JPH06260169A - 高温燃料電池用耐クリープ性電解質/電極構造体 - Google Patents

高温燃料電池用耐クリープ性電解質/電極構造体

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JPH06260169A
JPH06260169A JP5218665A JP21866593A JPH06260169A JP H06260169 A JPH06260169 A JP H06260169A JP 5218665 A JP5218665 A JP 5218665A JP 21866593 A JP21866593 A JP 21866593A JP H06260169 A JPH06260169 A JP H06260169A
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JP
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anode
metal
creep
lifeo
electrolyte
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JP5218665A
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Ashok C Khandkar
アシヨツク・シイ.カンドケアー
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SERAMATETSUKU Inc
Ceramatec Inc
Original Assignee
SERAMATETSUKU Inc
Ceramatec Inc
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Publication date
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    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9016Oxides, hydroxides or oxygenated metallic salts
    • H01M4/9025Oxides specially used in fuel cell operating at high temperature, e.g. SOFC
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】溶融炭酸塩燃料電池(MCFC)に特に有用で
あるばかりでなく、固体酸化物燃料電池(SOFC)に
おいても使用することが出来る、多孔質且つ耐クリープ
性燃料電池用金属被覆LiFeOセラミック電極。 【構成】イオン伝導性電解質;前記電解質に隣接してい
る末焼結粒状LiFeOからなる層;及び前記粒状L
iFeOと接触している導電性金属粉末からなり、前
記金属粉末と粒状LiFeOは焼結して、前記電解質
と導電的に接触している多孔性の耐クリープ性電極を形
成し得る、高温燃料電池用耐クリープ性電解質/電極構
造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融炭酸塩燃料電池用の
アノードに関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩燃料電池における電極とし
て、多孔質のニッケル焼結プラーク(sintered Plaque)
が広く使用されている。一般にこれらの電極は高性能の
電極であるが、2つの重要な問題がある。先ず第一に
は、ニッケルの価格が高いことであり、第二には、これ
らの電極では経時的に焼結が進み、その結果として表面
積の損失及びクリープ(creep) が生じ、寸法が変化し、
該プラークの孔径の分布が変化し、更に、これらの問題
に付随して、電池の作動寿命として要求される50,0
00時間に亘ってその性能が失われることである。
【0003】アノードでは、燃料ガス中の水素が電解質
(電解液)からの炭酸塩イオンと反応して水と二酸化炭
素を生成する: H2 +CO3 ==H2 O+CO2 +2e- . カソードでは、酸素と二酸化炭素が反応して全体の反応
を経て炭酸塩を生成する: 1/2 2O2 +CO2 +2e- =CO3 =
【0004】従来の溶融炭酸塩燃料電池のアノードは、
金属ニッケルと各種の安定化用添加剤との物理的混合物
を還元性雰囲気中で約1,000℃で焼結して調製され
た多孔質プラークである。このアノードにより、燃料中
の水素の電気化学的酸化の為の反応部位(reaction sit
e)(この反応は表面積の増大により強化される)、良好
な電子伝導性及び炭酸塩電解質による充分な濡れ性が提
供される。このアノードの別の機能としては、次の機
能、即ち、電池構造体(cell package)から失われる、補
充することが要求される炭酸塩貯蔵物(carbonate strag
e)の為の貯蔵容器(reserver)としての機能;燃料のリフ
ーミング(reforming)と水−ガス移動反応(water gas sh
ift reaction)の為の触媒としての機能及び電解質マト
リックス中に亀裂(flaw)が発生した場合、燃料をオキシ
ダントとの混合を防止する為に気泡圧バリアー(bubble
pressure barrier)としての機能;が挙げられる。これ
らの機能の全てについて、アノードの多孔質構造及び濡
れ特性が重要であり;そして、燃料電池は40,000
時間の作動に耐えることが要求されるので、これらの性
質の安定性が確保されなければならない。
【0005】Niに2%〜10%のCrを加えてなる従
来のアノードは、60%〜70%の気孔率と3〜6μm
の平均孔径を有している。前記した通り、添加されたク
ロムは、電池の作動中にLiCrO2に変化し、このLiCrO2
炭酸塩を消費し、電極の形態学的変化を生じる。アノー
ドの形態学的変化により電解質マトリックス及びカソー
ドの両方の炭酸塩含有量(inventory)に変動を生じ、そ
の結果、電池性能に変化が生じる。更に、多孔質アノー
ドの再構成が生じた場合、電解質と電極との良好な接触
と、電池周辺での適当なガスの封止性を維持する為に使
用される締付力(holding force)によって望ましくない
アノードのクリープが促進される。
【0006】
【発明が解決しようとしている問題点】溶融炭酸塩燃料
電池用の金属被覆セラミックアノードは優れた耐クリー
プ性を示しており、従って長寿命で、安定で、経済的な
アノードとしての大きな可能性を有している。金属/セ
ラミック支持体組成物をアノード材料として選択する際
の主な問題は、セラミックに対する金属の濡れ性の問題
と弱いアノードを与えることである。
【0007】米国特許第4,361,631号、同第
4,404,267号及び同第4,423,122号明
細書(発明者Iacovangelo等、出願人ゼネラ
ルエレクトリック社)に記載された無電界金属メッキ方
法は、特にLiAlO2支持体上に不均一で不完全な金属被覆
を生じることが知られている。金属被覆セラミック粉末
から構成されるアノードは、強度が不適当であることが
知られている。金属被覆セラミックアノードの開発に関
係する主要な問題は、アノードを構成する為の高い温度
における金属のディウエッテイング(撥き)(dewettin
g) に関連する問題であると云われている。金属被覆SrT
iO2粉末を用いて前記のGEの特許に記載されたものと
同じ方法によってアノードに構成し、その微細構造の検
討を行ったところ、上記のセラミックの粒子が互いに溶
融し、その結果金属がセラミックの表面から撥かれてい
ることが見出された。
【0008】Crで安定化されたNiアノードに関する
別の問題は、電池の使用中に、LiCO3-K2CO3 (モル比6
2−38)電解質との反応により、Crが腐蝕されてLi
CrO2を生成することである。この金属被覆セラミック支
持体からなるアノードは、従来のNi(Cr)アノード
以上の実質的な利点を有することが期待されている。
【0009】
【問題点を解決する為の手段】本発明者は、溶融炭酸塩
燃料電池(MCFC)用の、金属被覆LiFeO2セラミック
電極を開発した。
【0010】LiFeO2粉末支持体は、金属特にニッケル及
びニッケル合金で被覆し次いで焼結して多孔質アノード
を形成させた場合に、重大なディウエッテイングの問題
を示さない耐クリープ性のアノードを形成する。この金
属被覆はセラミック粉末に十分に接着しており、連続し
た導電経路が形成される。かかるアノードの平均クリー
プは〜2.5〜3%であり、これは従来技術のNi(C
r)アノードよりも著しく優れている。概念的に云え
ば、有意な量の低コストのセラミック支持体を使用する
ことによって、焼結に関する問題とクリープによる形態
学的変化に関する問題を大いに減少させることが出来
る。更に安定剤としてCrが存在しないので、腐蝕/酸
化リチウム化(lithiation)の低下が期待され、従って安
定な長期間の性能が得られる。Cu/Ni被覆(50:
50モル比、50w/o金属含有量)LiFeO2アノード
は、MCFCアノードについての規格を満足させるのに
最適である。
【0011】
【作用】金属被覆セラミックアノードのクリープ試験を
行った。その結果、主なクリープ機構は粒子の再配列に
よることが分かった。アノードの気孔率と平均孔径はア
ノードのクリープに大きな影響を有していた。電池の性
能基準に合った低い気孔率と孔径がクリープを低下させ
る為に望ましい。被覆が均一であれば金属含有量が低い
程、アノードのクリープ挙動はそれだけ低くなるであろ
う。評価した支持体の中では、LiFeO2は全体的に低いク
リープを示した;この低いクリープはセラミックに対す
る金属の優れた接着性に基づくものである。又、この様
なNi金属被覆LiFeO2アノードは、低温固体酸化物燃料
電池(SOFCs)用のアノードとしても使用すること
が出来る。
【0012】上記のアノードについての臨界的な必要条
件は、金属(Ni又はNi−Cu合金)がセラミック粉
末支持体上に連続したフイルムを形成して、連続した電
子伝導経路となることである。図1は、理想的な金属被
覆セラミックアノードの形態を図解的に示している。セ
ラミック粒子上の薄い金属層が実質的に改良された耐ク
リープ性を示すことが期待される。更に本発明の利点
は、セラミック(支持体)粉末の粒径と金属被覆の厚み
を制御することにより、アノードの形態をより良く制御
し得ることである。更に、より少ない量の金属と低価格
のセラミック支持体を使用することから、実質的なコス
トダウンも期待される。
【0013】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。導電性セラミック(LiFe
O2)支持体上に50Ni/50Cuを無電界メッキ技術
により被覆することによって適当なアノード材料を調製
した。
【0014】大きなバッチでLiFeO2を合成した。この粉
末をXRDを用いて調べたところ純粋な相であることが
認められた;その粒子の粒度分布及びBET表面積の数
値を求めた。上記粉末を粉砕して平均粒子径15μmと
した。金属に対する濡れ特性は、LiAlO2に比べて好まし
いものであった。Ni及びCuの無電界メッキを行い、
その最適条件を決定した。金属被覆は、SEM/EDX
Sによって調べたところ均一であった。別の研究とし
て、溶融炭酸塩中におけるLiFeO2の相安定性を調べた。
【0015】Ni、Cu又はNi/Cu合金を被覆した
LiFeO2粒子からアノードを作成した。焼結したアノード
は良好な機械的性質を示した。SEM試験により微細構
造を調べたところ、粒子の金属による被覆は良好で、ネ
ック(neck)が充分に形成されており、従って焼結したア
ノードの強度を確認した。典型的な微細構造を図2及び
図3に示した。数回の試作後に、焼結中に適当な圧力を
かけることによって、多孔質のアノードプラークの強度
が改善されることが分かった。焼結プラークの気孔率は
圧縮圧力を変化させることにより変化した。
【0016】上記結果には大きなバラツキがあった。全
てのテストにおいて、Ni−Cr電極が最低のクリープ
を示した。クリープの範囲は低いところの0.65%か
ら高いところで6.18%であり、殆ど一定していた。
LiAlO2電極のクリープの値の範囲は低いところで0.9
6%であり、高いところで20.23%であった。上記
のLiFeO2電極は最高のバラツキを有しており、クリープ
の範囲は低いところで1.46%であり、高いところで
33.93%であった。金属被覆LiFeO2粉末に対する結
果を纏めると、金属含有量が約37%で気孔率が45%
である4個のサンプルの平均は650℃;100psi
で3.6%のクリープを示した。これは従来技術の材料
に対して改良されていることを示している。
【0017】 表1 650℃及び100psiにおけるLiFeO2
【0018】LiFeO2アノードの金属濡れ特性(metal wet
ting characteristics)は更に好ましいものである。従
って、金属とセラミックとの間の結合がより優れたもの
になること、それによって一次クリープの量が減少する
ことが期待される。図4及び図5は金属被覆LiFeO2アノ
ードのクリープの挙動における全体的な傾向を示してい
る。クリープは金属含有量とアノード気孔率の両方に比
較的無関係であり、一旦、粒子の再配列が生起すると、
二次クリープ機構によってクリープの挙動が支配される
ことを示している。クリープ特性はテスト#−5につい
て示されている。このデータは一次クリープの大きさ(m
agnitude)が〜2%以下であることを示している。それ
以上のクリープは拡散駆動(diffusion driven process)
に対して予想されるごときものである。アノードの平均
孔径と気孔率が高ければ高い程アノードのクリープが高
くなる。これはLiAlO2アノードについての観察結果と一
致している。しかしながら、全体的なクリープ特性は金
属被覆LiFeO2の方が優れており、このことは金属被覆Li
FeO2が種々のアノード材料に代替し得る可能性を示して
いる。
【0019】金属被覆LiFeO2アノードは耐クリープ性ア
ノードとして大きな可能性を有している。セラミックに
対する金属の接着性並びにアノードの形態の両者におけ
るそれ以上の改良が予想され、これによって、一次クリ
ープの減少、従って、耐クリープ性の増大を招来し得
る。これらのアノードは: ・燃料ガスの電気化学的酸化に必要な反応部位を与え
る; ・燃料再生触媒として作用する; ・電池構造体の炭酸塩を管理する為に電解質を蓄える為
の貯蔵容器として働く; ・電池を二重気孔構造体として作成する際に気泡圧バリ
アーとして作用する; という溶融炭酸塩燃料電池のアノードの機能を全般的に
満足させる。これらの機能を発揮する為には、上記のア
ノードは: ・高い交換電流密度 ・良好な電気触媒的活性 ・良好な電気伝導性 ・低い酸化電位 ・炭酸塩を保持する為の良好な濡れ特性 ・燃料再生反応に対する高い触媒活性 ・適当な気孔率と孔径分布 ・良好な機械的強度 ・電池の作動に必要な炭酸塩を蓄えるのに十分な厚み を有していなければならない。
【0020】表2 アノード構造体についての要件(tradeoff)
【0021】特定の電解質とカソード構造に関する最適
のアノードの構造体は、各々の適当なアノードタイプ/
構造体に対してケースバイケースに決定されなければな
らないことは明らかである。金属被覆LiFeO2アノード材
料は、良好なアノード材料としての全般的に望ましい特
性を有している。
【0022】LiFeO2の合成 次の方法でLiFeO2粉末を合成した:Li2CO3とFe3O4 とを
化学量論的比率で混合し、エタノール中で12〜14時
間ボールミル処理した。次にこの混合物を乾燥し、坩堝
中で空気中で1,200℃で10時間仮焼した。得られ
た凝集粉末を2時間ボールミル処理し、1,200℃で
10時間再び仮焼し完全に反応を行なわせ且つ均質化さ
せた。合成した粉末をXRDにより調べたところ、LiFe
O2相であることが確認された。
【0023】2回合成した大きな(〜1Kg)LiFeO2
バッチ中で、最初のバッチはα−LiFeO2とα−LiFe5O8
の混合物であることが分かった;Liが不足している相
即ちα−LiFe5O8 は合成中の仮焼/反応性−焼結サイク
ル中に酸化リチウム(リチア)が失われた結果生じたも
のである。第二のバッチは単一相のLiFeO2が得られる様
に工夫して焼結した。この焼結サイクル中にリチアの損
失を避ける為に、幾分かのLi2CO3を粉末の上に散布し
て、粉末塊上に高いLi活性を維持した。粉末のトップ
層を捨て、残りの粉末を粉砕して凝集物を破壊し、次に
XRDで調べた。この粉末は単一相のα−LiFeO2であっ
た。
【0024】Cu/Ni被覆LiFeO2の焼結実験 従来技術の試みは、主として金属被覆セラミック粉末を
無圧下(非加圧下)で焼結し次いで各種の圧力下で予備
圧縮し、続いて無圧下で焼結することが中心であった。
これらの焼結アノードをSEMで調べると、アノードに
ついての所望の規格を満足させるのに適合した適当な粒
径のものであったが、粒子の充填状態は適当ではなかっ
た。金属沈着物が粒子同士の相互の連結(necking)によ
って”ハニカム”タイプの構造体が形成された。その結
果、大きな開孔を有する大きな凝集体が生じた。
【0025】又、従来の方法は、金属被覆セラミック粉
末にバインダーを加え、それらを種々の圧力で予備圧縮
することが中心であった。これらの試みに加えて、より
良く且つ更に均一な粒子の充填構造を得る為に、グラフ
ァイトダイ中において磁場を用いて粒子を配列する2種
以上の試みが行われた。そのパラメータを表1に示し
た。
【0026】これらのサンプルを分析して、作成条件
と、得られたものの密度及び平均孔径(MPS)との間
に何らかの傾向又は関係があるか否かを調べた。50〜
60%の気孔率と35μmの平均孔径が望まれている。
【0027】プラークの厚みには5〜8ミルの変動が認
められた。一般的には、これらのサンプルは中心で最も
薄く、端縁で最も厚かった。プラークの厚みの変動はサ
ンプル内の密度勾配の原因であり得る。
【0028】表I アノード作成実験の焼結条件
【0029】合計で11種類のアノード試験片を作成
し、その加工条件を表IIに記載した。金属被覆LiFeO2粉末の作成特性
【0030】3種のアノード作成実験を行って、金属被
覆LiFeO2からなる多孔質圧縮体の収縮特性及び気孔率特
性を調べた。LiFeO2アノードの収縮は、LiAlO2アノード
に比べて顕著であった。図6に示す様に、925℃で1
時間焼成した時の平均収縮率は、約150psiの固化
圧力の場合には36%であった。これらのアノードの気
孔率は、約48〜54%の範囲で変化している。異なっ
た固化圧力で作成し且つ1,100℃で1時間焼成した
アノードの場合には、その収縮率は、約440psiの
固化圧力の場合での約32%から、6.6Kpsiでの
約38%の高さまで変化した。図7に示す気孔率の変動
から、最も高い気孔率は、最も低い固化圧力で作成した
アノードによって示されることが予測される。
【0031】金属被覆LiFeO2テープ状鋳造アノードの作
金属被覆LiFeO2粉末をテープ状に鋳型する(tape castin
g)ことにより数種のアノードを作成した。得られたテー
プは薄く非常に脆いものであった。4枚のテープを1
0,000psiでプレスした。直径1インチの数枚の
アノードを上記プラークから打ち抜いた。アノードの幾
何学的密度(geometric density)(即ちサンプルの重量
/サンプルの容積)は3.45〜3.89g/ccであ
った。1つのアノードについての、多孔度測定法(poros
imetry)によって測定した中央孔径(median pore size)
は1.24であり、気孔率は46.4%であった。得ら
れた骨格密度(skeletal density)は8.18g/ccで
あり、この数値は使用した粉末がCuとNiとから主と
して構成されていることを示している。
【0032】電池内テスト(in-cell test)を行う為に
は、電池内テストと評価を行なう為の、より大きい4イ
ンチ×4インチのアノードを作成することが必要であっ
た。この目的で大きなバッチでLiFeO2粉末を合成し、こ
れを金属被覆した。金属被覆LiFeO2粉末を使用して幅8
インチのテープを鋳造した。3枚の大きな新しいLiAlO2
テープのブランク試験片を裁断して電池内テストを行っ
た。
【0033】表II 金属被覆LiFeO2アノードの作成
【0034】4−5から4−11までは250psiで
固化させ920℃で焼結させた。上記の全てのサンプル
を90%アルゴン−10%水素の雰囲気中で焼結させ
た。多孔質アノードが作動している燃料電池中で遭遇し
得る温度と圧縮力の範囲を決定する為に、2種の温度
(650℃及び700℃)と3種の締付力(25、50
及び100psi)を初期のテストで用いた。
【0035】完了したテストの結果の全てを表IIIに
示した。多孔度測定法を用いてテストしたアノードプラ
ークの夫々について気孔率容量%(volume persentage p
orosity)、平均孔径及び孔径分布を測定した。最初、目
標孔径(target pore size)の範囲は1〜3μmであっ
た。テストしたプラークの平均孔径は、最初、典型的に
は7〜15μmであった。プラークの平均孔径は引き続
き行った実験中に減少し、大部分は4〜10μmの範囲
となった。従来のニッケル含有量10%のクロムアノー
ド気孔率は約65容量%であり、平均孔径は4〜6μm
である。大部分の金属被覆LiFeO2セラミックのアノード
は45〜55容量%の気孔率を有していた。一般的に
は、テストした金属被覆アノードは、従来のニッケル−
クロムアノードよりも大きい孔と小さい容量%の気孔率
を有していた。
【0036】表III
【0037】表IIIの続き
【0038】表IIIの続き
【0039】表IIIの続き
【0040】化学分析を行ってアノード材料の金属対セ
ラミック比を求めた。テストしたアノードは純粋なニッ
ケル又はニッケル−銅合金で被覆した。ニッケル−銅の
被膜は、一般的に各々の金属を約50重量%含有してい
た。サンプル中の金属の量即ち金属含有量は10〜60
重量%の間で変化していた(表III参照)。テスト前
にアノードプラークの研磨した断面を走査電子顕微鏡で
調べたところ、調製した材料の品質が一様に改善されて
いることがわかった。優れた微細構造を示している写真
を図8(A)及び図8(B)に示した。
【0041】電池内テスト 組み立て用に作成した標準沸騰板ハードウエア(boiler-
plate hardware)、焼結LiFeO2アノード、従来技術のN
iカソード、ステンレススチールカソード電流コレクタ
及びNiアノード電流コレクタ装置を用いて電池内テス
トを行った。電池構造体(cell package)を組み立て、次
にベンチ−スケール試験装置内に設置した。試験装置内
での電池構造体の配置を示す略図を図9に示した。
【0042】ベンチースケール(94cm2 )でテスト
するのに充分な大きさの且つ金属含有量が54%の3枚
のニッケル被覆LiAlO2テープ及び1個のニッケル被覆Li
FeO2テープを、クリープテスト及びベンチ−スケール燃
料電池テスト用に焼結し作製した。Ni/LiAlO2テープ
及びNi/LiFeO2テープを、標準マッフル炉中で焼結
し、同時に分解アンモニアガスで空気を置換した。加熱
条件は下記の通りである:4時間で850℃に昇温;1
時間で950℃に昇温;950℃で15分間保持;その
後冷却。
【0043】54%の金属含有量、0.0233〜0.
0064インチの厚みを有するLiFeO2アノードをテスト
した。電池構造体を従来技術(SOA)のニッケルカソ
ード及び熱圧プレスしたタイルを用いて組み立てた。テ
ストは、通常の緩慢な加熱ランプ勾配(ramp heat-up)を
用いて、3時間で室温から350℃に、18時間で35
0℃から650℃に加熱して始めた。初期電池性能は従
来技術の電池に比べて劣っていた;即ち140mA/c
2 負荷(load)で安定した電圧を保持出来ず、又、抵抗
は7.68mΩで幾分高かった。最初は10psiであ
った電池の締め付け力を、24時間で15psi、14
3時間で20psi、167時間で25psi、191
時間で30psi、そして239時間で35psiに上
げた。締め付け力を向上させる目的は、アノードと電解
質との間の表面接触が劣る為に抵抗と性能が不良である
場合に、タイルに対するアノードの接触を改善すること
にある(上記した接触の不良は、電極の厚みが変化して
いた為であろう)。電池性能mV、IR−フリーmV及
び分極mVを表IVに示した。
【0044】表IV 電池テスト CerLiFe−1 寿命データ
【0045】表IVの続き
【0046】表IVの続き IRフリーmV=負荷をかけた時のミリオーム時間アン
ペアで表した負荷+抵抗で表したmV、即ち7.68ミ
リ−オーム時間(100cm2 ×160mA/cm2
16000mA)/1000)=122.88mV。分
極電圧はOCVmV−IRフリーmVに等しい。
【0047】最後の電池締め付け力が増加した後は殆ど
改良効果が観察されないので、360時間の電池寿命後
に電池のテストを終了した。テスト終了後のアノードと
カソードの電流コレクタを測定してテスト前のアノード
の測定値と比較した。合計の測定値から引き算した電流
コレクタの厚さを考慮すると、電流コレクタは、アノー
ドから分離することが出来ないので、テスト前とテスト
後のアノードの厚さの変化は2.6ミルであった。この
変化は、テスト前の厚さ19.7ミルに基づいており、
アノードに対して13.2%のクリープに相当してい
る。
【0048】表V IR損失、IRフリー及び分極の比較 電池テストCerLiFe−1 −負荷電圧、mV−
【0049】表Vから明らかである様に、この電池の性
能はSOAの性能に比べ劣っていた。表IVからは、電
池のOCVが許容範囲であり、電池の各々の側における
適当な電気化学的電位(electrochemical potential)を
示している(ガスの混合(crossover) がない)。このこ
とは電池の耐用期間中のガスの混合を測定することによ
って確認された。しかしながら、160mA/cm2
192時間における電池の電圧を見ると、従来技術の電
池より約377mV(758−381)低いことが認め
られる;従来の電池についてのテスト結果は表Vの最後
に示した(528時間のテストの最初の丁度360時間
は比較の為に記載した)。この377mV低い性能は7
0mV高いIR(155−85)と305mV高い分極
損失(453−148)が原因である。即ち、観察され
た低い性能の大部分は分極の損失に起因し、この分極損
失は同様に、この最初のテストではこの金属被覆LiFeO2
アノードにおける活性な3相接触が最適なものではない
ことに大部分起因している。粒径と電極の形態が従来技
術の電池の電極についての要因に一層密接に適合する様
に開発され得るので上記の要因は改善を助長するもので
ある。
【0050】テスト前のサンプルについて、完全に溶解
したアノード溶液の原子吸光によってNi、Cu、Fe
及びLiについて分析した。サンプル中のFe及びLi
の含有量をFe2O3 とLi2Oのパーセンテイジに換算した;
これらは、化学量論的でない場合には、合計してLiFeO2
又はLixFeO2 で表し得る。
【0051】表VI 化学分析
【0052】テスト前後のアノードの化学分析の結果を
表VIに示した。テスト前のサンプルはCu、Ni及び
LiFeO2から構成されていた。そのLi対Feの比率は
0.36であり、この比率は(Li2O)xFe2O3(x=0.3
6)で表すことが出来るLiが足りないリチウム鉄酸化
物を示している。
【0053】テスト後のアノードはLi2CO3とK2CO3 を含
有していた。全Liを結合して(Li2O)xFe2O3とLi2OCO3
を形成しているものに分類する為にCO2 分析を行った。
例えば、KはK2CO3 に変換され、Kに結合されるものよ
り過剰のCO2 はLiと結合してLi2CO3を形成するものと
仮定した。次にCO2 と結合していない過剰のLiは(Li2
O)xFe2O3の形態でFeと結合しているものとした。その
結果としてテスト後ではx=0.68となった。従っ
て、アノードにおける酸化リチウム化(lithiat
ion)は電池の作動中に生じていたことになる。この
ことは、化学量論的なLi2O・Fe2O3は電解質の存在下では
安定な相であることが予測されるので驚くべきことでは
ない。事実、電解質からのリチウムの消費を防止する為
には、化学量論的なLiFeO2を用いてテストを始めるべき
である。
【0054】Cu/Ni比は、制御された条件下で被覆
したサンプルについて予期されるごとく、テスト前のサ
ンプルとテスト後のサンプルで同様なものであった。
【0055】金属対Fe2O3 比はテスト前サンプルで1.
75であり、テスト後のサンプルで1.98であり、こ
のことはサンプル全体において金属の含有量が僅かに不
均一であることを示している。
【0056】テスト後のアノードの炭酸塩の含有量は僅
かに4.69重量%であった;即ち41%のアノード気
孔率の25%を充満しているに過ぎなかった。この炭酸
塩の含有量は一般的に許容範囲である。
【0057】重要な点は、LiFeO2支持体に対する金属被
覆性が明らかに改善されていることが認められたことで
ある。このことは、メッキ浴における支持体の安定性に
寄与している。支持体と浴との相互作用が、粉末が凝集
せずに良好に分散することを確保する点のみならず、均
一な表面感応化及び活性化過程を確保する点で重要な作
用を果たしていることが明らかである。
【0058】金属被覆LiFeO2アノードのクリープ挙動 LiFeO2アノードの場合における主な違いは、金属に対す
るその濡れ性が一層好ましいことである。従って、金属
とセラミックとの間の良好な結合、従って一次クリープ
量の減少が期待される。図10は金属被覆LiFeO2アノー
ドのクリープ挙動における全体的傾向を示している。ク
リープは金属含有量及びアノードの気孔率の両方により
比較的影響されず、一旦、粒子の再配列が生じるとクリ
ープ挙動は二次クリープ機構に支配されることを示して
いる。クリープ特性はテスト#2.3.1B−5におい
て示した。このデータは、一次クリープの大きさは〜2
%以下であることを示している。それ以上のクリープは
拡散を生じさせる過程において予想される如くである。
金属含有量の高いアノードのrig2のデータはこの傾
向と一致しておらず、テストrigの機能が不全である
という理由で無視されるべきである。アノードの形態の
影響は大きく、平均孔径と気孔率が大きい程アノードに
はそれだけ高いクリープがアノードに表れる。このこと
はLiAlO2アノードの観察と一致している。
【0059】結論 纏めて云えば、測定した微細構造/クリープの関係の分
析から下記の点が挙げられる。 1.いずれの金属被覆アノードであっても、主たるクリ
ープ機構は粒子の再配列に起因している。この機構は、
金属がセラミックを濡らしても、良く接着しない場合で
さえも、クリープ挙動を支配するであろう。 2.アノード気孔率は出来るだけ低くして、かかる多孔
質電極における物質輸送限界と関連している分極現象の
如きアノードの性能基準と一致する様にしなければなら
ない。平均孔径も出来るだけ低くしてアノードの性能基
準と一致させるべきである。 3.金属被覆アノードは、金属含有量は低ければ低い程
それだけ低いクリープを示すであろう。事実、前記のデ
ータは金属被覆の完全性が重要な判定基準ではないこと
を示している。それよりもむしろ、セラミックへの金属
沈着物の均一性がより重要である。金属沈着物が十分に
接着していれば、三次元多孔質構造体において金属の接
触が連続的となり、その結果としてアノードの導電度が
良くなるものと考えられる。 4.金属被覆性に影響する要因は以前に説明した通りで
ある。1つの問題は金属合金の沈着である。連続的に金
属を沈着させるいずれの方法においても、合金を形成す
る原動力は通常セラミックに対する金属の濡れ性(接着
性)の力を越えるであろう。このことにより、金属/セ
ラミック界面に若干のキルケンダール(Kirkendall)気孔
率も生じる。これらの要因は、金属とセラミックの結合
を弱め、従って機械的性質を低下させるであろう。従っ
て、セラミック表面に合金を沈着させることが有利であ
る。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】金属被覆セラミックアノードを図解的に表す図
である。
【図2】LiFeO2上にCu/Niを焼結させたものの顕微
鏡写真である。
【図3】LiFeO2上にCu/Niを焼結させたものの顕微
鏡写真である。
【図4】金属のクリープ挙動を示すグラフである。
【図5】金属のクリープ挙動を示すグラフである。
【図6】LiFeO2アノードの収縮に及ぼす温度の影響を示
すグラフである。
【図7】LiFeO2アノードの気孔率に及ぼす固化圧力の影
響を示すグラフである。
【図8】金属被覆アノードの顕微鏡写真である。
【図9】試験装置内での電池構造体の配置を示す略図
【図10】LiFeO2材料のクリープ特性を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン伝導性電解質;上記電解質に隣接
    している未焼結粒状LiFeO2からなる層;及び上記粒状Li
    FeO2と接触している導電性金属粉末からなり、上記金属
    粉末と粒状LiFeO2は焼結して、上記電解質と導電的に接
    触している多孔性の耐クリープ性電極を形成し得ること
    を特徴とする高温燃料電池用耐クリープ性電解質/電極
    構造体。
JP5218665A 1992-09-03 1993-09-02 高温燃料電池用耐クリープ性電解質/電極構造体 Pending JPH06260169A (ja)

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US940031 1992-09-03
US07/940,031 US5340665A (en) 1992-09-03 1992-09-03 Creep resistant, metal-coated LiFeO2 anodes for molten carbonated fuel cells

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