JPH06256261A - エンドセリン−1拮抗物質 - Google Patents

エンドセリン−1拮抗物質

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JPH06256261A
JPH06256261A JP4252293A JP4252293A JPH06256261A JP H06256261 A JPH06256261 A JP H06256261A JP 4252293 A JP4252293 A JP 4252293A JP 4252293 A JP4252293 A JP 4252293A JP H06256261 A JPH06256261 A JP H06256261A
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JP
Japan
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group
naocol
formula
chloroform
endothelin
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Application number
JP4252293A
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English (en)
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Aiya Satou
藹也 佐藤
Toru Watanabe
徹 渡辺
Yasuteru Iijima
康輝 飯島
Hideyuki Haruyama
英幸 春山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式Iを有するナオコール−Aなど、またはイソナオコー
ル−D1 など。(ナオコール−AはXが水酸基、Wがカ
ルボニル基、R1 ,R2 は共に水素原子、Yは基(II)
を示す。) (イソナオコール−D1 はXが水酸基、Wが基=CH−
OH、R1 ,R2 が一緒に結合して単結合を示し、Yが
基(III)を示す。) 【効果】ナオコール類などはエンドセリン−1拮抗活性
を示し、例えば高血圧、狭心症、心筋梗塞、くも膜下出
血、腎不全など、あるいは気管支喘息等の予防薬および
治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンドセリン−1拮抗物
質であるナオコール類およびイソナオコール類ならびに
これらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンドセリン−1(ET−1)は、柳沢
らにより豚大動脈内皮細胞の培養上清により単離された
21個のアミノ酸からなる血管収縮因子である(M.Yana
gisawaら、 Nature、 332巻、 411 頁;M.Yanagisawaら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86巻、2863頁 (1989年) )。
エンドセリン−1は既知の血管収縮因子の中で最も強
く、且つ持続作用を有している。そして、重篤な血管瀲
縮に関し、本態性高血圧、冠瀲縮性狭心症、急性心筋梗
塞、くも膜下出血、腎不全などの症例では有意な血中エ
ンドセリン−1濃度の上昇が認められている。またエン
ドセリン−1は、血管系以外の平滑筋にも作用し(Anne
-Charlotteら、Life Sci. 、 45 巻、 1499頁 (1989年
); Maggi ら、 Eur.J.Pharmacology 、 154巻、 277
頁 (1989年))、特に気道平滑筋に対する作用が、気管
支喘息等の閉塞性気道疾患との関連から注目されてい
る。従って、エンドセリン−1受容体を選択的に阻害す
れば、上記疾患の予防剤および治療剤となり得る。
【0003】そして、現在までエンドセリン−1拮抗物
質として知られている化合物としては例えば次のような
化合物があげられる。天然由来のペプチド性化合物とし
て、例えば微生物ストレプトミセス ミサキエンシス
(Streptomyces misakiensis)BA18257より産生
されるBE18257AおよびB(K.Kojiriら、 J.Anti
biotics、 44 巻、 1342頁(1991 年) ;M.Ihara ら、Bioc
hem.Biophy.Res.Comm.、178 巻、 132 頁(1991 年) )、
ストレプトマイセス エスピー(Streptomyces sp.) N
o.7338より産生されるWS−7338A、B、C
およびD(S.Miyataら、J.Antibiotics、 45 巻、 74頁(1
992 年) )、またはミクロビスポラ エスピー(Microb
ispora sp.)ATCC55140より産生されるコチン
ミシン(cochinmicin) I、IIおよびIII(Y.K.Tony
Lam ら、J.Antibiotics、 45 巻、 1709頁(1992 年) ; D
eborah Zink ら、J.Antibiotics、 45 巻、 1717頁(1992
年))などがある。
【0004】更に、化学合成で得られるペプチド性化合
物として、WS−7338の構造(S.Miyataら、J.Anti
biotics、 45 巻、 74頁(1992 年) )を基にして、化学合
成誘導体BQ123およびBQ153(M.Ihara ら、 L
ife Sci.、 50巻、 247 頁(1992 年) ; K.Ishikawa ら、
J.Med.Chem.、 35 巻、 2139頁(1992 年)) 、環状ペンタ
ペプチド(特開平4−261198号)などもエンドセ
リン−1拮抗物質として知られている。
【0005】また、天然由来の非ペプチド性化合物とし
て微生物ストレプトマイセス エスピー(Streptomyces
sp.) No.89009より産生されるWS009Aお
よびB(S.Miyataら、J.Antibiotics、 45 巻、 1029頁(1
992 年) ;ibid.、 45 巻、 1041頁(1992 年) )、または
微生物ペニシリウム シトリナム(Penicillium citrinu
m)FL−8556より産生されるTAN−1415Aお
よびB並びにその化学合成誘導体(特開平4−1340
48号)がエンドセリン−1拮抗物質として知られてい
る。
【0006】一方、海洋生物から数多くの生理活性物質
が得られているが、エンドセリン−1拮抗物質としては
ナオコール類、イソナオコール類が初めてである。ま
た、イソナオコール類は海洋生物、特に海藻類から得ら
れるプレニルハイドロキノン類に属するが(D.J.Faulkn
er、Natural Product Reports 、 323頁(1992 年) )、
ナオコール類はその前駆体と考えられるフェニルエーテ
ル誘導体に属し、今まで知られていない構造上また生合
成上、興味ある化合物である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはエンドセ
リン−1拮抗物質を海洋資源に求め研究を行った結果、
島根県隠岐ノ島で採集した褐藻植物ホンダワラ科ホンダ
ワラ属アキヨレモク(Sargassum autumnale )の脂溶性
エキスに強いエンドセリン−1受容体結合阻害活性を有
するナオコール類およびイソナオコール類を見出し、本
発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は式
【0009】
【化4】
【0010】を有するナオコール−A、B、C、D1
たはD2 あるいはイソナオコール−D1 またはD2 に関
する。
【0011】但し式中、ナオコール−AはXが水酸基を
示し、Wがカルボニル基を示し、R1 およびR2が共に
水素原子を示し、Yが下記の基(II)を示す。
【0012】ナオコール−BはXが水素原子を示し、W
がカルボニル基を示し、R1 およびR2 が共に水素原子
を示し、Yが下記の基(II)を示す。
【0013】ナオコール−CはXが水酸基を示し、Wが
基=CH−OHを示し、R1 およびR2 が共に水素原子
を示し、Yが下記の基(II)を示す。
【0014】ナオコール−D1 はXが水酸基を示し、W
が基=CH−OHを示し、R1 およびR2 が一緒に結合
して単結合を示し、Yが下記の基(II)を示す。
【0015】ナオコール−D2 はXが水酸基を示し、W
が基=CH−OHを示し、R1 およびR2 が一緒に結合
して単結合を示し、Yが下記の基(II)を示す。
【0016】イソナオコール−D1 はXが水酸基を示
し、Wが基=CH−OHを示し、R1 およびR2 が一緒
に結合して単結合を示し、Yが下記の基(III)を示
す。
【0017】イソナオコール−D2 はXが水酸基を示
し、Wが基=CH−OHを示し、R1 およびR2 が一緒
に結合して単結合を示し、Yが下記の基(III)を示
す。
【0018】ここに、基(II)は
【0019】
【化5】
【0020】であり、基(III)は
【0021】
【化6】
【0022】である。
【0023】ここに、ナオコール−A、B、C、D1
たはD2 あるいはイソナオコール−D1 またはD2 は、
以下の理化学的性質を有する。
【0024】(1)ナオコール−A 1)構造式
【0025】
【化7】
【0026】2)物質の性状:無色中性脂溶性油状物質 3)比旋光度:[α]D 25 −168.7 °( C 0.99、クロ
ロホルム) 4)マススペクトル(m /z):486、 454、 436、 369、 35
3、 163、 135、 83 5)分子量:486.65(高分解能マススペクトル) 6)分子式:C29 H42 O6(高分解能マススペクトル)。
【0027】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に
示す通りである。 225(6600) 、292.9(2200) 。
【0028】8)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
に示す通りである。 3450、 1730、 1705、 1610、 1590、 1495、 1460、 1410、 13
80、 1360、 1220、 1200、 1165、 1100、 920 。
【0029】9)1H- 核磁気共鳴スペクトル:重クロロ
ホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して測
定した核磁気共鳴スペクトル(400 MHz )は、次に示す
通りである。 1.05(3H、d)、 1.32(3H、m)、 1.36(3H、s)、 1.55(3H、s)、 1.
58(1H、m)、 1.72(2H、m)、 1.80(3H、s)、 1.86(3H、s)、 1.94(2H、m)、 2.
07(2H、m)、 3.58(2H、q)、 3.68(3H、s)、 4.86(1H、d)、 4.98(1H、d)、 5.
09(1H、t)、 5.17(1H、d)、 5.18(1H、d)、 6.04(1H、dd)、 6.57(1H、dd)、 6.68(1H、d)、 6.91(1H、d)。
【0030】10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重クロ
ロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して
測定した核磁気共鳴スペクトル(100 MHz )は、次に示
す通りである。 15.7(q)、 16.1(q)、 18.6(q)、 22.3(t)、 22.5(q)、 25.3
(t)、 25.9(q)、 33.6(t)、 36.4(t)、 39.4(t)、 41.3(d)、 42.0
(t)、 51.8(q)、 74.3(d)、 81.7(s)、 114.1(d)、 114.2(t)、 11
7.7(d)、 119.7(d)、 121.1(d)、 124.6(d)、 127.2(s)、 134.6(s)、
139.9(s)、 143.6(d)、 148.0(s)、 149.8(s)、 172.3(s)、 214.6(s)。
【0031】11)溶解性:メタノール、エタノール、
アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに可溶、ヘキサン
に難溶、水に不溶。
【0032】(2)ナオコール−B 1)構造式
【0033】
【化8】
【0034】2)物質の性状:無色中性脂溶性油状物質 3)比旋光度:[α]D 25 −9.7 °( C 0.96、クロロ
ホルム) 4)マススペクトル(m /z):470、 438、 369、 219、 18
2、 150、 139 5)分子量:470.65(高分解能マススペクトル) 6)分子式:C29 H42 O5(高分解能マススペクトル)。
【0035】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に
示す通りである。 227.8(8200) 、292.7(2600) 。
【0036】8)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
に示す通りである。 3600、 3350、 1730、 1705、 1600、 1495、 1435、 1410、 13
75、 1340、 1165、 1095、 990 。
【0037】9)1H- 核磁気共鳴スペクトル:重クロロ
ホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して測
定した核磁気共鳴スペクトル(400 MHz )は、次に示す
通りである。 1.06(3H、d)、 1.31(1H、m)、 1.36(3H、s)、 1.36(2H、m)、 1.
55(3H、s)、 1.62(3H、s)、 1.64(1H、m)、 1.75(2H、m)、 1.75(3H、s)、 1.
94(2H、m)、 2.10(2H、m)、 2.57(1H、m)、 3.14(2H、d)、 3.58(2H、q)、 3.
68(3H、s)、 5.10(1H、t)、 5.17(1H、d)、 5.18(1H、d)、 5.29(1H、t)、 6.
04(1H、dd)、 6.58(1H、dd)、 6.68(1H、d)、 6.91(1H、d) 。
【0038】10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重クロ
ロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して
測定した核磁気共鳴スペクトル(100 MHz )は、次に示
す通りである。 15.7(q)、 16.4(q)、 18.0(q)、 22.4(t)、 22.5(q)、 25.5
(t)、 25.7(q)、 32.6(t)、 36.3(t)、 39.6(t)、 41.0(t)、 42.1
(t)、 45.7(d)、 51.8(q)、 81.6(s)、 114.1(d)、 114.2(t)、 11
6.0(d)、 117.8(d)、 119.7(d)、 124.3(d)、 126.9(s)、 134.9(s)、
135.5(s)、 143.7(d)、 147.6(s)、 150.3(s)、 172.7(s)、 213.8(s)。
【0039】11)溶解性:メタノール、エタノール、
アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに可溶、ヘキサン
に難溶、水に不溶。
【0040】(3)ナオコール−C 1)構造式
【0041】
【化9】
【0042】2)物質の性状:無色中性脂溶性油状物質 3)比旋光度:[α]D 25 +6.3 °( C 0.71、クロロ
ホルム) 4)マススペクトル(m /z):470、 438、 4
04、 183、 182、 151、 123 5)分子量:488.66(高分解能マススペクトル) 6)分子式:C29 H44 O6(高分解能マススペクトル)。
【0043】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に
示す通りである。 228.7(5600) 、292.5(2100) 。
【0044】8)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
に示す通りである。 3600、 3350、 1730、 1600、 1495、 1435、 1410、 1370、 13
40、 1165 1100、 890 。
【0045】9)1H- 核磁気共鳴スペクトル:重クロロ
ホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して測
定した核磁気共鳴スペクトル(400 MHz )は、次に示す
通りである。 0.96(3H、d)、 1.19(1H、m)、 1.31(1H、m)、 1.35(1H、m)、 1.
37(3H、s)、 1,46(1H、m)、 1.56(3H、s)、 1.65(1H、m)、 1.73(3H、s)、 1.
75(2H、m)、 1.77(3H、s)、 1.96(2H、m)、 2.07(2H、m)、 3.45(1H、d)、 3.
58(2H、q)、 3.68(3H、s)、 4.39(1H、dd)、 5.09(1H、t)、 5.17(1H、d)、
5.18(1H、d)、 5.34(1H、d)、 6.04(1H、dd)、 6.57(1H、dd)、 6.68(1H、d)、
6.91(1H、d)。
【0046】10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重クロ
ロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して
測定した核磁気共鳴スペクトル(100 MHz )は、次に示
す通りである。 14.3(q)、 15.8(q)、 18.5(q)、 22.3(t)、 22.6(q)、 25.1
(t)、 26.0(q)、 32.9(t)、 34.2(d)、 36.3(t)、 39.8(t)、 41.9
(t)、 51.9(q)、 69.5(d)、 77.1(d)、 81.7(s)、 114.1(d)、 114.
2(t)、 117.7(d)、 119.7(d)、 123.3(d)、 124.0(d)、 127.7(s)、
135.3(s)、 138.5(s)、 143.7(d)、 148.0(s)、 149.9(s)、 172.4(s)。
【0047】11)溶解性:メタノール、エタノール、
アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに可溶、ヘキサン
に難溶、水に不溶。
【0048】(4)ナオコール−D1 1)構造式
【0049】
【化10】
【0050】2)物質の性状:無色中性脂溶性油状物質 3)比旋光度:[α]D 25 +2.6 °( C 0.76、クロロ
ホルム) 4)マススペクトル(m /z):468、 450、 369、 311、 18
9、 163 5)分子量:486.65(高分解能マススペクトル) 6)分子式:C29 H42 O6(高分解能マススペクトル)。
【0051】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に
示す通りである。 228.0(8700) 、292.6(3200) 。
【0052】8)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
に示す通りである。 3600、 3350、 1730、 1610、 1590、 1495、 1440、 1170、 11
00、 1010。
【0053】9)1H- 核磁気共鳴スペクトル:重クロロ
ホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して測
定した核磁気共鳴スペクトル(400 MHz )は、次に示す
通りである。 1.36(3H、s)、 1.58(3H、s)、 1.66(3H、s)、 1.69(2H、m)、 1.
73(3H、s)、 1.78(3H、s)、 2.00(2H、m)、 2.09(2H、m)、 2.15(2H、m)、 3.
58(2H、q)、 3.68(3H、s)、 3.87(1H、d)、 4.31(1H、dd)、 5.11(1H、t)、
5.16(1H、d)、 5.17(1H、d)、 5.19(1H、d)、 5.47(1H、t)、 6.04(1H、dd)、
6.57(1H、dd)、 6.67(1H、d)、 6.91(1H、d)。
【0054】10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重クロ
ロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して
測定した核磁気共鳴スペクトル(100 MHz )は、次に示
す通りである。 11.9(q)、 15.8(q)、 18.6(q)、 22.3(t)、 22.5(q)、 26.0
(q)、 26.0(t)、 36.3(t)、 39.1(t)、 41.9(t)、 51.8(q)、 69.3(d)、 80.2
(d)、 81.7(s)、 114.1(d)、 114.2(t)、 117.7(d)、 119.7(d)、 1
23.5(d)、 124.6(d)、 127.2(s)、 129.4(d)、 133.7(s)、 134.8(s)、
139.0(s)、 143.6(d)、 148.0(s)、 149.9(s)、 172.4(s)。
【0055】11)溶解性:メタノール、エタノール、
アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに可溶、ヘキサン
に難溶、水に不溶。
【0056】(5)ナオコール−D2 1)構造式
【0057】
【化11】
【0058】2)物質の性状:無色中性脂溶性油状物質 3)比旋光度:[α]D 25 +4.5 °( C 0.95、クロロ
ホルム) 4)マススペクトル(m /z):468、 450、 369、 351、 31
1、 189、 163 5)分子量:486.65(高分解能マススペクトル) 6)分子式:C29 H42 O6(高分解能マススペクトル)。
【0059】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に
示す通りである。 229.0(7200) 、292.1(2600) 。
【0060】8)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
に示す通りである。 3600、 3350、 1730、 1610、 1590、 1495、 1440、 1170、 11
00、 1010。
【0061】9)1H- 核磁気共鳴スペクトル:重クロロ
ホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して測
定した核磁気共鳴スペクトル(400 MHz )は、次に示す
通りである。 1.37(3H、s)、 1.57(3H、s)、 1.60(3H、s)、 1.68(3H、s)、 1.
70(2H、m)、 1.71(3H、s)、 1.99(2H、m)、 2.07(2H、m)、 2.11(2H、m)、 3.
58(2H、q)、 3.68(3H、s)、 3.81(1H、d)、 4.29(1H、dd)、 5.11(1H、t)、
5.13(1H、d)、 5.16(1H、d)、 5.18(1H、d)、 6.04(1H、dd)、 6.58(1H、dd)、 6.68(1H、d)、 6.91(1H、d)。
【0062】10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重クロ
ロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して
測定した核磁気共鳴スペクトル(100 MHz )は、次に示
す通りである。 12.4(q)、 15.8(q)、 18.5(q)、 22.4(t)、 22.6(q)、 25.9
(q)、 26.0(t)、 36.4(t)、 39.1(t)、 41.9(t)、 51.9(q)、 70.2(d)、 81.0
(d)、 81.7(s)、 114.1(d)、 114.2(t)、 117.8(d)、 119.7(d)、 1
23.6(d)、 124.4(d)、 127.1(s)、 128.7(d)、 133.7(s)、 134.8(s)、
137.7(s)、 143.6(d)、 148.0(s)、 149.9(s)、 172.5(s)。
【0063】11)溶解性:メタノール、エタノール、
アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに可溶、ヘキサン
に難溶、水に不溶。
【0064】(6)イソナオコール−D1 1)構造式
【0065】
【化12】
【0066】2)物質の性状:無色中性脂溶性油状物質 3)比旋光度:[α]D 25 +8.4 °( C 0.83、クロロ
ホルム) 4)マススペクトル(m /z):468、 436、 369、 203、 18
9、 177、 135、 85 5)分子量:486.65(高分解能マススペクトル) 6)分子式:C29 H42 O6(高分解能マススペクトル)。
【0067】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に
示す通りである。 293.0(3400) 。
【0068】8)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
に示す通りである。 3600、 3350、 1710、 1600、 1460、 1435、 1375、 1220、 11
40、 1010。
【0069】9)1H- 核磁気共鳴スペクトル:重クロロ
ホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して測
定した核磁気共鳴スペクトル(400 MHz )は、次に示す
通りである。 1.60(3H、s)、 1.66(3H、s)、 1.73(3H、s)、 1.74(3H、s)、 1.
77(3H、s)、 2.05(2H、m)、 2.13(2H、m)、 2.17(2H、m)、 2.20(2H、m)、 3.
32(2H、d)、 3.59(2H、s)、 3.73(3H、s)、 3.86(1H、d)、 4.31(1H、dd)、
5.12(1H、t)、 5.19(1H、d)、 5.34(1H、t)、 5.46(1H、t)、 6.46(1H、d)、 6.
56(1H、d)。
【0070】10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重クロ
ロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して
測定した核磁気共鳴スペクトル(100 MHz )は、次に示
す通りである。 11.8(q)、 15.8(q)、 18.6(q)、 23.4(q)、 25.7(t)、 26.1
(q)、 26.2(t)、 28.9(t)、 31.8(t)、 37.4(t)、 39.0(t)、 52.6
(q)、 69.3(d)、 80.4(d)、 115.1(d)、 116.0(d)、 121.7(s)、 12
2.6(d)、 123.4(d)、 124.6(d)、 129.9(d)、 131.0(s)、 133.5(s)、
134.8(s)、 137.4(s)、 139.5(s)、 146.6(s)、 149.3(s)、 174.0(s)。
【0071】11)溶解性:メタノール、エタノール、
アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに可溶、ヘキサン
に難溶、水に不溶。
【0072】(7)イソナオコール−D2 1)構造式
【0073】
【化13】
【0074】2)物質の性状:無色中性脂溶性油状物質 3)比旋光度:[α]D 25 +8.6 °( C 2.89、クロロ
ホルム) 4)マススペクトル(m /z):468、 436、 369、 235、 18
9、 163、 135、 85 5)分子量:486.65(高分解能マススペクトル) 6)分子式:C29 H42 O6(高分解能マススペクトル)。
【0075】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に
示す通りである。 293.9(3100) 。
【0076】8)赤外線吸収スペクトル:νmax
−1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
に示す通りである。 3600、 3350、 1710、 1600、 1
460、 1435、 1375、 1340、 12
20、 1140、 1100、 1010。
【0077】9)1H- 核磁気共鳴スペクトル:重クロロ
ホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して測
定した核磁気共鳴スペクトル(400 MHz )は、次に示す
通りである。 1.59(3H、s)、 1.65(3H、s)、 1.74(3H、s)、 1.77(3H、s)、 1.
78(3H、s)、 2.01(2H、m)、 2.12(2H、m)、 2.15(2H、m)、 2.17(2H、m)、 3.
33(2H、d)、 3.60(2H、s)、 3.73(3H、s)、 3.85(1H、d)、 4.30(1H、dd)、
5.10(1H、t)、 5.20(1H、d)、 5.29(1H、t)、 5.46(1H、t)、 6.46(1H、d)、 6.
56(1H、d)。
【0078】10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重クロ
ロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用して
測定した核磁気共鳴スペクトル(100 MHz )は、次に示
す通りである。 11.8(q)、 15.9(q)、 18.6(q)、 23.4(q)、 26.1(q)、 26.1
(t)、 26.2(t)、 29.1(t)、 37.3(t)、 39.1(t)、 39.5(t)、 52.6
(q)、 69.3(d)、 80.4(d)、 115.1(d)、 116.0(d)、 121.7(s)、 12
2.1(d)、 123.5(d)、 124.4(d)、 130.0(d)、 130.7(s)、 133.5(s)、
134.8(s)、 137.2(s)、 139.4(s)、 146.7(s)、 149.3(s)、 174.0(s)。
【0079】11)溶解性:メタノール、エタノール、
アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに可溶、ヘキサン
に難溶、水に不溶。
【0080】本発明の前記一般式 (I) を有する化合物
は薬理上許容される無毒性の塩の形で使用することもで
きる。そのような塩としては、例えばナトリウム、カリ
ウムのようなアルカリ金属;カルシウムのようなアルカ
リ土類金属;リジン、アルギニンのような塩基性アミノ
酸;との塩をあげることができる。
【0081】なお、本発明の前記一般式 (I) を有する
ナオコール類およびイソナオコール類は種々の立体異性
体を有する。前記一般式 (I) においては、これらの異
性体およびこれらの異性体の混合物が全て単一の式で示
されている。従って、本発明においてはこれらの異性体
及びこれらの異性体の混合物をも全て含むものである。
【0082】本発明のナオコール類およびイソナオコー
ル類は褐藻植物ホンダワラ科ホンダワラ属アキヨレモク
を抽出することによって得られる。抽出は一般動植物で
行われている方法に準じて行われる。即ち、採集したア
キヨレモクを水洗、乾燥、粉砕した後、メタノール、エ
タノールのようなアルコール類、酢酸エチルのようなエ
ステル類、メチレンクロリド、クロロホルムのようなハ
ロゲン化炭化水素類、トルエンのような芳香族炭化水素
類などの有機溶剤を単独またはそれらの組み合わせを用
いて、抽出を行うことによりナオコール類およびイソナ
オコール類を含む抽出液を得ることができる。
【0083】得られた抽出液よりナオコール類およびイ
ソナオコール類を分離、精製するには、例えばシリカゲ
ル、フロリジル(半井化学(株)社製)のような担体を
用いる吸着クロマトグラフィー;オクタデシル化または
オクチル化されたシリカゲルのような担体に用いる逆相
クロマトグラフィー;アビセル(旭化成工業(株)社
製)のようなセルロースやセファデックスLH-20 、セフ
ァデックスHP-20 (ファルマシア社製)のような担体を
用いる分配クロマトグラフィー;あるいはナオコール類
およびイソナオコール類と混在する不純物との溶媒に対
する分配率の差を利用した抽出法;などがあげられる。
【0084】以上の分離、精製法を単独または適宜組み
合わせて反復して行うことより、目的のナオコール類お
よびイソナオコール類の純品を得ることができる。
【0085】本発明のナオコール類およびイソナオコー
ル類は、エンドセリン−1拮抗作用を有し、血圧降下剤
としての使用はもとより、狭心症、心筋梗塞、腎不全、
気管支喘息等の予防薬または治療薬として用いられる。
【0086】本発明の前記一般式(I) を有する化合物は
種々の形態で投与される。その投与形態としては例えば
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による
経口投与または注射剤(静脈内、筋肉内、皮下)、点滴
剤、坐剤等による非経口投与をあげることができる。こ
れらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁
剤、コーティング剤等の医薬の製剤技術分野において通
常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することがで
きる。その使用量は症状、年令、体重、投与方法および
剤型等によって異なるが通常は成人に対して 1 日 1 m
g 乃至 1000mg を投与することができる。
【0087】
【実施例】以下に実施例および試験例をあげて本発明を
更に具体的に説明する。
【0088】実施例1.島根県隠岐ノ島で採集した褐藻
植物ホンダワラ科ホンダワラ属アキヨレモクを水洗、風
乾、粉砕して得られた粉末 3.5 kg をメタノール 30
リットルを用いて3回抽出操作を行った。得られた抽
出液より減圧下メタノールを留去して得られた残渣を酢
酸エチル 5 リットルに溶解した。これを水洗、乾燥
後、減圧下で酢酸エチルを留去して得られたエキス 17
3 g をn−ヘキサン 2 リットルおよび 90 %含水メ
タノール 5 リットルを用いて分配した。n−ヘキサン
可溶部は水洗、乾燥後、減圧下でn−ヘキサンを留去し
て暗緑色油状物質 132 g が得られた。 90 %含水メ
タノール可溶部は減圧下で溶剤を留去することにより黒
褐色油状物質 140 g が得られた。得られた画分につ
いては、宮田らの方法(J.Antibiotics, 45巻、 74頁(199
2 年))に従いエンドセリン−1のリセプターへの結合に
対する阻害作用を測定した結果、n−ヘキサン画分には
活性が認められず、 90 %含水メタノール画分にの
み、活性が認められた。この分画について、上記結合阻
害作用を指標にして更に分画、精製を続けた。
【0089】即ち、90 %含水メタノール画分 120 g
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=
Art.9893、メルク社製、230 〜 400 メッシュ、1.2 k
g)において、n−ヘキサン、酢酸エチル、メタノール
の混合溶媒を用いて分画した。即ち、フラクション番号
1.の 20 %酢酸エチル/n−ヘキサン分画 32.87
g、フラクション番号2.の 30 %酢酸エチル/n−ヘ
キサン分画 9.94 g 、フラクション番号3.の 30 〜
40 %酢酸エチル/n−ヘキサン分画 15.01 g 、フラ
クション番号4.の 40 〜 50 %酢酸エチル/n−ヘキ
サン分画 30.90 g、フラクション番号5.の 50 〜 60
%酢酸エチル/n−ヘキサン分画 11.30g 、フラクシ
ョン番号6.の 60 〜 100%酢酸エチル/n−ヘキサン
分画 26.55 g 、フラクション番号7.の 酢酸エチル
分画 7.51 g、フラクション番号8.の 10 〜 30 %酢
酸エチル/n−ヘキサン分画 12.14 g の8分画に分
けた。
【0090】これらの分画において、比活性の一番高い
フラクション番号4.の一部 1.093g を逆相ローバーカ
ラムクロマトグラフィー(カラム=RP−18、B サイズ、
メルク社製:溶出液= 80 %含水メタノール)で精製
し、更に高速液体カラムクロマトグラフィー(カラム=
SENSHU PAK Si-5251-S、20φ× 250mm、センシュウ科学
社製:溶出液=4 %イソプロピルアルコール/n−ヘキ
サン:流速= 20 ml/分)で保持時間 20 〜21分の分画
を分取するとナオコール−A 35.3 mgが得られた。
【0091】次に、フラクション番号2.で得られた
9.94 g をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル=Art.9893、メルク社製、230 〜 400 メッシ
ュ)に付して 25 %酢酸エチル/n−ヘキサン、クロロ
ホルム、 25 %アセトン/n−ヘキサンを用いて 3 回
分画した後、逆相ローバーカラムクロマトグラフィー
(カラム=RP−18、B サイズ、メルク社製:溶出液= 8
5 %含水メタノール)で精製するとナオコール−B 19
3.6 mg が得られた。
【0092】次に、フラクション番号6.で得られた
24.25 g をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル=Art.9893、メルク社製、230 〜 400 メッシ
ュ、800 g :溶出液= 2.5%メタノール/クロロホル
ム)を用いて分画し、極性の低い順にイソナオコール−
1 およびD2 を含む分画 1.32 g 、ナオコール−C
を含む分画 19.36 g 、ナオコール−D2 を含む分画
1.02 g が得られた。ナオコール−Cを含む分画は更に
高速液体カラムクロマトグラフィー(カラム=DELTA PA
K C-18、ウォータース社製:溶出液=50 %含水アセト
ニトリル:流速=100 ml /分)で保持時間 30 〜36
分の分画を分取した。次いで、これを更に逆相ローバー
カラムクロマトグラフィー(カラム=RP−18、C サイ
ズ、メルク社製:溶出液= 60 〜70%含水アセトニトリ
ル)で精製するとナオコール−C80.5 mg が得られ
た。
【0093】次に、フラクション番号6.で得られた
1.82 g を逆相ローバーカラムクロマトグラフィー(カ
ラム=RP−18、C サイズ、メルク社製:溶出液= 75 %
含水メタノール)、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル=Art.9893、メルク社製、230 〜 400
メッシュ、20 g:溶出液= 15 %イソプロピルアルコー
ル/n−ヘキサン)、次いで更に逆相ローバーカラムク
ロマトグラフィー(カラム=RP−18、B サイズ、メルク
社製:溶出液= 50 %含水アセトニトリル)で精製する
とナオコール−D1 151.6 mg が得られた。
【0094】イソナオコール−D1 およびD2 を含む分
画 1.32 g は逆相ローバーカラムクロマトグラフィー
(カラム=RP−18、C サイズ、メルク社製:溶出液= 5
0 %含水アセトニトリル)、次いで高速液体カラムクロ
マトグラフィー(カラム=SENSHU PAK NO2-5251-N 、20
φ× 250mm、センシュウ科学社製:溶出液=10 %イソ
プロピルアルコール/n−ヘキサン:流速= 20 ml/
分)で保持時間 40 〜41分の分画を分取するとイソナオ
コール−D1 36.0 mg が得られた。同様に、保持時間
42 〜44 分の分画を分取するとイソナオコール−D2
40.0 mgが得られた。
【0095】ナオコール−D2 を含む分画 1.02 g は
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=Ar
t.9893、メルク社製、230 〜 400 メッシュ、30 g:溶
出液= 2 %メタノール/クロロホルム)、次いで逆相
ローバーカラムクロマトグラフィー(カラム=RP−18、
B サイズ、メルク社製:溶出液= 55 %含水アセトニト
リル)で精製するとナオコール−D2 175 mg が得られ
た。
【0096】試験例1.エンドセリン−1拮抗活性 エンドセリン−1拮抗活性は S.Miyata らの方法(J.An
tibiotics、 45 巻、 74頁( 1992 年))に準じて測定し
た。即ち、125 I−エンドセリン−1をリガンドとした
受容体結合反応によりナオコール類およびイソナオコー
ル類の阻害活性を測定した。
【0097】1)ウシ大動脈由来の受容体の調製法 ウシ大動脈由来の受容体は S.Miyata らの方法(J.Anti
biotics、 45 巻、 74頁( 1992 年))に準じて調製し
た。
【0098】即ち、ウシ大動脈 100 g より脂肪を除
き、細かくした後、0.25 M ショ糖、10mMTris-HCl、0.
1 mM MEDTAを含む緩衝液(200 ml、pH 7.5)を加えて、
ポリトロンホモジナイザー(PT10/35 、Kinematica社
製)を用いて 30 秒で 3 回ホモジナイズした。ホモジ
ネートを 4 ℃、10、000 G にて 20 分間遠心した。
上清を再度同じ条件で遠心した。この上清を 4 ℃、10
0、000 G で 60 分間更に遠心した。得られた沈殿物を
結合反応用緩衝液 50 ml(50 mM Tris-HCl、 100 mM Na
Cl、5 mM MgCl2、 0.01 % PMSF 、1 %バシトラミン、
0.1%ロイペプチン、 0.05 %キモスタチン、 0.1 %
ウシ血清アルブミン)中に懸濁した。これをリセプター
を含む膜画分として、使用時まで −100 ℃ で凍結保
存した。
【0099】2)ブタ肺由来の受容体の調製法 ブタ肺膜画分は、米国のアマシャム社より市販品(エン
ドセリンリセプターSPA システム、NK−8783)を購入し
た。
【0100】3)受容体結合反応 受容体結合反応は S.Miyata らの方法(J.Antibiotics、
45 巻、 74頁( 1992 年))に準じて行った。
【0101】即ち、ラジオリガンドとして125 I−エン
ドセリン−1(81.4 TBq/mM 、Dupont社製)370 Bq を
各膜画分(20 μl )および各検体を上記結合反応用緩
衝液(最終体積 150 μl )に加え、25 ℃ にて 18
0 分間攪拌した。セルハーベスター(PHD 、 Cambridge
Technology 社製)を用いてガラス繊維ろ紙(CF/C、Wh
atman 社製)でろ過して反応を止めた。沈殿物を 10 m
M Tris-HCl 緩衝液400 μl (pH 7.5 )で 6 回洗浄
し、フィルター上に残存するアイソトープ量をガンマー
カウンター(Crystal Pachard 社製)にて測定した。な
お、非特異的結合量は 1 μM の非放射性エンドセリ
ン−1を添加することにより測定した。
【0102】このようにして測定したナオコール類およ
びイソナオコール類のエンドセリン−1拮抗活性を表1
に示す。
【0103】
【表1】拮抗活性(IC50、μM) ─────────────────────────────────── ウシ大動脈由来の受容体 ブタ肺由来の受容体 ─────────────────────────────────── ナオコール−A 76.1 21.6 ナオコール−B 89.3 23.4 ナオコール−C 82.3 27.1 ナオコール−D1 100.8 29.4 ナオコール−D2 78.1 27.7 イソナオコール−D1 112.7 18.5 イソナオコール−D2 100.0 19.1 ─────────────────────────────────── 表1から明らかの如く、ナオコール−A、B、C、D1
およびD2 並びにイソナオコール−D1 およびD2 は優
れたエンドセリン−1拮抗活性を示した。
【0104】
【発明の効果】本発明のナオコール類およびイソナオコ
ール類は優れたエンドセリン−1拮抗作用を示した。
【0105】従って、本発明のナオコール類およびイソ
ナオコール類は重篤な血管障害に関する症状、例えば高
血圧、狭心症、心筋梗塞、くも膜下出血、腎不全など、
あるいは気管支喘息等の予防薬および治療薬として有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/732 Z 9279−4H (72)発明者 春山 英幸 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 【化1】 を有するナオコール−A、B、C、D1 またはD2 ある
    いはイソナオコール−D1 またはD2 。但し式中、ナオ
    コール−AはXが水酸基を示し、Wがカルボニル基を示
    し、R1 およびR2が共に水素原子を示し、Yが下記の
    基(II)を示す。ナオコール−BはXが水素原子を示
    し、Wがカルボニル基を示し、R1 およびR2 が共に水
    素原子を示し、Yが下記の基(II)を示す。ナオコー
    ル−CはXが水酸基を示し、Wが基=CH−OHを示
    し、R1 およびR2 が共に水素原子を示し、Yが下記の
    基(II)を示す。ナオコール−D1 はXが水酸基を示
    し、Wが基=CH−OHを示し、R1 およびR2 が一緒
    に結合して単結合を示し、Yが下記の基(II)を示
    す。ナオコール−D2 はXが水酸基を示し、Wが基=C
    H−OHを示し、R1 およびR2 が一緒に結合して単結
    合を示し、Yが下記の基(II)を示す。イソナオコー
    ル−D1 はXが水酸基を示し、Wが基=CH−OHを示
    し、R1 およびR2 が一緒に結合して単結合を示し、Y
    が下記の基(III)を示す。イソナオコール−D2
    Xが水酸基を示し、Wが基=CH−OHを示し、R1
    よびR2 が一緒に結合して単結合を示し、Yが下記の基
    (III)を示す。ここに、基(II)は 【化2】 であり、基(III)は 【化3】 である。
  2. 【請求項2】褐藻植物ホンダワラ科ホンダワラ属に属す
    る藻類から[請求項1]記載のナオコール類および/ま
    たはイソナオコール類を単離することからなるナオコー
    ル類および/またはイソナオコール類の製造法。
  3. 【請求項3】褐藻植物ホンダワラ科ホンダワラ属に属す
    る藻類がアキヨレモクである[請求項1]記載の製造
    法。
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