JPH06255264A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH06255264A
JPH06255264A JP5043027A JP4302793A JPH06255264A JP H06255264 A JPH06255264 A JP H06255264A JP 5043027 A JP5043027 A JP 5043027A JP 4302793 A JP4302793 A JP 4302793A JP H06255264 A JPH06255264 A JP H06255264A
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JP
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parts
bis
recording material
methyl
hydroxyphenyl
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JP5043027A
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English (en)
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Keiichi Inubushi
恵一 犬伏
Yoshihiro Shimizu
良浩 清水
Takehiro Minami
毅拡 南
Sunao Nakasaki
素直 中崎
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ヘッドマッチング性が著しく向上され、しかも
記録像の保存性に優れると共に地肌かぶりの少ない感熱
記録体に関するものである。 【構成】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料と顕
色剤を含有する記録層を設けた感熱記録体において、顕
色剤としてビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンを用い、増感剤としてステアリン酸アミド
のエマルションを用いたことを特徴とする感熱記録体で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録体に関し、特に
ヘッドマッチング性が著しく向上され、しかも記録像の
保存性に優れると共に地肌かぶりの少ない感熱記録体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱ヘッド等の熱エネルギーを利
用し、無色ないし淡色の塩基性染料と顕色剤を発色せし
める感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体
は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトでかつ
その保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種
計算機の記録媒体としてのみならず感熱ラベル等の幅広
い分野において使用されている。
【0003】近年、感熱ファックスではA4版サイズで
10秒以下、感熱プリンターでは120字/秒以上の記
録スピードが可能となっており、感熱記録体の高感度化
が一層要求されている。この高速化に対する高感度化の
ためには種々の要因を考慮する必要があるが、主たる方
法として、適当な温度領域で塩基性染料や顕色剤と急速
に融け合う、相溶性の良好な熱可塑性物質を記録層中に
含有せしめる方法が好ましい方法として知られている。
しかし、熱可塑性物質を多量に含有させた場合には、ス
テッキングを生じ易くなり、それと共にサーマルヘッド
上へのカス付着が増大し、連続して印字した場合に記録
層が傷つけられる等の印字障害を起こすことがある。さ
らに、塩基性染料と顕色剤との反応が促進されるため
に、温湿度による地肌かぶりが生じ易くなるという問題
がある。そのため、このような欠点を伴うことなく高速
化に対応する改良が強く要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヘッ
ドマッチング性に優れ、しかも記録像の保存性に優れる
と共に地肌かぶれが少ない感熱記録体を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
無色ないし淡色の塩基性染料と顕色剤を含有する記録層
を設けた感熱記録体において、顕色剤としてビス(3−
アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用い、増
感剤としてステアリン酸アミドのエマルションを用いる
ことにより、上記目的が達成されることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0006】
【作用】顕色剤としてビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンを使用した感熱記録体は、高い記
録濃度が得られ、しかも保存性にも優れるが、ヘッドマ
ッチング性が悪くステッキングを起こし、しかもサーマ
ルヘッド上にカスが付着し、記録像を傷つける等の印字
障害が起こるという難点があった。
【0007】そこで、ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンを使用する感熱記録体について、
そのヘッドマッチング性を高め、ステッキングをなくし
ヘッドカス発生を押さえるために、種々の増感剤や滑剤
を鋭意検討したが、ステッキングが良くなる代わりに地
肌かぶりが生じ易くなるという問題が生じた。しかしな
がら、かかる顕色剤に、増感剤として乳化タイプのステ
アリン酸アミドエマルション、特に平均粒子径0.5μ
m以下のステアリン酸アミドのエマルションを併用する
と、滑剤の使用量を増やすことなくヘッドマッチング性
が向上し、ヘッドカスの発生を少なくする効果があるば
かりか、地肌かぶりまで少なくなることが判明した。恐
らく乳化タイプのものは、機械的な分散による分散品よ
りも粒度分布がシャープなため、粗大な粒子が殆ど存在
しないため、加熱印字時に極めてシャープな融解挙動を
なすためと考えられる。
【0008】本発明において、ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホンとステアリン酸アミドの
エマルションの使用割合については特に限定するもので
はないが、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン100重量部に対してステアリン酸アミド
のエマルションを5〜500重量部程度の範囲で調節す
るのが望ましい。
【0009】本発明の感熱記録体において、感熱記録層
に含有せしめる無色ないし淡色の塩基性染料としては各
種公知の化合物が使用でき、例えば下記が例示される。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミ
ノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、
3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−
メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベン
ジルアミノフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘ
キシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−
N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)ア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ
(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロフェニルアミ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フル
オロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(m−トリフルオロメチルフェニルアミノ)フル
オラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フル
オロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−
p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル
−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチ
ル−N−フルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−
アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロ
ピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕
−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビ
ス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリ
ジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7
−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−
4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3−p−(p
−アニリノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロ
ロフルオラン、2,2−ビス{4−〔6′−(N−シク
ロヘキシル−N−メチルアミノ)−3′−メチルスピロ
〔フタリド−3,9′−キサンテン−2′−イルアミ
ノ〕フェニル}プロパン、3,6,−ビス(ジメチルア
ミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチ
ルアミノ)フタリド等が挙げられる。勿論、これらに限
定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併
用することもできる。
【0010】本発明の感熱記録体において、記録層中に
含有せしめる塩基性染料と顕色剤との使用比率について
は、特に限定するものではないが、一般に塩基性染料1
重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜1
0重量部程度の顕色剤を使用するのが望ましい。
【0011】本発明は、顕色剤としてビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを使用するところ
に特徴を有するものであるが、本発明の効果を阻害しな
い範囲で例えば下記の如き公知の顕色剤を併用すること
も可能である。活性白土、アタパルジャイト、コロイダ
ルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−クミルフ
ェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,
4′−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ
(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4′
−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビ
ス〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エ
チル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
スルフィン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−ヒドロキシフェニル−4′−ベンジルオキ
シフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3′,4′−テ
トラメチレンビフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキ
シフェニル−p−トリルスルホン、4−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブ
チル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、
(4−ヒドロキシフェニルチオ)酢酸−2−(4−ヒド
ロキシフェニルチオ)エチルエステル、ジ(p−ヒドロ
キシフェニルチオエチル)エーテル、N,N′−ジ−m
−クロロフェニルチオ尿素、N−(フェノキシエチル)
−4−ヒドロキシフェニルスルホンアミド等のフェノー
ル性化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エ
チルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキ
シフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸、p−クロ
ロ安息香酸等の芳香族カルボン酸、およびこれら芳香族
カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カル
シウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金
属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体
等の有機酸性物質等が例示される。
【0012】本発明は、増感剤としてステアリン酸アミ
ドのエマルションを使用するところに特徴を有するもの
であるが、本発明の効果を阻害しない範囲で例えば下記
の如き公知の増感剤を併用することも可能である。
【0013】メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベ
ンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−
エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸
ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオ
クチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジ
ル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ
−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテ
ル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、トリ
ルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエ
チル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)
エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、
1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2
−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェ
ノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−
(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェ
ニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブ
タン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジ
ド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビ
フェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエ
トキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フ
ェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の使用量
は特に限定されないが、一般に呈色剤100重量部に対
して5〜500重量部程度の範囲で調節するのが望まし
い。
【0014】さらに、効果を損なわない限り目的に応じ
て記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を
併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例と
しては、例えば1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、
4,4′−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4
−ベンジルオキシ−4′−(2−メチル−2,3−エポ
キシプロピルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル
酸ジグルシジル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の
エポキシ化合物、2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン
ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチル
フェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−
tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブ
チリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフ
ェニル)ブタン、4,4′−チオビス(3−メチルフェ
ノール)、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,
5′−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4′−ジ
ヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェ
ニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1−
〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェ
ニル)エチル〕ベンゼン、N,N′−ジ−2−ナフチル
−p−フェニレンジアミン、2,2′−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等
が挙げられる。
【0015】これらの物質を含む記録層用の塗布液の調
製には、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトラ
イター、サンドミル等の攪拌・粉砕機により塩基性染
料、顕色剤、さらには必要に応じて添加される増感剤等
を一緒にまたは別々に分散し、塗液として調製される。
かかる塗液中には、接着剤としてデンプン類、ヒドロキ
シエチルセルローズ、メチルセルローズ、カルボキシメ
チルセルローズ、ゼラチン、カゼイン、アラビヤゴム、
ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン
酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、
エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル
酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルシ
ョン等が全固形分の10〜40重量%、好ましくは15
〜30重量%程度用いられる。
【0016】また、塗液中には各種顔料を併用すること
も可能であり、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウ
ム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、珪藻土、
微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレン
マイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウ
ダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子
等の有機顔料等が挙げられる。
【0017】さらに、塗液中には各種の助剤を添加する
ことができ、例えばジオクチルスルフォコハク酸ナトリ
ウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ラウ
リルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、アルギン
酸塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、ベンゾフェノン系、
トリアゾール系などの紫外線吸収剤、その他消泡剤、蛍
光染料、着色染料などが挙げられる。
【0018】本発明において、感熱記録層の形成方法等
については特に限定されるものでなく、従来から周知慣
用の技術に従って形成することができ、例えばエアーナ
イフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピ
ュアーブレードコーティング、ショート・ドウェルコー
ティング、カーテンコーティング等により塗液を支持体
上に塗布・乾燥する方法などによって形成することがで
きる。また塗液の塗布量についても特に限定されず、通
常乾燥重量で2〜12g/m2 、好ましくは3〜10g
/m2 の範囲である。支持体としては、紙、合成紙、プ
ラスチックフィルム等が適宜選択して使用される。
【0019】なお、本発明では、必要に応じて感熱記録
体上および/または裏面側に樹脂層を設けることによっ
て、さらに記録像の保存性を高めることも可能である。
さらに、支持体に下塗り層を設け画質や感度を向上させ
たり、記録体裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加
工したり、記録体裏面に磁気層を設ける等の感熱記録体
製造分野における各種の公知技術を付加しうるものであ
る。また、記録層形成後などにスーパーキャレンダー処
理を施し、画質や画像濃度を向上させることもできる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限りそれ
ぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0021】実施例1 〔A液調製〕3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5
%水溶液5部、および水40部からなる組成物をサンド
ミルで平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕した。 〔B液調製〕ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン30部、メチルセルロースの5%水溶液5
部、および水80部からなる組成物をサンドミルで平均
粒子径が1.5μmとなるまで粉砕した。
【0022】〔記録層の形成〕A液55部、B液115
部、ステアリン酸アミドのエマルション21.5%液
〔商品名:ハイミクロンG−270,中京油脂社製,平
均粒子径:0.4μm〕80部、10%ポリビニルアル
コール水溶液160部、及び炭酸カルシウム25部を混
合攪拌して得た記録層用塗液を、45g/m2 の上質紙
の片面に乾燥後の塗布量が4g/m2 となるように塗布
乾燥して記録層を形成した。
【0023】実施例2 実施例1の記録層の形成においてステアリン酸アミドの
エマルション(平均粒子径:0.4μm)の代わりに平
均粒子径0.9μmのステアリン酸アミドのエマルショ
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を
得た。
【0024】実施例3 〔C液調整〕1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタ
ン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部、および
水55部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が
1.5μmとなるまで粉砕した。 〔記録層の形成〕A液55部、B液115部、C液40
部、ステアリン酸アミドのエマルション21.5%液
〔商品名:ハイミクロンG−270,中京油脂社製,平
均粒子径:0.4μm〕60部、10%ポリビニルアル
コール水溶液160部、及び炭酸カルシウム25部を混
合攪拌して得た記録層用塗液を、45g/m2 の上質紙
の片面に乾燥後の塗布量が4g/m2 となるように塗布
乾燥して記録層を形成した。
【0025】実施例4 〔D液調製〕焼成クレー〔商品名:アンシレックス,E
MC社製,吸油量:110ml/100g〕100部、
ポリビニルアルコールの10%水溶液100部、および
水200部からなる組成物を混合攪拌して下塗層用の塗
液を得た。 〔感熱記録体の調製〕45g/m2 の上質紙の片面に、
G液を乾燥後の塗布量が8g/m2 となるように塗布乾
燥した後、実施例1と同様に調製した記録層用塗料を乾
燥後の塗布量が4g/m2 となるように塗布乾燥した
後、スーパーカレンダー処理を行い感熱記録体を得た。
【0026】比較例1 〔E液調製〕ステアリン酸アミド20部、メチルセルロ
ースの5%水溶液5部、および水75部からなる組成物
をサンドミルで平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕
した。 〔感熱記録体の調製〕実施例1の記録層の形成において
ステアリン酸アミドのエマルションの代わりにE液80
部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を
得た。
【0027】比較例2 実施例1の記録層の形成においてステアリン酸アミドの
エマルションの代わりにC液80部を用いた以外は、実
施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0028】比較例3 実施例1の記録層の形成においてステアリン酸アミドの
エマルションの代わりにシリコーン20部からなる水可
溶性グラフト共重合体のナトリウム塩の25%水溶液を
部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0029】比較例4 〔F液調製〕4,4′−イソプロピリデンジフェノール
30部、メチルセルロースの5%水溶液5部、および水
80部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.
5μmとなるまで粉砕した。 〔感熱記録体の調製〕実施例1の記録層の形成において
B液の代わりにF液115部を用いた以外は、実施例1
と同様にして感熱記録体を得た。
【0030】かくして得られた8種類の感熱記録体につ
いて以下の評価試験を行い、その結果を〔表1〕に記載
した。 〔白色度〕発色カブリの程度を評価するために、ハンタ
ー白色度計で記録層の白色度を測定した。 〔発色濃度〕感熱記録体評価機〔商品名:TH−PM
D,大倉電気社製〕を用い、印加電圧24V,パルス時
間2msにて各感熱記録体を発色させ、得られた記録像
の発色濃度をマクベス濃度計〔RD−914型,マクベ
ス社製〕でビジュアルモードにて測定した。
【0031】〔耐可塑剤性〕ポリプロピレンパイプ(4
0mmφ管)上に塩化ビニルラップフィルム(三井東圧化
学株製)を3重に巻き付け、その上に印字発色させた感
熱記録体を印字発色面が外になるように挟み、さらにそ
の上から塩化ビニルラップフィルムを3重に巻き付け、
30℃で24時間放置した後の印字濃度から耐可塑剤性
を評価した。 〔耐熱性〕地肌かぶりの促進テストとして、印字前の感
熱記録体を60℃の乾燥条件下で24時間処理した後、
かぶりの程度を目視により評価した。
【0032】〔耐湿性〕印字前の感熱記録体を50℃,
75%RHの条件下で24時間処理した後、かぶりの程
度を目視により評価した。 〔走行性〕上記記録濃度の測定方法で感熱記録体を記録
する際に発生する音の大きさ(ステッキング音)により
走行性を評価した。 〔ヘッド粕〕上記記録濃度の測定方法で感熱記録体を1
00m記録する際にサーマルヘッド上に発生するヘッド
粕の量によりヘッド粕を目視評価した。
【0033】〔評価基準〕耐可塑剤性、耐熱性、耐湿
性、ステッキング音およびヘッド粕の評価基準は、以下
の通りとした。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】〔表1〕の結果から明らかなように、本
発明の感熱記録体は、いずれも走行性に優れヘッドカス
付着が少なく、 しかも耐可塑剤性および地肌かぶりの少
ない優れた感熱記録体であった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録体に関し、特に
ヘッドマッチング性が著しく向上され、しかも記録像の
保存性に優れると共に地肌かぶりの少ない感熱記録体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱ヘッド等の熱エネルギーを利
用し、無色ないし淡色の塩基性染料と顕色剤を発色せし
める感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体
は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトでかつ
その保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種
計算機の記録媒体としてのみならず感熱ラベル等の幅広
い分野において使用されている。
【0003】近年、感熱ファックスではA4版サイズで
10秒以下、感熱プリンターでは120字/秒以上の記
録スピードが可能となっており、感熱記録体の高感度化
が一層要求されている。この高速化に対する高感度化の
ためには種々の要因を考慮する必要があるが、主たる方
法として、適当な温度領域で塩基性染料や顕色剤と急速
に融け合う、相溶性の良好な熱可塑性物質を記録層中に
含有せしめる方法が好ましい方法として知られている。
しかし、熱可塑性物質を多量に含有させた場合には、ス
テッキングを生じ易くなり、それと共にサーマルヘッド
上へのカス付着が増大し、連続して印字した場合に記録
層が傷つけられる等の印字障害を起こすことがある。さ
らに、塩基性染料と顕色剤との反応が促進されるため
に、温湿度による地肌かぶりが生じ易くなるという問題
がある。そのため、このような欠点を伴うことなく高速
化に対応する改良が強く要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヘッ
ドマッチング性に優れ、しかも記録像の保存性に優れる
と共に地肌かぶれが少ない感熱記録体を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
無色ないし淡色の塩基性染料と顕色剤を含有する記録層
を設けた感熱記録体において、顕色剤としてビス(3−
アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用い、増
感剤としてステアリン酸アミドのエマルションを用いる
ことにより、上記目的が達成されることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0006】
【作用】顕色剤としてビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンを使用した感熱記録体は、高い記
録濃度が得られ、しかも保存性にも優れるが、ヘッドマ
ッチング性が悪くステッキングを起こし、しかもサーマ
ルヘッド上にカスが付着し、記録像を傷つける等の印字
障害が起こるという難点があった。
【0007】そこで、ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンを使用する感熱記録体について、
そのヘッドマッチング性を高め、ステッキングをなくし
ヘッドカス発生を押さえるために、種々の増感剤や滑剤
を鋭意検討したが、ステッキングが良くなる代わりに地
肌かぶりが生じ易くなるという問題が生じた。しかしな
がら、かかる顕色剤に、増感剤として乳化タイプのステ
アリン酸アミドエマルション、特に平均粒子径0.5μ
m以下のステアリン酸アミドのエマルションを併用する
と、滑剤の使用量を増やすことなくヘッドマッチング性
が向上し、ヘッドカスの発生を少なくする効果があるば
かりか、地肌かぶりまで少なくなることが判明した。恐
らく乳化タイプのものは、機械的な分散による分散品よ
りも粒度分布がシャープなため、粗大な粒子が殆ど存在
しないため、加熱印字時に極めてシャープな融解挙動を
なすためと考えられる。
【0008】本発明において、ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホンとステアリン酸アミドの
エマルションの使用割合については特に限定するもので
はないが、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン100重量部に対してステアリン酸アミド
のエマルションを5〜500重量部程度の範囲で調節す
るのが望ましい。
【0009】本発明の感熱記録体において、感熱記録層
に含有せしめる無色ないし淡色の塩基性染料としては各
種公知の化合物が使用でき、例えば下記が例示される。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミ
ノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、
3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−
メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベン
ジルアミノフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘ
キシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−
N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)ア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ
(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロフェニルアミ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フル
オロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(m−トリフルオロメチルフェニルアミノ)フル
オラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フル
オロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−
p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル
−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチ
ル−N−フルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−
アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロ
ピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕
−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビ
ス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリ
ジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7
−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−
4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3−p−(p
−アニリノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロ
ロフルオラン、2,2−ビス{4−〔6′−(N−シク
ロヘキシル−N−メチルアミノ)−3′−メチルスピロ
〔フタリド−3,9′−キサンテン−2′−イルアミ
ノ〕フェニル}プロパン、3,6,−ビス(ジメチルア
ミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチ
ルアミノ)フタリド等が挙げられる。勿論、これらに限
定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併
用することもできる。
【0010】本発明の感熱記録体において、記録層中に
含有せしめる塩基性染料と顕色剤との使用比率について
は、特に限定するものではないが、一般に塩基性染料1
重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜1
0重量部程度の顕色剤を使用するのが望ましい。
【0011】本発明は、顕色剤としてビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを使用するところ
に特徴を有するものであるが、本発明の効果を阻害しな
い範囲で例えば下記の如き公知の顕色剤を併用すること
も可能である。活性白土、アタパルジャイト、コロイダ
ルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−クミルフ
ェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,
4′−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ
(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4′
−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビ
ス〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エ
チル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
スルフィン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−ヒドロキシフェニル−4′−ベンジルオキ
シフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3′,4′−テ
トラメチレンビフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキ
シフェニル−p−トリルスルホン、4−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブ
チル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、
(4−ヒドロキシフェニルチオ)酢酸−2−(4−ヒド
ロキシフェニルチオ)エチルエステル、ジ(p−ヒドロ
キシフェニルチオエチル)エーテル、N,N′−ジ−m
−クロロフェニルチオ尿素、N−(フェノキシエチル)
−4−ヒドロキシフェニルスルホンアミド等のフェノー
ル性化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エ
チルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキ
シフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸、p−クロ
ロ安息香酸等の芳香族カルボン酸、およびこれら芳香族
カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カル
シウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金
属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体
等の有機酸性物質等が例示される。
【0012】本発明は、増感剤としてステアリン酸アミ
ドのエマルションを使用するところに特徴を有するもの
であるが、本発明の効果を阻害しない範囲で例えば下記
の如き公知の増感剤を併用することも可能である。
【0013】メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベ
ンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−
エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸
ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオ
クチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジ
ル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ
−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテ
ル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、トリ
ルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエ
チル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)
エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、
1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2
−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェ
ノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−
(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェ
ニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブ
タン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジ
ド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビ
フェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエ
トキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フ
ェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の使用量
は特に限定されないが、一般に呈色剤100重量部に対
して5〜500重量部程度の範囲で調節するのが望まし
い。
【0014】さらに、効果を損なわない限り目的に応じ
て記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を
併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例と
しては、例えば1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、
4,4′−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4
−ベンジルオキシ−4′−(2−メチル−2,3−エポ
キシプロピルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル
酸ジグルシジル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の
エポキシ化合物、2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン
ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチル
フェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−
tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブ
チリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフ
ェニル)ブタン、4,4′−チオビス(3−メチルフェ
ノール)、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,
5′−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4′−ジ
ヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェ
ニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1−
〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェ
ニル)エチル〕ベンゼン、N,N′−ジ−2−ナフチル
−p−フェニレンジアミン、2,2′−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等
が挙げられる。
【0015】これらの物質を含む記録層用の塗布液の調
製には、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトラ
イター、サンドミル等の攪拌・粉砕機により塩基性染
料、顕色剤、さらには必要に応じて添加される増感剤等
を一緒にまたは別々に分散し、塗液として調製される。
かかる塗液中には、接着剤としてデンプン類、ヒドロキ
シエチルセルローズ、メチルセルローズ、カルボキシメ
チルセルローズ、ゼラチン、カゼイン、アラビヤゴム、
ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン
酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、
エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル
酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルシ
ョン等が全固形分の10〜40重量%、好ましくは15
〜30重量%程度用いられる。
【0016】また、塗液中には各種顔料を併用すること
も可能であり、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウ
ム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、珪藻土、
微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレン
マイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウ
ダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子
等の有機顔料等が挙げられる。
【0017】さらに、塗液中には各種の助剤を添加する
ことができ、例えばジオクチルスルフォコハク酸ナトリ
ウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ラウ
リルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、アルギン
酸塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、ベンゾフェノン系、
トリアゾール系などの紫外線吸収剤、その他消泡剤、蛍
光染料、着色染料などが挙げられる。
【0018】本発明において、感熱記録層の形成方法等
については特に限定されるものでなく、従来から周知慣
用の技術に従って形成することができ、例えばエアーナ
イフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピ
ュアーブレードコーティング、ショート・ドウェルコー
ティング、カーテンコーティング等により塗液を支持体
上に塗布・乾燥する方法などによって形成することがで
きる。また塗液の塗布量についても特に限定されず、通
常乾燥重量で2〜12g/m2 、好ましくは3〜10g
/m2 の範囲である。支持体としては、紙、合成紙、プ
ラスチックフィルム等が適宜選択して使用される。
【0019】なお、本発明では、必要に応じて感熱記録
体上および/または裏面側に樹脂層を設けることによっ
て、さらに記録像の保存性を高めることも可能である。
さらに、支持体に下塗り層を設け画質や感度を向上させ
たり、記録体裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加
工したり、記録体裏面に磁気層を設ける等の感熱記録体
製造分野における各種の公知技術を付加しうるものであ
る。また、記録層形成後などにスーパーキャレンダー処
理を施し、画質や画像濃度を向上させることもできる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限りそれ
ぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0021】実施例1 〔A液調製〕3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5
%水溶液5部、および水40部からなる組成物をサンド
ミルで平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕した。 〔B液調製〕ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン30部、メチルセルロースの5%水溶液5
部、および水80部からなる組成物をサンドミルで平均
粒子径が1.5μmとなるまで粉砕した。
【0022】〔記録層の形成〕A液55部、B液115
部、ステアリン酸アミドのエマルション21.5%液
〔商品名:ハイミクロンG−270,中京油脂社製,平
均粒子径:0.4μm〕80部、10%ポリビニルアル
コール水溶液160部、及び炭酸カルシウム25部を混
合攪拌して得た記録層用塗液を、45g/m2 の上質紙
の片面に乾燥後の塗布量が4g/m2 となるように塗布
乾燥して記録層を形成した。
【0023】実施例2 実施例1の記録層の形成においてステアリン酸アミドの
エマルション(平均粒子径:0.4μm)の代わりに平
均粒子径0.9μmのステアリン酸アミドのエマルショ
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を
得た。
【0024】実施例3 〔C液調整〕1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタ
ン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部、および
水55部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が
1.5μmとなるまで粉砕した。 〔記録層の形成〕A液55部、B液115部、C液40
部、ステアリン酸アミドのエマルション21.5%液
〔商品名:ハイミクロンG−270,中京油脂社製,平
均粒子径:0.4μm〕60部、10%ポリビニルアル
コール水溶液160部、及び炭酸カルシウム25部を混
合攪拌して得た記録層用塗液を、45g/m2 の上質紙
の片面に乾燥後の塗布量が4g/m2 となるように塗布
乾燥して記録層を形成した。
【0025】実施例4 〔D液調製〕焼成クレー〔商品名:アンシレックス,E
MC社製,吸油量:110ml/100g〕100部、
ポリビニルアルコールの10%水溶液100部、および
水200部からなる組成物を混合攪拌して下塗層用の塗
液を得た。 〔感熱記録体の調製〕45g/m2 の上質紙の片面に、
G液を乾燥後の塗布量が8g/m2 となるように塗布乾
燥した後、実施例1と同様に調製した記録層用塗料を乾
燥後の塗布量が4g/m2 となるように塗布乾燥した
後、スーパーカレンダー処理を行い感熱記録体を得た。
【0026】比較例1 〔E液調製〕ステアリン酸アミド20部、メチルセルロ
ースの5%水溶液5部、および水75部からなる組成物
をサンドミルで平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕
した。 〔感熱記録体の調製〕実施例1の記録層の形成において
ステアリン酸アミドのエマルションの代わりにE液80
部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を
得た。
【0027】比較例2 実施例1の記録層の形成においてステアリン酸アミドの
エマルションの代わりにC液80部を用いた以外は、実
施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0028】比較例3 〔F液調製〕4,4′−イソプロピリデンジフェノール
30部、メチルセルロースの5%水溶液5部、および水
80部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.
5μmとなるまで粉砕した。 〔感熱記録体の調製〕実施例1の記録層の形成において
B液の代わりにF液115部を用いた以外は、実施例1
と同様にして感熱記録体を得た。
【0029】かくして得られた7種類の感熱記録体につ
いて以下の評価試験を行い、その結果を〔表1〕に記載
した。 〔白色度〕発色カブリの程度を評価するために、ハンタ
ー白色度計で記録層の白色度を測定した。
【0030】〔発色濃度〕感熱記録体評価機〔商品名:
TH−PMD,大倉電気社製〕を用い、印加電圧24
V,パルス時間2msにて各感熱記録体を発色させ、得
られた記録像の発色濃度をマクベス濃度計〔RD−91
4型,マクベス社製〕でビジュアルモードにて測定し
た。 〔耐可塑剤性〕ポリプロピレンパイプ(40mmφ管)上
に塩化ビニルラップフィルム(三井東圧化学株製)を3
重に巻き付け、その上に印字発色させた感熱記録体を印
字発色面が外になるように挟み、さらにその上から塩化
ビニルラップフィルムを3重に巻き付け、30℃で24
時間放置した後の印字濃度から耐可塑剤性を評価した。
【0031】〔耐熱性〕地肌かぶりの促進テストとし
て、印字前の感熱記録体を60℃の乾燥条件下で24時
間処理した後、かぶりの程度を目視により評価した。 〔耐湿性〕印字前の感熱記録体を50℃,75%RHの
条件下で24時間処理した後、かぶりの程度を目視によ
り評価した。
【0032】〔走行性〕上記記録濃度の測定方法で感熱
記録体を記録する際に発生する音の大きさ(ステッキン
グ音)により走行性を評価した。 〔ヘッド粕〕上記記録濃度の測定方法で感熱記録体を1
00m記録する際にサーマルヘッド上に発生するヘッド
粕の量によりヘッド粕を目視評価した。
【0033】〔評価基準〕耐可塑剤性、耐熱性、耐湿
性、ステッキング音およびヘッド粕の評価基準は、以下
の通りとした。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】〔表1〕の結果から明らかなように、本
発明の感熱記録体は、いずれも走行性に優れヘッドカス
付着が少なく、 しかも耐可塑剤性および地肌かぶりの少
ない優れた感熱記録体であった。
フロントページの続き (72)発明者 中崎 素直 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神崎 製紙株式会社神崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料
    と顕色剤を含有する記録層を設けた感熱記録体におい
    て、顕色剤としてビス(3−アリル−4−ヒドロキシフ
    ェニル)スルホンを用い、増感剤としてステアリン酸ア
    ミドのエマルションを用いたことを特徴とする感熱記録
    体。
  2. 【請求項2】ステアリン酸アミドのエマルションの平均
    粒子径が0.5μm以下である請求項1記載の感熱記録
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000053427A1 (fr) * 1999-03-05 2000-09-14 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Materiau d'enregistrement thermique
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