JPH0625442A - 磁気記録テープ用ベースフイルム - Google Patents

磁気記録テープ用ベースフイルム

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JPH0625442A
JPH0625442A JP5058695A JP5869593A JPH0625442A JP H0625442 A JPH0625442 A JP H0625442A JP 5058695 A JP5058695 A JP 5058695A JP 5869593 A JP5869593 A JP 5869593A JP H0625442 A JPH0625442 A JP H0625442A
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靖浩 佐伯
Kiminori Nishiyama
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Hisashi Hamano
久 浜野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間記録が可能であり、スタート・ストッ
プ時の張力変動によるテープの伸縮・変形が少なく、記
録の歪、出力変動が小さく電磁変換特性の良好な磁気記
録テープ用ベースフイルムを提供する。 【構成】 二軸配向ポリエステルフイルムからなる磁気
記録テープ用ベースフイルムであって、該ポリエステル
が、その結晶化発熱量が16〜25.5J/gとなる割
合で4,4′―ジフェニルジカルボン酸成分を共重合さ
せた変性ポリエチレン―2,6―ナフタレートであるこ
とを特徴とする磁気記録テープ用ベースフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録テープ用ベース
フイルムに関し、さらに詳しくは高密度記録の磁気記録
テープ、特にメタルテープのベースフイルムとして有用
な二軸配向ポリエチレン―2,6―ナフタレートフイル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録テープ用ベースフイルムとして
は、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムが従
来から広く用いられている。しかしながら、このような
従来の磁気記録テープ用ベースフイルムでは、磁気記録
テープとした場合、磁気記録の保磁力が小さく、カセッ
トに巻くテープの長さを長くして記録再生の長時間化を
図るためにテープの厚みを薄くすると、テープの走行性
や耐久性が悪化するという問題が生ずる。
【0003】そこで、このようなポリエチレンテレフタ
レートフイルムの問題点を解消するために、高ヤング率
の二軸配向ポリエチレン―2,6―ナフタレートフイル
ムを磁気記録テープ用ベースフイルムとして用いること
が多数提案されている。
【0004】しかしながら、このような高ヤング率、低
熱収縮率のポリエチレン―2,6―ナフタレートフイル
ムを用いた磁気記録テープでも、記録再生の長時間化を
図るためにベースフイルムの厚みを薄くすると、いくつ
かの問題が顕在化してくる。
【0005】即ち、テープの走行において、スタート
・ストップ時の張力変動によるテープの伸縮、変形及び
これに起因する記録の歪が生じ、更には、テープ端面の
片伸び、折れ曲がり、走行テープのガイドへの巻きつき
等のトラブルが発生する。この問題は、ベースフイルム
の機械特性(ヤング率)と熱特性(熱収縮率)等の特性
を縦、横方向でうまく配分させ制御することによってあ
る程度改善できる。しかし周知の様にテープ厚みを薄く
して長時間化を図る場合、そのヤング率を高くしてテー
プの変形を防ぐ必要があるが、高すぎるとき一度片伸び
したり、折れ曲がったりしたテープの回復が起こらない
か又は回復したとしても長時間かかるためにテープとし
ての性能が損なわれるという問題が生じる。
【0006】また、滑り性付与のために添加する各種
滑剤微粒子との親和性が不充分のため、滑剤とポリマー
間にボイドが形成されたり、滑剤及びポリマー剥離部が
フイルムより脱落したりして磁気テープ製造時のダイコ
ーターやカレンダー処理工程でベースフイルムが削れる
という問題も残されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解消し、長時間記録が可能であり、スタート・
ストップ時の張力変動によるテープの伸縮・変形が少な
く、記録の歪、出力変動が小さく、電磁変換特性の良好
な磁気記録テープ用ベースフイルムを提供することにあ
る。本発明の他の目的は磁気テープへの加工時に起こる
ダイコーターやカレンダー処理による削れが極めて起こ
り難い磁気記録テープ用ベースフイルムを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成からなる。
【0009】二軸配向ポリエステルフイルムからなる磁
気記録テープ用ベースフイルムであって、該ポリエステ
ルが、その結晶化発熱量が16〜25.5ジュール
(J)/gとなる割合で4,4′―ジフェニルジカルボ
ン酸成分を共重合させた変性ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートであることを特徴とする磁気記録テープ用ベ
ースフイルム。
【0010】本発明においてフイルムを構成する変性ポ
リエチレン―2,6―ナフタレートはエチレン―2,6
―ナフタレートを主たる繰返し単位とし、2,6―ナフ
タレンジカルボン酸成分のほかに4,4′―ジフェニル
ジカルボン酸成分を共重合させたポリエステルである。
この4,4′―ジフェニルジカルボン酸成分の共重合割
合は、ポリエステルの結晶化発熱量が16〜25.5ジ
ュール(J)/g、好ましくは20〜25.5J/gと
なる割合であり、好ましくは全酸成分当り1〜5モル
%、さらに好ましくは全酸成分当り1〜3.5モル%で
ある。
【0011】変性ポリエチレン―2,6―ナフタレート
を構成する酸成分としては、小割合で、2,6―ナフタ
レンジカルボン酸及び4,4′―ジフェニルジカルボン
酸以外のジカルボン酸を用いることができる。具体的に
は、1,5―ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベン
ゾフェノンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、1,3―アダマンタンジカルボン酸などの脂環族ジ
カルボン酸を例示することができる。またグリコール成
分としては、小割合で、エチレングリコール以外のグリ
コールを用いることができる。具体的には、1,3―プ
ロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,6―ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4―シ
クロヘキサンジメタノール、p―キシリレングリコール
などを例示することができる。
【0012】本発明における変性ポリエチレン―2,6
―ナフタレートは前述したように結晶化発熱量が16〜
25.5J/gの範囲である必要がある。この結晶化発
熱量が25.5J/gより大きいと、滑剤周辺のボイド
が大きくなり、ベースフイルムはダイコーターやカレン
ダー工程で削れ易くなるという問題を生じる。一方この
結晶化発熱量が16J/gより小さいと、滑剤周辺のボ
イドは小さくなるが、延伸配向が極めて実施しにくくな
り、ヤング率の高いフイルムを得ることができない。
【0013】また、本発明における変性ポリエチレン―
2,6―ナフタレートは、安定剤、着色剤、帯電防止剤
等の添加剤を配合したものでもよい。また、フイルム表
面を粗にして、フイルムの滑り性を改良するためにポリ
マー中に各種の不活性な固体微粒子を配合することもで
きる。
【0014】この不活性な固体微粒子としては、好まし
くは(1)二酸化ケイ素(水和物、ケイソウ土、ケイ
砂、石英等を含む);(2)アルミナ;(3)SiO2
成分を30重量%以上含有するケイ酸塩(例えば非晶質
あるいは結晶質の粘土鉱物、アルミノシリケート(焼成
物や水和物を含む)、温石綿、ジルコン、フライアッシ
ュ等);(4)Mg、Zn、Zr、及びTiの酸化物;
(5)Ca,及びBaの硫化物;(6)Li、Na、及
びCaのリン酸塩(1水素塩や2水素塩を含む);
(7)Li、Na、及びKの安息香酸塩;(8)Ca、
Ba、Zn、及びMnのテレフタル酸塩;(9)Mg、
Ca、Ba、Zn、Cd、Pb、Sr、Mn、Fe、C
o、及びNiのチタン酸塩;(10)Ba、及びPbの
クロム酸塩;(11)炭素(例えばカーボンブラック、
グラファイト等);(12)ガラス(例えばガラス粉、
ガラスビーズ等);(13)Ca、及びMgの炭酸塩;
(14)ホタル石及び(15)ZnSが例示される。更
に好ましくは、二酸化ケイ素、無水ケイ酸、含水ケイ
酸、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム(焼成物、
水和物等を含む)、燐酸1リチウム、燐酸3リチウム、
燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化
チタン、安息香酸リチウム、これらの化合物の複塩(水
和物を含む)、ガラス粉、粘土(カオリン、ベントナイ
ト、白土等を含む)、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシ
ウム等が例示される。特に好ましくは、二酸化ケイ素、
酸化チタン、炭酸カルシウムが挙げられる。
【0015】かかる不活性固体微粒子の平均粒径は0.
02〜0.6μmが好ましく、また配合量は0.005
〜0.5重量%が好ましい。
【0016】本発明における変性ポリエチレン―2,6
―ナフタレートは、公知の方法で製造することができ
る。例えば、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,
4′―ジフェニルジカルボン酸及びエチレングリコール
を所定量混合し、常圧もしくは加圧下で直接エステル化
反応を行ない、更に減圧下にて溶融重縮合反応を行なっ
て変性ポリエチレン―2,6―ナフタレートを製造する
ことができる。その際、触媒等の添加剤を必要に応じて
任意に使用することができる。また、変性ポリエチレン
―2,6―ナフタレートの固有粘度は0.45〜0.9
0の範囲にあることが好ましい。
【0017】本発明のベースフイルムは、上述した変性
ポリエチレン―2,6―ナフタレートからなる二軸配向
フイルムであるが、該フイルムは縦方向のヤング率が6
50kg/mm2 以上であることが好ましい。これによって
テープの電子編集時や、スタート・ストップ時のテープ
の伸縮永久変形が防止でき、テープの歪の回復を速やか
になしうる。また、縦方向のヤング率が650kg/mm2
未満の場合、テープとしたときのスティフネスも低下す
るため再生用のヘッドとのタッチが悪くなり、出力変動
が大きく、音質も悪くなる。これらの点から、縦方向の
ヤング率は、好ましくは700kg/mm2 以上、更に好ま
しくは750kg/mm2 以上である。
【0018】本発明のベースフイルムは、また、横方向
のヤング率が650kg/mm2 以上であることが好まし
い。これによって記録再生用のヘッドとのタッチが良く
なる。このヤング率が650kg/mm2 未満の場合には、
ヘッドとのタッチが悪くなり、出力変動が大きく音質も
悪くなる。これらの点から、縦方向のヤング率は、好ま
しくは700kg/mm2 以上、更に好ましくは750kg/
mm2 以上である。
【0019】上記各特性をベースフイルムに付与する手
段としては公知の方法を用いることができる。例えば、
乾燥させた変性ポリエチレン―2,6―ナフタレートを
融点〜融点+70℃で溶融押出し、冷却固化して未延伸
フイルムを得る。次いで該未延伸フイルムを縦方向に延
伸した後、横方向に延伸する、いわゆる縦・横逐次延伸
法あるいはこの順序を逆にして延伸する横・縦逐次延伸
法、同時二軸延伸法、更にはこれら通常の二軸延伸フイ
ルムを再延伸する方法等により延伸する。延伸温度、延
伸倍率等は公知の条件から上述の特性を満足させる条件
を選択する。また、熱固定条件も上記フイルムの特性に
応じて適宜選択、決定される。この場合、縦・横逐次延
伸法においては延伸倍率及び延伸温度は、第1段目の縦
方向延伸では延伸倍率3.5〜6.0倍、延伸温度13
0℃〜160℃、第2段目の横方向延伸では延伸倍率
3.5〜5.5倍、延伸温度130℃〜155℃とし、
次いで180℃〜250℃の温度で緊張下又は制限収縮
下で熱固定するのが好ましい。また、横・縦延伸逐次延
伸法においては、まずステンターによって横方向に3.
5〜5.5倍延伸するが、このとき延伸温度は130℃
〜160℃とする。次いで得られたフイルムを周速の異
なるロール間で縦方向に延伸する。このときの延伸倍率
は3.5〜6.0倍とし、温度は150℃〜170℃と
する。次いで180℃〜250℃の温度で熱固定するの
が好ましい。また、二軸延伸フイルムを再延伸する方法
では、まず縦方向に1.8〜2.8倍、130℃〜15
0℃で延伸し、次いでステンターによって横方向に3.
8〜5.2倍、115℃〜130℃で延伸し、緊張下又
は制限収縮下で150℃〜170℃で熱固定する。更
に、再度縦延伸に1.5〜3.5倍、150℃〜190
℃で延伸し、更にステンターにより横方向に1.1〜
2.4倍、170℃〜200℃で延伸し、最後に180
℃〜250℃で緊張下又は制限収縮下で熱固定するのが
好ましい。熱固定の時間は5〜20秒間とするのが好ま
しい。
【0020】本発明のベースフイルムは、長時間の記録
再生のためにフイルム厚みを薄くした場合に効果が顕著
となる。このフイルム厚みは7μm以下が好ましい。
【0021】本発明のベースフイルムは、高級グレード
の磁気記録媒体、例えばオーディオ及びビデオ等の長時
間録画用超薄物、高密度記録磁気フイルム、高品質画像
記録再生用の磁気記録フイルム、例えばメタルや蒸着磁
気記録材として好適である。
【0022】本発明のベースフイルムには、その片側又
は両面に磁性層を設けることができる。
【0023】磁性層、および磁性層をベースフイルム上
に設ける方法はそれ自体公知であり、本発明においても
公知の磁性層およびそれを設ける方法を採用することが
できる。
【0024】例えば磁性層をベースフイルム上に磁性塗
料を塗布する方法によって設ける場合には、磁性層に用
いられる強磁性粉体としてはγ―Fe2 3 、Co含有
のγ―Fe2 3 、Co含有のγ―Fe3 4 、CrO
2 、バリウムフェライトなど、公知の強磁性体が使用で
きる。
【0025】磁性粉体と共に使用されるバインダーとし
ては、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂
又はこれらの混合物があげられる。これらの樹脂の具体
例としては、例えば塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体、
ポリウレタンエラストマー等があげられる。
【0026】磁性塗料は、更に研磨剤(例えばα―Al
2 3 等)、導電剤(例えばカーボンブラック等)、分
散剤(例えばレシチン等)、潤滑剤(例えばn―ブチル
ステアレート、レチシン酸等)、硬化剤(例えばエポキ
シ樹脂等)及び溶媒(例えばメチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、トルエン等)等を含有することが
できる。
【0027】磁性層の形成方法としては、その他、無電
解メッキや電解メッキによる湿式真空蒸着、スパッタリ
ングやイオンプレーティングによる乾式法なども用いる
ことができる。
【0028】また、フイルム支持体の片側に磁性層を形
成する場合磁性層を形成していない側の表面には、テー
プとしての走行性を維持するために滑剤を含む有機高分
子の塗膜を塗設してもよい。
【0029】
【実施例】以下、実施例に掲げて本発明を更に説明す
る。
【0030】なお、本発明における種々の物性値及び特
性は以下の如くして測定したものであり、かつ定義され
る。
【0031】(1)ヤング率 フイルムを試料巾10mm、長さ150mmに切り、チャッ
ク間100mmにして引張速度10mm/分、チャート速度
500mm/分でインストロンタイプの万能引張試験装置
にて引張った。得られた荷重―伸び曲線の立上り部の接
線よりヤング率を計算した。
【0032】(2)結晶化発熱量 二軸配向フイルム又は無延伸フイルム10mgをサンプル
パンに入れセイコー電子工業(株)製SSC/580熱
分析装置を用い、昇温速度10℃/min として300℃
まで昇温し、この温度で10分間保持した。その後サン
プルをDSCより取り出し、氷水中に投入して急冷し
た。更にこのサンプルをDSC中で昇温速度10℃/mi
n で昇温し、DSC曲線を得た。
【0033】この曲線で225℃付近に結晶化による発
熱ピークを生じる。この発熱ピークの面積から、結晶化
発熱量(ジュール/g)を求めた。
【0034】(3)電磁変換特性 シバソク(株)製ノイズメーターを使用し、ビデオ用磁
気テープのS/N比を測定した。また表1に示す比較例
1のテープに対するS/N比の差を求めた。
【0035】なお、使用したVTRはソニー(株)製E
V―S700である。
【0036】(4)磁気テープの耐久性 ソニー(株)製EV―S700で走行開始、停止を繰り
返しながら100時間走行させ、走行状態を調べるとと
もに出力測定を行った。この走行において下記項目を全
て満足する場合を走行性:良好、そうでない場合を走行
性:不良と判定した。 テープの端が折れたり、ワカメ状にならない。 走行中にテープ鳴きが生じない。 テープが裂けたり、破断したりしない。
【0037】(5)削れ性 フイルムを巾1/2インチのテープ状にスリットしたも
のに片刃を垂直に押しあて、さらに1.5mm押し込んだ
状態で50m走行させる(走行張力:60g、走行速
度:1m/秒)。この時片刃に付着したフイルム表面の
削れ物の付着幅で評価した。
【0038】(6)ボイド面積比 フイルム表面をイオンエッチングしフイルム中の滑剤を
暴露させ、400〜500オングストローム乃至それ以
下の厚みにアルミニウムを均一に真空蒸着し、通常の走
査型電子顕微鏡で3500倍乃至5000倍にて表面を
観察し、滑剤の周辺のボイドの面積を画像解析装置ルー
ゼックスで測定した。また、滑剤の面積を同様にして求
めた。そして滑剤の面積で割ってボイドの面積比を求め
た。
【0039】なお、イオンエッチングは、例えば日本電
子(株)製JFC―1100型イオンスパッターリング
装置を使い、500V,12.5mAで15分間表面エ
ッチング処理した。真空度は10-3Torr程度であっ
た。粒子は0.3μm程度以上の大きな粒子について測
定した。
【0040】
【実施例1,2及び比較例1】平均粒径0.1μmのシ
リカ微粒子を0.2重量%、平均粒径0.6μmの炭酸
カルシウム微粒子を0.014重量%含有した固有粘度
0.62dl/g(オルソクロロフェノールを溶媒として
用い、25℃で測定した値)のポリエチレン―2,6―
ナフタレート(ホモポリマー)を常法により作成した。
【0041】また共重合成分として4,4′―ジフェニ
ルジカルボン酸を表1に示す量共重合した変性ポリエチ
レン―2,6―ナフタレートを作成した。なお、滑剤濃
度、固有粘度等は上述のホモポリマーと同等となるよう
に調整した。
【0042】得られたポリマーのペレットをそれぞれ1
70℃で乾燥した後300℃で溶融押出し、40℃に保
持したキャスティングドラム上で急冷固化せしめて未延
伸フイルムを得た。
【0043】この未延伸フイルムを速度差をもった2つ
のロール間で125℃の温度で縦方向に4.85倍延伸
し、さらにテンターによって横方向に5.15倍延伸
し、その後215℃で10秒間熱処理をした。このよう
にして厚み7μmの二軸配向ポリエステルフイルムを巻
取った。
【0044】一方、下記に示す組成物をボールミルに入
れ、16時間混練、分散した後、イソシアネート化合物
(バイエル社製のデスモジュールL)5重量部を加え、
1時間高速剪断分散して磁性塗料とした。 磁性塗料の組成: 針状Fe粒子 100重量部 塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体 (積水化学製のエスレック7A)15重量部 熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部 酸化クロム 5重量部 カーボンブラック 5重量部 レシチン 2重量部 脂肪酸エステル 1重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 シクロヘキサノン 50重量部 この磁性塗料を上述の二軸配向ポリエステルフイルムの
片面に、塗布厚3μmとなるように塗布し、ついで25
00ガウスの直流磁場中で配向処理を行ない、100℃
で加熱乾燥後、スーパーカレンダー処理(線圧200kg
/cm、温度80℃)を行ない、巻き取った。この巻き取
ったロールを55℃のオーブン中に3日間放置した。
【0045】さらにフイルムの磁性塗料非塗布面に下記
組成のバックコート層塗料を厚さ1μmに塗布し、乾燥
させ、さらに8mm裁断し、磁気テープを得た。 バックコート層塗料の組成: カーボンブラック 100重量部 熱可塑性ポリウレタン樹脂 60重量部 イソシアネート化合物(日本ポリ ウレタン工業社製コロネートL) 18重量部 シリコーンオイル 0.5重量部 メチルエチルケトン 250重量部 トルエン 50重量部 得られたフイルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から、本発明のベースフイルム及びこ
れを用いた磁気テープは優れた特性を示すことがわか
る。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、長時間の記録再生のた
めにフイルムの厚みを薄くしても、テープの伸縮変形が
少なく、電磁変換特性が良好であり、テープの変形、損
傷も発生しない極めて安定な磁気記録テープ用のポリエ
チレン―2,6―ナフタレート系二軸配向ベースフイル
ムを提供することができる。また、ベースフイルムを磁
気テープに加工する際にダイコータによる削れや、カレ
ンダー工程における削れを極めて小さく抑えることがで
きるベースフイルムを提供することがきる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F C08L 67:03 (72)発明者 浜野 久 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸配向ポリエステルフイルムからなる
    磁気記録テープ用ベースフイルムであって、該ポリエス
    テルが、その結晶化発熱量が16〜25.5J/gとな
    る割合で4,4′―ジフェニルジカルボン酸成分を共重
    合させた変性ポリエチレン―2,6―ナフタレートであ
    ることを特徴とする磁気記録テープ用ベースフイルム。
  2. 【請求項2】 フイルムの縦方向及び横方向のヤング率
    がそれぞれ650kg/mm2 以上である請求項1記載の磁
    気記録テープ用ベースフイルム。
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