JPH06255828A - シート搬送ローラ - Google Patents

シート搬送ローラ

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JPH06255828A
JPH06255828A JP4774993A JP4774993A JPH06255828A JP H06255828 A JPH06255828 A JP H06255828A JP 4774993 A JP4774993 A JP 4774993A JP 4774993 A JP4774993 A JP 4774993A JP H06255828 A JPH06255828 A JP H06255828A
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JP
Japan
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coating layer
roller
sheet
capstan roller
sheet body
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JP4774993A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Endo
光治 遠藤
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Tokyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性や省電力化を阻害することなく搬送精
度が良好なシート搬送ローラを得る。 【構成】 剛体で形成した芯材17の外周面に高摩擦材
料でコーティング層18を形成し、このコーティング層
18の層厚t、圧縮永久歪率ds、シート体20の全長
を搬送した場合の許容誤差dxで、 ds×dx>t の関係を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラープリンタの用紙
搬送機構などに利用するシート搬送ローラに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】シート搬送ローラの従来例を説明するた
め、ここではシート搬送ローラを利用したラインサーマ
ルプリンタを図3に基づいて以下に説明する。まず、こ
のラインサーマルプリンタ1では、普通紙やOHP(Ove
r-Head Projector)シート等のシート体2の搬送路3
を、一対のフィードローラ4,5、一対のガイドプレー
ト6,7、相対向するプラテンローラ8とサーマルヘッ
ド9、相対向するシート搬送ローラであるキャプスタン
ローラ10とピンチローラ11等で形成している。
【0003】ここで、前記サーマルヘッド9は、前記シ
ート体2の搬送方向と直交する方向に多数の発熱素子1
2をライン状に連設した構造となっている。そして、こ
のラインサーマルプリンタ1では、前記サーマルヘッド
9をブラケット13で上下方向に揺動自在に軸支してコ
イルスプリング14で前記プラテンローラ8に押圧して
いる。また、このプラテンローラ8と前記サーマルヘッ
ド9との間には前記シート体2に重複するようにインク
リボン15を挿通している。
【0004】そして、このラインサーマルプリンタ1で
は、前記シート体2の搬送精度をシート搬送ローラであ
る前記キャプスタンローラ10で維持するため、金属等
で形成した円柱形の剛体の外周面をエッチング等で粗面
化するなどして前記キャプスタンローラ10を形成し、
このキャプスタンローラ10に駆動モータ(図示せず)
をギヤ列(図示せず)などで連結している。さらに、こ
のようなキャプスタンローラ10の外周面で前記シート
体2を確実に保持するため、ここではゴムで外装した前
記ピンチローラ11を変位自在に支持してコイルスプリ
ング(図示せず)等で前記キャプスタンローラ10に圧
接している。
【0005】このような構成において、このラインサー
マルプリンタ1では、シート体2を回転する各ローラ
4,5,8,10,11で順次搬送し、この搬送に同期
してサーマルヘッド9の発熱素子12を選択的に発熱駆
動することで、このサーマルヘッド9の発熱素子12の
発熱によるインクリボン15のインクの転写でシート体
2に所定画像を印刷することができる。
【0006】ここで、このラインサーマルプリンタ1で
は、上述のように所定画像を印刷するシート体2の搬送
精度が変動すると印刷品質が低下するので、ここではキ
ャプスタンローラ10でシート体2の搬送精度を維持す
るようになっている。そこで、このキャプスタンローラ
10を円柱形の剛体の外周面を粗面化した構造で形成
し、このキャプスタンローラ10の外周面にシート体2
をピンチローラ11で圧接している。このようにするこ
とで、このキャプスタンローラ10は、全体を剛体とし
てシート体2の圧接による外周面の変形を微小とし、そ
の外周面を粗面化することで摩擦係数を向上させてシー
ト体2のスリップも微小としているので、シート体2を
高精度に搬送することができる。
【0007】なお、上述のように剛体の外周面を粗面化
したキャプスタンローラ10は、外周面をエッチングし
た金属ローラや、外周面を溶射で粗面化したローラなど
で形成することができ、このような溶射ローラは、ステ
ンレスやタングステン等の金属の他、グレイアルミナ等
のセラミックなどでも製作することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなラインサ
ーマルプリンタ1では、キャプスタンローラ10でシー
ト体2を高精度に搬送することで印刷品質を良好に維持
するようになっている。
【0009】しかし、実際には金属等の剛体の外周面を
粗面化した構造のキャプスタンローラ10は、その外周
面を粗面化しても摩擦係数の向上は十分でなく、外周面
に対してシート体2がスリップすることで搬送精度が低
下している。特に、上述のようなラインサーマルプリン
タ1のシート体2としてOHPシートを利用する場合、
このOHPシートは表面の摩擦係数が低いのでキャプス
タンローラ10に対するスリップが多発するなどして印
刷品質の低下が顕著である。
【0010】そこで、このようなスリップを防止するた
めにキャプスタンローラ10の外周面にシート体2をピ
ンチローラ11で高圧に圧接しているが、これでは各ロ
ーラ10,11の支持機構や駆動モータなどの負担が増
大して各部の耐久性や省電力化を阻害することになる。
【0011】本発明は、耐久性や省電力化を阻害するこ
となく搬送精度が良好なシート搬送ローラを得るもので
ある。
【0012】また、本発明は、高性能なシート搬送ロー
ラを良好な生産性で得るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
回転自在に軸支して外周面でシート体を搬送するシート
搬送ローラにおいて、円柱形の剛体で芯材を形成し、こ
の芯材の外周面に高摩擦材料でコーティング層を形成
し、このコーティング層の層厚をt、コーティング層の
圧縮永久歪率をds、シート体の全長の搬送距離に対す
る許容誤差をdxとすると、 ds×dx>t を満足する。
【0014】請求項2記載の発明は、コーティング層の
層厚をt、コーティング層の圧縮永久歪率をds、シー
ト体の全長の搬送距離に対する許容誤差をdxとする
と、 100(μm)>ds×dx>t> 10(μm) を満足する。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明は、耐久性や省電力化を阻
害することなく搬送精度が良好なシート搬送ローラを得
ることができる。
【0016】請求項2記載の発明は、高性能なシート搬
送ローラを良好な生産性で得ることができる。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図1及び図2に基づいて説
明する。まず、本実施例のシート搬送ローラであるキャ
プスタンローラ16は、図2に例示するように、ステン
レスや鉄等の剛体で円柱形の芯材17を形成し、この芯
材17の外周面にウレタンやEPDM(Ethylene Propyl
ene Diene Methylene Rubber)等の高摩擦材料でコーテ
ィング層18を形成した構造となっている。そして、こ
のキャプスタンローラ16は、前記コーティング層18
の層厚をt、前記コーティング層18の圧縮永久歪率を
ds、シート体20の全長の搬送距離に対する許容誤差
をdxとすると、 100(μm)>ds×dx>t> 10(μm) を満足している。なお、本実施例で例示するキャプスタ
ンローラ16では、図1に例示するように、その外周面
の中央部に凹溝19を形成することで、搬送する普通紙
やOHPシート等のシート体20の斜行を防止するよう
になっている。
【0018】そこで、このような構造のキャプスタンロ
ーラ16を利用したラインサーマルプリンタ21の構造
を以下に説明する。まず、このラインサーマルプリンタ
21は、図1に例示するように、前記シート体20の搬
送路(図示せず)を、一対のガイドプレート(図示せ
ず)、相対向するプラテンローラ22とサーマルヘッド
23、相対向する前記キャプスタンローラ16とピンチ
ローラ24等で形成している。
【0019】ここで、前記サーマルヘッド23は、前記
シート体20の搬送方向と直交する方向に多数の発熱素
子(図示せず)をライン状に連設した構造となってい
る。そして、このラインサーマルプリンタ21では、前
記サーマルヘッド23を上下方向に揺動自在に軸支して
コイルスプリング(図示せず)等で前記プラテンローラ
22に押圧している。また、このプラテンローラ22と
前記サーマルヘッド23との間には前記シート体20に
重複するようにインクリボン(図示せず)を挿通してい
る。
【0020】ここで、このラインサーマルプリンタ21
では、前記シート体20の搬送精度を前記キャプスタン
ローラ16で維持するため、このキャプスタンローラ1
6に駆動モータ25をギヤ列26とベルト駆動機構27
とで連結している。さらに、このようなキャプスタンロ
ーラ16の外周面で前記シート体20を確実に保持する
ため、ここでは芯材28をゴム29で外装して中央部に
凹溝30を形成した構造の前記ピンチローラ24を変位
自在に支持してコイルスプリング(図示せず)等で前記
キャプスタンローラ16に圧接している。
【0021】このような構成において、このラインサー
マルプリンタ21では、シート体20を回転する各ロー
ラ16,22,24等で順次搬送し、この搬送に同期し
てサーマルヘッド23の発熱素子を選択的に発熱駆動す
ることで、このサーマルヘッド23の発熱素子の発熱に
よるインクリボンのインクの転写でシート体20に所定
画像を印刷することができる。
【0022】ここで、このラインサーマルプリンタ21
では、上述のように所定画像を印刷するシート体20の
搬送精度が変動すると印刷品質が低下するので、ここで
はキャプスタンローラ16でシート体20の搬送精度を
維持するようになっている。そこで、このキャプスタン
ローラ16は、円柱形の剛体からなる芯材17の外周面
に高摩擦材料でコーティング層18を形成した構造とな
っており、このキャプスタンローラ16の外周面にシー
ト体20をピンチローラ24で圧接している。このよう
にすることで、このキャプスタンローラ16は、全体を
剛体の芯材17で形成しているのでシート体20の圧接
による外周面の変形が微小であり、その外周面はコーテ
ィング層18により摩擦係数が向上してシート体20の
スリップが微小なので、シート体20を高精度に搬送す
ることができる。
【0023】しかも、このキャプスタンローラ16で
は、外周面のコーティング層18によりシート体20の
スリップを良好に防止することができるので、キャプス
タンローラ16の外周面にシート体20を圧接するピン
チローラ24の押圧力を極度に高くする必要がなく、こ
の押圧力を軽減してローラ16,24等の耐久性や省電
力化に寄与することができる。
【0024】ここで、本出願人が実際に行った実験の結
果を以下に説明する。まず、本出願人は、キャプスタン
ローラ16と比較する実験材料として、外径φ8.0(mm)
のステンレス製の芯材にEPDMを外装して外径をφ1
4.23(mm)としたゴムローラ(図示せず)と、コーティ
ング層や外装を設けることなく外周面を金属溶射で粗面
化した外径φ14.23(mm)の金属溶射ローラ(図示せず)
とを製作した。また、これらのローラとは別個に、ステ
ンレス製の外径φ5.0(mm)の芯材28をEPDM製のゴ
ム29で外装して外径をφ8.0(mm)としたピンチローラ
24を製作し、このピンチローラ24を実験用の各ロー
ラに圧接して各種のシート体20を搬送した。そこで、
このシート体20の裏面とキャプスタンローラ16の外
周面との動摩擦係数を測定したところ、下記の表1に例
示するような結果となった。
【0025】
【表1】
【0026】なお、各ローラに対するピンチローラ24
の押圧荷重は、ゴムローラで500(g)、タングステンロ
ーラとグレーアルミナローラとで2000(g)、ステンレ
スローラで5000(g)とした。
【0027】また、PET(Polyethylene Terephthalat
e)コート紙は試作品であるが、動摩擦係数を測定した裏
面は普通紙となっている。そして、タックシートとは粘
着シールで、表面材を粘着材で剥離材に貼付した構造と
なっている。タックシート(白)は、普通紙などに貼付
する不透明な通常の粘着シールであり、タックシート
(透明)は、普通紙の他にOHPシートにも貼付する透
明な粘着シールである。レタリングテープは、ネームラ
ンド(カシオ社)の製品でタックシートの表面をコート
層で強化した構造となっている。そして、布転写シート
は、サーマル印刷された画像を加熱によって布に転写す
るものである。
【0028】そして、表1の実験結果から、各種ローラ
による差としては、ゴムローラは金属ローラに比較して
全般的に摩擦係数が大きいことが判明した。また、各種
シート体20による差としては、金属ローラはOHPシ
ートに対する摩擦係数が小さく、ゴムローラはOHPシ
ートに対する摩擦係数が大きいことが判明した。さら
に、金属ローラは押圧荷重が増大すると摩擦係数も増大
することも判明した。なお、表1の実験結果は数回の測
定値の平均値である。
【0029】そして、上述のような実験結果から、シー
ト体20を良好に搬送するためにはキャプスタンローラ
16の外周面の摩擦係数が0.5 以上は必要であることが
判明した。そこで、本出願人は、塵芥の付着が微小であ
り、層厚精度を数ミクロン程度にすることができ、耐久
性と信頼性とが良好である等の理由から、試作品のキャ
プスタンローラ16のコーティング層18の材料として
ウレタンエストラマーを選択した。
【0030】つまり、このウレタンエストラマーは、抵
抗値を比抵抗で 1012(Ωcm)以下に調節することで帯電
を軽減できるので、塵芥の付着を防止することができ
る。また、ウレタンエストラマーは、複写機の搬送ベル
トや現像ローラのコーティング層にも利用しており、層
厚精度と耐久性と信頼性とが良好である。また、ウレタ
ンエストラマーは、金属や樹脂に対する密着性も良好
で、溶剤も一般的なブチルアセテートで良いので生産性
も良好である。
【0031】しかし、このウレタンエストラマーは、そ
の配合によって摩擦係数が変化するので、本出願人は実
験用のシート部材(図示せず)の表面にウレタンエスト
ラマーでコーティング層を形成し、JIS(Japan Indus
trial Standard)-K7152に従って摩擦係数を測定したと
ころ、下記の表2に例示するような結果となった。
【0032】
【表2】
【0033】そして、上述のような配合のウレタンエス
トラマーのイソシアネートの比率を、5〜12に変化さ
せたところ、このウレタンエストラマーからなるコーテ
ィング層と各種のシート体との動摩擦係数は 1.7〜0.5
となった。つまり、このようなウレタンエストラマーで
キャプスタンローラ16のコーティング層18を形成す
ることで、このキャプスタンローラ16は各種のシート
体20に対する動摩擦係数が常に0.5以上なので、この
シート体20を良好に搬送することができる。
【0034】つまり、上述のようなウレタンエストラマ
ーでコーティング層18を形成したキャプスタンローラ
16は、摩擦係数を阻害させるためには配合するイソシ
アネートの比率を低減すれば良いことが判明した。な
お、摩擦係数が 1.0を超過している場合は粘着している
ことになるので、これはシート体20の搬送に悪影響と
なる懸念がある。そこで、このような場合には、コーテ
ィング層18のウレタンエストラマーに配合するNBR
(Acrylo Nitrile-Butadiene Rubber)の比率を増加する
ことで、キャプスタンローラ16の摩擦係数を軽減する
ことができる。なお、OHPシートからなるシート体2
0に対するキャプスタンローラ16の摩擦係数を 1.0程
度にするためには、そのコーティング層18のウレタン
エストラマーに配合するイソシアネートの比率を9程度
にすれば良いことを本出願人は確認した。
【0035】つぎに、上述のようなキャプスタンローラ
16の製作方法の具体例を以下に説明する。まず、金属
塊(図示せず)の切削加工などで所定形状に芯材17を
形成し、この芯材17の外周面にコーティング層18を
形成することで、キャプスタンローラ16の製作は完了
する。
【0036】この時、コーティング層18の層厚は、シ
ート体20の搬送精度と耐摩耗性とに基づいて決定する
ことになるが、本出願人が実際に外径φ14.23(mm)のス
テンレス製の芯材17に層厚 30(μm)のウレタンエスト
ラマー製のコーティング層18を形成したキャプスタン
ローラ16でランニングテストを実行したところ、30(k
m)の搬送距離に対するコーティング層18の摩耗量は1.
0(μm)以下であった。
【0037】つまり、このようなキャプスタンローラ1
6をラインサーマルプリンタ21などに利用する場合、
その耐久性を考慮するとコーティング層18の層厚は数
ミクロン程度で十分である。一方、このようなコーティ
ング層18の摩耗によるキャプスタンローラ16の外径
の変化率を低減するためには、コーティング層18の層
厚を増加することが望ましい。また、このようなコーテ
ィング層18の実際の製作方法を考慮すると、ディッピ
ング法やスプレー法などが生産性の向上に有利である。
【0038】そして、上述のような各種条件を考慮する
と、キャプスタンローラ16のコーティング層18の層
厚を、10〜100(μm)とすることが必要であり、20〜60
(μm)とすることが望ましい。そこで、このような層
厚のコーティング層18のキャプスタンローラ16で良
好な搬送精度を確保するため、コーティング層18の層
厚をt、コーティング層18の圧縮永久歪率をds、シ
ート体20の全長の搬送距離に対する許容誤差をdxと
すると、 100(μm)>ds×dx>t> 10(μm) を満足するようにキャプスタンローラ16を形成するも
のとした。
【0039】つまり、このようなキャプスタンローラ1
6でシート体20を搬送する場合、コーティング層18
の塑性変形によって搬送精度が経時的に低下することが
懸念がある。ここで、JIS-K6301で規定しているよう
に柔軟な材料からなる塑性変形は圧縮永久歪率で表記で
きるので、キャプスタンローラ16のコーティング層1
8の塑性変形も圧縮永久歪率で考慮することができる。
そして、この圧縮永久歪率は材料の固有特性であり、こ
の圧縮永久歪率を材料の層厚に乗算することで変形量を
算定することができるので、コーティング層18の層厚
でキャプスタンローラ16の外周面の変形量を管理でき
ることになる。
【0040】ここで、上述のようなキャプスタンローラ
16でシート体20を搬送する場合、その搬送精度に対
する悪影響は、コーティング層18の層厚の変化より
も、これに直交する外周面の周長の変化によるものが顕
著であるが、コーティング層18の層厚が変化しても周
長の変化は極めて微小である。つまり、剛体からなる芯
材17の外周面に形成したコーティング層18の層厚を
規制することで、キャプスタンローラ16の搬送精度を
良好に管理することができる。
【0041】そこで、コーティング層18の層厚をt、
コーティング層18の圧縮永久歪率をds、シート体2
0の全長の搬送距離に対する許容誤差をdxとすると、 ds×dx>t を満足するようにキャプスタンローラ16を形成するこ
とで、このキャプスタンローラ16はシート体20を極
めて良好な精度で搬送することができる。
【0042】また、このようなキャプスタンローラ16
を製作する場合に、 100(μm)>ds×dx>t> 10(μm) を満足することで、ディッピング法やスプレー法などで
コーティング層18を簡易に製作して生産性を向上させ
ることができ、 60(μm)>ds×dx>t> 20(μm) を満足することで、さらに簡易にコーティング層18を
製作して生産性を極めて向上させることができる。
【0043】なお、70(℃)で22時間の条件下で測定する
圧縮永久歪率は数%から数十%まであるが、コーティン
グ層18に利用可能な材料としては、ウレタンでは数%
から十数%、シリコンでは数%以下、EPDMでは数%
から25%程度、イソシアネートでは約10%から20%であ
る。さらに、このような材料で実際にキャプスタンロー
ラ16のコーティング層18を形成する場合は、芯材1
7に対する密着性やプライマなども考慮する必要があ
る。
【0044】また、シート体20の全長の搬送距離に対
する許容誤差dxは、キャプスタンローラ16を利用す
るラインサーマルプリンタ21などの仕様によって変化
することになり、一画素の直径以下とすることが一般的
である。つまり、上述したラインサーマルプリンタ21
でビデオプリンタなどを製作する場合には、その解像度
は150(DPI;Dot Per Inch)程度となるので、その許容誤
差dxは169(μm)以下となる。同様に、ファクシミリ装
置などのように解像度を200(DPI)とすると許容誤差dx
は127(μm)などとなり、コンピュータ用のプリンタ装置
などのように解像度を300(DPI)とすると許容誤差dxは
85(μm)などとなる。
【0045】なお、ここではラインサーマルプリンタ2
1用のキャプスタンローラ16を、本発明のシート搬送
ローラの実施例として例示したが、本発明は上記実施例
に限定するものではなく、例えば、このようなシート搬
送ローラをイメージセンサの原稿搬送ローラに利用する
こと(図示せず)も実施可能である。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、円柱形の剛体で
芯材を形成し、この芯材の外周面に高摩擦材料でコーテ
ィング層を形成し、このコーティング層の層厚をt、コ
ーティング層の圧縮永久歪率をds、シート体の全長の
搬送距離に対する許容誤差をdxとすると、 ds×dx>t を満足することにより、耐久性や省電力化を阻害するこ
となく搬送精度が良好なシート搬送ローラを得ることが
できる等の効果を有するものである。
【0047】請求項2記載の発明は、コーティング層の
層厚をt、コーティング層の圧縮永久歪率をds、シー
ト体の全長の搬送距離に対する許容誤差をdxとする
と、 100(μm)>ds×dx>t> 10(μm) を満足することにより、高性能なシート搬送ローラを良
好な生産性で得ることができる等の効果を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート搬送ローラの実施例であるキャ
プスタンローラを利用したプリンタ装置の要部を例示す
る斜視図である。
【図2】キャプスタンローラをピンチローラと共に例示
する縦断側面図である。
【図3】従来例のシート搬送装置である用紙搬送装置を
一部とするサーマルプリンタの要部を例示する側面図で
ある。
【符号の説明】
16 シート搬送ローラ 17 芯材 18 コーティング層 20 シート体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に軸支して外周面でシート体を
    搬送するシート搬送ローラにおいて、円柱形の剛体で芯
    材を形成し、この芯材の外周面に高摩擦材料でコーティ
    ング層を形成し、このコーティング層の層厚をt、前記
    コーティング層の圧縮永久歪率をds、前記シート体の
    全長の搬送距離に対する許容誤差をdxとすると、 ds×dx>t を満足することを特徴とするシート搬送ローラ。
  2. 【請求項2】 コーティング層の層厚をt、コーティン
    グ層の圧縮永久歪率をds、シート体の全長の搬送距離
    に対する許容誤差をdxとすると、 100(μm)>ds×dx>t> 10(μm) を満足することを特徴とする請求項1記載のシート搬送
    ローラ。
JP4774993A 1993-03-09 1993-03-09 シート搬送ローラ Pending JPH06255828A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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