JPH06256458A - 硬化性樹脂組成物及び防水被覆工法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及び防水被覆工法

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JPH06256458A
JPH06256458A JP7516793A JP7516793A JPH06256458A JP H06256458 A JPH06256458 A JP H06256458A JP 7516793 A JP7516793 A JP 7516793A JP 7516793 A JP7516793 A JP 7516793A JP H06256458 A JPH06256458 A JP H06256458A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は水分を多く含むコンクリート及びモ
ルタル構造体との付着性に優れた防水層を形成し防水被
覆材との付着性に優れた硬化性樹脂組成物を提供するこ
とにある。 【構成】 不飽和ポリエステル樹脂及び/またはビニル
エステル樹脂(A)100重量部、イソシアネート化合
物(B)1〜100重量部、セメント(C)5〜500
重量部、必要に応じ骨材(D)10〜500重量部の混
合物に硬化反応用触媒及び硬化反応促進剤を配合してな
る硬化性樹脂組成物を防水層とする防水被覆工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートまたはモ
ルタル構造体に対して適用される新規の防水用硬化性樹
脂組成物、及びそれを用いる防水被覆工法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】コンクリート及びモルタル構造体の防水
被覆工法としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等によるシー
ト工法やコーティング工法、繊維補強材との組み合わせ
によるFRPライニング工法が主に用いられている。こ
の防水被覆工法では、これら被覆材とコンクリートまた
はモルタル構造体との付着性を高めるためにプライマー
が使用される。プライマーはウレタンやアクリル樹脂、
エポキシ樹脂等が用いられるが、いずれも水分が多いと
付着性が低下するため、コンクリートまたはモルタル構
造体の水分が多い場合には水分量が一定以下になるまで
乾燥させたり、時間がない場合には強制乾燥を行い、そ
の後にプライマーを塗布する等の付着性を改善するため
の手段が用いられている。更に、コンクリートまたはモ
ルタル構造体の表面の凹凸を平滑にし、付着性を高める
ために防水用樹脂にタルク等の充填剤を配合したパテを
使用する工法も一般的に実施されている。
【0003】このように従来の工法における樹脂被覆材
としてはそれぞれ特徴を有するが、共通する問題として
コンクリートまたはモルタル構造体が常に水分を含むた
めに付着性に不安があり、防水被覆施工前の水分量の管
理は慎重に行われているのが普通である。しかし、それ
でもコンクリートまたはモルタル構造体の水分が原因で
防水被覆材が剥離した事故例は多数発生している。まし
て水の滲み出しや、湿潤したコンクリートまたはモルタ
ル構造体の防水被覆施工は困難を極めているのが実状で
ある。従ってコンクリートまたはモルタル構造体の水分
を恐れることなく、更に湿潤面や水の滲み出す場合でも
使用できる防水被覆材料が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コンクリー
トまたはモルタル構造体に防水被覆工事を行う際、その
表面が湿潤していたり、あるいは水の滲み出す場合にお
いても硬化時間を大幅に短縮して硬化可能であり、湿潤
面との付着強度も大きく、プライマーとしてまたはプラ
イマー不用の防水被覆材の開発並びにそれを使用する防
水被覆工法の開発を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬化に際しコ
ンクリートまたはモルタル構造体の水分を有効に利用し
て硬化することのできる硬化性樹脂組成物を見いだし、
該硬化性樹脂組成物を用いることによって従来使用され
ていたプライマー及び不陸調整剤を兼ね、更に防水被覆
材との付着性に優れた防水被覆工法を完成するに到っ
た。
【0006】即ち、本発明は不飽和ポリエステル樹脂及
び/またはビニルエステル樹脂(A)100重量部、イ
ソシアネート化合物(B)1〜100重量部、セメント
(C)5〜500重量部の混合物に硬化反応用触媒及び
硬化反応促進剤を配合してなることを特徴とする硬化性
樹脂組成物および、コンクリートまたはモルタル構造体
に、不飽和ポリエステル樹脂及び/またはビニルエステ
ル樹脂(A)100重量部、イソシアネート化合物
(B)1〜100重量部、セメント(C)5〜500重
量部及び硬化反応用触媒並びに硬化反応促進剤を配合し
た硬化性樹脂組成物を被覆することを特徴とする防水被
覆工法を開発することにより上記の目的を達成した。
【0007】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明に使用する不飽和ポリエステル樹脂としては、市販さ
れている汎用不飽和ポリエステル樹脂のすべてを使用す
ることができる。いわゆるオルソ系、イソ系、ビスフェ
ノール系等の不飽和ポリエステル樹脂であるが、好まし
くは樹脂酸価が20以下の製品が良好である。該樹脂の
酸価が高いときはイソシアネートとの反応による発泡現
象の発生が見受けられる場合がある。
【0008】本発明に使用するビニルエステル樹脂とし
ては、市販されているビニルエステル樹脂製品のすべて
が使用することができる。いわゆるビスフェノール系エ
ポキシアクリレート樹脂やフェノールノボラック系エポ
キシアクリレート樹脂等と呼称されているビニルエステ
ル樹脂である。これらの樹脂の酸価も20以下が好まし
い。その理由は不飽和ポリエステル樹脂と同様である。
【0009】本発明に使用するイソシアネート化合物
(B)としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネ
ート、日本ポリウレタン社製の商品名コロネートL、コ
ロネートHL、コロネート2096等、旭化成工業社製
の商品名デュラネート24A−100等のポリイソシア
ネート等が用いられ、これらは併用しても良い。作業性
や安全衛生面からはポリイソシアネートが好ましい。
【0010】イソシアネート化合物の配合量は、不飽和
ポリエステル樹脂及び/またはビニルエステル樹脂
(A)100重量部に対し1〜100重量部の範囲で使
用される。イソシアネート化合物の配合量が1重量部よ
り少ないと、施工面に水分の多い場合には硬化性に劣
り、100重量部より多いと発泡現象が発生し易く、防
水性能に劣る結果となる。イソシアネート化合物がポリ
イソシアネートの場合、好ましくは1〜50重量部の範
囲である。
【0011】本発明に使用するセメント(C)として
は、JIS R5210に規定されるポルトランドセメ
ント、JIS R5211の高炉セメント、JIS R
5212のシリカセメント、JIS R5113のフラ
イアッシュセメント、等のセメントと称され、市販され
ているすべてが使用できる。
【0012】セメント(C)の配合量は不飽和ポリエス
テル樹脂及び/またはビニルエステル樹脂(A)100
重量部に対し5〜500重量部の範囲で使用される。セ
メントの配合量が5重量部より少ないと施工面に水分が
多い場合には硬化性が低下する。500重量部より多い
と塗布できない等の作業性に劣る結果となる。
【0013】本発明の樹脂組成物に対し、必要に応じて
使用される骨材(D)としては、パーライトや発泡ポリ
スチレンなどの軽量骨材も使用できるが、コンクリート
やモルタルに使用される砕石や硅砂、またはタルク等の
充填材が適当であり、これらは単独もしくは併用しても
良い。
【0014】必要に応じて使用される骨剤の配合量は不
飽和ポリエステル樹脂及び/またはビニルエステル樹脂
(A)100重量部に対し10〜500重量部の範囲で
使用される。骨材は防水被覆層の強度を高める必要があ
るときやコンクリートやモルタルの腐食が激しく不陸調
整を要する場合に使用すれば効果的である。骨材の配合
量が10重量部より少ないと強度の向上が少なく、50
0重量部より多いと塗布できない等の作業性に劣る結果
となる。
【0015】成分(A)、(B)、(C)、(D)の混
合物に添加される硬化反応用触媒としては有機過酸化物
であるメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソ
ブチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド
類;キュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリブチ
ルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド
類;ターシャリブチルパーオキシオクトエート、ターシ
ャリブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエス
テル類;ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオ
キサイド類;ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類等が挙げら
れ、これらは併用しても良い。
【0016】更に成分(A)、(B)、(C)、(D)
の混合物に添加される硬化反応促進剤の有機金属塩とし
ては、例えばナフテン酸、オクチル酸等のコバルト、マ
ンガン、バナジウム、銅等の金属塩が挙げられる。
【0017】さらに、ジメチルベンジルアミン等の第四
級アンモニウム塩、アセチルアセトン等のβ−ジケトン
類、ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイ
ジン等のアミン類が挙げられこれらは併用しても良い。
【0018】硬化反応用触媒と硬化反応促進剤の組み合
わせはどのような硬化反応を用いるかによって選択され
る。本発明に使用される硬化系としては硬化反応用触媒
はベンゾイルパーオキサイド、硬化反応促進剤はジメチ
ルアニリン等のアミン類の組み合わせが水分の影響を受
けにくいために好ましい選択である。
【0019】本発明の硬化性樹脂組成物をコンクリート
及びモルタル構造体に、コテ、ゴム、ヘラ、刷毛ローラ
ー等を用いて塗布、または必要に応じて不陸調整を行
う。本発明の硬化性樹脂組成物は、水分の少ないコンク
リートやモルタルの場合には選択された硬化系に従って
硬化するが、施工面が水分を多く含む場合には、水の存
在のため水分のない場合の硬化時間を大幅に短縮して硬
化するというかつてない性質を有する点にある。
【0020】本発明の硬化性樹脂組成物が硬化した後、
一般に使用されているウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等をそのま
まあるいは繊維補強材等との組み合わせて被覆施工す
る。これら上塗りの被覆施工はハンドレイアップ法やス
プレーアップ法等の公知の方法で良い。
【0021】また、本発明の硬化性樹脂組成物は、その
ままでコンクリートやモルタル等から構成された構造体
である建築物の屋根、屋上、ベランダ、床、地下構造
物、水槽等のプライマー不用の防水被覆材として使用で
きる。特に床、地下構造物、水槽等の施工面に水分が多
い構造体の防水被覆工法として有効である。
【0022】
【作用】本発明の硬化性樹脂組成物が湿潤コンクリート
またはモルタル施工面においても充分な付着力を示すこ
と及び硬化時間が水の存在下において短縮される原因は
充分な解明ができなかったが、機構的には次のごとく推
定している。
【0023】不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル
樹脂は、硬化反応用触媒と硬化反応促進剤とによるラジ
カル重合によって硬化するが、通常これらは水が数%存
在するとラジカルが失活して硬化不良あるいは全く硬化
しないことになる。
【0024】しかし、本発明の樹脂組成物においては、
セメントが水を吸収して水和反応を起こし、イソシアネ
ート化合物は水及び不飽和ポリエステル樹脂やビニルエ
ステル樹脂の水酸基とも反応し、水を消費するため、水
和反応、イソシアネートによる硬化反応と共に、通常の
ラジカル重合反応が存在するため、これらが相乗して硬
化時間が短縮されると考えている。
【0025】なお、本発明の樹脂組成物はプライマーと
してFRPライニング工法等の下地材としても使用でき
るだけでなく、そのまま防水被覆層としても使用できる
ものである。
【0026】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。なお、例中の部及び%はそれぞれ
重量部及び重量%を意味する。
【0027】
【実施例】硬化時間の測定はJIS K−6901の常
温硬化時間の測定方法に準拠した。
【0028】[塗膜の記号の説明] ○ 充分に硬化し塗膜に気泡やフクレがなく平滑であ
る。 × 未硬化、硬化不良、気泡やフクレが認められる。
【0029】(実施例1〜6、比較例1〜3)ビニルエ
ステル樹脂R−806(昭和高分子(株),ビスフェノ
ール系)100重量部にイソシアネート化合物としてコ
ロネート2096(日本ポリウレタン(株))とMDI
(ジフェニルメタンジイソシアネート)のいずれか、ポ
ルトランドセメント、充填材のタルク、または硅砂のい
ずれか、硬化系としてBPO(50%ベンゾイルパーオ
キサイド)とDMA(ジメチルアニリン)の組み合わせ
もしくはMEKPO(メチルエチルケトンパーオキサイ
ド)とCo−N(6%ナフテン酸コバルト)の組み合わ
せのいずれかを用い、更に水を用いる場合はこれを加
え、ハンドミキサーで混合して硬化時間の測定とセメン
ト板にゴムヘラで塗布した塗膜の状態を観察した。その
結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施は1及び実施例3の樹脂組成物は水を
含まない通常の配合物である。実施例2,4,5,6は
水を含む配合であるが硬化時間が通常配合物より早くな
っている。これらは水を加えたにもかかわらず塗膜状態
も良好であった。
【0032】比較例1はイソシアネート化合物を含まな
い配合であるが、この場合は1日後も硬化せず当然塗膜
も未硬化であった。比較例2はセメントを含まない配合
である。この場合は翌日になって硬化したが塗膜はベタ
ツキがあり、硬化不良の状態であった。比較例3はイソ
シアネート化合物を請求範囲を超えて配合した例だが硬
化時間は早くなった反面塗膜に気泡が無数に発生してい
た。
【0033】(実施例7〜12、比較例4〜6)ビニル
エステル樹脂RM−101C(昭和高分子(株),ビス
フェノール系)100重量部にイソシアネート化合物と
してコロネートHL(日本ポリウレタン(株))とTD
I(トリレンジイソシアネート)のいずれか、ポルトラ
ントセメント、充填材のタルクまたは硅砂のいずれか、
硬化系としてBPO(50%ベンゾイルパーオキサイ
ド)とDMA(ジメチルアニリン)の組み合わせを用
い、更に水を用いる場合はこれを加え、ハンドミキサー
で混合して硬化時間の測定とセメント板にゴムヘラで塗
布した塗膜の状態を観察した。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】実施例7及び実施例9の樹脂組成物は水を
含まない通常の配合物である。実施例8,10,11,
12は水を含む配合であるが、硬化時間が通常配合物と
同等か早くなっている。イソシアネート量とセメント量
の増減で硬化時間が若干変化することが分かる。これら
は水を加えたにもかかわらず塗膜状態も良好であった。
【0036】比較例4はイソシアネート化合物を含まな
い配合であるが、この場合は1日後も硬化せず当然塗膜
も未硬化であった。比較例5はセメントを本発明の範囲
以下の量を配合した例であるが、この場合も硬化が遅
く、翌日にはようやく硬化したが塗膜はべたつきがあり
硬化不良の状態であった。比較例6は比較例3と同様の
塗膜に無数の気泡が認められた。
【0037】(実施例13〜16、比較例7〜10)不
飽和ポリエステル樹脂157QN(昭和高分子(株),
オルソ系)100重量部にイソシアネート化合物として
コロネートHL(日本ポリウレタン(株))とデュラネ
ート24A−100(旭化成(株))のいずれか、ポル
トランドセメント、充填材のタルクまたは硅砂のいずれ
か、硬化系としてBPO(50%ベンゾイルパーオキサ
イド)とDMA(ジメチルアニリン)の組み合わせもし
くはMEKPO(メチルエチルケトンパーオキサイド)
とCo−N(6%ナフテン酸コバルト)の組み合わせの
いずれかを用い、更に水を用いる場合はこれを加え、混
合して硬化時間の測定とセメント板にゴムヘラで塗布し
た塗膜の状態を観察した。その結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】実施例13及び実施例15の樹脂組成物は
水を含まない通常の配合物である。実施例14,16は
水を含む配合であるが、硬化時間が通常配合物と同等か
早くなっている。不飽和ポリエステル樹脂の場合の硬化
系はBPOとCo−Nの組み合わせのほうが適当であ
る。これらは水を加えたにもかかわらず塗膜状態も良好
であった。
【0040】比較例7はイソシアネート化合物を含まな
い配合であるが、この場合は1日後でも硬化せず当然塗
膜も未硬化であった。比較例8はセメントを含まない配
合であるが、この場合も硬化が遅く翌日にはようやく硬
化していたが塗膜はベタツキがあり、硬化不良の状態で
あった。比較例9は比較例3と同様に塗膜に無数の気泡
が認められた。比較例10はセメントを本発明の範囲を
超えて配合した例だがセメントを混合することができな
かった。従って硬化時間の測定と塗膜状態の観察は不可
能であった。
【0041】[曲げ試験]曲げ強度、曲げ弾性率をJI
S K−7055に準拠し測定した。試験片はガラス板
のまわりに4mm厚のゴムスペーサーをおき、その中に
実施例及び比較例の硬化性樹脂組成物を流し込み硬化さ
せ作成した。結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】実施例の硬化物は水の有無にかかわらず同
等の強度を示しているが、比較例1,7は未硬化のため
測定不可能であった。その他の比較例も実施例の強度を
30%程度しか示さず、硬化が不十分であったり気泡に
よる強度の低下を表している。
【0044】[塗工性及び付着強度]地下に埋設され、
長年使用されたコンクリートピットの水を抜き洗浄後、
側面は強制乾燥後に、また底面の水の滲み出しや濡れ面
にはそのままの状態で本発明の硬化性樹脂組成物と市販
のコンクリート用プライマーを塗布し、それらが硬化し
た後、補強材としてガラス繊維を含有するビニルエステ
ル樹脂を用いFRPライニングを行った。施工時のコン
クリート面への塗工性、施工12日後の付着強度を測定
した。付着強度は接着力測定用治具を被覆体の表面にエ
ポキシ樹脂で接着しアドヒージョンテスター(エルコメ
ーター社製)を用いて測定した。その結果を表5に示
す。
【0045】
【表5】
【0046】強制乾燥後に塗布したコンクリート面への
塗工性と付着強度はいずれも異常は認められず良好であ
った。湿潤コンクリート面ではウレタンプライマーとア
クリルプライマーは表層に膜を作り浮き上がる状態を示
した。エポキシプライマーは硬化が遅いためにドライヤ
ーで加熱した。本発明の硬化性樹脂組成物は乾燥面と同
様に問題なく塗工ができた。
【0047】湿潤コンクリート面に施工したウレタンプ
ライマー及びアクリルプライマーはビニルエステル樹脂
FRPライニング被覆体の硬化時にコンクリート面から
剥離した。またエポキシプライマーはコンクリートとプ
ライマーの界面から剥離し付着強度はゼロであった。本
発明の硬化性樹脂組成物は乾燥コンクリートとの付着強
度よりは低いが使用するに充分たりうる付着強度を示し
た。
【0048】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、水分の少
ないコンクリートやモルタルの場合には選択された硬化
系に従って硬化するが、水分を多く含むコンクリート及
びモルタル構造体の場合には水分を有効に利用し通常の
硬化時間を大幅に短縮して硬化するというかつてない性
質を有する点にある。
【0049】本発明の硬化性樹脂組成物をコンクリート
及びモルタル構造体に、コテ、ゴムヘラ、刷毛ローラー
等を用いて塗布、または必要に応じて不陸調整を行い防
水被覆施工を行うことによって、コンクリート及びモル
タル構造体と防水被覆材の付着性に優れた防水被覆工法
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHU 8620−4J // C08G 18/67 NFA 8620−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂及び/またはビ
    ニルエステル樹脂(A)100重量部、イソシアネート
    化合物(B)1〜100重量部、セメント(C)5〜5
    00重量部の混合物に硬化反応用触媒及び硬化反応促進
    剤を配合してなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 コンクリートまたはモルタル構造体に、
    不飽和ポリエステル樹脂及び/またはビニルエステル樹
    脂(A)100重量部、イソシアネート化合物(B)1
    〜100重量部、セメント(C)5〜500重量部及び
    硬化反応用触媒並びに硬化反応促進剤を配合した硬化性
    樹脂組成物を被覆することを特徴とする防水被覆工法。
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