JPH06254960A - 白色二軸延伸フイルム - Google Patents

白色二軸延伸フイルム

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JPH06254960A
JPH06254960A JP5070947A JP7094793A JPH06254960A JP H06254960 A JPH06254960 A JP H06254960A JP 5070947 A JP5070947 A JP 5070947A JP 7094793 A JP7094793 A JP 7094793A JP H06254960 A JPH06254960 A JP H06254960A
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JP
Japan
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layer
biaxially stretched
stretched film
film
type
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Application number
JP5070947A
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English (en)
Inventor
Shigeru Tanaka
茂 田中
Masayoshi Asakura
正芳 朝倉
Kunitada Fukada
国忠 深田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH06254960A publication Critical patent/JPH06254960A/ja
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 内部ボイド率が10%〜30%の範囲で、フ
イルム厚み30μmにおける光学濃度(OD)が0.4
0以上で、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下の二軸延
伸フイルム(A層)の少なくとも片面、または該二軸延
伸フイルム(A層)の少なくとも片面に、内部ボイド率
が1%以下で、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下の層
(B層)が積層された白色二軸延伸フイルムにおいて、
該A層またはB層表面から深さ10nmまでの表層部に
イミノ型または/およびアミノ型の窒素原子を炭素原子
100個当り1個以上有する白色二軸延伸フイルム。 【効果】 光学濃度が高くて隠蔽性に優れ白色印刷の必
要がなく、さらに表面の耐劈開性、インキ接着性に優れ
たフイルムが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白色二軸延伸フイルム
に関する。更に詳しくは、白くて光学濃度が高く隠蔽性
に優れ、インキ接着性および接着剤の接着性に優れた白
色二軸延伸フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、白色二軸延伸フイルムとしては、
炭酸カルシウム等の無機フィラーあるいはポリオレフィ
ン樹脂に対しポリエステル等の結晶性で非相溶性樹脂を
ブレンドして延伸し、形成されたボイドの光散乱によ
り、白色化するものが知られている(特公昭60ー37
793号、特開昭61ー157547号、特開昭61ー
157548号公報等)。また、インキ接着性および接
着剤との接着性向上のために、コロナ放電処理をするこ
とは公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリオ
レフィンに炭酸カルシウム等の無機フィラーあるいはポ
リエステル等の結晶性で非相溶性樹脂と分散剤または流
動開始剤を添加し、白色化フイルムとした場合、ボイド
の体積が大きく、またボイド形成物の吸湿性が高いため
に生産上の制約を必要とし、白色化フイルムは機械的強
度、耐衝撃性に劣り、経日で白色度が低下するという問
題点があるため、各種印刷用紙、各種ラベル、各種粘着
テープ、各種包装紙として用いた場合好ましいものでは
なかった。また、上記白色フイルムに公知のコロナ放電
処理を施しても、フイルム表面の凹凸が大きく、インキ
接着性および接着剤との接着性がそれ程向上しなかっ
た。
【0004】従って本発明は、上記の白色二軸延伸フイ
ルムの問題点を解決すべく鋭意検討を行なった結果、白
くて光学濃度が高く隠蔽性に優れ、インキおよび接着剤
との接着性に優れ、各種印刷用紙、各種ラベル、各種粘
着テープ、各種包装紙として好適な白色二軸延伸フイル
ムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
白色二軸延伸フイルムは、内部ボイド率が10%〜30
%の範囲で、フイルム厚み30μmにおける光学濃度
(OD)が0.40以上で、表面粗さ(Ra)が0.5
μm以下の二軸延伸フイルム(A層)の少なくとも片面
に、表面から深さ10nmまでの表層部にイミノ型また
は/およびアミノ型の窒素原子を炭素原子100個当り
1個以上有することを特徴とするものからなる。
【0006】また、上記二軸延伸フイルム(A層)の少
なくとも片面に、内部ボイド率が1%以下で、表面粗さ
(Ra)が0.5μm以下の層(B層)が積層されてな
り、該B層の表面から深さ10nmまでの表層部にイミ
ノ型または/およびアミノ型の窒素原子を炭素原子10
0個当り1個以上有することを特徴とする白色二軸延伸
フイルムとしてもよい。
【0007】本発明の二軸延伸フイルム(A層)は、延
伸によって形成されたボイドをフイルム内に有し、その
内部ボイド率は、10%〜30%の範囲であることが必
要である。内部ボイド率が10%未満では、光学濃度
(OD)が低く、包装する内容物を保護し、隠蔽するの
に不十分となるので好ましくない。また内部ボイド率が
30%を超えると、表面粗さが大きくなり過ぎてインキ
接着性が悪化し、表層が劈開しやすくなり、機械強度も
低下するので好ましくない。
【0008】また、本発明の二軸延伸フイルム(A層)
のフイルム厚み30μmにおける光学濃度(OD)は
0.40以上であり、好ましくは0.45以上である。
0.40未満では隠蔽性が低く、例えば包装用やラベル
用として用いた場合、包装する内容物を隠蔽するのに不
十分であり、さらに隠蔽性を付与するためには白色印刷
を施すことが必要になるので好ましくない。また紙など
の他の基材とラミネートした場合に、下地の表面が透け
て見えやすくなるので好ましくない。
【0009】また本発明の白色二軸延伸フイルムにおけ
る二軸延伸フイルムA層および/またはB層の表面粗さ
(Ra)は、0.5μm以下であることが必要であり、
好ましくは0.2〜0.4μmである。表面粗さ(R
a)が0.5μmを超えると、インキや接着剤の接着力
が低下して好ましくない。また、表面粗さ(Ra)の下
限は特に限定しないが、0.1μm以下になるとフイル
ム表面のテカテカ感やピカピカ感が出て好ましくない。
【0010】次に、本発明の白色二軸延伸フイルムにお
いて、二軸延伸フイルム(A層)の少なくとも片面に積
層されるB層の内部ボイド率は、1%以下である。内部
ボイド率が1%を超えると、本発明のフイルムをラベル
用および粘着テープ用として用いたとき、ラベルの貼り
直しや、粘着テープを巻出すときにA層とB層の界面で
デラミネーションするので好ましくない。
【0011】本発明の白色二軸延伸フイルムを積層フイ
ルムとする場合の積層構成は、B層/A層、B層/A層
/B層である。B層の積層厚みは1μm以上、好ましく
は2〜6μmである。B層の積層厚みが1μm未満では
A層とB層の界面でデラミネーションするので好ましく
ない。
【0012】本発明のフイルムは、それ自身のフイルム
で包装用、ラベル用、粘着テープ用、カード用として使
うことができる。また紙、ポリエステルフイルム、ポリ
プロピレンフイルム、アルミ箔等と張り合わせて使うこ
ともできる。
【0013】さらに本発明のフイルムに印刷をした際
に、表面のテカテカ感やピカピカ感がなくしっとりと落
ちついた色調を与えるために、本発明のフイルムの光沢
度は、100%未満、好ましくは90%以下であること
が望ましい。光沢度が100%以上では印刷をした際
に、表面がテカテカやピカピカして印刷が見にくい。
【0014】次に、本発明のフイルムは、A層および/
またはB層の表面から深さ10nmまでの表層に、イミ
ノ型および/またはアミノ型の窒素原子(N)を、炭素
原子(C)100個当たり1個以上有していなければな
らない。すなわち、NとCとの比率N/Cが0.01未
満だとインキや接着剤との接着性が悪くなる。なお、炭
素原子(C)100個当たりの窒素原子(N)の数(以
下NC と略称する)の上限は特に限定されないが、2〜
5個の範囲が好ましい。これを達成する方法としては、
B層の表面を炭酸ガス、窒素ガスなどの存在下で実質上
酸素のない雰囲気中でコロナ放電処理あるいはプラズマ
処理をして、表面から深さ10nmまでの表層部にイミ
ノ型または/およびアミノ型の窒素原子を導入する。
【0015】本発明における二軸延伸フイルム(A層)
は、結晶性ポリプロピレン65〜93重量%と、熱変形
温度が120℃以上の非晶性樹脂5〜20重量%と、融
解温度が140℃以下のポリオレフィン樹脂2〜15重
量%の樹脂組成からなることが好ましい。
【0016】ここで、結晶性ポリプロピレン(以下PP
と略称する)は、極限粘度[η]が1.6〜3.2dl
/g、好ましくは1.8〜2.4dl/g、アイソタク
チックインデックス(II)が、90%以上、メルトフ
ローインデックス(MFI)が1.0〜15g/10分
の範囲が機械特性、耐衝撃性等の諸物性、および光学濃
度(OD)の均一性が良好となるので好ましい。プロピ
レン以外の第2成分、例えばエチレン、ブテン、ヘキセ
ンなどを少量ランダムに共重合させてもよい。また、公
知の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止剤、熱安定剤、
すべり剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填剤、
粘度調整剤、着色防止剤などを含有させてもよい。
【0017】また二軸延伸フイルム(A層)の樹脂組成
の、前記非晶性樹脂の熱変形温度(ASTM−D648
に準じて測定。荷重は18.6kg/cm2 )は120
℃以上であることが必要であり、好ましくは125〜1
60℃である。熱変形温度が120℃より低い場合は、
延伸によるボイド形成が不十分で、光学濃度(OD)が
低くて隠蔽性の発現が困難となるので好ましくない。
【0018】この非晶性樹脂として具体的には、重量平
均分子量(以下MWと略称する)40000以下のポリ
カーボネート樹脂(以下PCと略称する)がPPへの分
散性が良く、化学的安定性に優れているので好ましい。
【0018】そして、このPCとしては、芳香族ポリカ
ーボネートが好ましく、直鎖状および分岐鎖状のポリカ
ーボネートも用いることができる。該PCは、ホモポリ
マーまたは他のモノマーとの共重合体でもよい。また該
PCの熱変形温度は120℃以上、好ましくは125℃
以上である。熱変形温度が120℃より低い場合は、ボ
イド形成が不十分で、光学濃度(OD)が低くて隠蔽性
の発現が困難となるので好ましくない。また、本発明の
PCのMWは40000以下が好ましい。MWが400
00を越えるとPPへの分散性が悪化して、光学濃度
(OD)むらができ隠蔽性が悪化するので好ましくな
い。また、溶融特性として、メルトフローインデックス
が1〜50g/10分であることが、PPへの分散性が
良く光学濃度が高くなるので好ましい。また、通常PC
は吸湿性であるが、本発明ではPPと混合して溶融押出
する際に、乾燥せずに溶融混練しても問題なくボイド形
成ができ、コスト面からも未乾燥使用が好ましい。
【0019】本発明の二軸延伸フイルム(A)中に含ま
れる非晶性樹脂の含有量は、5〜25重量%、好ましく
は10〜20重量%である。非晶性樹脂の含有量が上記
範囲未満では、内部ボイド生成率が低く、フイルムの白
色度と光学濃度(OD)が不十分となる。またこの範囲
を超えると二軸延伸性が悪化する。
【0020】また上記非晶性樹脂は、延伸工程で変形
(たとえば楕円形に変形)しうる弾性を有していること
が好ましい。本発明のフイルム中に分散した非晶性樹脂
の形状は、長径と短径の比が1.1以上であることが、
ボイド形状が扁平となって表面粗さが小さくなり、また
機械特性や耐衝撃性に優れるので好ましい。
【0021】本発明の二軸延伸フイルム(A層)中に含
まれる第3成分の融解温度が140℃以下のポリオレフ
ィン樹脂(以下L−POと略称する)は、エチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カル
ボン酸エステル共重合体から選ばれた一種又は二種以上
の樹脂からなるものである。この中でエチレン−α−オ
レフィン共重合体としてはエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体(以下EPCと略称する)、エチレン−α,
β−不飽和カルボン酸エステル共重合体としてはエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体が、低温延伸性が向上
して内部ボイドの生成を助長し、光学濃度が向上するの
で好ましい。特にPPとエチレン−アクリル酸エステル
共重合体との混合物がより好ましい。また、該EPCお
よびエチレン−アクリル酸エステル共重合体のメルトフ
ロ−インデックス(MFI)が、1.0〜20g/10
分の範囲が機械特性、耐衝撃性等の諸物性、および光学
濃度(OD)の均一性が良好となり、また表層の耐劈開
性も良好となるので好ましい。
【0022】本発明の二軸延伸フイルム(A層)中に含
まれる第3成分のL−POの融解温度は、140℃以下
であることが必要である。140℃を越えると、該PC
の分散性が悪化し、光学濃度(OD)が低下するので好
ましくない。
【0023】本発明の二軸延伸フイルム(A層)中に含
まれるL−POの含有量は、2〜15重量%であること
が必要であり、特に5〜12重量%であることが望まし
い。該L−POの含有量が2重量%未満では、二軸延伸
性が悪化する。また、この範囲を越えると、低温延伸性
は向上するが内部ボイド生成率が低下し、光学濃度(O
D)が不十分となる。
【0024】次に、本発明の二軸延伸フイルム(A層)
の少なくとも片面に積層される、内部ボイド率が1%以
下で、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下の層(B層)
の樹脂は、ポリオレフィン樹脂である。この中でもエチ
レン−プロピレンランダム共重合体(以下EPCと略称
する)、エチレン−プロピレンブロック共重合体(以下
b.EPCと略称する)、ポリプロピレンとエチレン−
アクリル酸共重合体との混合物が、A層との積層性およ
び共延伸性がよく、またインキ接着力も強くなって好ま
しい。
【0025】次に、本発明の白色二軸延伸フイルムの製
造方法について説明するがこれに限定されるものではな
い。まずA層の樹脂組成として、結晶性PPと熱変形温
度が120℃以上の非晶性樹脂と、融解温度が140℃
以下のポリオレフィン樹脂のそれぞれ特定範囲の混合物
を押出機に供給し、240℃〜300℃の温度で溶融し
た後、T型口金でシート状に溶融押出をする。次いで、
30〜100℃、好ましくは40〜80℃の温度のドラ
ムに巻き付けて冷却固化させることにより未延伸フイル
ムを得る。
【0026】得られた未延伸フイルムを100℃〜14
0℃に予熱した後、150℃以下の温度で長手方向に延
伸倍率4〜6倍延伸し、ただちに室温に冷却する。この
ときの延伸温度は次の横延伸性が悪化しない下限の温
度、110〜130℃の範囲がA層のフイルムの内部ボ
イド率が高くなり、光学濃度が高くなるので好ましい。
引き続き該延伸フイルムをテンターに導いて、170℃
以下の温度で予熱し、150〜165℃の温度で幅方向
に5〜10倍に延伸し、次いで幅方向に2〜20%の弛
緩を与えつつ、160〜170℃の温度で熱固定して巻
取る。
【0027】またB層の積層は、B層のポリオレフィン
樹脂をもう一台の押出機に供給して220〜280℃の
温度で溶融した後、多層成形口金にてB層/A層または
B層/A層/B層の構成となるように口金内で合流させ
た後、積層シート状に成形する。また、別の積層方法と
しては、口金の上流の短管内でA層樹脂とB層樹脂とを
合流せしめた後、T型口金でシート状に成形するか、ま
たは上記製膜工程で長手方向に延伸された延伸フイルム
にB層の樹脂を押出ラミネートする。具体的には、B層
の樹脂を押出機に供給し、240〜280℃の温度で溶
融した後、カラス口型の口金にてシート状に溶融押出を
し、その溶融シートを5〜50℃の温度の冷却ロールと
ゴムロールの間で長手方向に延伸したフイルムと貼り合
わせ圧着する。
【0028】続いて該積層フイルムをテンターに導き、
幅方向に延伸される方法が用いられる。引き続き二軸に
延伸されたフイルムの端部をカット除去後、A層または
B層の面を炭酸ガス、窒素ガスなどの存在下で実質上酸
素のない雰囲気中でコロナ放電処理あるいはプラズマ処
理をして、表面から深さ10nmまでの表層部にイミノ
型または/およびアミノ型の窒素原子を導入する。代表
的な表面処理方法としては、たとえば特公昭57−30
854号公報などに示されている様に本質的に窒素N2
と二酸化炭素CO2 の混合ガス(N2 /CO2 =100
/0〜50/50体積比)雰囲気下でコロナ放電処理を
する。あるいは種々の気体をプラズマ状態におきフイル
ム表面を化学変性させる方法などがある。
【0029】本発明のフイルムには、目的に応じて帯電
防止剤、耐候剤、防曇剤、滑り剤などの添加剤を添加、
またはコーティングしてもよい。また本発明のフイルム
は、目的に応じてエンボス加工、印刷、押出ラミネーシ
ョン加工、他の樹脂フイルム、紙、布などと張り合わせ
加工を行なつて用いることもできる。
【0030】〔特性の測定方法並びに効果の評価方法〕
本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次
のとおりである。 (1)極限粘度([η]) 試料0.1gを135℃のテトラリン100mlに完全
溶解させ、この溶液を粘度計で135℃の恒温槽中で測
定して、比粘度Sにより次式に従って極限粘度を求め
る。単位はdl/gとする。 [η]=S/0.1×(1+0.22×S)
【0031】 (2)アイソタクチックインデックス(II) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W
(mg)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ沸騰
n−ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料を取
り出しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真
空乾燥しその後、重量W’(mg)を測定し、次式で求
める。 II(%)=W’/W×100
【0032】(3)フイルム厚み ダイヤルゲージ式厚み計(JIS−B−7509、測定
子5mmφ平型)を用いて測定した。
【0033】(4)光学濃度(OD) マクベス社製濃度計TD−504を用いて測定した。入
射光量をI0 、透過光量をIとすると、 OD=−log(I/I0 ) で定義される。この値をフイルム厚み30μmに換算し
た値を記す。
【0034】(5)表面粗さ(Ra) JIS−B−0601−1976に記載されているよう
に、触針法で測定した中心線平均粗さ(Ra)で表わ
す。
【0035】 (6)イミノ型または/およびアミノ型の窒素原子数 イミノ型または/およびアミノ型の窒素原子数は、ポリ
プロピレンポリマ鎖の炭素に直接結合しており、その量
はESCA法の測定値を用いる。本発明で言うESCA
法とは、軟X線励起光電子分光法の略称であって、軟X
線の照射によって試料化合物中の原子から叩き出された
光電子の分光スペクトルから試料の表面近傍の元素の種
類および化学結合状態を分析する方法である。ESCA
法では炭化水素系高分子物質に対して光電子の透過能が
小さく、該高分子物質のESCAによる測定はその表面
から10nm以内特に極表層部の情報が相対的に強く得
られる特徴を有する。本発明で言うイミノ型または/お
よびアミノ型の窒素原子とは、ESCA法によって同定
される結合窒素であって、イミノ基、アミノ基に代表さ
れるESCAで測定される結合窒素のIS軌道、
(NIS)スペクトルの結合エネルギ−が397.0〜4
02.5eVの範囲(但しポリプロピレンにおけるCIS
のメインピークを285.0eVとする)にピークを有
するものである(以下単にイミノ型または/およびアミ
ノ型の窒素という)。具体的には、国際電子(株)製の
ESCAスペクトロメータES−200型を用い、処理
フイルムの処理面のNISスペクトルとCISスペクトルを
測定し、NISスペクトルのうちイミノ型または/および
アミノ型の窒素の結合エネルギーに対応するピークの積
分強度と、CISスペクトルの積分強度の比を算出した。
本発明におけるイミノ型または/およびアミノ型の窒素
原子と炭素原子の個数比N/Cは、前述の積分強度比を
もとに算出した。
【0036】(7)インキ接着性 フイルム表面に市販のセロファン用印刷インキ:セロカ
ラーST「白」(東洋インキ製(株)製)をコーティン
グバー#5にて塗布し、80℃のオーブンで1分間乾燥
後、25℃.50%RH下に24時間放置した。その
後、印刷フイルムにセロテープ(積水化学(株)製NO
1150,幅24mm)を貼付けして、手にて急速に剥
離したときのフイルム表面のインキ剥離面積により、次
のとおり5段階評価した。 ランク5:インキ剥離面積0% ランク4:インキ剥離面積10%未満 ランク3:インキ剥離面積10%〜25%未満 ランク2:インキ剥離面積25%〜50%未満 ランク1:インキ剥離面積50%以上
【0037】 (8)内部ボイド率およびフイルム断面構造観察 電界放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いてフ
イルム断面構造観察を行ない、内部ボイド率およびフイ
ルム厚み構成比を求めた。
【0038】 (9)融解温度(Tm)及び溶融結晶化温度(Tmc) 示差走査熱量計(DSC−2型、パーキンエルマー社
製)を用い、サンプル5mgを室温より、20℃/分の
昇温速度で昇温していった際の結晶の融解に伴う融解吸
熱ピークを融解温度(Tm)とする。ついで、280℃
の溶融保持温度まで昇温し、5分間保持した後に20℃
/分の冷却速度にて冷却していった時に、結晶化に伴う
潜熱のピーク温度を溶融結晶化温度(Tmc)とした。
【0039】(10)重量平均分子量(MW) 重量平均分子量(MW)は以下の測定条件により求め
た。 装 置:東ソ−(株)製HLC−A−802型 カラム:東ソ−(株)製GMH6×2,G2000H8 溶 媒:テトラヒドロフラン 温 度:23℃ 流 速:1.5ml/min
【0040】 (11)メルトフローインデックス(MFI) ASTM−D−1238に準じて、PPおよびEPCの
樹脂は230℃、2.16kg、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体の樹脂は190℃、2.16kg、P
Cは300℃、1.2kgの条件で測定した。
【0041】(12)樹脂の熱変形温度 ASTMーDー648の方法に準じて、荷重18.6k
g/cm2 として測定して求めた温度を熱変形温度とし
た。
【0042】 (13)フイルム表面の劈開、デラミネーション フイルム表面に幅18mmのセロハンテープ(ニチバン
(株)製、NO405)を長さ50mm貼りつけて、手
剥離(速度:約200mm/sec)し、フイルム表面
の表層部分の劈開の有無およびA/B層間のデラミネー
ションの有無で判定した。
【0043】 (14)フイルム中の非晶性樹脂の形状観察 電界放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いてフ
イルム断面構造観察を行ない、非晶性樹脂100個の長
形と短形の比の平均値を求めた。
【0044】(15)光沢度(JIS−Z8741、方
法2、60°鏡面光沢) 光沢度計(日本電色工業(株)製、VG107型)を用
いて、60°反射の時の光沢度を測定して求めた。
【0045】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいて説明す
る。 実施例1〜3、比較例1〜4 結晶化PP(極限粘度:2.20dl/g、MI:1.
5g/10分、II:97%)樹脂に、非晶性樹脂とし
てPC(熱変形温度:137℃,分子量:25000)
と、L−POとして融解温度が100℃のエチレンーメ
チルメタアクリル酸共重合体(EMMA)を表1に示し
た割合に混合したA層樹脂を押出機1に供給し、B層の
樹脂として、該結晶化PP90重量%と該EMMA10
重量%を混合した樹脂を押出機2に供給し、それぞれ2
90℃の温度で溶融し、T型口金に導き口金内にてB/
A/B層に積層してシート状に押出成形し、60℃の温
度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。
【0046】該シートを120℃に保たれた4本のロー
ルに通して予熱後、周速差を設けたロール間で、130
℃の延伸温度で長手方向に5倍延伸をした後、ただちに
40℃に冷却した。次に該延伸フイルムをテンターに導
き、165℃の温度に予熱し、引き続き160℃の温度
で幅方向に10倍延伸し、次いで幅方向に8%の弛緩を
与えつつ165℃の温度で熱処理をした後、つづいて端
部をカット除去後、該B層の面を表1に示したようにそ
れぞれ炭酸ガス、窒素ガス、空気の混合ガスの雰囲気中
でコロナ放電処理をした。
【0047】得られたフイルムの特性を表2に示した。
本発明の範囲のフイルムは光学濃度が高くて隠蔽性に優
れ、インキ接着性、耐劈開性にも優れたものであった。
また、本発明の範囲を外れたフイルムは、光学濃度、イ
ンキ接着性、耐劈開性のいずれかに劣り、本発明で目的
とするフイルムは得られなかった。
【0048】実施例4、5、比較例5〜7 実施例4では、B層の積層樹脂をエチレン含有量30%
のb.EPCにし、実施例5では、A層樹脂の単膜フイ
ルムとし、比較例5では、実施例1のA層樹脂の非晶性
樹脂をポリメチルメタクリレート(PMMA)(熱変形
温度:82℃)とし、比較例6では、実施例1の非晶性
樹脂のPCの替わりに結晶性のポリエステル樹脂である
ポリエチレンテレフタレート(PET)(熱変形温度:
56℃)とし、比較例7では、実施例1のB層の積層樹
脂を融解温度が162℃のPPに炭酸カルシウムを10
重量%添加した以外は実施例1と全く同様にしてフイル
ムを製造した。フイルム特性は表2のとおりであった。
【0049】表2に示すように、本発明の範囲のフイル
ムは光学濃度が高くて隠蔽性に優れ、インキ接着性、耐
劈開性にも優れたものであった。また、本発明の範囲を
外れたフイルムは、光学濃度、インキ接着性、耐劈開性
のいずれかに劣り、本発明で目的とするフイルムは得ら
れなかった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のフイルム
は、内部ボイド率が10%〜30%の範囲で、フイルム
厚み30μmにおける光学濃度(OD)が0.40以上
で、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下の二軸延伸フイ
ルム(A層)の少なくとも片面、または該二軸延伸フイ
ルム(A層)の少なくとも片面に内部ボイド率が1%以
下で、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下の層(B層)
が積層された白色二軸延伸フイルムにおいて、該白色二
軸延伸フイルムのA層またはB層表面から深さ10nm
までの表層部に、イミノ型または/およびアミノ型の窒
素原子を炭素原子100個当り1個以上有することを特
徴とし、次のような優れた効果を生じるものである。
【0053】(1)白くて隠蔽性に優れ、印刷の白色下
塗り層が省略でき印刷仕上がりが良い。 (2)二次加工で必要なインキ接着性、接着剤接着性に
優れ、各種印刷用紙、粘着テープベース用、ラベル用と
して良好な特性を有する。 (3)ボイドの形状が小さく扁平で均一であることか
ら、菓子やスナック類の包装用として必要な防湿性に優
れている。 (4)無機粒子の添加がないので、製膜性に優れてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/12 LCQ 7107−4J B29K 23:00 B29L 9:00 4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部ボイド率が10%〜30%の範囲
    で、フイルム厚み30μmにおける光学濃度(OD)が
    0.40以上で、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下の
    二軸延伸フイルム(A層)の少なくとも片面に、表面か
    ら深さ10nmまでの表層部にイミノ型または/および
    アミノ型の窒素原子を炭素原子100個当り1個以上有
    することを特徴とする白色二軸延伸フイルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の二軸延伸フイルム(A
    層)の少なくとも片面に、内部ボイド率が1%以下で、
    表面粗さ(Ra)が0.5μm以下の層(B層)が積層
    されてなり、該B層の表面から深さ10nmまでの表層
    部にイミノ型または/およびアミノ型の窒素原子を炭素
    原子100個当り1個以上有することを特徴とする白色
    二軸延伸フイルム。
  3. 【請求項3】 前記二軸延伸フイルム(A層)が、結晶
    性ポリプロピレン65〜93重量%と、熱変形温度が1
    20℃以上の非晶性樹脂5〜20重量%と、融解温度が
    140℃以下のポリオレフィン樹脂2〜15重量%とか
    らなることを特徴とする請求項1又は2の白色二軸延伸
    フイルム。
  4. 【請求項4】 前記熱変形温度が120℃以上の非晶性
    樹脂が、重量平均分子量(MW)40000以下のポリ
    カーボネート樹脂であることを特徴とする請求項3の白
    色二軸延伸フイルム。
  5. 【請求項5】 前記融解温度が140℃以下のポリオレ
    フィン樹脂が、エチレン−α−オレフィン、エチレン−
    α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれ
    た一種又は二種以上の樹脂からなる樹脂であることを特
    徴とする請求項3の白色二軸延伸フイルム。
  6. 【請求項6】 前記B層が、ポリオレフィン樹脂からな
    ることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載
    の白色二軸延伸フイルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009067096A1 (en) * 2007-11-19 2009-05-28 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Method and apparatus for improving printed image density
JP2021152483A (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 国立研究開発法人産業技術総合研究所 水素ガス感応性膜、その成膜に用いられるコーティング液、そのコーティング液の製造方法、及び水素ガス感応性膜の製造方法

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WO2009067096A1 (en) * 2007-11-19 2009-05-28 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Method and apparatus for improving printed image density
JP2021152483A (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 国立研究開発法人産業技術総合研究所 水素ガス感応性膜、その成膜に用いられるコーティング液、そのコーティング液の製造方法、及び水素ガス感応性膜の製造方法

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