JPH06254145A - 医療用シート材の製造方法 - Google Patents

医療用シート材の製造方法

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JPH06254145A
JPH06254145A JP5045179A JP4517993A JPH06254145A JP H06254145 A JPH06254145 A JP H06254145A JP 5045179 A JP5045179 A JP 5045179A JP 4517993 A JP4517993 A JP 4517993A JP H06254145 A JPH06254145 A JP H06254145A
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JP
Japan
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film layer
polyurethane film
solvent
water
polyurethane
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JP5045179A
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Hiroshi Sato
弘 佐藤
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KOTEC KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジメチルホルムアミド等の溶媒の残留溶媒量
が20ppm以下のポリウレタンフィルムを有する医療
用シート材の製造方法を提供すること。 【構成】 ジメチルホルムアミド等の溶媒により溶解し
たポリウレタン樹脂溶液を離型材10面に塗布してポリ
ウレタンフィルム層20を形成し、該ポリウレタンフィ
ルム層20を水中に浸漬した後該水中より取り出し、こ
れを押圧体40により押圧することにより前記溶媒をポ
リウレタンフィルム層20より押し出して残留溶媒量を
20ppm以下とし、これを乾燥した後ポリウレタンフ
ィルム層20を離型材10より剥すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタンフィル
ム、又はポリウレタンフィルムと吸収性布状物との積層
物からなる医療用シート材の製造方法に関し、詳細に
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、又
はジメチルスルホキシド等の溶媒の残留溶媒量が20p
pm以下のポリウレタンフィルムを有する医療用シート
材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
医療用シート材としては、ポリウレタンフィルム、又は
ポリウレタンフィルムと吸収性布状物との積層体からな
るものがある。
【0003】この医療用シート材におけるポリウレタン
フィルムは、ポリウレタン樹脂をジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、又はジメチルスルホキシド
等(以下ジメチルホルムアミド等という)の溶媒に溶解
してポリウレタン樹脂溶液とし、この溶液を離型材上に
塗布し、これを加熱乾燥した後、離型材から剥離するこ
とで製造されていた。
【0004】ところが、上記製法により得られたポリウ
レタンフィルムにあっては、フィルム内部にポリウレタ
ン樹脂の溶解に用いたメチルホルムアミド等の溶媒が2
0ppm以上残留していて、これが人体に悪影響を及ぼ
していた。
【0005】このような事情から、上記メチルホルムア
ミド等の溶媒以外の溶媒でポリウレタン樹脂を溶解し
て、フィルムを製造する試みもなされたが、他の溶媒で
はポリウレタン樹脂を溶解する力がメチルホルムアミド
等の溶媒に比べてきわめて小さいため、均質なポリウレ
タン樹脂溶液を調整するのが困難であった。
【0006】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、ジメチルホルムアミド等の溶媒の残留溶媒量が2
0ppm以下のポリウレタンフィルムを有する医療用シ
ート材の製造方法を提供することを目的とものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の採った手段について実施例に対応する図面に
用いた符号を付して以下に説明する。即ち、請求項1に
係る発明の構成は、図1〜図5に示す如く、ジメチルホ
ルムアミド等の溶媒により溶解したポリウレタン樹脂溶
液を離型材10面に塗布してポリウレタンフィルム層2
0を形成し、該ポリウレタンフィルム層20を水中30
に浸漬した後該水中30より取り出し、これを押圧体4
0により押圧することにより前記溶媒をポリウレタンフ
ィルム層20より押し出して残留溶媒量を20ppm以
下とし、これを乾燥した後ポリウレタンフィルム層20
を離型材10より剥すことを特徴とする医療用シート材
の製造方法を内容とするものである。
【0008】次に請求項2に係る発明の構成は、図1、
図4、図6、又は図7に示す如く、ジメチルホルムアミ
ド等の溶媒により溶解したポリウレタン樹脂溶液を離型
材10面に塗布してポリウレタンフィルム層20を形成
し、該ポリウレタンフィルム層20を水中30に浸漬
し、これを水中30にて押圧体40により押圧すること
により前記溶媒をポリウレタンフィルム層20より押し
出して残留溶媒量を20ppm以下とし、これを乾燥し
た後ポリウレタンフィルム層20を離型材10より剥す
ことを特徴とする医療用シート材の製造方法を内容とす
るものである。
【0009】そして請求項3に係る発明の構成は、図1
〜図5に示す如く、ジメチルホルムアミド等の溶媒によ
り溶解した第1ポリウレタン樹脂溶液を離型材10面に
塗布して第1ポリウレタンフィルム層20aを形成し、
該第1ポリウレタンフィルム層20aを水中30に浸漬
した後該水中30より取り出し、これを押圧体40によ
り押圧することにより前記溶媒を第1ポリウレタンフィ
ルム層20aより押し出して残留溶媒量を20ppm以
下とし、この後第1ポリウレタンフィルム層20aを離
型材10より剥して乾燥した後、これをアルコールに溶
解し、該溶解した第2ポリウレタン樹脂溶液中に抗菌剤
を添加し、これを離型材10面に塗布して第2ポリウレ
タンフィルム層20bを形成し、これを乾燥した後第2
ポリウレタンフィルム層20bを離型材10より剥すこ
とを特徴とする医療用シート材の製造方法を内容とする
ものである。
【0010】上記手段における溶媒とは、ポリウレタン
樹脂を溶解してポリウレタン樹脂溶液を調整するための
液体をであり、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド又はジメチルスルホキシド等がある。これらの溶
媒は単独で用いることもできるが、トルエン、キシレン
等の芳香族系溶媒、メチルエチルケトン、アセトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等の酢酸エステル系溶媒、ジクロロエタン等の塩素
系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
系溶媒、メタノール、イソプロパノール等のアルコール
系溶媒などと混合して用いることもできる。
【0011】離型材10とは、ポリウレタン樹脂溶液を
塗布してポリウレタンフィルム層を形性するときの支持
体となり、かつ形成後、同ポリウレタンフィルム層20
を容易に剥し得る材料をいい、これには、紙、フィル
ム、あるいは布にシリコーン系、フッ素系ワックス等の
離型剤を塗布したものを採用することができる。
【0012】ポリウレタン樹脂溶液の塗布は、ナイフコ
ーター、ロールコーターなど、従来より知られたコーテ
ィング法を採用することができ、溶液の塗布により形成
するポリウレタンフィルム層の厚さとしては、100〜
500μmが好ましい。100μm以下では塗布の際に
ピンホールができ易く、フィルムがブロッキングし易く
取り扱い難くなる。一方、500μmを越えると透湿性
が著しく低下して皮膚に貼付けたとき、ムレを生じ不快
感を与えることになり、医療用シート材として用いられ
なくなる。
【0013】次に、本発明においてポリウレタンフィル
ム層20を水中30に浸漬するとは、ポリウレタンフィ
ルム層20に水を吸収させるための処理であり、後の押
圧体40による押圧により、ポリウレタンフィルム層2
0内のジメチルホルムアミド等の溶媒が水と共に押し出
されて水中30に溶出することになる。
【0014】この場合、ポリウレタンフィルム層20を
浸漬する水中30の温度としては特に限定されないが、
10℃〜60℃の範囲とすることで、同ポリウレタンフ
ィルム層20内の溶媒をより効率良く水中30に溶出さ
せることができる。又、ポリウレタンフィルム層20の
水中30での浸漬時間は、水の温度、同ポリウレタンフ
ィルム層20の厚さ、或は溶媒の種類等に応じて選択す
れば良いが、生産性等を考慮すると、10秒〜120秒
の範囲が望ましい。
【0015】押圧体40とは、ポリウレタンフィルム層
20を押圧して同ポリウレタンフィルム層20に残留す
る溶媒を水と共に押し出す道具をいい、例えば、マング
ル、各種プレス機等を採用することができる。
【0016】また、ポリウレタンフィルム層20を水中
30に浸漬した後、押圧体40により押圧する場合、図
5に示す如く、この操作を複数回繰り返すことで、溶媒
の除去量が向上し、かつ微多孔化が進行する。具体的に
は1kg/cm2 以上の押圧力で、上記浸漬、押圧操作
を少なくとも3回以上繰り返すことで、医療用シート材
として必要な透湿性(微多孔化)を得ると共にジメチル
ホルムアミド等の溶媒の残留量を人体に悪影響を与える
恐れがない20ppm以下とすることができる。また水
中30にてポリウレタンフィルム層20を押圧する場
合、図7に示す如く、水中30に押圧体40を並べて連
続的に押圧すれば、残留する溶媒の除去量がより一層向
上し、かつ微多孔化も促進されることになる。
【0017】次に押圧体40により押圧した後の乾燥
は、加熱(熱風を含む)による乾燥が一般的であり、加
熱温度は、ポリウレタンフィルム層20に与える影響及
び生産性を考慮すると60℃〜130℃が望ましい。
【0018】また抗菌剤には、緑膿菌、エンテロパウダ
ー属、クレノシェラ属、ブドウ球菌属等の菌類に対して
抗菌効果を有する薬剤を採用すれば良く、具体的にはサ
ルファ剤系、セファロスポリン系、ペニシリン系、ナリ
ジキシン系、マクロライド系などが望ましい。
【0019】アルコールとしては、イソプロピルアルコ
ールなどポリウレタンフィルム層を溶解し得るものであ
れば何でもよい。
【0020】さらに、本発明に係る医療用シート材の製
造方法にあっては、常にきれいな水を流入させると共に
滞留する水を排出することによりポリウレタンフィルム
層20に残留する溶媒を効率良く除去することができ
る。
【0021】本発明の医療用シート材においては、ポリ
ウレタンフィルムのみでもよいが、これに吸収性布状物
を積層した積層物としての態様を採ることもできる。吸
収性布状物とは織編布、不織布などの柔軟でしかも吸収
性に富むものであればなんでもよいが、創面に対する密
着性等の点から伸縮性を有するものが好ましい。この態
様の場合のポリウレタンフィルムと吸収性布状物との接
合は、透湿性を阻害しないように接着剤により点接着し
たり、あるいは、押圧により溶媒を押し出した後、これ
を乾燥する前の段階でフィルムと吸収性布状物とを圧着
したりして行うことができる。
【0022】
【作用】上記の手段により、請求項1に係る医療用シー
ト材の製造方法においては、図1〜図5に示す如く、離
型材10面にポリウレタン樹脂溶液を塗布して形成され
たポリウレタンフィルム層20をそのまま水中30に浸
漬することにより同ポリウレタンフィルム層20に水が
吸収されて、同ポリウレタンフィルム層20の微多孔化
が計られることになる。次に、このポリウレタンフィル
ム層20を水中30より取り出して押圧体40により押
圧することにより、水と共にジメチルホルムアミド等の
溶媒が押し出され、ポリウレタンフィルム層20に残留
し易い人体に有害なジメチルホルムアミド等の溶媒の残
留溶媒量の低減化が計られることになる。次に、これを
乾燥することによりポリウレタンフィルム層20より水
分が気化して除去される。そして離型材10よりポリウ
レタンフィルム層20を剥すことにより、ポリウレタン
フィルム100が製造される。
【0023】次に、請求項2に係る医療用シート材の製
造方法においては、図1、図4、図6又は図7に示す如
く、離型材10面にポリウレタン樹脂溶液を塗布して形
成されたポリウレタンフィルム層20に水が吸収され
て、同ポリウレタンフィルム層20の微多孔化が計られ
ることになる。次にこれを水中30にて押圧体40によ
り押圧することにより、水と共にジメチルホルムアミド
等の溶媒が押し出されて水中30に溶出する。これによ
りポリウレタンフィルム層20に残留し易い人体に有害
なジメチルホルムアミド等の溶媒の残留溶媒量の低減化
が計られることになる。このとき水中30にて押圧体4
0により押圧するので、押圧後、ポリウレタンフィルム
層20自身の弾性回復力により同ポリウレタンフィルム
層20は押圧前の形状に戻ると共に再び水を吸収する。
このため、押圧体40による押圧を連続的に行うことが
でき、これによりポリウレタンフィルム層20に残留す
る溶媒の除去量がより一層向上すると共に微多孔化が進
行することになる。次にこれを乾燥することによりポリ
ウレタンフィルム層20より水分が気化して除去され
る。そして離型材10よりポリウレタンフィルム層20
を剥すことにより図4に示す如く、ポリウレタンフィル
ム100が製造される。
【0024】請求項3に係る医療用シート材の製造方法
においては、請求項1に係る発明の作用に加え、第1ポ
リウレタンフィルム層20aを押圧体40により押圧し
た後に第1ポリウレタンフィルム層20aを離型材10
より剥し、第1ポリウレタンフィルム層20a中の水分
量が20%以下となるまで乾燥する。この後、これを再
びアルコールにより溶解して第2ポリウレタン樹脂溶液
とし、この溶液を離型材10上に塗布して離型材10上
に第2ポリウレタンフィルム層20bを形成する。この
とき第2ポリウレタン樹脂溶液中に抗菌剤を添加するこ
とにより、離型材10上に形成された第2ポリウレタン
フィルム層20bには抗菌剤が含まれることになる。こ
のように製造されたポリウレタンフィルム100は抗菌
作用を有し、従って、ポリウレタンフィルム100を製
造後に、別途抗菌剤を塗布等する必要がない。
【0025】
【実施例】以下図面に基づいて本発明に係る実施例を詳
細に説明するが、これは代表的なものを示したものであ
り本実施例により本発明が限定されるものではない。
【0026】実施例1 まず、固形分20wt%のポリウレタン樹脂とジメチル
ホルムアミドより成る溶媒80wt%を含有する粘度1
8000cpsのポリウレタン樹脂溶液10部に、イソ
プロピルアルコール3部、メチルエチルケトン7部を混
合し、これを図1に示す如く、表面にシリコーン系被膜
が形成された離型材10面にコーティング機により塗布
する。
【0027】次に、この離型材10面に形成されたポリ
ウレタンフィルム層20を、図2に示す如く離型材10
と共に水温20℃の流水槽31中に30秒間浸漬する。
このとき、ポリウレタンフィルム層20は水を吸収して
ポーラス状に形成される。
【0028】次に、このポリウレタンフィルム層20を
離型材10と共に取り出し、図3に示す如く、これをゴ
ムマングルより成る押圧体40により3.0kg/cm
2 の押圧力で押圧することにより、ポリウレタンフィル
ム層20に残留する溶媒を水と共に押し出す。この場
合、図5に示す如く、水槽31及びゴムマングルを複数
並べ、水中30への浸漬及びポリウレタンフィルム層2
0の押圧を計5回行った。
【0029】次に、ポリウレタンフィルム層20を離型
材10と共に熱風型乾燥機(図示しない)により温度1
00℃にて10分間乾燥する。そして図4に示す如く離
型材10よりポリウレタンフィルム層20を剥すことに
より、ポリウレタンフィルム100よりなる医療用シー
ト材を得た。
【0030】実施例2 まず、固形分20wt%のポリウレタン樹脂とジメチル
アセトアミドより成る溶媒80wt%を含有する粘度1
8000cpsのポリウレタン樹脂溶液10部に、イソ
プロピルアルコール3部、メチルエチルケトン7部を混
合し、これを図1に示す如く、ポリエステルフィルムよ
り成る離型材10面にコーティング機により塗布する。
【0031】次に、この離型材10面に形成されたポリ
ウレタンフィルム層20を、図6に示す如く、離型材1
0と共に水温40℃の水槽31中に浸漬する。このポリ
ウレタンフィルム層20は、水中30にて吸収してポー
ラス状に形成される。そしてこの水槽30にてゴムマン
グルより成る押圧体40により3.0kg/cm2 の押
圧力で押圧することによりポリウレタンフィルム層20
に残留する溶媒を水と共に押し出して水中30に溶出さ
せる。この溶出した溶媒は水中30にて拡散する。この
場合、図7に示す如く、水槽31中のゴムマングルを3
基並べて連続的に押圧することにより同ポリウレタンフ
ィルム層20に残留する溶媒の除去能率を向上させるこ
とができる。
【0032】次に、ポリウレタンフィルム層20を、離
型材10と共に熱風型乾燥機(図示しない)により温度
80℃にて乾燥する。そして図4に示す如く離型材10
よりポリウレタンフィルム層20を剥すことにより、ポ
リウレタンフィルム100よりなる医療用シート材を製
造した。
【0033】実施例3 まず、固形分20wt%のポリウレタン樹脂とジメチル
アセトアミドより成る溶媒80wt%を含有する粘度1
8000cpsの第1ポリウレタン樹脂溶液10部を図
1に示す如く、ポリエステルフィルムより成る離型材1
0面にコーティング機により塗布し、これを第1ポリウ
レタンフィルム層20aとする。
【0034】次に、この離型材10面に形成された第1
ポリウレタンフィルム層20aを、図2に示す如く、離
型材10と共に水温20℃の水槽31中に30秒間浸漬
する。このとき、第1ポリウレタンフィルム層20a
は、水を吸収してポーラス状に形成される。
【0035】次に、この第1ポリウレタンフィルム層2
0aを離型材10と共に取り出し、図3に示す如く、こ
れをゴムマングルより成る押圧体40により3.0kg
/cm2 の押圧力で押圧することにより、第1ポリウレ
タンフィルム層20aに残留する溶媒を水と共に押し出
す。
【0036】次に、この第1ポリウレタンフィルム層2
0aを離型材10から剥し、水分量が20%以下となる
まで乾燥する。この後、第1ポリウレタンフィルム層2
0aを第1ポリウレタンフィルム層20aの重量の5倍
量のイソプロピルアルコールに溶解して第2ポリウレタ
ン樹脂溶液とする。次いで、この第2ポリウレタン樹脂
溶液中にスルファジアジン銀の粉末を0.5mg/cm
2 を添加しこれを混合する。次いで、この第2ポリウレ
タン樹脂溶液を離型材10(紙上にポリプロピレンをコ
ーティングしたもの、本洲製紙株式会社製)面にコーテ
ィング機により塗布する。このとき第2ポリウレタンフ
ィルム層20b面上に不織布を加圧接着する。
【0037】次に、第2ポリウレタンフィルム層20b
を離型材10と共に熱風型乾燥機(図示しない)により
100℃にて10分間乾燥する。そして図4に示す如
く、離型材10より第2ポリウレタンフィルム層20b
を剥すことにより、ポリウレタンフィルム100に不織
布を積層一体化して成る医療用シート材を得た。
【0038】上記実施例1及び2の製造方法により得ら
れたポリウレタンフィルムを有する医療用シート材につ
いて、残留溶媒量をガスクロマトグラフィーにより測定
したところ以下の表1に示す結果が得られた。
【0039】比較例 なお、比較例として、固形分20wt%のポリウレタン
樹脂とジメチルホルムアミドより成る溶媒80wt%を
含有する粘度18000cpsのポリウレタン樹脂溶液
10部に、イソプロピルアルコール3部、メチルエチル
ケトン7部を混合し、これを、離型材(紙上にポリプロ
ピレンをコーティングしたもの、本洲製紙株式会社製)
面にコーティング機により塗布してポリウレタン樹脂層
を形成し、さらにこれを熱風乾燥機により温度100℃
にて10分間乾燥した後、同ポリウレタン樹脂層を同離
型材より剥し取ったポリウレタンフィルムよりなる医療
用シート材について、上記実施例と同様に溶媒の残留溶
媒量を測定し、この結果も表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1より、本発明の製造方法による医
療用シート材は、従来法のものに比べてジメチルホルム
アミド等の残留溶媒量がきわめて低いことが明かとなっ
た。
【0042】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によると以下
の効果を奏する。まず、請求項1に係る医療用シート材
の製造方法にあっては、離型材面に形成されたポリウレ
タンフィルム層をそのまま水中に浸漬することにより同
ポリウレタンフィルム層に水が吸収される。そしてこの
ポリウレタンフィルム層を押圧体により押圧することに
より水と共に溶媒が押し出される。これにより、ポリウ
レタンフィルム層に残留し易く、かつ人体に有害と成り
得る溶媒の残留溶媒量の低減化が計られ、従ってこのよ
うに製造されたポリウレタンフィルムを有する医療用シ
ート材を用いても人体への悪影響の心配がない。
【0043】次に請求項2に係る医療用シート材の製造
方法にあっては、離型材面に形成されたポリウレタンフ
ィルム層をそのまま水中に浸漬することにより同ポリウ
レタンフィルム層に水が吸収される。これを水中にて押
圧体により押圧することにより水と共に溶媒が押し出さ
れて水中に溶出する。これによりポリウレタンフィルム
層に残留する溶媒の残留溶媒量の低減化が計られる。こ
のとき水中にて押圧体により押圧するので、押圧後ポリ
ウレタンフィルム層の弾性回復力より同ポリウレタンフ
ィルム層は、押圧前の形状に戻ると共に再び水を吸収す
る。このため、押圧体による押圧を連続的に行うことが
でき、これにより溶媒の除去量が更に向上する。従っ
て、このようなポリウレタンフィルムを有する医療用シ
ート材の製造方法は、特に低い溶媒の残留濃度が要求さ
れる場合に有効である。
【0044】そして、請求項3に係る医療用シート材の
製造方法にあっては、その製造過程で抗菌剤の添加がな
されるので、製造された医療用シート材におけるポリウ
レタンフィルム自体が抗菌効果を有し、従って医療用シ
ート材の製造後に別途抗菌剤を塗布等する必要がなく極
めて便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医療用シート材の製造方法の一工
程を示す要部断面図である。
【図2】本発明に係る医療用シート材の製造方法の一工
程を示す要部断面図である。
【図3】本発明に係る医療用シート材の製造方法の一工
程を示す要部断面図である。
【図4】本発明に係る医療用シート材の製造方法の一工
程を示す要部断面図である。
【図5】本発明に係る医療用シート材の製造方法の一工
程を示す要部断面図である。
【図6】本発明に係る医療用シート材の製造方法の一工
程を示す要部断面図である。
【図7】本発明に係る医療用シート材の製造方法の一工
程を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 離型材 20 ポリウレタンフィルム層 30 水中 40 押圧体 100 ポリウレタンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 75:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
    アミド又はジメチルスルホキシド等の溶媒により溶解し
    たポリウレタン樹脂溶液を離型材面に塗布してポリウレ
    タンフィルム層を形成し、該ポリウレタンフィルム層を
    水中に浸漬した後該水中より取り出し、これを押圧体に
    より押圧することにより前記溶媒を前記ポリウレタンフ
    ィルム層より押し出して残留溶媒量を20ppm以下と
    し、これを乾燥した後前記ポリウレタンフィルム層を前
    記離型材より剥すことを特徴とする医療用シート材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
    アミド又はジメチルスルホキシド等の溶媒により溶解し
    たポリウレタン樹脂溶液を離型材面に塗布してポリウレ
    タンフィルム層を形成し、該ポリウレタンフィルム層を
    水中に浸漬し、これを前記水中にて押圧体により押圧す
    ることにより前記溶媒を前記ポリウレタンッフィルム層
    より押し出して残留溶媒量を20ppm以下とし、これ
    を乾燥した後前記ポリウレタンフィルム層を前記離型材
    より剥すことを特徴とする医療用シート材の製造方法。
  3. 【請求項3】ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
    ミド又はジメチルスルホキシド等の溶媒により溶解した
    第1ポリウレタン樹脂溶液を離型材面に塗布して第1ポ
    リウレタンフィルム層を形成し、該第1ポリウレタンフ
    ィルム層を水中に浸漬した後該水中より取り出し、これ
    を押圧体により押圧することにより前記溶媒を前記第1
    ポリウレタンフィルム層より押し出して残留溶媒量を2
    0ppm以下とし、この後第1ポリウレタンフィルム層
    を前記離型材より剥して乾燥した後、これをアルコール
    に溶解し、該溶解した第2ポリウレタン樹脂溶液中に抗
    菌剤を添加し、これを離型材面に塗布して第2ポリウレ
    タンフィルム層を形成し、これを乾燥した後前記第2ポ
    リウレタンフィルム層を前記離型材より剥すことを特徴
    とする医療用シート材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017028528A1 (zh) * 2015-08-19 2017-02-23 欧阳晨曦 制备聚氨酯复合材料的方法及该方法获得的复合材料

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