JPH06257329A - パネル体の連結金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相隣接するパネル体を内向きＬ字状のフラン
ジ部間で密接させて容易に連結固定できる金具を構成す
る。 【構成】 Ｌ字状のくさび部２１並びに逆向き同形の切
欠段部２２をパネル体１のフランジ部１１，１２に嵌着
固定される金具本体２０に設け、その金具本体２０，２
０をパネル体１，１のフランジ部１１，１２に逆向きに
備え付け、各くさび部２１，２１を他方の切欠段部２
２，２２に嵌込み噛合させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内向きＬ字状のフラン
ジ部が左右に立上げ成形されたパネル本体を隣接相互の
フランジ部間で連結固定するのに用いられるパネル体の
連結金具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、複数枚のパネル本体を隣接相互
のフランジ部間で連結させて直線状に並べると共に、各
パネル本体を一連に支持する横桁パイプをブラケット金
具でパネル体のフランジ部に取り付けることにより、工
事現場の外壁体等として据付け設置することが行なわれ
ている。

【０００３】この工事現場の外壁体を組み立てる場合、
横桁パイプを取り付ける前に相隣接するパネル本体をフ
ランジ部間で連結固定することが行なわれる。通常、そ
の連結固定は両フランジ部に亘る受け板部を各フランジ
部に掛渡し位置させて夫々ねじ止めすることが適用され
ているが、これでは組立てに極めて手間が掛るかばかり
でなく、設置現場の特殊性から相互のねじ穴を合せるの
に困難を伴う。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、複数枚のパ
ネル体を隣接相互のフランジ部間で緊密に密接させて簡
単に連結固定可能なパネル体の連結金具を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
パネル体の連結金具においては、各フランジ部の端辺部
をくわえ込み挟持する嵌着空間を隔てて外板部と内板部
とから折曲げ成形された金具本体を有し、その金具本体
の外板部は側端縁が該端辺部に対する嵌着固定状態で各
フランジ部より側方に突出位置する広幅な平板でなり、
この外板部には側端縁から各フランジ部の端辺部と相対
位置する板面までを切り欠いて斜め内側に傾斜する係合
縁を有するほぼＬ字状のくさび部並びに該くさび部と逆
向き同形の切欠段部を設け、更に、その外板部の外側に
は該切欠段部を各フランジ部の端辺部とで段部空間とし
て形成する受け板部を備え、相隣接するパネル体の各フ
ランジ部に逆向きに取付け固定される金具本体のくさび
部を相他方の切欠段部に嵌込み係合させてパネル体を隣
接相互のフランジジ部間で連結固定する金具として構成
されている。

【０００６】本発明の請求項２に係るパネル体の連結金
具においては、受け板部を金具本体に一体に組付け装備
されるブラケット金具の取付け基板部で形成することに
より構成されている。

【０００７】本発明の請求項３に係るパネル体の連結金
具においては、ブラケット金具の取付け基板部を金具本
体の外板部間で挟込み固定する押え片部を金具本体に設
けることにより構成されている。

【０００８】本発明の請求項４に係るパネル体の連結金
具においては、ブラケット金具の取付け基板部と金具本
体の押え片部とに互いに嵌り合う切曲げ片部と切欠縁部
とを設けてブラケット金具を位置決め固定することによ
り構成されている。

【０００９】本発明の請求項５に係るパネル体の連結金
具においては、ブラケット金具として取付け基板部から
Ｕ字状に連続弯出する横桁パイプの掛止め腕部を有し、
その掛止め腕部の自由端寄りから内側に突出する逆さ爪
状の突片を有するものを装備することにより構成されて
いる。

【００１０】

【作用】本発明の請求項１に係るパネル体の連結金具で
は、相隣接するパネル体の各フランジ部に逆向きに取付
け固定される金具本体のくさび部を相他方の切欠段部に
嵌込み係合することによりパネル体をフランジ部間で連
結固定するもので、くさび部が斜め内側に傾斜する係合
縁を有するところからフランジ部間を引き付けて密接さ
せることによりパネル体相互を簡単に連結固定すること
ができる。

【００１１】本発明の請求項２に係るパネル体の連結金
具では、ブラケット金具の取付け基板部を切欠段部に嵌
め込まれるくさび部の受け板部として兼用することによ
り、くさび部が切欠段部から外れるのを防げると共に金
具本体を簡略化することができる。

【００１２】本発明の請求項３に係るパネル体の連結金
具では、ブラケット金具を金具本体に着脱自在に装備で
き、また、そのブラケット金具の着脱も容易に行うこと
ができる。

【００１３】本発明の請求項４に係るパネル体の連結金
具では、切曲げ片部と切欠縁部とを係合することによ
り、ブラケット金具を金具本体に正確に位置決め固定で
きてブラケット金具がフラ付く等を確実に防止すること
ができる。

【００１４】本発明の請求項５に係るパネル体の連結金
具では、各パネル体の連結途上に横桁パイプを各ブラケ
ット金具に掛渡し支持させて突片で仮止めし、その仮止
め状態でパネル体相互に不揃いな個所があれば修正した
後、横桁パイプをＵ字状の掛止め部に圧入嵌着するよう
にできるから、各パネル体を整列させて並べて横桁パイ
プで確実に支持することができる。

【００１５】

【実施例】以下、添付図面を参照して説明すれば、この
パネル体の連結金具は工事現場等の囲い壁を組み立てる
複数枚のパネル体相互をフランジ部間で連結固定するの
に用いられている。パネル体１は、図１で示すように縦
長平板状の化粧壁部１０と、その化粧壁部１０の左右に
内向きＬ字状のフランジ部１１，１２を立上げ成形する
ことにより形成されている。

【００１６】このパネル体１，１…の連結金具２，２は
相隣接するパネル体１，１…の各フランジ部１１，１２
に逆向きに取付け固定されるものを対にし、相対接する
各フランジ部１１，１２において上，中，下等の複数個
所に装備することによりパネル体１，１…をフランジ部
１１，１２間で連結固定するよう取り付けられている。
また、その連結金具２，２には複数枚連結された各パネ
ル体１，１…を背後から一連に支持する横桁パイプ３を
掛け止めるブラケット金具４が一体に組付け装備されて
いる。

【００１７】連結金具２は、図２で示すように各フラン
ジ部１１，１２の端辺部１１ａ，１２ａをくわえ込み挟
持する嵌着間隔ｇ₁ を隔て、外板部２０ａと内板部２０
ｂとから折曲げ成形された金具本体２０によって形成さ
れている。その金具本体２０の外板部２０ａは、金具本
体２０がフランジ部１１，１２の端辺部１１ａ，１２ａ
に嵌着固定された状態で側端縁が各フランジ部１１，１
２より突出位置する広幅Ｗな平板状に形成されている。

【００１８】この金具本体２０の外板部２０ａには、各
フランジ部１１，１２より突出位置する側端縁から各フ
ランジ部１１，１２の端辺部１１ａ，１２ａと相対位置
する板面までを切り欠くことにより、ほぼＬ字状のくさ
び部２１並びにくさび部２１と逆向き同形の切欠段部２
２が設けられている。くさび部２１は斜め内側に傾斜す
る係合縁２３を持ち、その係合縁２３は外板部２０ａの
側端縁とでほぼレの字状を呈するよう形成されている。

【００１９】また、外板部２０ａの外側には切欠段部２
２をフランジ部１１，１２の端辺部１１ａ，１２ａとで
段部空間として形成する受け板部４０が配設されてい
る。この受け板部４０は切欠段部２２に嵌め込まれたく
さび部２１をフランジ部１１，１２の端辺部とで押える
もので、図示実施例ではブラケット金具４を備えるとこ
ろから受け板部４０がブラケット金具４の取付け基板部
で兼用されている。

【００２０】ブラケット金具４は図３で示すような帯板
状の金属板材で形成され、図４で示すように金具本体２
０の外板部２０ａにあてがい固定される取付け基板部４
０からほぼＵ字状に弯曲成形された横桁パイプ３の掛止
め腕部４１を有する。また、このブラケット金具４には
横桁パイプ３を仮止め係止する逆さ爪状の突片４２が掛
止め部４１の自由端寄りから内側に突出させて設けられ
ている。

【００２１】そのブラケット金具４を金具本体２０に着
脱自在に装備するべく、金具本体２０にはブラケット金
具４の取付け基板部４０を金具本体２０の外板部２０ａ
との間で挟込み固定する押え片部２４ａ，２４ｂが設け
られている。この押え片部２４ａ，２４ｂは金具本体２
０の折曲縁側から金具本体２０の外板部２０ａと取付け
基板部４０の板厚に相当する間隔ｇ₂ を隔てて相対向す
るよう折り曲げられた帯状板材でなる。また、その押え
片部２４ａ，２４ｂは後述するボルト絞め用の挿通孔を
介して上下に設けられている。この押え片部２４ａ，２
４ｂを含めて、金具本体は図５で示すよう裁断成形され
た金属板材から折曲げ形成できる。

【００２２】ブラケット金具４は押え片部２４ａ，２４
ｂで位置決め装着できるよう、ブラケット金具４の取付
け基板部４０と金具本体２の押え片部２４ａ，２４ｂに
は切曲げ片部２５ａ，２５ｂと切欠縁部４３ａ，４３ｂ
が設けられている。その切曲げ片部２５ａ，２５ｂ並び
に切欠縁部４３ａ，４３ｂは半円形の切出しで形成さ
れ、また、押え片部２４ａ，２４ｂで示す如く各切出し
の向きを上下で逆にさせて設けるとよい。なお、切曲げ
片部並びに切欠縁部は金具本体２０の押え片部２４ａ，
２４ｂまたはブラケット金具４の取付け基板部４０のい
ずれに設けてもよい。

【００２３】金具本体２０並びにブラケット金具４には
パネル体１のフランジ部１１，１２に対してボルト締め
固定するべく蝶ボルト５の挿通孔２６，４４が設けら
れ、また、金具本体２の内板部２０ｂにはナット２７が
取り付けられている。

【００２４】このように構成するパネル体の連結金具
は、図６で示すようにパネル体１のフランジ部１１，１
２に設けられた蝶ボルト５の挿通孔１３ａ，１３ａ、１
４ａ，１４ａのいずれかと挿通孔２６，４４を合わせて
各フランジ部１１，１２に備え付ける。その備付けにあ
たっては、各フランジ部１１，１２の端辺部１１ａ，１
２ａを金具本体２の内外板部２０ａ，２０ｂでくわえ込
み挟持するよう各フランジ部１１，１２の端辺部１１
ａ，１２ａを金具本体２０の嵌着間隔ｇ₁ に嵌込めばよ
い。この嵌込み固定状態ではくさび部２１が各フランジ
部１１，１２から側方に突出位置し、また、相隣接する
パネル体１，１…にはくさび部２１が相逆向きに突出位
置するよう各金具本体２０が取り付けられる。

【００２５】ブラケット金具４はパネル体１，１…に対
する金具本体２０の取付け前または後に、取付け基板部
４０を金具本体２０の押え片部２４ａ，２４ｂで挟持す
るよう嵌込み間隔ｇ₂ に側方より嵌入する。その取付け
基板部４０の嵌入に伴っては切曲げ片部２５ａ，２５ｂ
と切欠縁部４３ａ，４４ｂとが噛合することにより、ブ
ラケット金具４は左右，上下にガタ付き或いは離脱しな
いよう確実に取り付けられる。これに加えて、蝶ボルト
５を内板部２０ｂのナット２７に螺着することにより、
連結金具２，２はパネル体１，１…のフランジ部１１，
１２に固定装着できる。

【００２６】この連結金具２，２並びにブラケット金具
４，４が備え付けられたパネル体１，１…を相互に連結
するときには、くさび部２１が上向きに突出するパネル
体１に対してくさび部２１が下向きに突出するパネル体
１を上から下にズラすよう組み合せる。それに伴って、
各くさび部２１が他方の切欠段部２２に嵌り込み、各係
合縁２３が相互に当り合うことにより切欠段部２２の奥
にまで嵌入する。このことから、金具相互がくさび部２
１で噛合することにより相隣接するパネル体１，１は連
結され、また、フランジ部１１，１２は隙き間が生じな
いよう密接固定される。

【００２７】ブラケット金具４に対しては、パネル体
１，１…をある程度まで連結したならば、横桁パイプ３
を掛渡し配置する。その横桁パイプ３はパネル体１，１
…の連結途上でブラケット金具４の突片４２で仮止め係
止するよう掛止め部４１に嵌め込み、各パネル体１，１
…を直線上に設置した後最終的に掛止め部４１に圧入嵌
着すると、各パネル体１，１…をバランスよく容易に設
置することができる。

【００２８】なお、ブラケット金具４はフランジ部１
１，１２の縦方向で上，中，下いずれか一個所において
他と逆向きに装備するとよい。この場合には横桁パイプ
３に対するブラケット金具４の掛止め方向を逆にできる
ため、風等の舞上がりに対してパネル体１，１…全体を
安定よく立付け設置できる。

【００２９】

【発明の効果】以上の如く、本発明に係るパネル体の連
結金具に依れば、金具自体をパネル体に簡単に取り付け
られると共に、その金具によるパネル体の連結も容易に
行えてフランジ部間を密接固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパネル体の連結金具をパネル体の
組立状態において正面から示す説明図である。

【図２】同連結金具をパネル体の組立状態において横断
面で示す説明図である。

【図３】同連結金具に取り付けられるブラケット金具を
展開平面で示す説明図である。

【図４】同連結金具を側断面で示す説明図である。

【図５】同連結金具を展開平面で示す説明図である。

【図６】同連結金具で組み立てられるパネル体の説明図
である。

【符号の説明】

１，１… パネル体 １１，１２ フランジ部 １１ａ，１２ａ フランジ部の端辺部 ２０ 金具本体 ２０ａ 金具本体の外板部 ２０ｂ 金具本体の内板部 ２１ くさび部 ２２ 切欠段部 ２３ 係合縁 ２４ａ，２４ｂ 押え片部 ２５ａ，２５ｂ 切曲げ片部 ３ 横桁パイプ ４ ブラケット金具 ４０ 取付け基板部（受け板部） ４１ 掛止め腕部 ４２ 突片

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内向きＬ字状のフランジ部が左右に立上
   げ成形されたパネル体を隣接相互のフランジ部間で連結
   固定するのに用いられるパネル体の連結金具であって、
   上記各フランジ部の端辺部をくわえ込み挟持する嵌着空
   間を隔てて外板部と内板部とから折曲げ成形された金具
   本体を有し、その金具本体の外板部は側端縁が該端辺部
   に対する嵌着固定状態で各フランジ部より側方に突出位
   置する広幅な平板でなり、この外板部には側端縁から各
   フランジ部の端辺部と相対位置する板面までを切り欠い
   て斜め内側に傾斜する係合縁を有するほぼＬ字状のくさ
   び部並びに該くさび部と逆向き同形の切欠段部を設け、
   更に、その外板部の外側には該切欠段部を各フランジ部
   の端辺部とで段部空間として形成する受け板部を備え、
   相隣接するパネル体の各フランジ部に逆向きに取付け固
   定される金具本体のくさび部を相他方の切欠段部に嵌込
   み係合させてパネル体を隣接相互のフランジ部間で連結
   固定する金具でなることを特徴とするパネル体の連結金
   具。
2. 【請求項２】 上記受け板部を金具本体に一体に組付け
   装備されるブラケット金具の取付け基板部で形成してな
   ることを特徴とする請求項１のパネル体の連結金具。
3. 【請求項３】 上記ブラケット金具の取付け基板部を金
   具本体の外板部間で挟込み固定する押え片部を金具本体
   に設けてなることを特徴とする請求項２のパネル体の連
   結金具。
4. 【請求項４】 上記ブラケット金具の取付け基板部と金
   具本体の押え片部とに互いに嵌り合う切曲げ片部と切欠
   縁部とを設けてブラケット金具を位置決め固定してなる
   請求項３のパネル体の連結金具。
5. 【請求項５】 上記ブラケット金具として取付け基板部
   からＵ字状に連続弯出する横桁パイプの掛止め腕部を有
   し、その掛止め腕部の自由端寄りから内側に突出する逆
   さ爪状の突片を有するものを装備してなることを特徴と
   する請求項２〜４のいずれかのパネル体の連結金具。