JP2007274763A - ワニス含浸方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステータコアに挿入配設した巻線コイルを加熱して、巻線コイルにおける電線被膜樹脂の残留応力除去及び水分除去を行うための予備乾燥工程S2と、予備乾燥工程S2において加熱された巻線コイルの温度をワニスの滴下温度まで低下させる冷却工程S3と、巻線コイルへのワニスの滴下を行う滴下工程S4とを含む。予備乾燥工程S2においては、ステータコアを減圧雰囲気下に配置すると共に、巻線コイルに高周波電力を直接投入して該巻線コイルを加熱する。予備乾燥工程S2における減圧雰囲気は、10kPa以下の減圧状態とすることが好ましい。予備乾燥工程S2における巻線コイルの加熱温度は、電線被膜樹脂のガラス転移温度以上融点以下の温度とすることが好ましい。
【選択図】図5
Description
例えば、特許文献1に開示されるワニスの滴下含浸方法においては、巻線コイルを挿入配設したステータコアを、その軸方向が水平方向になるようにして保持する。そして、このステータコアを回転させながら、巻線コイルの一部がステータコアの軸方向端部から突出してなるコイルエンド部へワニスを滴下している。
これにより、コイルエンド部に滴下したワニスを、ステータコアのスロット内に挿入配設されている巻線コイルの内部へ毛細管現象によって浸透させ、巻線コイルの全体にワニスを含浸させている。
該予備乾燥工程において加熱された上記巻線コイルの温度をワニスの滴下温度まで低下させる冷却工程と、
上記巻線コイルへの上記ワニスの滴下を行う滴下工程とを含み、
上記予備乾燥工程においては、上記ステータコアを減圧雰囲気下に配置すると共に、上記巻線コイルに高周波電力を直接投入して該巻線コイルを加熱することを特徴とするワニス含浸方法にある(請求項1)。
(実施例1)
まず、本例のワニス含浸方法を行うためのワニス含装置1について説明する。
本例のワニス含浸装置1は、図1、図4に示すごとく、上記ステータコア91を保持して回転させる回転手段2を有する。
回転手段2は、回転モータ21と、この回転モータ21の出力軸に接続された回転主軸22と、この回転主軸22に移動可能に配設されたチャック部3と、ステータコア91が回転手段2によって回転するときに通電手段4における通電ケーブル41が捩れることを防止する捩れ防止機構24とを有している。
なお、回転モータ21により回転主軸22を一方向に向けて連続回転させるよう構成した場合には、捩れ防止機構24は、ケーブルベア(登録商標)を用いる代わりに、スリップリングを用いて構成することができる。このスリップリングは、通電ケーブル41の途中に配設し、通電ケーブル41の一方側と他方側とを電気的に接続すると共に、回転主軸22の中心軸線回りに形成した複数の接続リング部によって、電気的接続を行ったまま回転することができるものである。
そして、通電手段4は、ステータ9における巻線コイル92に通電を行い、巻線コイル92をその電気抵抗により自己発熱させると共に、通電による磁界の発生により、ステータコア91に渦電流を発生させ、ステータコア91を誘導加熱させることにより、ステータ9を各処理工程に適した温度に加熱することができる。
ワニス滴下ノズル51は、巻線コイル92のコイルエンド部922に均一にワニスを滴下できるように、複数箇所に設けてある。
また、図1、図3に示すごとく、減圧タンク6の開口部側には、開口部側に位置するコイルエンド部922の外周面にワニスを滴下するためのワニス滴下ノズル51cがステータコア91の上方に3個配設されていると共に、開口部側に位置するコイルエンド部922の内周面にワニスを滴下するためのワニス滴下ノズル51dがコイルエンド部922内に位置するように配設されている。実際には、これらのワニス滴下ノズル51c、51dは、後述する減圧タンク6の開閉扉66に固定されている。
減圧タンク6には、この減圧タンク6内に空気を供給するための空気供給口62と、減圧ポンプ71を接続した吸引口61とが形成されている。また、空気供給口62には、減圧タンク6内に空気を供給する空気ブロア72が接続されている。
すなわち、制御手段10は、回転手段2がステータコア91を回転させるタイミング、通電手段4により巻線コイル92に通電を行うタイミング、及びワニス滴下手段5により巻線コイル92にワニスの滴下を行うタイミング、減圧ポンプ71により減圧タンク6内の減圧を行うタイミング、空気ブロア72により減圧タンク6内へ空気の供給を行うタイミング等を制御することができる。
また、上記接続治具8は、上記通電ケーブル端子とリード線端子とのみを接続したが、上記ワニス含浸を行う際のステータ9の温度を検出するために、上記温度検出器における温度検出線端子を、制御手段10における入力線端子と接続することもできる。
そして、この場合には、制御手段10は、温度検出器によって検出したステータコア91の温度を監視して、このステータコア91の温度が各工程を行うのに適した温度になるよう通電手段4を制御することができる。
まず、ワーク取付工程S1は、図1に示すごとく、巻線コイル92を挿入配設してなるステータコア91を、減圧タンク6内の回転手段2のチャック部3に保持させることにより実施する。
その後、チャック部3の爪部31を縮小させることによってステータコア91を自由状態とし、外部へ取り外すワーク取り出し工程S7を実施する。
同図から知られるように、真空度を−90kPaよりも高くすること、つまり、およそ10kPa以下の圧力まで減圧することによって、少なくとも水の沸点を50℃以下とすることができ、加熱による水分除去効果を高めることができるということがわかる。
2 回転手段
3 チャック部
4 通電手段
5 ワニス滴下手段
6 減圧タンク
71 減圧ポンプ
72 空気ブロア
9 ステータ
91 ステータコア
911 スロット
92 巻線コイル
921 挿入配設部
922 コイルエンド部
Claims (4)
- ステータコアに挿入配設した巻線コイルを加熱して、該巻線コイルにおける電線被膜樹脂の残留応力除去及び水分除去を行うための予備乾燥工程と、
該予備乾燥工程において加熱された上記巻線コイルの温度をワニスの滴下温度まで低下させる冷却工程と、
上記巻線コイルへの上記ワニスの滴下を行う滴下工程とを含み、
上記予備乾燥工程においては、上記ステータコアを減圧雰囲気下に配置すると共に、上記巻線コイルに高周波電力を直接投入して該巻線コイルを加熱することを特徴とするワニス含浸方法。 - 請求項1において、上記予備乾燥工程における減圧雰囲気は、10kPa以下の減圧状態とすることを特徴とするワニス含浸方法。
- 請求項1又は2において、上記予備乾燥工程における上記巻線コイルの加熱温度は、上記電線被膜樹脂のガラス転移温度以上、融点以下の温度とすることを特徴とするワニス含浸方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記滴下工程の後に、上記巻線コイルに浸透した上記ワニスを硬化させる加熱硬化工程を行う際には、上記巻線コイルに高周波電力を直接投入することにより上記巻線コイルを加熱することを特徴とするワニス含浸方法。
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