JPH06255221A - プリンタ用インクリボンカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字騒音を低減する。 【構成】 印字ヘッド２とプラテン７との間にインクリ
ボン８を案内する１対のアーム３ｂの間に印字ヘッド２
の外周を覆うヘッドカバー９が設けられており、ヘッド
カバー９によって印字騒音をその発生源の近傍で効果的
に低減できるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ用インクリボ
ンカセットに関し、詳しくは印字騒音を低減できるプリ
ンタ用インクリボンカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】プリンタ用インクリボンカセットでは、
１対のアームが設けられ、これらの各アームによってイ
ンクリボンを印字ヘッドとプラテンとの間に案内して印
字用として用いられるようになっている。

【０００３】ところで、上記のようなインクリボンカセ
ットが用いられているプリンタでは、印字時に印字ヘッ
ドの印字要素がプラテンに衝突して印字騒音となり、従
来ではプリンタケース等の外装部品にスポンジ等の吸音
材を貼り付けたり、あるいは印字用紙の出入口をプラス
チック等の遮音材で塞ぐ等してプリンタ外部への音洩れ
を低減するようにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来構
造では、対策を打つべき部位がプリンタ全体に亘り、高
コストになったり、対策を打てない場所がどうしても残
り、効果が不十分となったりする等の問題があった。

【０００５】本発明は、低コストかつ効果的に印字騒音
を低減できるプリンタ用インクリボンカセットを得るこ
とが目的である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、印字ヘッドと
プラテンとの間にインクリボンを案内する１対のアーム
を有するプリンタ用インクリボンカセットであって、各
アームの間に印字ヘッドの外周を覆うヘッドカバーを設
けたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】本発明によれば、ヘッドカバーによって印字騒
音をその発生源の近傍で効果的に低減できる。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例を図面に基いて説明する。図
１には、本発明に係るインクリボンカセットが適用され
たプリンタが示されており、このプリンタではヘッドキ
ャリア１が設けられ、このヘッドキャリア１にインパク
ト式の印字ヘッド２および本発明が適用されたインクリ
ボンカセット３が搭載されている。

【０００９】ヘッドキャリア１は１対のガイド柱４、５
にスライド自在に支持され、ガイド柱４、５に沿って紙
送り方向と直交する方向へ移動可能となっている。ヘッ
ドキャリア１の上面には、図２にも示されるように前部
にリボンマスク６が立設固定されているとともに前部か
ら中央部付近にかけて凹部１ａが形成され、リボンマス
ク６の後方で凹部１ａの底面上に印字ヘッド２が図示し
ない固定手段により搭載されている。リボンマスク６に
は、中央部付近に矩形状の開口部６ａが形成され、この
開口部６ａに印字ヘッド２の前部が対応されている。な
お、リボンマスク６は透明な合成樹脂で形成されている
とともに上端部が湾曲されている。

【００１０】印字ヘッド２はヘッドキャリア１の凹部１
ａからその上方に突出し、その前部に図示しない印字要
素を内蔵するノーズ部２ａが形成されているとともに背
部に放熱フィン２ｂが形成されている。ノーズ部２ａの
先端面は、リボンマスク６の開口部６ａと対応し、印字
時に印字要素がリボンマスク６の開口部６ａを通ってリ
ボンマスク６の前方に印字駆動されるようになってい
る。放熱フィン２ｂは印字時に印字ヘッド２が過熱しな
いように放熱作用をなすようになっている。

【００１１】この印字ヘッド２の前方には、リボンマス
ク６の開口部６ａを通して印字ヘッド２のノーズ部２ａ
の先端面と対向するプラテン７が設けられ、このプラテ
ン７とリボンマスク６との間に図示しない記録紙が給送
されるようになっているとともに印字時に印字ヘッド２
の印字要素がリボンマスク６の開口部６ａを通って記録
紙を介してプラテン７に衝突するようになっている。

【００１２】インクリボンカセット３は図示しない係合
手段によってヘッドキャリア１に着脱可能に搭載されて
おり、必要に応じて交換できるようになっている。イン
クリボンカセット３には、図２に示されるように矩形箱
状のカセット本体３ａの両端部にそれぞれ同方向に突出
する１対のアーム３ｂが形成され、これらのアーム３ｂ
の間でインクリボン８が露出されている。インクリボン
８は無端状であって、各アーム３ｂおよびカセット本体
３ａの内部を通ってループ状に配設されているとともに
カセット本体３ａの内部で蛇行状に折り畳まれている。
各アーム３ｂは先端部が互いに接近する方向へＬ字状に
屈曲されているとともに中間部に縦壁３ｃが形成されて
いる。各アーム３ｂの間には、ヘッドカバー９が架設さ
れ、このヘッドカバー９によって各アーム３ｂの先端部
が覆われている。ヘッドカバー９は透明な合成樹脂で形
成され、各アーム３ｂに接着剤で接着されている。ヘッ
ドカバー９には、各アーム３ｂの先端部上方に位置する
上壁９ａと、各アーム３ｂの先端屈曲部の外側の縦壁に
密着する前壁９ｂと、各アーム３ｂの中間部上面に結合
する１対の側壁９ｃと、各縦壁３ｃの上面に結合する後
壁９ｄとが設けられている。前壁９ｂはリボンマスク６
の形状に対応して湾曲されているとともに各アーム３ｂ
の間のインクリボン８に対応して切欠部９ｅが形成され
ている。後壁９ｄには、印字ヘッド２の外周形状に対応
して切欠部９ｆが形成されている。

【００１３】そして、インクリボンカセット３をヘッド
キャリア１に装着した状態では、カセット本体３ａが印
字ヘッド２の後方に位置して各アーム３ｂが印字ヘッド
２の側方に位置し、各アーム３ｂによってインクリボン
８がリボンマスク６と印字ヘッド２のノーズ部２ａの先
端面との間に案内されて印字用として用いられるように
なっている。すなわち、印字時には、印字ヘッド２の印
字要素がインクリボン８と接触した状態でリボンマスク
６の開口部６ａを通って記録紙を介してプラテンに衝突
し、これによって記録紙が印字されるようになってい
る。

【００１４】また、カセット本体３ａが印字ヘッド２の
放熱フィン２ｂよりも低い位置に位置し、かつヘッドカ
バー９が放熱フィン２ｂと対向しないように放熱フィン
２ｂよりも前方に位置し、放熱フィン２ｂの放熱作用の
妨げとならないようになっている。

【００１５】また、ヘッドカバー９が各アーム３ｂ、各
縦壁３ｃ、ヘッドキャリア１およびリボンマスク６とで
印字ヘッド２の前部外周の大部分を覆うようになってい
る。すなわち、各アーム３ｂの底面がカセット本体３ａ
の底面と共にヘッドキャリア１の上面に凹部１ａの周囲
で密着し、各アーム３ｂの先端部がリボンマスク６に密
着し、縦壁３ｃが印字ヘッド２の側面に密着し、ヘッド
カバー９の上壁９ａが印字ヘッド２の前部上方に位置
し、ヘッドカバー９の前壁９ｂが印字ヘッド２の前方に
位置してリボンマスク６に密着し、ヘッドカバー９の側
壁９ｃが印字ヘッド２の側方に位置し、ヘッドカバー９
の後壁９ｄが切欠部９ｆの周縁でインクリボンカセット
３の縦壁３ｃと共に印字ヘッド２の側面に密着し且つ印
字ヘッド２の上面に密着し、リボンマスク６の開口部６
ａを除いて印字ヘッド２のノーズ部２ａの周囲大部分が
覆われるようになっている。

【００１６】上記の構成によれば、印字時には印字ヘッ
ド２の印字要素がプラテンに衝突し、印字騒音が印字ヘ
ッド２のノーズ部２ａの近傍で発生するが、この音波の
一部がその発生源の近傍でヘッドカバー９を通過し、こ
の通過の際に音のエネルギーが減衰されて印字騒音が効
果的に低減される。特に、ヘッドカバー９、各アーム３
ｂ、各縦壁３ｃ、ヘッドキャリア１およびリボンマスク
６によってリボンマスク６の開口部６ａを除いて印字ヘ
ッド２のノーズ部２ａの周囲大部分が覆われるので、印
字時に印字ヘッド２のノーズ部２ａの近傍で発生する音
波の大半がヘッドカバー９や各アーム３ｂや各縦壁３ｃ
やヘッドキャリア１やリボンマスク６を通過し、この通
過の際に音のエネルギーが大幅に減衰されて印字騒音が
より効果的に低減される。また、音波の一部はリボンマ
スク６の開口部６ａを通過することとなるが、リボンマ
スク６の前方には記録紙やプラテン７が存在するため、
その大半は記録紙やプラテン７を通過し、この通過の際
にも音のエネルギーがやはり減衰される。

【００１７】したがって、各アーム３ｂの間にヘッドカ
バー９を設けただけの低コストな構成で、印字騒音をそ
の発生源の近傍で効果的に低減できる。

【００１８】なお、上記実施例では、ヘッドカバー９を
各アーム３ｂに接着したが、各アーム３ｂにヘッドカバ
ー９を一体に成形する等してもよい。

【００１９】また、上記実施例では、ヘッドカバー９を
合成樹脂で形成したが、スポンジ等の吸音材でヘッドカ
バー９を形成するようにしてもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るプリン
タ用インクリボンカセットでは、印字ヘッドとプラテン
との間にインクリボンを案内する１対のアームの間に印
字ヘッドの外周を覆うヘッドカバーを設けたので、低コ
ストかつ効果的に印字騒音を低減できるという優れた効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】インクリボンカセットの装着状態を示すプリン
タの要部斜視図である。

【図２】インクリボンカセットの取外し状態を示すプリ
ンタの要部斜視図である。

【符号の説明】

２ 印字ヘッド ３ インクリボンカセット ３ｂ アーム ８ インクリボン ９ ヘッドカバー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字ヘッドとプラテンとの間にインクリ
   ボンを案内する１対のアームを有するプリンタ用インク
   リボンカセットであって、 上記各アームの間に上記印字ヘッドの外周を覆うヘッド
   カバーを設けたことを特徴とするプリンタ用インクリボ
   ンカセット。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記ヘッドカバー
   は、上記印字ヘッドの外周に設けられる放熱フィンと対
   向しないように配設されていることを特徴とするプリン
   タ用インクリボンカセット。