉄心1
2のスロット内に位置するワニスがゲル化し始める。続
いて、第2工程として、バルブ21を開、バルブ23を
閉に切替えた状態で貯蔵槽18を上昇させると、図5に
示すように貯蔵槽18に貯蔵されて冷却装置19により
冷却されたワニスが固定子14の上部コイルエンド13
aまで浸漬するようになる。そして、固定子14に付着
するワニスがゲル化し始めたら、温度制御盤のスイッチ
をオフすると共に、固定子14を含浸槽11から取出す
直前にバルブ23を開、バルブ21を閉に切替えた状態
で貯蔵槽18を下降すると、含浸槽11に収納されたワ
ニスにおいて上部に位置して昇温されたワニスが上部パ
イプ22を通じて貯蔵槽18に移動して冷却装置19に
より冷却される。
【0041】この第2実施例のものによれば、ワニスは
含浸槽11において昇温されるにしても、貯蔵槽18に
移動して冷却されるので、第1実施例と同一の作用効果
を発揮しながら、ワニスのポットライフが熱の影響によ
り短くなってしまうことはない。
【0042】また、次の固定子14へのワニスの含浸処
理を実行するときは、貯蔵槽18内の冷却されたワニス
が含浸槽11に注入されるので、冷却されることにより
温度が一定化したワニスが含浸槽11に注入される。従
って、固定子14の個々の製品の含浸処理条件が安定す
るので、回転電機の特性が安定する。
【0043】次に、本発明の第3実施例を図4及び図5
を参照して説明する。この第3実施例の構成は第2実施
例と同一であり、第2実施例と工程の順序が異なってい
る。つまり、巻線13に通電して固定子14全体を加熱
した状態で、図5に示すように固定子14をワニスに浸
漬する。そして、電源17の温度制御盤のスイッチをオ
ンすることにより巻線13に通電し、そのときのジュー
ル熱により巻線14を加熱する。これにより、ワニスの
粘度が低下するので、固定子12のスロット内に侵入し
易くなる。このとき、温度制御盤は温度センサ16によ
り巻線温度が一定となるように制御している。
【0044】そして、所定期間通電を実行して第1工程
が終了したところで、第2工程としてバルブ21を開,
バルブ23を閉した状態で貯蔵槽18を下降させる。こ
れにより、含浸槽11内で高温となったワニスが上部パ
イプ22を通じて貯蔵槽18に移動する。このとき、含
浸槽11内のワニスの上端面が固定子14の上端面とな
るように貯蔵槽18を位置決めする。尚、温度制御盤は
継続して通電して巻線13の上部コイルエンド13aの
温度調整を実行する。
【0045】さて、固定子14周辺のワニスがゲル化し
始めたら、温度制御盤のスイッチをオフして固定子14
を含浸層11から取出す。このとき、ワニスの上端面が
低下するので、バルブ23を開すると、貯蔵槽18内の
冷却されたワニスが下部パイプ20を通じて含浸槽11
に流入すると共に、含浸槽11内の高温となっているワ
ニスは貯蔵槽18に移動して冷却され、以てワニスのポ
ットライフの長寿命化を図ることができる。
【0046】そして、次の固定子14の絶縁層の形成す
るには、バルブ23を開,バルブ21を閉した状態で貯
蔵槽18を上昇するので、含浸槽11には貯蔵槽18か
ら冷却されたワニスが注入される。これにより、個々の
製品の絶縁処理条件が安定する。
【0047】尚、ワニス(或いはレジン)の粘度が高い
場合には、バルブ21,23の代りにポンプを設けるよ
うにしてもよい。また、温度センサ16の代りに、赤外
線温度計等を用いるようにしてもよい。この場合、温度
センサ16を上部コイルエンドに装着する必要がないの
で、連続処理が可能となって省力化を図ることができ
る。さらに、固定子14全体をワニスに浸漬する方法と
して、保持具15を降下させるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の巻線体の絶縁処理方法及びその装置によれば、鉄心に
絶縁処理を施すものにおいて、絶縁処理時間或いは絶縁
工程の短縮を図ることができると共に、巻線が収納され
た鉄心のスロット内に絶縁層を確実に形成して巻線体の
温度特性を向上させ、さらに、巻線の両コイルエンドに
も絶縁層を均一に形成して製品の品質を向上させること
ができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における第1工程を示す全
体の概略図
【図2】第2工程を示す全体の概略図
【図3】固定子の各部の温度の変化を示す図
【図4】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図5】図2相当図
【図6】従来例における固定子の各部の温度を示す図
【符号の説明】
11は含浸槽、12は固定子鉄心、13は巻線、13a
は上部コイルエンド、13bは下部コイルエンド、14
は固定子(巻線体)、15は保持具(支持手段)、16
は温度センサ、17は電源、18は貯蔵槽、20は下部
パイプ、22は上部パイプである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心及び当該鉄心のスロット内に収納さ
    れた巻線から成る巻線体を、熱硬化性の絶縁液が収容さ
    れた含浸槽内に前記スロットが上下方向を指向し且つ前
    記鉄心の上端面まで浸漬した状態で所定期間通電する第
    1工程と、 前記巻線体を、前記鉄心の上端面から突出する上部コイ
    ルエンドを含んで絶縁液に浸漬した状態で所定期間通電
    する第2工程とを順次実行することを特徴とする巻線体
    の絶縁処理方法。
  2. 【請求項2】 第2工程は、貯蔵槽に貯留された絶縁液
    を下部パイプを通じて含浸槽の底部から鉄心の中心に向
    けて注入することにより上部コイルエンドを含んで上記
    鉄心を浸漬することを特徴とする請求項1記載の巻線体
    の絶縁処理方法。
  3. 【請求項3】 第2工程の終了時に含浸槽内の絶縁液を
    上部パイプを通じて貯蔵槽に環流すると共に当該貯蔵槽
    に設けられた冷却装置により冷却することを特徴とする
    請求項2記載の巻線体の絶縁処理方法。
  4. 【請求項4】 上部コイルエンドの温度が設定温度とな
    ったところで第1工程から第2工程に移行することを特
    徴とする請求項1記載の巻線体の絶縁処理方法。
  5. 【請求項5】 鉄心及び当該鉄心のスロット内に収納さ
    れた巻線から成る巻線体を、熱硬化性の絶縁液が収容さ
    れた含浸槽内に前記スロットが上下方向を指向し且つ前
    記鉄心の上端面から突出する上部コイルエンドまで浸漬
    した状態で所定期間通電する第1工程と、 前記巻線体を、前記鉄心の上端面まで絶縁液に浸漬した
    状態で所定期間通電する第2工程とを順次実行すること
    を特徴とする巻線体の絶縁処理方法。
  6. 【請求項6】 熱硬化性の絶縁液を収納した含浸槽と、 この含浸槽の上方に位置するように設けられ鉄心及び当
    該鉄心のスロット内に収納された巻線から成る巻線体を
    上記スロットが上下方向を指向して保持した状態で上下
    動する支持手段と、 前記鉄心の巻線に通電可能に設けられた電源と、 前記含浸槽に絶縁液を供給する貯蔵槽とを備えたことを
    特徴とする巻線体の絶縁処理装置。
  7. 【請求項7】 含浸槽は貯蔵槽と上部パイプ及び下部パ
    イプを通じて絶縁液の授受を行うように連通されている
    と共に、貯蔵槽は収容している絶縁液を冷却装置により
    冷却するように構成されていることを特徴とする請求項
    6記載の巻線体の絶縁処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106655661A (zh) * 2016-12-30 2017-05-10 浙江海洋大学 一种电机定子绕组的上漆装置
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