JPH0625574Y2 - フロアハッチ用取手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、床下収納庫等のフロアハッチの扉に使用され
る埋込み型取手に関するものである。

［従来の技術］ フロアハッチ用取手は、不使用時には歩行の障害となら
ないように床面と同一平面内に収納されている一方、使
用時には扉の引上げ回転操作のため床面上方に引出され
る必要がある。従来のフロアハッチ用取手としては、フ
ロアハッチに埋込み固着した固定ケースに、半円形リン
グ状の取手本体を直径辺枠部分の中央部によって水平枢
軸で枢着したものがある。

［考案が解決しようとする課題］ この従来取手では不使用時には前記直径辺枠部分が固定
ケースの上面に露出しており、使用時には当該直径辺枠
部分の一端部を指先で押下げ取手本体を回転させ、半円
形枠部分を固定ケースより突出させる。

しかしながら、この従来取手では、不使用時に取手本体
の回転を阻止する手段を特に設けてなく、取手本体はそ
の重心が前記水平枢軸よりも下方にあることにのみ依拠
して、収納状態に保持されているに過ぎない。そのた
め、振動や床面上を摺動する他物体との引掛りや押込み
によって取手本体が無意図的に浮き上がり突出してしま
うことがある。

従って本考案の目的は、取手本体の偶発的な浮上り突出
がなく、完全に使用できるロック機能付きのフロアハッ
チ用取手を提供することである。

更に本考案の目的は、取手本体の引出し時にロック手段
が所定の待機位置に保持されているため、取手本体の収
納操作が支障なく円滑に行なえるフロアハッチ用取手を
提供することである。

［課題を解決するための手段］ 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明すると本考案
のフロアハッチ用取手は、フロアハッチ(39)に埋込み固
着される固定ケース(1)と；固定ケース(1)に上下動自在
に収容され、下面に突設した軸棒(8)の中間部にストッ
パー突起(9)を設け、固定ケース(1)の底壁板部(5)の軸
孔(6)から突出した軸棒(8)の下端部に抜止め突起(11)を
設けた取手本体(7)と；固定ケース(1)の壁板部(5)に垂
直方向のロック軸(15)によって枢着され、軸棒(8)に係
合する先端フック部(35)の縁部(36)が前記ストッパー突
起(9)の上面に当接するロック板(14)とから成り、固定
ケース(1)の上面に露出するロック軸(15)の上端面に回
動操作部(19)を設けたものである。

［作用］ 第１図から第９図に示したように取手本体(7)が固定ケ
ース(1)に収納されている状態では、取手本体(7)の軸棒
(8)は固定ケース(1)の底壁板部(5)の下方に大きく突出
し、中間部のストッパー突起(9)が底壁板部(5)の軸孔
(6)の孔縁部上面に当接し、取手本体(7)のそれ以上の落
ち込みを阻止している。

このとき、ロック板(14)の先端フック部(35)がストッパ
ー突起(9)の真上の軸棒中間部に係合し、先端フック部
(35)の縁部(36)が該ストッパー突起(9)に対面する位置
にある。そのため、取手本体(7)の引出し操作はストッ
パー突起(9)とロック板(14)の縁部(36)との当接によっ
て阻止され、取手本体(7)は当該収納位置に保持され
る。

次に、ロック軸(15)の回動操作部(19)に適当な用具を係
合させてロック軸(15)を回動操作すると、第11図に示し
たようにロック板(14)が待機位置に回転移動し、ロック
板(14)による取手本体(7)の拘束が解除される。そのた
め、取手本体(7)は軸棒下端部の抜止め突起(11)が固定
ケース(1)の底壁板部(5)の下面に当接するまで引出すこ
とができ、その引出した取手本体(7)を握ってフロアハ
ッチ(39)を開放操作することができる。

［実施例］ 図示の実施例では、固定ケース(1)は底壁板部(5)、起立
壁板部(3)及び周辺枠板部(4)より成るケース本体と上面
板(2)とで構成され、上面板(2)の中央部には操作者の指
先を挿入するための半円形状凹陥部(25)を取手本体収容
部(44)の両側に設けてあり、取手本体(7)中央部の軸棒
(8)の付け根部の両側面には、指掛け斜面(24)を凹設し
てある。

前記起立壁板(3)には取手本体(7)の両端部(12)が当接す
る内向き突起(13)を切り曲げ形成してあり、第７図に示
したようにこれら突起(13)によって取手本体(7)は両持
ち支持され、上載荷量に対して強くなっている。

この起立壁板(3)には更に別の内向き突起(37)が切り曲
げ形成され、第８図と第９図に示したようにロック板(1
4)の先端フック部(35)の外周縁に一部が該内向き突起(3
7)の下側に係合することによって。ロック板(14)は内向
き突起(37)とロック軸(15)の２箇所で両持ち支持され、
引上げ力に対して抵抗力が強くなっている。

前記ケース本体の周辺枠板部(4)と上面板(2)は溶接固定
されており、このときロック軸(15)の上端円柱部(17)が
上面板(2)の丸孔(21)に嵌合される一方、ロック軸(15)
の下端円柱部(16)が底壁板部(5)の丸孔(20)に嵌合され
る。ロック軸(15)の断面小判形部(18)に同形の受孔(23)
にて嵌合されたロック板(14)は、スペーサ円板(22)によ
って底壁板部(5)の上面側にストッパー突起(9)に相当分
の間隔を置かれている。取手本体(7)の引出し限界を決
定する抜止め突起(11)は、軸棒(8)の下端部透孔(10)に
打込み固定された丸棒で構成されている。

ロック軸(15)の回動操作部(19)はマイナス溝で構成さ
れ、ロック軸(15)はマイナス型ドライバーや硬貨等の適
当な板材の挿込みによって回動操作される。

請求項２記載のフロアハッチ用取手では、固定ケース
(1)の底壁板部(5)にロックレバー(26)が枢着され、バネ
(29)によってロックレバー(26)がロック板(14)の基端部
周面に向って回転付勢されている。このバネ(29)は巻き
バネで構成され、その一端部(30)は底壁板部(5)に固着
されたバネ受ピン(32)の周面溝(43)に係合し、他端部(3
1)はロックレバー(26)の先端部上面の突起(28)に当接し
ている。このバネ(27)によって回転付勢されたロックレ
バー(26)の先端突子(33)は、ロックレバー(26)の基端部
周面の凹部(45)に係合し、ロックレバー(26)をストッパ
ー突起(9)と係合した位置に保持している。

そのため、振動等が付加されても、ロック板(14)が無意
図的に回動して取手本体(7)の拘束を解くような事態は
より的確に防止される。

請求項３記載のフロアハッチ用取手では、前記凹部(45)
から離れた部位に別凹部(34)を設けてあり、取手本体
(7)を引出すためロック板(14)を待機位置に回したとき
は、ロックレバー(26)の先端突子(33)が前記凹部(45)か
ら脱出して該凹部(34)に係合するため、ロック板(14)は
当該待機位置に保持される。

このように取手本体(7)の引出し時には、ロック板(14)
が待機位置に的確に保持されているため、取手本体(7)
の固定ケース(1)への落とし込み収納操作が、妄動した
ロック板(14)に邪魔されることなく円滑に行なえる。

［考案の効果］ 以上のように本考案のフロアハッチ用取手では、回動操
作部(19)を上端面に設けたロック軸(15)によってロック
板(14)を固定ケース(1)に枢着し、ロック板(14)の先端
フック部(35)の縁部(36)を取手本体(7)の軸棒(8)中間部
のストッパー突起(9)に係合させたので、不使用時に取
手本体(7)を固定ケース(1)内に収納された位置に的確に
拘束保持することができ、振動や他物との引掛りや押込
みによる取手本体(7)の偶発的な浮上り突出の危険性な
しに、安全に使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るフロアハッチ用取手の
平面図であり、第２図は該取手の底面図であり、第３図
は該取手の正面図であり、第４図は該取手の右側面図で
あり、第５図は該取手の背面図であり、第６図は該取手
の左側面図である。 第７図は第１図のＡ−Ａ線断面図であり、第８図は第３
図のＣ−Ｃ線断面図であり、第９図は第１図のＢ−Ｂ線
断面図である。 第１０図は取手本体の引上げ状態の縦断面図であり、第
１１図は第１０図のＤ−Ｄ線断面図である。 １…固定ケース、２…上面板、３…起立壁板部、４…周
辺枠板部、５…底壁板部、６…軸孔、７…取手本体、８
…軸棒、９…ストッパー突起、１１…抜止め突起、１３
…内向き突起、１４…ロック板、１５…ロック軸、１６
…下端円柱部、１７…上端円柱部、１８…小判形断面
部、１９…回動操作部、２０，２１…軸受用丸孔、２２
…スペーサ円板、２３…小判形型受孔、２４…指掛用斜
面部、２５…指先入れ用凹陥部、２６…ロックレバー、
２７…枢軸、２８…バネ受突起、２９…回転付勢用バ
ネ、３０，３１…バネ端部、３２…バネ受ピン、３３…
先端突子、３４…周面凹部、３５…先端フック部、３６
縁部、３７…内向き突起、３８…固定ケースの取付孔、
３９…フロアハッチ、４０…フロアハッチの底面板、４
１…底面板の開口、４２…フロア枠部材、４３…周面
溝、４４…取手本体収容部、４５…周面凹部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フロアハッチ(39)に埋込み固着される固定
   ケース(1)と；固定ケース(1)に上下動自在に収容され、
   下面に突設した軸棒(8)の中間部にストッパー突起(9)を
   設け、固定ケース(1)の底壁板部(5)の軸孔(6)から突出
   した軸棒(8)の下端部に抜止め突起(11)を設けた取手本
   体(7)と；固定ケース(1)の底壁板部(5)に垂直方向のロ
   ック軸(15)によって枢着され、軸棒(8)に係合する先端
   フック部(35)の縁部(36)が前記ストッパー突起(9)の上
   面に当接するロック板(14)とから成り、固定ケース(1)
   の上面に露出するロック軸(15)の上端面に回動操作部(1
   9)を設けたフロアハッチ用取手。
2. 【請求項２】固定ケース(1)の底壁板部(5)に垂直枢軸(2
   7)によって枢着され、バネ(29)によってロック板(14)の
   基端部周面に向って回転付勢され、取手本体(7)の収納
   時に先端突子(33)がロック板(14)の周面凹部(45)に係合
   するロックレバー(26)を備えた請求項１記載のフロアハ
   ッチ用取手。
3. 【請求項３】取手本体(7)の引出し時にロックレバー(2
   6)の先端突子(33)が係合する別の凹部(34)をロック板(1
   4)の基端部周面に設けた請求項２記載のフロアハッチ用
   取手。