JPH06256047A - 製鋼スラグの分別方法および装置 - Google Patents

製鋼スラグの分別方法および装置

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JPH06256047A
JPH06256047A JP5042989A JP4298993A JPH06256047A JP H06256047 A JPH06256047 A JP H06256047A JP 5042989 A JP5042989 A JP 5042989A JP 4298993 A JP4298993 A JP 4298993A JP H06256047 A JPH06256047 A JP H06256047A
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cooling water
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和弘 堀井
Yasuo Obana
保雄 尾花
Satoshi Tabuchi
敏 田淵
Shinji Matsuo
慎二 松尾
Tsukasa Kashiwabara
司 柏原
Toshiaki Kudo
俊昭 工藤
Tetsuo Imi
哲生 伊美
Sumihiro Hori
純啓 堀
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    • C04B5/00Treatment of  metallurgical  slag ; Artificial stone from molten  metallurgical  slag 
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C21B2400/022Methods of cooling or quenching molten slag
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、製鋼スラグを鉄分と非鉄分とに分
別する方法および装置に関し、密閉した圧力容器内での
散水によるスラグ急冷プロセスを利用して、製鋼スラグ
を鉄分と非鉄分とに効率的に分別することを目的とす
る。 【構成】 溶融状態の製鋼スラグをスラグパン上または
土場に放流して固化させ、これを機械的な打撃により粗
破砕して得た高温の粗破砕スラグ塊を、密閉した圧力容
器内で上方から冷却水を散水し、冷却水と高温スラグと
の接触により発生した水蒸気により、圧力容器内を3.50
≧P0.6 ×T0.4 ≧1.48,(P≦15,T≦1)で規定される
範囲内の水蒸気圧力(P)と処理時間(T)の関係に維
持して、冷却水による急冷と水和によるスラグ膨張とに
より上記粗破砕スラグ塊を更に破砕して細粒スラグ塊と
し、これを磁力選鉱して鉄分と非鉄分とに分離するよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼スラグを鉄分と非
鉄分とに分別する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製鋼スラグ処理は、(1)溶融ス
ラグを固化する固化工程、(2)固化したスラグを10
0℃程度まで冷却する冷却工程、(3)磁力選鉱に適し
た粒度に破砕する細粒化工程、(4)磁力選鉱による鉄
分/スラグ(非鉄分)の分別工程、および(5)ヤード
エージングによる安定化工程によって行われている。
【0003】例えば、従来の典型的な製鋼スラグ処理に
おいては、上記各工程は具体的には以下のように行われ
る。 (1)固化工程:まずスラグを土場または鉄板上に放流
し、土場の場合で1〜2日間、鉄板上では数十分間放冷
して固化させ、形成された一体の固形塊を上方からスラ
グポット等で打撃して直径数百mm程度に破砕する(一
次破砕)。
【0004】(2)冷却工程:一次破砕塊に散水し例え
ば1時間程度で300℃程度まで冷却(一次冷却)した
後、例えば積載容量30t程度の排滓台車上に排出し、
この台車上で再度散水して通常は十数分程度で100℃
程度まで冷却(二次冷却)し、次に台車から水冷ピット
内に排出して通常は数時間から数十時間放置(ピット冷
却)する。ピット水冷後、乾燥および放冷のためヤード
に移送し貯鉱する。
【0005】ここで、スラグ塊は内部に地鉄が分散して
含有されており、路盤材等に適した製品スラグ組成を得
るためばかりでなく、鉄分を有効に回収しリサイクルす
るためにも、両者を分別する必要がある。そのために
は、スラグ塊を破砕して両者を機械的に分離した後、磁
力選鉱を行うことにより、磁力に反応する鉄分と反応し
ない純然たるスラグ部分とを分別する。ここで、破砕後
のスラグ塊中にも地鉄は残留しており、スラグ塊中の鉄
分をより少なくするには、破砕による細粒化をより促進
する必要がある。
【0006】(3)細粒化工程:上記のヤード貯鉱で十
分に乾燥および冷却された一次破砕塊は、打刻機(「ペ
ッカー」等と通称される)により大きなスラグ塊と鉄塊
とを分離した状態にして、篩分別器(「グリズリー」等
と通称される)にかけ、塊寸法をある程度以下に抑えて
から、ロッドミル等の適当な破砕機により適度な粒度ま
で破砕する(二次破砕)。ヤード貯鉱からこの二次破砕
までの処理に、通常は丸一昼夜(24時間)程度を要す
る。
【0007】(4)分別工程:二次破砕した後、磁力選
鉱によりスラグ分と鉄分を分別する。その後、鉄分につ
いては品位向上のために、通常は更に乾式あるいは湿式
の磨鉱を行い粒度を揃える。磁力選鉱および磨鉱には通
常は60分程度を要する。 (5)エージング工程:エージングヤードに移して保管
し、水和反応を進行させて安定化させた後、路盤材等の
各用途に供する。通常、このエージング期間として12
カ月〜36カ月を要する。
【0008】このように、スラグ処理は非常に多くの工
程と多大な時間とを要する上、各処理工程に膨大な敷地
を必要とするという生産効率およびコスト上の問題があ
るばかりでなく、固化から一次冷却(300℃程度)ま
での高温期間には熱間作業を強いられ、その後の破砕、
移送、磁力選鉱の各段階では多量の粉塵発生下での作業
になり、労働環境の観点からも問題があった。
【0009】これに対して、本出願人らは特開昭55−
110703号公報(特公昭58−55093)におい
て、特に上記(2)の冷却時間の短縮および作業環境の
改善および(5)のエージング期間の短縮のために、工
程(1)で得られた一次破砕塊を密閉容器内で散水し、
発生する高圧水蒸気と高温雰囲気を利用してスラグの冷
却と水和反応促進とを行う方法を提案した。
【0010】しかしこの方法では、例え長時間の処理を
しても水和反応促進効果が少ない上、破砕効果は全く得
られないため、上記問題を解消する効果はあまり得られ
なかった。また、特公昭52−44721号公報には、
500℃以上の顕熱を有する転炉滓を水を加えた高圧容
器内の投入して密閉し、転炉滓顕熱により水を高圧蒸気
にとして、高圧蒸気中で3〜15時間の処理を行う方法
が開示されている。
【0011】しかしこの方法は、蒸気雰囲気中で処理す
るためスラグの冷却に長時間を要し、冷却速度が遅いた
め熱衝撃によるスラグ破砕効果が得られないという欠点
があった。そこで更に本出願人は特願平第4−9769
9号において、上記密閉容器内での散水速度および水蒸
気圧力と処理時間との関係を限定することにより、単に
冷却水との接触による水和反応を誘起するだけでなく、
急冷をより有効に利用して破砕効果をも誘起し、破砕の
促進により水和反応をも更に促進する方法を提案した。
この方法によれば、水和反応と破砕とが連鎖反応的に進
行する相乗効果により、上記固化後の(2)冷却工程お
よび(3)細粒化工程が、密閉した容器内で合計数十分
程度で完了するので、生産性および労働環境が飛躍的に
向上する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のスラ
グ急冷プロセスを利用して、製鋼スラグを鉄分と非鉄分
とに効率的に分別する方法および装置を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、溶融状態の製鋼スラグをスラグパン上又は土場
に放流して固化させる工程、上記固化したスラグを機械
的な打撃により粗破砕して高温の粗破砕スラグ塊を得る
工程、上記粗破砕スラグ塊を、上部が開放された中子容
器内に充填して圧力容器内に装入し、該圧力容器を密閉
した後、上記スラグ塊に上方から冷却水を散水し、冷却
水と高温スラグとの接触により発生した水蒸気により、
該圧力容器内を下記式(1): 3.50≧P0.6 ×T0.4 ≧1.48 …(1) P≦15,T≦1 但し、P:水蒸気圧力(kg/cm2 )、T:処理時間
(hr)で規定される範囲内の水蒸気圧力(P)と処理
時間(T)の関係に維持して、冷却水による急冷と水和
によるスラグ膨張とにより上記粗破砕スラグ塊を更に破
砕し、下記磁力選鉱に適した粒度の細粒スラグ塊を得る
工程、および上記細粒スラグ塊を磁力選鉱して鉄分と非
鉄分とに分離する工程を行うことを特徴とする製鋼スラ
グの分別方法。
【0014】圧力容器中で粗破砕スラグ塊に上方から散
水して細粒化するためには、散水により粗破砕スラグ塊
を中子容器内に水没させるか、または水没させずに散水
速度を5〜30ton/hrm2 として下方へ排水する
ことができる。用いる粗破砕スラグ塊の温度が200℃
以上であれことが望ましい。また、所定処理時間
(T 0 )で細粒化処理を完了するのに要する下限の水蒸
気圧力(P0 )を式(1)から予め求めておき、処理中
に圧力容器内の水蒸気圧力がこの下限値以下になった
ら、冷却水とは別に圧力容器に水蒸気を供給することが
できる。中子容器内の粗破砕スラグの充填高さは0.5
〜4m程度が適当である。
【0015】本発明の製鋼スラグ分別装置は、溶融状態
の製鋼スラグを受け入れて、固化させるためのスラグパ
ン又は土場、上記スラグパン又は土場上の固化したスラ
グを粗破砕して高温の粗破砕スラグ塊にする機械的な打
撃手段、上記粗破砕スラグ塊を、上部が開放された中子
容器内に充填して圧力容器内に装入し、該圧力容器を密
閉した後、上記スラグ塊に上方から冷却水を散水し、冷
却水と高温スラグとの接触により発生した水蒸気によ
り、該圧力容器内を下記式(1): 3.50≧P0.6 ×T0.4 ≧1.48 …(1) P≦15,T≦1 但し、P:水蒸気圧力(kg/cm2 )、T:処理時間
(hr)で規定される範囲内の水蒸気圧力(P)と処理
時間(T)の関係に維持して、冷却水による急冷と水和
によるスラグ膨張とにより上記粗破砕スラグ塊を更に破
砕し、下記磁力選鉱機に適した粒度の細粒スラグ塊にす
る圧力容器、および上記細粒スラグ塊を鉄分と非鉄分と
に磁気的に分離するための磁力選鉱機を備えたことを特
徴とする。
【0016】
【作用】本発明においては、圧力容器内で散水し、急冷
による熱衝撃および水和反応による膨張によって粗破砕
スラグ塊を細粒化し、得られた細粒スラグ塊を直接磁力
選鉱するので、コンパクトな処理装置で十分足りるため
広大な敷地を必要とせず、密閉した容器内で処理するた
め作業環境中へ粉塵や高熱を放出することがなく、高温
からの冷却(従来工程(2))と細粒化(従来工程
(3))とを同時に且つ短時間で行うことができ、次の
磁力選鉱により鉄分と非鉄分を効率良く分離することが
できる。
【0017】製鋼スラグ中には遊離CaOが存在し、水
と反応して下記式に示す水和反応を起こす。 CaO+H2 O=Ca(OH)2 右辺の反応生成物Ca(OH)2 は左辺のCaOよりも
密度が低いため、この水和反応により膨張が起こる。し
たがってスラグを路盤材等の用途に供するには、この水
和反応を十分に進行させ安定化する必要がある。
【0018】本発明においては水蒸気圧力(P)と処理
時間(T)の関係を式(1)の範囲に限定したことによ
り、スラグの自己破砕を誘起し、それが水和反応を更に
促進する。すなわち、自己破砕によりスラグ中の遊離C
aOとH2 Oとの接触面積が広がり、水和反応に関与す
る両者の絶対量が増加し、結局スラグ全体としての水和
反応の進行が促進される。
【0019】上記水和反応は発熱反応でもあるので、冷
却により平衡は上記式の右辺寄りすなわち水和進行側に
移行するが、スラグ温度が低くなり過ぎると反応速度自
体は遅くなる。本発明において水蒸気を高圧に保持する
ことは、高圧によってスラグ水和反応が右辺寄りに進行
する反応速度向上だけでなく、飽和水蒸気温度の維持に
より水和反応に最適なスラグ温度を維持するという作用
もある。
【0020】中子容器内の粗破砕スラグを上方からの散
水によりに水没させる場合には散水速度は特に限定する
必要はなく、式(1)の範囲の水蒸気圧力とスラグの水
没状態が維持できる範囲であればよい。水没させず、散
水中に粗破砕スラグ充填層下方から排水する場合には、
散水速度を5〜30ton/hrm2 の範囲にするのが
望ましい。散水速度を5ton/hrm2 以上とするこ
とにより、中子容器内の粗破砕スラグ充填層の冷却水流
下偏流を紡糸し均一に冷却水をかけることができる。し
かし、散水速度を30ton/hrm2 より大きくして
も、上記の均一散水効果はそれ以上向上せず、却って圧
力容器内の水蒸気温度を低下させてしまう。
【0021】圧力容器内部で発生する水蒸気だけでは規
定範囲の水蒸気圧力を維持できなくなった場合には、冷
却水の供給とは別に外部から水蒸気を補給して規定範囲
内の圧力を維持することができる。図1に、本発明によ
る高温製鋼スラグ処理工程(同図(A))を従来方法の
工程(同図(B))と対比して示す。図中、各工程の典
型的な所要時間を工程名の右に付記した。本発明によれ
ば、従来固化・一次破砕後から磁力選鉱前までに必要と
した一連の工程すなわち一次冷却・二次冷却・ピット冷
却・ヤード貯鉱・大塊地金分離・二次破砕の全工程を、
圧力容器内での急水冷という単一工程で短時間に且つ外
囲環境への高温放射および粉塵汚染も無く、効果的に行
うことができる。すなわち、固化・一次破砕後に本発明
の処理を行うことにより、磁力選鉱工程に適した粒度ま
で細粒化することができる。
【0022】更に、高圧水蒸気での水和促進により、最
終的なヤードエージングに要する期間を大幅に短縮する
ことができる。以下に、実施例により本発明を更に詳細
に説明する。
【0023】
【実施例】図2にを参照して本発明の方法によるスラグ
処理工程の一例を説明する。 例えば転炉等の製鋼炉から排出された高温の溶融ス
ラグを、排滓鍋1に入れてクレーン2により搬送し、例
えば鉄板製のスラグパン3上に放流する。放流される高
温スラグを同図中に参照符号4で示す。
【0024】 放流されたスラグ4が固化した後、例
えば排滓鍋1を降下させて固化スラグ4を打撃し、粗破
砕を行う。 得られた粗破砕スラグを適当な上部開放型中子容器
に充填して密閉容器式のタンク5内に装入し、タンク5
内で上方からの散水により(1)式の圧力・時間条件範
囲内で急冷・破砕を行い、細粒スラグ塊を得る。
【0025】 得られた細粒スラグ塊6を磁力選鉱機
7にかけて鉄分/非鉄分を分離する。 上記細粒化工程から磁力選鉱工程に移る前に、必要
に応じて適当な篩分別器により大塊スラグを除去するこ
とができる。図3に、細粒化工程を行うための処理装
置の一例を示す。
【0026】固化した粗破砕スラグ塊11を内部に収容
する中子容器12は、上部が開放され底部12Aが目皿
になっている容器である。中子容器12を内部に収容す
る圧力容器13は、上部の密閉蓋13Aを開放して中子
容器12の搬入・搬出を行い、処理実行時にはこれを閉
鎖することにより外部に対して圧力容器13を密閉した
状態にする。圧力容器13の上部にはこの密閉扉13A
を介して冷却水28の供給を受ける注水ノズル4が下方
に向かって開口している。また圧力容器13の側面上部
には補助加圧用水蒸気の供給口15が設けてある。更
に、圧力容器13の下部側面には余剰水蒸気の排出口1
6が、底部には余剰水の排出口17がそれぞれ設けてあ
る。更に、圧力容器13と中子容器12の間隙には、水
蒸気排出口16より上方にシール材29を設け、中子容
器12内で発生した水蒸気は必ず中子容器底部目皿12
Aを通過する構造とする。
【0027】また、粗破砕スラグ塊11を内部に収容し
た中子容器12は、適当なクレーン等の搬出入手段(図
示せず)により、圧力容器13へ搬入し圧力容器13か
ら搬出される。圧力容器13内の水蒸気圧力(P)は、
圧力容器の側面上部に取り付けた圧力計18によって検
知される。
【0028】このようにして検知された水蒸気圧力と所
定処理時間との関係が式(1)を満たすように、圧力過
剰時は圧力調整弁19が作動し、圧力不足時は補助加圧
用水蒸気供給用の流量調整弁20がマニュアルまたは自
動で作動する。注水ノズル14への冷却水は、給水タン
ク21からポンプ22を経て流量調整弁23を介して供
給される。
【0029】余剰の水蒸気(排蒸気)は排出口16から
ドレーンタンク24に導かれ、規定水蒸気圧力および処
理時間の関係を満たすように初期設定された圧力調整弁
19を経て蒸気放散塔25から外部環境中へ放出され
る。排蒸気を外部環境中へ放出する代わりに冷却水28
中に放出し、冷却水温度を高めるようにしてもよい。補
助加圧用水蒸気は、適当な工場配管26等から圧力調整
弁27を介し流量調整弁20を通って圧力容器13内に
必要に応じ供給される。
【0030】図3の装置を用いて工程のスラグ冷却お
よび細粒化処理を行う典型的な手順は下記の通りであ
る。固化・粗破砕(一次破砕)後の高温製鋼スラグ11
を中子容器12内に例えば高さ1mに充填する。本発明
の処理は、固化した高温スラグの温度が200℃以上で
あれば効果が得られる。スラグ充填高さは0.5〜4m
となるようにすると、中子容器内での冷却水の偏流を防
止し冷却を均一に行う上で有利である。密閉蓋13Aを
開放して、上記スラグが充填された中子容器12を圧力
容器13内に装入する。密閉蓋13Aを閉じて圧力容器
13内を密閉状態にした後、ポンプ22と流量調整弁2
3を作動させて給水タンク21から注水ノズル14へ冷
却水28を供給し、圧力容器13内の中子容器12に充
填されたスラグ11に上方から散水する。注入された冷
却水は高温スラグと接触して水蒸気となり圧力容器13
内を高圧化する。また、圧力容器13と中子容器12と
間はシール材29により封鎖されており水蒸気が通過で
きないので、上方から順次発生した水蒸気は圧力容器1
3内の圧力を上昇させると同時に、圧力容器13内上下
の差圧により上方から下方へ移動する。この際、水蒸気
と同時に冷却水があたかも水蒸気に押されるごとく中子
容器12内を下方へ移動促進させられるため、中子容器
12内充填スラグ11中の冷却水流下が促進され、大き
な偏流防止効果が得られる。中子容器内の水は底部目皿
12Aを通して圧力容器3の底部に流れ落ち、水蒸気と
共に配管16を通ってドレーンタンク24に達し、ここ
で気水分離される。圧力容器13内の水は、急冷処理終
了後に開閉弁30を開放することにより、余剰水排水口
17から排出される。
【0031】圧力容器13内の圧力は、圧力計18で検
知され、圧力過剰時は圧力調整弁19の作動により、圧
力不足時は補助加圧用水蒸気の流量調整弁20の作動
(マニュアルまたは自動)により規定範囲内になるよう
に調整される。例えば、所定処理時間(T0 )で処理を
完了するのに要する下限の水蒸気圧力(P0 )を式
(1)から予め求めておき、処理中に圧力容器内の水蒸
気圧力がこの下限値以下になったら、補助加圧用水蒸気
を供給する。なお安全のため、圧力容器13には安全弁
(図示せず)を設けることができる。
【0032】また、本実施例ではスラグを充填した中子
容器を圧力容器の上方から装入・排出する例について説
明したが、圧力容器側部に密閉蓋を設け、スラグを充填
した中子容器を水平方向に装入・排出する構造とした場
合にも同様に実施することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
密閉タンク内で散水により行うスラグ急冷プロセスを利
用して、製鋼スラグを鉄分と非鉄分とに効率的に分別す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高温製鋼スラグ処理の典型的手順
を従来の方法と対比して示すフローチャートである。
【図2】本発明の高温製鋼スラグ処理工程の一例を示す
工程図である。
【図3】本発明の方法に用いるスラグ急冷装置を示す配
置図である。
【符号の説明】
1…排滓鍋 2…クレーン 3…スラグパン 4…高温スラグ4 5…密閉容器式のタンク 6…細粒スラグ塊 11…固化した高温の製鋼スラグ 12…中子容器(上部が開放された底付き容器) 13…圧力容器 13A…圧力容器13上部の密閉蓋 14…注水ノズル 15…補助加圧用水蒸気の供給口 16…余剰水蒸気の排出口 17…余剰水分の排出口 18…圧力計 19…圧力調整弁 20…補助加圧用水蒸気供給用の流量調整弁 21…給水タンク 22…ポンプ 23…流量調整弁 24…ドレーンタンク 25…蒸気放散塔 26…工場配管 27…圧力調整弁 28…冷却水 29…シール材 30…開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 慎二 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 柏原 司 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 工藤 俊昭 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 伊美 哲生 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 堀 純啓 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態の製鋼スラグをスラグパン上又
    は土場に放流して固化させる工程、 上記固化したスラグを機械的な打撃により粗破砕して高
    温の粗破砕スラグ塊を得る工程、 上記粗破砕スラグ塊を、上部が開放された中子容器内に
    充填して圧力容器内に装入し、該圧力容器を密閉した
    後、上記スラグ塊に上方から冷却水を散水し、冷却水と
    高温スラグとの接触により発生した水蒸気により、該圧
    力容器内を下記式(1): 3.50≧P0.6 ×T0.4 ≧1.48 …(1) P≦15,T≦1 但し、P:水蒸気圧力(kg/cm2 )、T:処理時間
    (hr)で規定される範囲内の水蒸気圧力(P)と処理
    時間(T)の関係に維持して、冷却水による急冷と水和
    によるスラグ膨張とにより上記粗破砕スラグ塊を更に破
    砕し、下記磁力選鉱に適した粒度の細粒スラグ塊を得る
    工程、および上記細粒スラグ塊を磁力選鉱して鉄分と非
    鉄分とに分離する工程を行うことを特徴とする製鋼スラ
    グの分別方法。
  2. 【請求項2】 前記細粒化工程において、前記散水によ
    り粗破砕スラグ塊を前記中子容器内に水没させるか、ま
    たは水没させずに散水速度を5〜30ton/hrm2
    として下方へ排水することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記散水による急冷処理開始時の前記粗
    破砕スラグ塊の温度が200℃以上であることを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 所定処理時間(T0 )で前記処理を完了
    するのに要する下限の水蒸気圧力(P0 )を前記式
    (1)から予め求めておき、前記処理中に前記圧力容器
    内の水蒸気圧力がこの下限値以下になったら、前記冷却
    水とは別に前記圧力容器に水蒸気を供給することを特徴
    とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記固化した高温スラグを前記中子容器
    内に高さ0.5〜4mとなるように充填することを特徴
    とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 溶融状態の製鋼スラグを受け入れて固化
    させるためのスラグパン又は土場、 上記スラグパン又は土場上の固化したスラグを粗破砕し
    て高温の粗破砕スラグ塊にする機械的な打撃手段、 上記粗破砕スラグ塊を、上部が開放された中子容器内に
    充填して圧力容器内に装入し、該圧力容器を密閉した
    後、上記スラグ塊に上方から冷却水を散水し、冷却水と
    高温スラグとの接触により発生した水蒸気により、該圧
    力容器内を下記式(1): 3.50≧P0.6 ×T0.4 ≧1.48 …(1) P≦15,T≦1 但し、P:水蒸気圧力(kg/cm2 )、T:処理時間
    (hr)で規定される範囲内の水蒸気圧力(P)と処理
    時間(T)の関係に維持して、冷却水による急冷と水和
    によるスラグ膨張とにより上記粗破砕スラグ塊を更に破
    砕し、下記磁力選鉱機に適した粒度の細粒スラグ塊にす
    る圧力容器、および上記細粒スラグ塊を鉄分と非鉄分と
    に磁気的に分離するための磁力選鉱機を備えたことを特
    徴とする製鋼スラグの分別装置。
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