JP7448033B2 - 粒状凝固スラグの製造方法およびその製造設備列 - Google Patents

粒状凝固スラグの製造方法およびその製造設備列 Download PDF

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Description

本発明は、粒状凝固スラグの製造方法およびこの製造に好適な製造設備列に関する。
例えば、高炉法による製鉄プロセスでは、鉄鋼製品の副産物として大量のスラグが発生する。一般に、このスラグは、水砕処理や蒸気エージング処理などにより品質制御を行った上で商品化されている。すなわち、高炉スラグの大半は、水砕処理され、高炉水砕スラグとしてセメント向け原料として使用される。また、製鋼スラグについては、予め蒸気エージング処理により遊離酸化カルシウム(f-CaO)の水和膨張を促進させた後に、路盤材向けなどの用途で使用されている。
一方、近年の二酸化炭素(CO)排出削減の観点から、スラグの新たな価値が着目されている。例えば、溶融スラグは約1.8GJ/t-slagの熱を保有しており、スラグから熱回収を行うことにより、省エネルギー化によるCOの削減が期待されている。また、スラグ中のf-CaOの炭酸化についても、COの固定化技術の1つとして期待されている。しかしながら、これらのスラグ処理方法は、上記スラグを商品化するためのプロセスと両立しない場合が多く、実用化には多くの課題を有する。
溶融スラグが保有する熱を回収するプロセスとして、例えば特許文献1には、鋳型を用いて高炉スラグを板状に凝固させ、次いで板状の凝固スラグを熱間破砕した後、破砕した凝固スラグをスラグの熱回収設備に充填してスラグが保有する熱を回収する方法が記載されている。この方法によれば、スラグの熱回収による省エネルギー効果が得られると共に、スラグ商品として低吸水率かつ耐磨耗性に優れた緻密な骨材を製造することができる。
一方、スラグ中のf-CaOを炭酸化するプロセスとして、例えば特許文献2には、スラグ中のCaを酸液を用いた湿式処理で抽出した後、COと反応させて炭酸化し、COを固定化する方法が記載されている。また、特許文献3および特許文献4には、凝固した高温の製鋼スラグに散水して製鋼スラグに対して蒸気エージング処理を施す際に、COを供給して、製鋼スラグに含まれるf-CaOを炭酸化する方法が記載されている。
特開2014-85064号公報 特開2005-97072号公報 特開平6-158124号公報 特開平8-259282号公報
特許文献1に記載された方法においては、鋳型を用いて作製された凝固スラグは緻密で強度が高いため、凝固スラグを熱間破砕することが難しい。凝固スラグの熱間破砕を十分に行うことができない場合には、破砕後の凝固スラグが粗粒化してスラグの総表面積が小さくなるため、スラグからの熱回収を効率的に行うことができない。
特許文献2に記載された方法では、SiO、Al等を含むCa抽出残渣が多量に発生する。酸液を用いた湿式処理後の抽出残渣は、通常は粒状にはならないため、路盤材などの製品として使用することができない。
特許文献3および特許文献4に記載された方法について、特許文献3および特許文献4には、蒸気エージング処理および炭酸化処理を効率的に行うための熱間でのスラグ粒子のサイズの調整方法については詳しく開示されていない。そのため、例えばスラグが比較的大きな塊状であり、スラグの質量に対するスラグの総表面積が小さい場合には、蒸気エージング処理および炭酸化処理に時間を要し、蒸気エージング処理および炭酸化処理を効率的に行うことができない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、凝固スラグに対する熱回収処理、蒸気エージング処理、炭酸化処理などのスラグ処理を効率的に行うことができる粒状凝固スラグの製造方法および粒状凝固スラグの製造設備列を提案することにある。
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[1]鋳型内に溶融スラグおよび固形物を供給し、前記鋳型内において前記固形物相互間の隙間を前記溶融スラグで満たした状態にて前記溶融スラグの凝固を進行させて混合凝固物を作製する混合凝固物作製工程と、
前記混合凝固物を粒状に破砕して混合破砕物を作製する破砕工程と、
前記混合破砕物を粒度または材質に応じて複数の混合破砕物群に分離して粒状凝固スラグを得る分離工程と、
を含むことを特徴とする、粒状凝固スラグの製造方法。
[2]前記混合凝固物作製工程は、前記溶融スラグおよび前記固形物を供給した後、前記固形物を前記鋳型の底部に向かって押し込む押込工程をさらに含む、前記[1]に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[3]前記複数の混合破砕物群のうち、比較的粒度の低い粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して熱回収処理を施す第1のスラグ熱回収処理工程をさらに含む、前記[1]または[2]に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[4]前記複数の混合破砕物群のうち、比較的粒度の低い粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して水蒸気を供給して蒸気エージング処理を施す蒸気エージング処理工程をさらに含む、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[5]前記複数の混合破砕物群のうち、比較的粒度の低い粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して炭酸ガスを供給して炭酸化処理を施す炭酸化処理工程をさらに含む、前記[1]~[4]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[6]前記炭酸化処理工程において、前記炭酸ガスと水蒸気との混合ガスを供給する、前記[5]に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[7]前記複数の混合破砕物群のうち、比較的粒度の高い粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して熱回収処理を施す第2のスラグ熱回収処理工程をさらに含む、前記[1]~[6]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[8]前記第2のスラグ熱回収工程において熱回収処理が施された、比較的粒度の高い前記粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物の一部または全てを、前記混合凝固物作製工程において前記固形物として再利用する固形物リサイクル工程をさらに含む、前記[7]に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[9]前記混合凝固物作製工程において作製する前記混合凝固物の凝固厚を、100mm以下とする、前記[1]~[8]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[10]前記混合凝固物作製工程において、前記固形物を固形スラグとする、前記[1]~[9]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[11]前記混合凝固物作製工程において、前記固形物を、前記溶融スラグの融点以上の融点を有する金属粒子とする、前記[1]~[9]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[12]前記混合凝固物作製工程において、前記鋳型内に粒度または材質の異なる2種類以上の前記固形物を供給する、前記[1]~[9]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[13]前記混合凝固物作製工程と前記破砕工程との間に、前記混合凝固物を粒度または材質ごとに分離する熱間分離工程をさらに有する、前記[1]~[12]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
[14]鋳型内に溶融スラグを供給する溶融スラグ供給装置および、前記鋳型内に固形物を供給する固形物供給装置を有する混合凝固物作製設備と、
前記混合凝固物作製設備にて作製される混合凝固物を破砕して混合破砕物を作製する破砕設備と、前記混合凝固物を粒度または材質に応じて複数の混合破砕物群に分離して粒状凝固スラグを得る分離設備と、を備えることを特徴とする粒状凝固スラグの製造設備列。
[15]前記混合凝固物作製設備は、前記溶融スラグおよび固形物が供給された前記鋳型に対して前記固形物の押し込みを行う圧下装置を有する、前記[14]に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
[16]前記鋳型は、底部に隆起部を有する、前記[14]または[15]に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
[17]前記破砕設備は、前記混合凝固物を破砕するための回転体を有する、前記[14]~[16]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
[18]前記分離設備の下流側に、比較的粒度の低い粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物の熱を回収する第1のスラグ処理設備を有する、前記[14]~[17]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
[19]前記分離設備の下流側に、比較的粒度の低い粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に水蒸気を供給して蒸気エージングを行う水蒸気供給装置を有する、前記[14]~[18]のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
[20]前記分離設備の下流側に、比較的粒度の低い粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に炭酸ガスを供給して炭酸化処理を行う炭酸ガス供給装置を有する、前記[14]~[19]のいずれかに記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
[21]前記分離設備の下流側に、比較的粒度の高い粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物の熱を回収する第2のスラグ処理設備を有する、前記[14]~[20]のいずれかに記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
[22]前記第2のスラグ処理設備と前記固形物供給装置との間に、前記熱回収処理を行った混合破砕物の一部または全てを前記固形物供給装置へ搬送するための搬送路を有する、前記[21]に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
本発明によれば、凝固スラグに対する熱回収処理、蒸気エージング処理、炭酸化処理などのスラグ処理を効率的に行うことができる。
粒状凝固スラグの粒径と熱回収率との関係を示す図である。 粒状凝固スラグの粒径と二酸化炭素の固定量との関係を示す図である。 本発明による粒状凝固スラグの製造設備列の好適な一例を示す図である。 図3とは異なる構成を有する固液スラグ混合凝固設備を示す図である。 圧下装置を有する固液スラグ混合凝固設備を示す図である。 鋳型の底部形状を示す図である。 本発明による粒状凝固スラグの製造設備列の好適な別の例を示す図である。 本発明による粒状凝固スラグの製造設備列の好適なさらに別の例を示す図である。 本発明による粒状凝固スラグの製造設備列の好適なさらにまた別の例を示す図である。 本発明による混合凝固物作製設備において、2種類の固形物を鋳型に供給する例を示す図である。 本発明による混合凝固物作製設備において、2種類の固形物を鋳型に供給する別の例を示す図である。 本発明による混合凝固物作製設備において、2種類の固形物を鋳型に供給する際の鋳型の底部形状の例を示す図である。 本発明による、2種類の固形物を鋳型に供給する粒状凝固スラグの製造設備列の好適な例を示す図である。 本発明による、2種類の固形物を鋳型に供給する粒状凝固スラグの製造設備列の好適な別の例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本発明による粒状凝固スラグの製造方法は、鋳型内に溶融スラグおよび固形物を供給し、鋳型内において固形物相互間の隙間を溶融スラグで満たした状態にて溶融スラグの凝固を進行させて混合凝固物を作製する混合凝固物作製工程と、混合凝固物を粒状に破砕して混合破砕物を作製する破砕工程と、混合破砕物を粒度または材質に応じて複数の混合破砕物群に分離して粒状凝固スラグを得る分離工程とを含むことを特徴とする。
本発明者らは、熱回収処理、蒸気エージング処理、炭酸化処理などのスラグ処理を効率的に行うことができる粒状凝固スラグを製造する方途について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、凝固スラグを作製するに当り、鋳型内に、溶融スラグおよび固形スラグ(固形物)を供給して固液混合凝固スラグ(混合凝固物)を作製することによって、溶融スラグが凝固した凝固域および/または固形スラグ(固形物)に亀裂を発生させることが、その後の熱間破砕を簡便に行うのに極めて有効であることを知見した。
しかしながら、上述のように作製した固液混合凝固スラグ(混合凝固物)においては、亀裂の発生および進展箇所が一様でないため、単一粒度での造粒が難しい。そのため、粒度分布の大きい粒状凝固スラグに対してそのままスラグ処理を施すと、比較的粒度の高い粗粒のスラグの処理に必要な時間が工程上の制約となり、スラグに対して効率的にスラグ処理を施すことができず、処理設備が大型化してしまう。
すなわち、例えば高温の粒状凝固スラグをスラグ充填槽に充填して熱回収を行う場合、図1に示す粒状凝固スラグの粒径と熱回収率との関係から明らかなように、粒状凝固スラグの粒径が大きくなるほど(すなわち、粗粒であるほど)スラグの総表面積(すなわち、伝熱面積)が減少して熱回収ガスの温度が低下し、熱回収率が低くなる。なお、図1は、ISIJ International, Vol. 55 (2015), No. 10, pp. 2258-2265に記載されたスラグ充填槽の非定常伝熱モデルを用いて、スラグ充填槽の内径を3.5m、スラグ充填量を90t、スラグ初期温度を1100℃、熱回収ガスの流通量を50kNm/h、処理時間を4hとしてスラグの熱回収シミュレーションを行って得られたものである。その際、熱回収率は、熱回収ガスの総熱量のうち、100℃以上の熱量を利用可能な回収熱として算出した。
また、上記スラグの熱回収と同様に、蒸気エージング処理や炭酸化処理などのスラグ安定化処理についても、粒状凝固スラグの粒径が大きいほど(すなわち、粗粒ほど)粒状凝固スラグの内部までf-CaOの水和反応および炭酸化反応を進行させるのに長時間を要する。そのため、粒状凝固スラグの粒径が大きい粗粒スラグと粒径が小さな細粒スラグとが混在している場合、処理時間が一様にならない。
図2は、粒状凝固スラグの粒径とCOの固定量、すなわちスラグの炭酸化量との関係を示している。なお、図2は、粒径が0~60mmの製鋼スラグ300gを120℃まで加熱した後、CO濃度25%のCO-水蒸気混合ガスを24時間流通させた際のCO固定量を示している。また、CO固定量は、CO-水蒸気混合ガス流通後のスラグの熱重量測定(TG)により得られた重量変化曲線から算出した。図2から明らかなように、粒状凝固スラグの粒径が大きくなるにつれてCO固定量が少なくなっており、粗粒スラグであるほど炭酸化処理が進行しにくいことが分かる。従って、品質保証の観点では、細粒スラグと粗粒スラグとが混合した混合スラグの場合には、粗粒スラグに対する処理時間により、スラグ全体の処理時間が決まるため、非効率な処理となる。
そこで、本発明者らは、固液混合凝固スラグ(混合凝固物)を熱間破砕して作製された粒状凝固スラグに対して、スラグ処理を効率的に施すことができる方途について鋭意検討した。その結果、上述のように作製した粒状凝固スラグを、粒度または材質に応じて複数の混合破砕物群に分離し、混合破砕物群ごとに、独立して粒状凝固スラグに対してスラグ処理を施すことが可能な状態にすることが極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
図3は、本発明による粒状凝固スラグの製造方法に用いる製造設備列の好適な一例を示している。図3に示した粒状凝固スラグの製造設備列は、鋳型1内に固形スラグS1を供給する固形スラグ供給装置2と、鋳型1内に溶融スラグS2を供給する溶融スラグ供給装置3とを有する固液スラグ混合凝固設備4と、この固液スラグ混合凝固設備4にて作製される固液混合凝固スラグSを破砕して粒状凝固スラグSgを作製するスラグ破砕設備5と、粒状凝固スラグSgを粒度に応じて複数の粒状スラグ群に分級するスラグ分級設備7と、スラグ分級設備7の下流側に、比較的粒度の低い粒状スラグ群の粒状凝固スラグSsの熱を回収するスラグ熱回収設備8(第1のスラグ熱回収設備8A)と、比較的粒度の高い粒状スラグ群の粒状凝固スラグSiの熱を回収するスラグ熱回収設備8(第2のスラグ熱回収設備8B)とを備える。なお、本実施形態において「分級」とは、粒状凝固スラグSgを粒度に応じて分離することを指し、分離の一形態である。
この製造設備列において、鋳型1は、固形スラグS1および溶融スラグS2を収容する凹部を有し、図示しないライン上を水平移動する。まず、鋳型1に、固形スラグ供給装置2から固形スラグS1を供給したのち、鋳型1に溶融スラグ供給装置3から溶融スラグS2を供給し、鋳型1内において溶融スラグS2の凝固を進行させて固液混合凝固スラグSを作製する(凝固スラグ作製工程)。
固形スラグS1としては、後述するように、固形スラグS1および溶融スラグS2を鋳型に供給して凝固させた固液混合凝固スラグSの一部を再利用したものや、別の製造方法にて製造された凝固スラグなど、目的とするスラグ品質に応じて適宜選択可能である。
上述の手順に代えて、図4に示す固液スラグ混合凝固設備4を備える別の製造設備列を用いて、鋳型1に、溶融スラグ供給装置3から溶融スラグS2を供給したのち、固形スラグ供給装置2から固形スラグS1を供給し、鋳型1内において溶融スラグS2の凝固を行ってもよい。
なお、図3および図4において、固形スラグ供給装置2は、固形スラグS1を収容し所定量を切り出すホッパー2aと、ホッパー2aで切り出された固形スラグS1を鋳型1内に誘導するためのスラグ樋2bとを備えている。同様に、溶融スラグ供給装置3は、溶融スラグS2を収容し傾動することによって溶融スラグS2を供給する傾動鍋3aと、傾動鍋3aから供給された溶融スラグS2を鋳型1に注ぐためのスラグ樋3bとを備えている。いずれの装置も図示例に限定されず、固形スラグS1および溶融スラグS2の所定量での供給を行うことができれば構成は問わない。
ちなみに、上記した図3に示した固液スラグ混合凝固設備4を用いる方法は、用いる鋳型1が比較的小さい場合に特に有効である。一方、鋳型1が比較的大きい場合には、溶融スラグS2供給時のスラグ流量が大きくなると、事前に装入した固形スラグS1が溶融スラグS2の流れにより押し流されて鋳型1内に均一に分散配置できなくなる場合も想定される。したがって、大型の鋳型1を用いる場合には、鋳型1内に先に溶融スラグS2を供給した後に、固形スラグS1を装入する、図4に示した固液スラグ混合凝固設備4を用いる方法が好適である。なお、図示しないが、固形スラグ供給装置2および溶融スラグ供給装置3を、固形スラグS1および溶融スラグS2を鋳型1内に同時に供給可能に配置して、固形スラグS1および溶融スラグS2を鋳型1内に同時に供給してもよい。
上記いずれの方法においても、鋳型1内に、固形スラグS1および溶融スラグS2を供給したのち、当該鋳型1内において、固形スラグS1相互間の隙間を溶融スラグS2で満たした状態にて該溶融スラグS2の凝固を進行させて該凝固域に亀裂を導入することが肝要である。
すなわち、常温に近い固形スラグS1と約1600℃の溶融スラグS2とでは温度差が極めて大きい。そのため、溶融スラグS2と固形スラグS1とを混合して凝固させると、溶融スラグS2が凝固した凝固スラグの内部に大きな熱応力が発生し、亀裂の発生が促進される。また、凝固スラグは冷却により熱収縮するのに対し、固形スラグS1は加熱により熱膨張する。そのため、体積変化に伴う亀裂の発生も促進される。更に、溶融スラグが凝固した凝固スラグと固形スラグS1との境界部では、結晶界面の不整合が生じる。そのため、凝固スラグと固形スラグS1との境界部は、溶融スラグS2のみを凝固させた凝固スラグに比べると亀裂が進展し易い。以上の相乗効果により、固形スラグS1と溶融スラグS2とを混合して凝固させて作製された固液混合凝固スラグSは、溶融スラグS2のみを凝固させた凝固スラグと比べて熱間破砕し易いため、簡易的な破砕処理により粒状化が可能となる。
上記の相乗効果を確実に発揮させるには、例えば、図3および図4に示すように、鋳型1内において固形スラグS1の積層数を制限(図示例は単層)し、この固形スラグS1の層内に溶融スラグS2を配置して凝固を進行させることによって、上記した相乗効果を確実に現出させて、当該凝固中に亀裂を導入することが有利である。
ここに、鋳型1内に供給する固形スラグS1は、固液混合凝固スラグSを容易に破砕できるようにするため、好ましくは凝固厚の3/4以上の層厚になるまで供給することが好ましい。なぜなら、本発明では固形スラグS1と凝固スラグとの界面近傍に生じる亀裂をスラグ破砕処理における破壊の起点とするため、固形スラグS1の層厚が固液混合凝固スラグSの層厚に比べて薄くなると、凝固スラグ内部に破壊の起点となる亀裂が生じない領域が多くなり、スラグへの破砕処理が困難になるためである。
また、固形スラグS1の粒径は、凝固厚の3/4以上の粒径を有する固形スラグS1を1層のみ供給する方法が最も好ましいが、それ以下の粒径である固形スラグS1を用いて複層化して供給してもよい。但し、固形スラグS1の粒径が小さくなり過ぎると、溶融スラグS2が固形スラグS1の間隙に浸透し難くなり、更に、凝固スラグと固形スラグS1との境界部に生じる亀裂も、固液混合凝固スラグSの厚さ方向に対して進展し難くなる。したがって、固形スラグS1を複層化して供給する場合には、鋳型1内の固形スラグS1が3層以下程度になるように固形スラグS1の粒径を調整する。固形スラグS1と凝固スラグの固液比については、固液混合凝固スラグSが容易に破砕可能であれば特に制限はされない。しかし、例えば高炉スラグのようにSiOが多いスラグの場合には、固形スラグS1が溶融スラグS2に対して多過ぎると、固形スラグS1と鋳型1による急冷作用により凝固スラグが一部ガラス化する可能性がある。そのため、固形スラグS1の供給量を抑えて、凝固スラグの冷却速度および凝固完了後のスラグ温度を調整してもよい。
上述した特許文献1に記載の方法では、凝固厚が大きくなると鋳型への熱負荷が大きくなるが、本発明による設備を用いると、固形スラグS1に伝わる熱量分だけ鋳型1への熱負荷が小さくなるため、鋳型1の熱負荷低減という観点においても好適である。
なお、本発明において、「亀裂」とは、固形スラグS1相互の間隙に浸透した溶融スラグS2が凝固する際に、固形スラグS1による急冷効果や、固形スラグS1と溶融スラグS2との熱収縮および/または熱膨張の差により、溶融スラグS2の凝固域と固形スラグS1との界面近傍に熱応力が生じることによって発生する局所的な亀裂である。この亀裂は、凝固スラグ内部の熱応力を緩和する形で進展し、主には固形スラグS1相互の間隙の凝固域において、固形スラグS1間を橋渡しするような形態で5~20mm程度の長さで発生するが、この熱応力は固形スラグS1側にも作用するため、固形スラグS1側に亀裂が発生する場合もある。いずれにしても、凝固域および/または固形スラグS1に亀裂を導入することによって、割れの起点を形成しておくことが肝要である。
上述のように溶融スラグS2の凝固域に亀裂を導入しておけば、固形スラグS1および溶融スラグS2が混合後に凝固した固液混合凝固スラグSを、その後のスラグ破砕設備5において簡便に粒状に破砕することができる。すなわち、上記に従って固液スラグを混合凝固させた固液混合凝固スラグSは、溶融スラグのみを供給して凝固させた従前の凝固スラグに比べて割れ易いため、簡易的な破砕により粒状化が可能である。
なお、図5に示すように、特に上記した図4の固液スラグ混合凝固設備4を用いた手順において、固形スラグS1および溶融スラグS2をそれぞれ供給した後に、圧下装置6を用いて、固形スラグS1を鋳型1の底部に向かって押し込む(押込工程)ことが、以下の点で有利である。すなわち、溶融スラグS2を鋳型1で凝固させる際、溶融スラグS2の温度が非常に高温であるため、溶融スラグS2の表面が大気により急冷されて凝固層が形成される。鋳型1に供給された溶融スラグS2の表面に凝固層が形成される前に固形スラグS1の供給が完了していれば問題はないが、固形スラグS1の供給に先立って凝固層が形成されてしまうと、固形スラグS1の自重のみで固形スラグS1を鋳型1内に装入することが難しくなる。そのため、図5に示すように、固形スラグ供給装置2の下流側に圧下装置6を設け、鋳型1内に溶融スラグS2を供給した後に、鋳型1内に固形スラグS1を供給する。そして圧下装置6により固形スラグS1を鋳型1の底部方向へ圧下することによって、固形スラグS1を確実に鋳型1内の溶融スラグS2層内に装入する。なお、溶融スラグS2表面の凝固層が成長するに従い固形スラグS1の押し込みが難しくなる。そのため、圧下装置6による固形スラグS1の圧下を凝固層が成長する前の比較的早い段階で実施できるように、圧下装置6は、固形スラグ供給装置2に近接して配置することが望ましい。
上記圧下装置6としては、上下1軸のみで昇降する圧下装置や、鋳型1の水平移動に合わせて移動または揺動しながら昇降する多軸型の圧下装置を適用できるが、これに限られない。
さらに、鋳型1は、図6に示すように、底部に複数の隆起部1aを有することが、次の点で有利である。すなわち、鋳型1の底部の複数の隆起部1aにより固形スラグS1を支持することにより、固形スラグS1が溶融スラグS2供給時のスラグ流により押し流されるのを防止することができる。また、隆起部1a自体が鋳型1深さ方向の凝固厚tを局所的に小さくする効果もあるため、固液混合凝固スラグSの破砕時に有効に作用する。なお、隆起部1aは鋳型1の底部から隆起する部分が僅かでもあれば、上記した作用を発揮するが、隆起部1aの形状が先鋭だと熱応力が高くなり鋳型1を損傷させる懸念がある。そのため、隆起部1aは、固形スラグS1を支持可能な高さで且つ比較的なだらかな隆起部形状として、等間隔に固形スラグS1が分配される形状とすることが好ましい。
次に、鋳型1を反転させて固液混合凝固スラグSを鋳型1から剥離させた後、スラグ破砕設備5により、上述のように作製した固液混合凝固スラグSを破砕して粒状凝固スラグSgを作製する(スラグ破砕工程)。上述のように、固液混合凝固スラグSは、溶融スラグS2のみを凝固させた凝固スラグと比べて破砕し易いため、簡易的な破砕により固液混合凝固スラグSの粒状化が可能である。固液混合凝固スラグSを鋳型1から取り出したのち粒状に破砕するためのスラグ破砕設備5としては、図3に示すような固液混合凝固スラグSに衝突による衝撃力を与えて固液混合凝固スラグSを破砕する回転体5aを用いることができるが、これに限られない。
続いて、スラグ分級設備7により、上述のように作製された粒状凝固スラグSgを、粒度に応じて複数の粒状スラグ群に分級する(スラグ分級工程)。上述のように、固液混合凝固スラグSは、亀裂の発生および進展箇所が一様でないため、単一粒度での造粒が難しい。そのため、粒度分布の大きい粒状凝固スラグに対してそのままスラグ処理を施すと、比較的粒度の高い粗粒のスラグの処理に必要な時間が工程上の制約となり、スラグに対して効率的にスラグ処理を施すことができず、得られた製品スラグの品質が安定しない。また、設備が大型化する問題もある。
そこで、本発明の方法では、固液混合凝固スラグSの破砕により作製された粒状凝固スラグSgを、粒度に応じて複数の粒状スラグ群に分級する。これにより、粒度がある程度揃った粒状凝固スラグSgに対してスラグ処理を施すことが可能となり、熱回収処理、蒸気エージング処理、炭酸化処理などのスラグ処理を効率的に施すことができる粒状凝固スラグSgを製造することができる。
スラグ分級設備7としては、最も簡便には篩を用いることができる。また、破砕直後の高温で分級する場合には、篩目を水冷格子などの耐熱構造とする必要があるため、スラグ分級設備7としては、例えばエアジェット方式による乾式分級設備などを用いることができる。或いは、所定サイズよりも小さいスラグだけを搬送方向に通過可能なゲートを用いるカットゲート方式による分級設備などを用いることもできる。このように、スラグ分級設備7としては、処理温度や処理量に応じて適宜選定したものを用いることができる。
粒状凝固スラグSgを分級する際の粒度については、目標とするスラグ製品の粒度に応じて任意に設定可能である。例えば、本発明による方法で製造した粒状凝固スラグを路盤材用スラグとして用いる場合には、スラグ分級工程後に得られた、比較的粒度の低い粒状スラグ群の粒状凝固スラグ(細粒スラグ)Ssの粒度分布が、路盤材用スラグの粒度規格内に収まるように設定する。スラグの粒度は、後述するスラグ熱回収工程および炭酸化処理工程においても変化する場合があるため、最終的な目標スラグ製品の粒度に応じてスラグ分級工程における粒状凝固スラグの粒度を適宜調整する。
なお、粒状凝固スラグSgの分級は、図3に示したように2つの粒状スラグ群に分級する場合に限られず、3つ以上の粒状スラグ群に分級することができる。
次いで、スラグ熱回収設備8(第1のスラグ熱回収設備8A)により、上述のように分級された複数の粒状スラグ群のうち、比較的粒度の低い(例えば、粒径が10mm未満)粒状スラグ群の粒状凝固スラグSsに対して熱回収処理を施す(第1のスラグ熱回収処理工程)。固液スラグ混合凝固設備4で凝固させた固液混合凝固スラグSは熱間でも容易に破砕可能であるため、熱間破砕により高温の粒状凝固スラグSgを作製することができる。作製した粒状凝固スラグSgをスラグ分級設備7により粒度に応じて複数の粒状スラグ群に分級した後、製品スラグとして利用可能な比較的粒度の低い粒状スラグ群の粒状凝固スラグSsを第1のスラグ熱回収設備8Aへ装入してスラグ充填槽8a内に充填する。そして、このスラグ充填槽8a内に空気等の冷却ガス8bを供給して粒状凝固スラグSsの保有熱を回収する。得られた熱回収ガス8cは、例えば製鉄所の各工程へ供給し、溶融スラグS2の保有熱(すなわち、粒状凝固スラグSsの保有熱)の有効活用が図られる。また、熱回収後の粒状凝固スラグSsは、第1のスラグ熱回収設備8Aから排出されたのち、製品スラグとして路盤材や骨材として出荷される。
第1のスラグ熱回収設備8Aとしては、粒状凝固スラグSsの搬送方法や供給ピッチ等に応じて、コークス乾式消火設備(CDQ)のような縦型充填槽方式や、焼結クーラーのような回転床方式など、適宜に設計して用いることが可能である。
本発明の方法においては、分級により第1のスラグ熱回収設備8Aに装入される粒状凝固スラグSsの粒度が比較的小さい粒度で揃えられている。そのため、スラグの粒度が揃っておらず比較的大きな粒度のスラグを含む場合に比べて、短時間で効率的に熱回収することができる。
また、上記した特許文献1に記載の従来方法では、溶融スラグを鋳型で凝固させる際に、溶融スラグの保有熱(及び凝固潜熱)の多くは鋳型に奪われるか、大気中に熱放散して損失する。これに対して、本発明の方法においては、溶融スラグS2の保有熱の一部は固形スラグS1に移動して蓄熱される。そのため、第1のスラグ熱回収設備8Aによる回収熱量は、特許文献1に記載の従来方法における回収熱量よりも大きくなる。
一方、分級された複数の粒状スラグ群のうち、比較的粒度の高い(例えば、粒径が10mm以上)粒状スラグ群の粒状凝固スラグSiについては、路盤材や骨材などの製品スラグとして使用することはできない。しかし、比較的粒度の高い粒状凝固スラグSiについても、比較的粒度の低い粒状凝固スラグSsと同様に高温である。そこで、図3に示すように、第1のスラグ熱回収設備8Aとは別に第2のスラグ熱回収設備8Bを設け、高温の粒状凝固スラグSiを第2のスラグ熱回収設備8Bへ装入してスラグ充填槽8a内に充填し、スラグ充填槽8a内に冷却ガス8bを供給することが好ましい。これにより、粒状凝固スラグSsと同様に粒状凝固スラグSiの熱を回収することができる(第2のスラグ熱回収工程)。粒状凝固スラグSiからの熱回収の時間については、比較的粒度の低い粒状凝固スラグSsに比べて多くの時間を要する。
上記第2のスラグ熱回収設備8Bと固形スラグ供給装置2との間に、熱回収後の粒状凝固スラグSiを固液スラグ混合凝固設備4の固形スラグ供給装置2まで搬送するための搬送路12を設け、熱回収処理が施された粒状凝固スラグSiの一部または全てを、固形スラグS1として再利用することが好ましい(スラグリサイクル工程)。図1および図2に示したように、粗粒スラグは、熱回収およびCO固定化などのスラグ安定化処理のいずれにおいても効率が悪い。一方で、固液スラグ混合凝固設備4において鋳型1へ供給される固形スラグS1は、凝固スラグの破砕性を改善するために、比較的粒径の大きなスラグを用いる方が効果的である。そこで、熱回収処理が施された粒状凝固スラグSiの一部または全てを、固形スラグS1として再利用することが好ましい。
再利用する粒状凝固スラグSiの粒径が固液スラグ混合凝固設備4において作製される固液混合凝固スラグSのスラグ凝固厚に対して小さ過ぎる場合、固形スラグS1の粒子間隙へ溶融スラグS2が浸透する前に溶融スラグS2が凝固して均一な固液混合凝固が難しくなる。そのため、溶融スラグS2が固形スラグS1間隙に浸透可能な程度に粒子間隙を大きくする必要がある。そのため、再利用する粒状凝固スラグSiの粒径は、10mm以上とすることが好ましい。一方で、粒状凝固スラグSiの粒径が固液スラグ混合凝固設備4において作製される固液混合凝固スラグSのスラグ凝固厚よりも大きい場合、固形スラグS1の粒径が溶融スラグS2の凝固厚よりも大きくなるが、処理としては同様に、作製された固液混合凝固スラグSに対して熱間破砕を行い、破砕されなかった比較的粒径の大きな粗粒スラグは再利用される。粗粒スラグは、繰り返し固液スラグ混合凝固による熱履歴や繰り返し熱間破砕を受けることにより、次第に細粒化されて比較的粒径が小さな細粒スラグとなるため、永続的に再利用されることは無く、最終的には細粒スラグとして製品化される。
第2のスラグ熱回収設備8Bについても、第1のスラグ熱回収設備8Aと同様に、粒状凝固スラグSiの搬送方法や供給ピッチ等に応じて、コークス乾式消火設備(CDQ)のような縦型充填槽方式や、焼結クーラーのような回転床方式など、適宜に設計して用いることが可能である。
このように、図3に示した製造設備列を用いた粒状凝固スラグの製造方法においては、分級された粒状スラグ群ごとにスラグ熱回収設備8を設けて、スラグ分級設備7により分級された粒状凝固スラグSgの粒度に応じて、それぞれ異なるスラグ熱回収設備8にてスラグ処理を行う。このような構成とすることにより、例えば、比較的粒度の低い粒状スラグ群の粒状凝固スラグSsについては短時間の処理を施す一方、比較的粒度の高い粒状スラグ群の粒状凝固スラグSiに対しては長時間の処理を施すような、独立した処理を施すことができる。
上述のように、比較的粒度の低い粒状凝固スラグSs用の第1のスラグ熱回収設備8Aと、比較的粒度の高い粒状凝固スラグSi用の第2のスラグ熱回収設備8Bとで、スラグ充填槽8aの高さを同じにすると、単位体積当りのスラグ総表面積が小さい粒状凝固スラグSiの方が熱回収ガス8cの温度が低くなる。そのため、例えば粒状凝固スラグSi用の第2のスラグ熱回収設備8Bのスラグ充填槽8aの高さについては、粒状凝固スラグSs用の第1のスラグ熱回収設備8Aのスラグ充填槽8aよりも高めに設計して、ガス流通時の粒状凝固スラグSiとの接触機会を増やすことによって、熱回収ガス8cの温度を高温化するように構成することも可能である。
なお、図3においては、比較的粒度の低い粒状スラグ群の粒状凝固スラグSsに対して熱回収処理を施したが、図7に示したスラグの製造設備列のように、水蒸気を供給して蒸気エージング処理を行うための水蒸気供給装置9を設け、粒状凝固スラグSsに対して蒸気エージング処理を施すことができる(蒸気エージング処理工程)。すなわち、分級後の高温の粒状凝固スラグSsをスラグ安定化処理設備10に装入し、このスラグ安定化処理設備10内に水蒸気供給装置9から水蒸気を供給する。粒状凝固スラグSsは総表面積が比較的大きいため、スラグ内部への水蒸気の浸透効率が高く、効率的な蒸気エージング処理が可能である。そこで、スラグ分級設備7を用いて分級された比較的粒度の低い粒状スラグ群の粒状凝固スラグSsに水蒸気を供給して、以下の式(1)を主反応とする蒸気エージング処理を行う。こうして得られる製品スラグは、蒸気エージング処理によって膨張反応済のものとなり、路盤材や骨材として出荷することが可能になる。
CaO + HO → Ca(OH) (1)
また、図8に示したスラグの製造設備列のように、炭酸ガスを供給して炭酸化処理を行う炭酸ガス供給装置11を設け、粒状凝固スラグSsに対して炭酸化処理を施すことができる。すなわち、分級後の高温の粒状凝固スラグSsをスラグ安定化処理設備10に装入し、このスラグ安定化処理設備10内に炭酸ガス供給装置11から炭酸ガスを供給する。粒状凝固スラグSsは総表面積が比較的大きいため、炭酸ガスについても水蒸気の場合と同様に、スラグ内部への炭酸ガスの浸透効率が高く、効率的な炭酸化処理が可能である。そこで、スラグ分級設備7を用いて分級された比較的粒度の小さい粒状スラグ群の粒状凝固スラグSsに炭酸ガスを供給して、以下の式(2)を主反応とする炭酸化処理を行う。こうして得られる製品スラグは、炭酸化処理によって膨張反応済のものとなり、路盤材や骨材として出荷することが可能になる。
CaO + CO → CaCO (2)
なお、図3に示した第1のスラグ熱回収設備8Aに、図7に示した水蒸気供給装置9および図8に示した炭酸ガス供給装置11の一方または両方を組み込むことができる。すなわち、高温の粒状凝固スラグSsは、1000℃程度の高温で第1のスラグ熱回収設備8Aへ装入される。ここで、スラグの蒸気エージング処理および炭酸化処理について、平衡論上では、蒸気エージング処理におけるf-CaOの水和膨張は580℃以下、炭酸化処理におけるf-CaOの炭酸化は898℃以下において進行する。そのため、蒸気エージング処理または炭酸化処理に先立って熱回収を行い、スラグ温度が十分に低下した後に、蒸気エージング処理および/または炭酸化処理に切り替えることが有利である。これらの処理方法の切り替えを、同じスラグ充填槽8a(図3参照)内にて行うことが好ましく、そのためには、第1のスラグ熱回収設備8Aに、水蒸気供給装置9および炭酸ガス供給装置11の一方または両方を組み込むことが好ましい。このような設備について特に図示はしないが、図3において、冷却ガス8bの供給を、空気、水蒸気および炭酸ガスに切換弁などにて選択できるように構成すればよい。この構成では、スラグ熱回収の進行度に応じて、例えば熱回収のための空気供給から蒸気エージングのための水蒸気供給への切り替えが可能となる。
なお、スラグ充填槽8a内におけるスラグ温度は、充填したスラグの形状および温度、熱回収中の熱回収ガスの温度などを用いて、上述したように、ISIJ International, Vol. 55 (2015), No. 10, pp. 2258-2265に示される、スラグ充填槽8aの非定常伝熱モデルを用いた計算により予測することができる。あるいは、スラグと直接接触しているスラグ充填槽8aの内壁に熱電対を設置して、内壁の温度から粒状凝固スラグSsの温度を予測する方法も可能である。
また、図3に示した第1のスラグ熱回収設備8Aの下流側に、図7に示した水蒸気供給装置9および図8に示した炭酸ガス供給装置11の一方または両方を設けることができる。すなわち、図3に示した製造設備列では、第1のスラグ熱回収設備8Aのスラグ充填槽8a内の粒状凝固スラグSsは、冷却ガス8bの流通方向に温度分布を有するため、十分な時間をかけて熱回収を行うケース以外では、スラグ充填槽8a内の温度は均一にはならない。例えば、装入直後の1000℃程度の高温の粒状凝固スラグSsと、熱回収終了後の100℃以下程度の低温の粒状凝固スラグSsとが混在するようなスラグ充填槽8aについて、第1のスラグ熱回収設備8A内で蒸気エージング処理および炭酸化処理を行う際に、処理効果が何れも不均一になる可能性がある。そこで、第1のスラグ熱回収設備8Aの下流側に、水蒸気供給装置9および炭酸ガス供給装置11の一方または両方を、第1のスラグ熱回収設備8Aと独立させて設ける。そして、第1のスラグ熱回収設備8Aで所定温度まで粒状凝固スラグSsを冷却した後に、熱回収後の粒状凝固スラグSsを排出し、この排出スラグを、図7または図8に示したスラグ安定化処理設備10に装入する。これにより、水蒸気供給装置9および炭酸ガス供給装置11による、蒸気エージング処理および/または炭酸化処理の効果を均一にすることができる。
また、上記した第1のスラグ熱回収設備8A、水蒸気供給装置9、炭酸ガス供給装置11の全てを設置することも可能である。例えば、図9に示すように、スラグ分級設備7の出側に、第1のスラグ熱回収設備8A、水蒸気供給装置9および炭酸ガス供給装置11を順に配置した、製造設備列とすることが可能である。この製造設備列によれば、上記した第1のスラグ熱回収設備8A、水蒸気供給装置9および炭酸ガス供給装置11のそれぞれの作用効果を併せ持つことができるのは勿論である。
以上、本発明について説明したが、本発明者らがさらに検討を進めた結果、以下の知見を得るに至った。すなわち、上述の説明では、固形スラグS1および溶融スラグS2を鋳型1内に供給して固液混合凝固スラグSを作製しているが、固形スラグS1に代えて、溶融スラグS2の融点以上の融点を有する金属粒子などを鋳型1に供給する場合にも、溶融スラグS2が凝固した凝固域に亀裂を発生させることができ、その後の熱間破砕を簡便に行うことができることを見出した。このように、溶融スラグS2とともに鋳型1に供給するものは固形スラグS1に限定されず、固形スラグ、溶融スラグS2の融点以上の融点を有する金属粒子などを含む固形物とすることができる。こうした固形物とともに溶融スラグS2を鋳型1内に供給して、混合凝固物Sを作製することができる(混合凝固物作成工程)。
そして、作製した混合凝固物Sを粒状に破砕して混合破砕物Sgを作製し(破砕工程)、混合破砕物Sgを粒度または材質に応じて複数の混合破砕物群に分離して粒状凝固スラグSs、Siを得ることができる(分離工程)。
溶融スラグS2とともに固形物を鋳型1内に供給する場合、図3に示した粒状凝固スラグの製造設備列において、固形スラグ供給装置2を、固形物を供給する固形物供給装置2とし、固液スラグ混合凝固設備4を、固形物供給装置2と溶融スラグ供給装置3とを有する混合凝固物作製設備2とする。また、スラグ破砕設備5を、混合凝固物Sを破砕して混合破砕物Sgを作製する破砕設備5とする。さらに、スラグ分級設備7を、混合破砕物Sgを粒度または材質に応じて複数の混合破砕物群に分離して粒状凝固スラグを得る分離設備7とする。
上記固形物として溶融スラグS2の融点以上の融点を有する金属粒子を用いる場合、金属の高い熱伝導率を利用して溶融スラグS2から効率的に抜熱させることが可能となる。また溶融スラグS2が凝固した凝固スラグとの剥離性も改善して、混合凝固物の破砕処理も簡易化することができる。金属粒子Mの融点は、溶融スラグS2の融点よりも高い融点を有することが好ましい。固形物として金属粒子Mを用いる場合、下工程で磁選による分離が可能な、鉄などの強磁性体の粒子であることがより好ましい。
混合凝固物Sは、厚過ぎると破砕工程における破砕設備5の負荷が大きくなり、また未破砕のまま残存する混合凝固物Sが増えるおそれがある。一方で、混合凝固物Sは、薄過ぎると破砕後の混合破砕物Sgの粒度が小さくなり過ぎるため、道路用鉄鋼スラグとして使用することができなくなるおそれがある。そのため、混合凝固物Sの凝固厚tは30mm以上、100mm以下とすることが好ましい。特に、凝固厚の制御が容易な設備を用いる場合においては、混合凝固物Sの凝固厚tは30mm以上、50mm以下とすることがより好ましい。
また、上記固形物S1は、粒度または材質の異なる2種類以上の固形物としてもよい。例えば、固形物として、固形スラグS1および金属粒子Mの両方を用いてもよい。これは、図10に示すように、固形物供給装置2を、固形スラグS1を供給する固形スラグ供給装置2Aおよび金属粒子Mを供給する金属粒子供給装置2Bで構成することによって行うことができる。金属粒子供給装置2Bは、金属粒子Mを収容し所定量を供給するホッパーと、ホッパーから供給された金属粒子Mを鋳型1内に誘導するための樋とを備えている。
固形物として固形スラグS1および金属粒子Mの両方を用いる場合、図11に示すように、サイズの小さい固形スラグS1を敷き詰めた上に金属粒子Mを配置することもできる。これにより、金属粒子Mが転がり易い鉄球の場合についても、鋳型1内で安定して分散保持することができる。また、鋳型1の底面にサイズの小さい固形スラグS1を敷き詰めることによって、鋳型1への熱負荷軽減や固形スラグS1のガラス化の抑制、金属粒子Mによる混合凝固物Sの破砕性の改善などの効果を複合的に得ることができる。
鋳型1に供給する固形物として粒度または材質の異なる2種類以上の固形物を用いる場合、例えば、図12に示すように、鋳型1の端部に固形物が落ち込むような形状の1つの隆起部1aを鋳型1の底部に設けてもよい。底部の形状をこのような形状にすることによって、固形物の分散保持が容易になるだけでなく、作製される混合凝固物Sにおいて凝固厚が小さい部分および凝固厚が大きい部分を設けることができる。その結果、最終的に作製される粒状凝固スラグの粒度分布を調整することが可能となる。また、凝固厚が大きい鋳型1の端部に熱伝導率が大きい鉄球などの金属粒子Mを配置することによって、溶融スラグS2の凝固速度のバランスも改善することができる。なお、鋳型1の底部において隆起部1aを複数設け、複数の金属粒子Mを分散して保持する構成としてもよい。
図13は、本発明による、2種類の固形物を鋳型に供給する粒状凝固スラグの製造方法に用いる製造設備列の好適な一例を示している。図13に示した製造設備列においては、固形物として、固形スラグS1および金属粒子Mとしての鉄球の2種類を用いられており、固形物供給装置2は、固形スラグS1を供給する固形スラグ供給装置2Aと金属粒子Mを供給する金属粒子供給装置2Bとで構成されている。
混合凝固物作製装置4における混合凝固物作製工程において、例えば、溶融スラグS2の粘度が高く、混合凝固物Sを所定の凝固厚に制御することができずに粗大な混合凝固物Sが形成された場合や、溶融スラグS2の供給時に地金が混入した場合、混合凝固物Sをそのまま破砕設備5へ供給すると、設備の破損に繋がるおそれがある。そのため、図13に示すように、混合凝固物作製設備4と破砕設備5との間に、熱間の分離装置7(7A)を設けて、混合凝固物Sを熱間で粒度または材質ごとに分離する熱間分離工程を設けることがより望ましい。熱間分離設備7Aとしては、例えば、可動シュートなどを用いることができる。
上記熱間分離工程は、例えば、レーザー変位計、金属検知器、画像処理などにより、粗大な混合凝固物Sや地金の搬送タイミングを検知し、鋳型1を反転させて混合凝固物Sを落下させる位置の直下に設けた可動シュートなどの分離設備7Aを、粗大な混合凝固物Sや地金の落下タイミングに合わせて移動させることによって、行うことができる。
また、図8に示したスラグの製造設備列においては、高温の粒状凝固スラグSsをスラグ安定化処理設備10に装入し、このスラグ安定化処理設備10内に炭酸ガス供給装置11から炭酸ガスを供給して炭酸化処理を行っているが、図8におけるスラグ熱回収設備8A、8Bを、図13に示すように、熱回収処理のみならず蒸気エージング処理や炭酸化処理などを行うことが可能なスラグ処理設備8A、8Bとして構成してもよい。また、粒状凝固スラグSsに対して炭酸化処理を施す場合、粒状凝固スラグSsを第1のスラグ熱回収設備8Aへ装入して充填層8a内に充填し、水蒸気供給装置9および炭酸ガス供給装置11により、粒状凝固スラグSgに対して炭酸ガスと水蒸気との混合ガスを供給してもよい。
炭酸ガス中に水蒸気を混合することにより、粒状凝固スラグSgの表面のカルシウムがイオン化し、粒状凝固スラグSgと炭酸ガスおよび水蒸気との反応性が向上し、またカルシウムと水蒸気との反応により生成する水和物が中間体となり、炭酸化反応時の活性化エネルギーが低減し、炭酸化の反応速度を向上させることができる。炭酸ガスと水蒸気との混合ガスを用いる場合、水蒸気の濃度は、炭酸ガスの濃度と水蒸気の濃度との合計を100体積%とした場合において、1~80体積%、より好ましくは1~60体積%とすることが好ましい。
図13に示した製造設備列においては、混合凝固物作製装置4において作製される混合凝固物Sが鉄球を含む。そのため、破砕設備5としては、ボールミル方式のものが好適であり、混合凝固物Sを破砕するための鉄球として、混合凝固物Sに含まれる鉄球を、そのまま利用可能である。ボールミル方式の破砕設備5を用いる場合、破砕設備5に鉄球を追加で装入してもよい。破砕設備5から排出される混合破砕物Sgは、粒度または材質に応じて複数の混合破砕物群に分離される。図13では、鉄球は比較的粒度の大きい凝固スラグSiとともに分離される。分離された鉄球および比較的粒度の大きい凝固スラグSiは、スラグ処理設備8Bにより熱回収を行った後、粒度調整設備および冷間分離設備により、粒度調整および粒度または材質による分離を行った後、固形物として再利用できる。
図14は、本発明による、2種類の固形物を鋳型に供給する粒状凝固スラグの製造方法に用いる製造設備列の別の例を示している。図14に示した製造設備列においては、金属粒子Mとしてサイズが比較的小さい鉄球が用いられており、分離設備7(7B)の篩目が大きい場合には、鉄球は比較的粒度の小さい凝固スラグSsとともにスラグ処理設備8Aに供給される。この鉄球は、粒状凝固スラグSsとともに熱回収を行った後、最終的には磁選処理により製品スラグと分離除去されて固形物供給装置2が供給する固形物として再利用される。
本発明によれば、凝固スラグに対する熱回収処理、蒸気エージング処理、炭酸化処理などのスラグ処理を効率的に行うことができるため、製鉄業において有用である。
1 鋳型
2 固形スラグ供給装置(固形物供給装置)
2A 固形スラグ供給装置
2B 金属粒子供給装置
2a ホッパー
2b,3b スラグ樋
3 溶融スラグ供給装置
3a 傾動鍋
4 固液スラグ混合凝固設備(混合凝固物作製装置)
5 スラグ破砕設備(破砕設備)
5a 回転体
6 圧下装置
7 スラグ分級設備(分離設備)
8,8A,8B スラグ熱回収設備(スラグ処理設備)
8a スラグ充填槽(充填層)
8b 冷却ガス
8c 熱回収ガス
9 水蒸気供給装置
10 スラグ安定化処理設備
11 炭酸ガス供給装置
12 搬送路
S1 固形スラグ
S2 溶融スラグ
S 固液混合凝固スラグ(混合凝固物)
Sg 粒状凝固スラグ
Si 比較的粒度が高い粒状凝固スラグ
Ss 比較的粒度が低い粒状凝固スラグ
t 凝固厚

Claims (22)

  1. 鋳型内に溶融スラグおよび固形物を供給し、前記鋳型内において前記固形物相互間の隙間を前記溶融スラグで満たした状態にて前記溶融スラグの凝固を進行させて混合凝固物を作製する混合凝固物作製工程と、
    前記混合凝固物を粒状に破砕して混合破砕物を作製する破砕工程と、
    前記固形物が強磁性体を含む場合には、磁選により、および/または粒度に応じて前記混合破砕物を複数の混合破砕物群に分離する一方、前記固形物が強磁性体を含まない場合には、粒度に応じて前記混合破砕物を複数の混合破砕物群に分離して粒状凝固スラグを得る分離工程と、
    を含むことを特徴とする、粒状凝固スラグの製造方法(ただし、前記溶融スラグを撹拌して造粒する工程を含む場合を除く。)。
  2. 前記混合凝固物作製工程は、前記溶融スラグおよび前記固形物を供給した後、前記固形物を前記鋳型の底部に向かって押し込む押込工程をさらに含む、請求項1に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  3. 前記複数の混合破砕物群のうち、粒径が10mm未満の粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して熱回収処理を施す第1のスラグ熱回収処理工程をさらに含む、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  4. 前記複数の混合破砕物群のうち、粒径が10mm未満の粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して水蒸気を供給して蒸気エージング処理を施す蒸気エージング処理工程をさらに含む、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  5. 前記複数の混合破砕物群のうち、粒径が10mm未満の粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して炭酸ガスを供給して炭酸化処理を施す炭酸化処理工程をさらに含む、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  6. 前記炭酸化処理工程において、前記炭酸ガスと水蒸気との混合ガスを供給する、請求項5に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  7. 前記複数の混合破砕物群のうち、粒径が10mm以上の粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して熱回収処理を施す第2のスラグ熱回収処理工程をさらに含む、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  8. 前記第2のスラグ熱回収処理工程において熱回収処理が施された、粒径が10mm以上の前記粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物の一部または全てを、前記混合凝固物作製工程において前記固形物として再利用する固形物リサイクル工程をさらに含む、請求項7に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  9. 前記混合凝固物作製工程において作製する前記混合凝固物の凝固厚を、100mm以下とする、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  10. 前記混合凝固物作製工程において、前記固形物を固形スラグとする、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  11. 前記混合凝固物作製工程において、前記固形物を、前記溶融スラグの融点以上の融点を有する金属粒子とする、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  12. 前記混合凝固物作製工程において、前記鋳型内に粒度または材質の異なる2種類以上の前記固形物を供給する、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  13. 前記混合凝固物作製工程と前記破砕工程との間に、前記混合凝固物を粒度または材質ごとに分離する熱間分離工程をさらに有する、請求項1または2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
  14. 鋳型内に溶融スラグを供給する溶融スラグ供給装置および、前記鋳型内に固形物を供給する固形物供給装置を有する混合凝固物作製設備と、
    前記混合凝固物作製設備にて作製される混合凝固物を破砕して混合破砕物を作製する破砕設備と、前記固形物が強磁性体を含む場合には、磁選により、および/または粒度に応じて前記混合破砕物を複数の混合破砕物群に分離する一方、前記固形物が強磁性体を含まない場合には、粒度に応じて前記混合破砕物を複数の混合破砕物群に分離して粒状凝固スラグを得る分離設備と、を備えることを特徴とする粒状凝固スラグの製造設備列(ただし、前記溶融スラグを撹拌して造粒する撹拌手段を備える場合を除く。)。
  15. 前記混合凝固物作製設備は、前記溶融スラグおよび固形物が供給された前記鋳型に対して前記固形物の押し込みを行う圧下装置を有する、請求項14に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
  16. 前記鋳型は、底部に隆起部を有する、請求項14または15に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
  17. 前記破砕設備は、前記混合凝固物を破砕するための回転体を有する、請求項14または15に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
  18. 前記分離設備の下流側に、粒径が10mm未満の粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して熱回収処理を施す第1のスラグ処理設備を有する、請求項14または15に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
  19. 前記分離設備の下流側に、粒径が10mm未満の粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に水蒸気を供給して蒸気エージングを行う水蒸気供給装置を有する、請求項14または15に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
  20. 前記分離設備の下流側に、粒径が10mm未満の粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に炭酸ガスを供給して炭酸化処理を行う炭酸ガス供給装置を有する、請求項14または15に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
  21. 前記分離設備の下流側に、粒径が10mm以上の粒状凝固スラグを含む混合破砕物群の前記混合破砕物に対して熱回収処理を施す第2のスラグ処理設備を有する、請求項14または15に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
  22. 前記第2のスラグ処理設備と前記固形物供給装置との間に、前記熱回収処理を行った混合破砕物の一部または全てを前記固形物供給装置へ搬送するための搬送路を有する、請求項21に記載の粒状凝固スラグの製造設備列。
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