JPH06252572A - 放熱体 - Google Patents
放熱体Info
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- JPH06252572A JPH06252572A JP3346993A JP3346993A JPH06252572A JP H06252572 A JPH06252572 A JP H06252572A JP 3346993 A JP3346993 A JP 3346993A JP 3346993 A JP3346993 A JP 3346993A JP H06252572 A JPH06252572 A JP H06252572A
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- JP
- Japan
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- radiator
- heat
- filler
- matrix resin
- conductive filler
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- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】厚さ方向への放熱特性(熱伝導性)が優れ、全
体として熱伝導率が高い放熱体(サーマルコンパウン
ド)を提供する。 【構成】柔軟性を有するマトリックス樹脂2c中に熱伝
導性フィラー3cを含有させて成り、上記熱伝導性フィ
ラー3cを、柱状体、多面体、錐体、中空筒状体の少な
くとも1種の形状に形成したことを特徴とする。
体として熱伝導率が高い放熱体(サーマルコンパウン
ド)を提供する。 【構成】柔軟性を有するマトリックス樹脂2c中に熱伝
導性フィラー3cを含有させて成り、上記熱伝導性フィ
ラー3cを、柱状体、多面体、錐体、中空筒状体の少な
くとも1種の形状に形成したことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランジスタ、コンデ
ンサ、LSIパッケージ等の電子・電気部品において発
生する熱を系外に放出するために使用される放熱体(サ
ーマルコンパウンド)に係り、特に熱伝導性を改善した
放熱体に関する。
ンサ、LSIパッケージ等の電子・電気部品において発
生する熱を系外に放出するために使用される放熱体(サ
ーマルコンパウンド)に係り、特に熱伝導性を改善した
放熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ、コンデンサ、LSIパッ
ケージ等の電子・電気部品は、動作時の発熱により寿命
が短かくなり、また信頼性も低下し易くなる。そのた
め、対策として、電子・電気部品と、この電子・電気部
品に熱的に接続される放熱フィン等のヒートシンク(冷
却手段)との間に熱伝導性および密着性が優れたグリー
ス状またはシート状の放熱体を介装し、この放熱体を介
して発熱を系外に放出する工夫がなされている。
ケージ等の電子・電気部品は、動作時の発熱により寿命
が短かくなり、また信頼性も低下し易くなる。そのた
め、対策として、電子・電気部品と、この電子・電気部
品に熱的に接続される放熱フィン等のヒートシンク(冷
却手段)との間に熱伝導性および密着性が優れたグリー
ス状またはシート状の放熱体を介装し、この放熱体を介
して発熱を系外に放出する工夫がなされている。
【0003】上記の放熱体は、一般にマトリックス樹脂
中に熱伝導性フィラーを分散せしめてグリース状または
シート状に構成して製造されている。マトリックス樹脂
としては、例えばシリコーンオイルやシリコーンゴムが
用いられる一方、熱伝導性フィラーとしては、粒子状、
板状、針状の形状を有する窒化ボロンなどが使用されて
いる。
中に熱伝導性フィラーを分散せしめてグリース状または
シート状に構成して製造されている。マトリックス樹脂
としては、例えばシリコーンオイルやシリコーンゴムが
用いられる一方、熱伝導性フィラーとしては、粒子状、
板状、針状の形状を有する窒化ボロンなどが使用されて
いる。
【0004】またシート状放熱体は上記のようなマトリ
ックス樹脂および熱伝導性フィラーを使用し、大別して
下記の3通りの製造方法によって製造されている。
ックス樹脂および熱伝導性フィラーを使用し、大別して
下記の3通りの製造方法によって製造されている。
【0005】第1の方法は、マトリックス樹脂(例えば
シリコーンゴム)と熱伝導性フィラー(例えば窒化ボロ
ン)を配合し混合して原料混合体とし、この原料混合体
を通常のゴム材料と同様にロール、カレンダ、押出し機
等によりシート状に成形し、得られた成形体をプレスし
て加硫するという方法である。
シリコーンゴム)と熱伝導性フィラー(例えば窒化ボロ
ン)を配合し混合して原料混合体とし、この原料混合体
を通常のゴム材料と同様にロール、カレンダ、押出し機
等によりシート状に成形し、得られた成形体をプレスし
て加硫するという方法である。
【0006】第2の方法は、マトリックス樹脂(例えば
シリコーンゴム)と熱伝導性フィラー(例えば窒化ボロ
ン)を混合し溶剤に希釈した後、ドクターブレード法に
従ってシート状に形成し、乾燥してプレスして加硫する
という方法である。
シリコーンゴム)と熱伝導性フィラー(例えば窒化ボロ
ン)を混合し溶剤に希釈した後、ドクターブレード法に
従ってシート状に形成し、乾燥してプレスして加硫する
という方法である。
【0007】第3の方法は、マトリックス樹脂(例えば
シリコーンゴム)100重量部に対して熱伝導性フィラ
ー(例えば窒化ボロン)が200重量部以上配合されて
いるという熱伝導性フィラー高充填配合物を用いる製法
であって、上記原料をニーダ等の密閉式混練機に掛けて
混合して粉末状ゴム材に形成し、これを所定のシート成
形用金型に一定量充填しプレスして加硫するという方法
である。
シリコーンゴム)100重量部に対して熱伝導性フィラ
ー(例えば窒化ボロン)が200重量部以上配合されて
いるという熱伝導性フィラー高充填配合物を用いる製法
であって、上記原料をニーダ等の密閉式混練機に掛けて
混合して粉末状ゴム材に形成し、これを所定のシート成
形用金型に一定量充填しプレスして加硫するという方法
である。
【0008】図7は上記従来の製造方法によって調製さ
れたシート状放熱体の構成を示す断面図である。すなわ
ち従来のシート状放熱体1において、マトリックス樹脂
2内に分布している繊維状の熱伝導性フィラー12は、
放熱体1の平面方向(長さ方向)に沿って熱伝導性フィ
ラー3の長軸が配向した状態で配合されている。
れたシート状放熱体の構成を示す断面図である。すなわ
ち従来のシート状放熱体1において、マトリックス樹脂
2内に分布している繊維状の熱伝導性フィラー12は、
放熱体1の平面方向(長さ方向)に沿って熱伝導性フィ
ラー3の長軸が配向した状態で配合されている。
【0009】上記のような熱伝導性フィラー3の配向
は、原料混合体がロール成形や押出し成形によって成形
される際に圧延方向や押出し方向にフィラー3が整列す
るために生じる。
は、原料混合体がロール成形や押出し成形によって成形
される際に圧延方向や押出し方向にフィラー3が整列す
るために生じる。
【0010】一方図8はグリース状の放熱体1aの構成
例を示す断面図である。すなわちグリース状放熱体1a
はマトリックス樹脂2aであり絶縁材となるシリコーン
オイル中に高熱伝導性を有する球状の充填材(熱伝導性
フィラー3a)を均一に分散せしめて構成される。
例を示す断面図である。すなわちグリース状放熱体1a
はマトリックス樹脂2aであり絶縁材となるシリコーン
オイル中に高熱伝導性を有する球状の充填材(熱伝導性
フィラー3a)を均一に分散せしめて構成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来構造の放熱体の熱伝導率は、近年の電子機器の
高集積化、高速化および高出力化に対応して要求される
熱伝導率としては不十分であった。そこで、本願発明者
らは、さらに放熱特性を向上させるために原因を検討
し、以下の問題点を見い出した。すなわち、上記した従
来製法によって調製されたシート状放熱体1において
は、熱伝導性フィラー3が平面方向に配向し、隣接する
熱伝導性フィラー3同士が相互に接触し、いわば熱伝導
性フィラー3が放熱体1の平面方向(長さ方向)に連続
した状態に形成され易い。したがって、放熱体1の平面
方向には熱が伝導され易くなる一方、放熱体1の厚さ方
向には熱が伝導されにくい欠点があったため、厚さ方向
の放熱特性を主として利用する放熱体としては性能が不
充分となる問題点があった。
うな従来構造の放熱体の熱伝導率は、近年の電子機器の
高集積化、高速化および高出力化に対応して要求される
熱伝導率としては不十分であった。そこで、本願発明者
らは、さらに放熱特性を向上させるために原因を検討
し、以下の問題点を見い出した。すなわち、上記した従
来製法によって調製されたシート状放熱体1において
は、熱伝導性フィラー3が平面方向に配向し、隣接する
熱伝導性フィラー3同士が相互に接触し、いわば熱伝導
性フィラー3が放熱体1の平面方向(長さ方向)に連続
した状態に形成され易い。したがって、放熱体1の平面
方向には熱が伝導され易くなる一方、放熱体1の厚さ方
向には熱が伝導されにくい欠点があったため、厚さ方向
の放熱特性を主として利用する放熱体としては性能が不
充分となる問題点があった。
【0012】一方、図8に示すようなグリース状放熱体
1aにおいては、球状の各熱伝導性フィラー3aがマト
リックス樹脂2a中に浮遊するように、つまり、隣り合
う熱伝導性フィラー3aが、低熱伝導率のマトリックス
樹脂2aによって隔絶されるように配置される。したが
って放熱体1aに伝達された熱は、低熱伝導率のマトリ
ックス樹脂2aと高熱伝導率のフィラー3aとに交互に
伝達されながら放熱体1aの厚さ方向に沿って移動す
る。このような熱移動機構となるため、熱移動量はマト
リックス樹脂2aの熱伝導率によって規制され、放熱体
1a全体としての見掛けの熱伝導率がマトリックス樹脂
2aの低い熱伝導率に揃うことになり、充分な放熱特性
が発揮されないという問題点もあった。
1aにおいては、球状の各熱伝導性フィラー3aがマト
リックス樹脂2a中に浮遊するように、つまり、隣り合
う熱伝導性フィラー3aが、低熱伝導率のマトリックス
樹脂2aによって隔絶されるように配置される。したが
って放熱体1aに伝達された熱は、低熱伝導率のマトリ
ックス樹脂2aと高熱伝導率のフィラー3aとに交互に
伝達されながら放熱体1aの厚さ方向に沿って移動す
る。このような熱移動機構となるため、熱移動量はマト
リックス樹脂2aの熱伝導率によって規制され、放熱体
1a全体としての見掛けの熱伝導率がマトリックス樹脂
2aの低い熱伝導率に揃うことになり、充分な放熱特性
が発揮されないという問題点もあった。
【0013】また図8に示すグリース状放熱体1aにお
いて、球状の熱伝導性フィラー3aを相互に接触させる
ように構成した場合でも、隣接するフィラー3aは点接
触で接触するために、高熱伝導性フィラー3aによる連
続した放熱経路が形成されにくい欠点もあった。
いて、球状の熱伝導性フィラー3aを相互に接触させる
ように構成した場合でも、隣接するフィラー3aは点接
触で接触するために、高熱伝導性フィラー3aによる連
続した放熱経路が形成されにくい欠点もあった。
【0014】その結果、上記のような従来のシート状放
熱体1またはグリース状放熱体1aを電子・電気部品に
装着しても、発生した熱が放熱体1,1aを介して放熱
フィン等のヒートシンク(冷却手段)まで効率良く伝達
されないため、発熱体の冷却を効果的に実施することは
困難であった。
熱体1またはグリース状放熱体1aを電子・電気部品に
装着しても、発生した熱が放熱体1,1aを介して放熱
フィン等のヒートシンク(冷却手段)まで効率良く伝達
されないため、発熱体の冷却を効果的に実施することは
困難であった。
【0015】近年の電子・電気部品の目覚しい発展に伴
い、半導体素子を含む電子機器の高集積化、高速化およ
び高出力化が進展し、発熱量も増大化しており、より放
熱特性が優れた放熱体が要求されている。
い、半導体素子を含む電子機器の高集積化、高速化およ
び高出力化が進展し、発熱量も増大化しており、より放
熱特性が優れた放熱体が要求されている。
【0016】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、特に厚さ方向への放熱特性(熱伝導
性)が優れ、全体として熱伝導率が高い放熱体(サーマ
ルコンパウンド)を提供することを目的とする。
されたものであり、特に厚さ方向への放熱特性(熱伝導
性)が優れ、全体として熱伝導率が高い放熱体(サーマ
ルコンパウンド)を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため、マトリックス樹脂に種々の形状および熱
伝導率を有する熱伝導性フィラーを分布せしめ、その配
合比率、形状および充填量が放熱特性に及ぼす影響を実
験により確認した。
達成するため、マトリックス樹脂に種々の形状および熱
伝導率を有する熱伝導性フィラーを分布せしめ、その配
合比率、形状および充填量が放熱特性に及ぼす影響を実
験により確認した。
【0018】図6は、熱伝導性フィラーとマトリックス
樹脂との混合比および熱伝導性フィラーの熱伝導率を種
々変えて、図8に示すようなグリース状の放熱体を形成
した場合における熱移動の解析結果を示すグラフであ
る。グラフの縦軸はグリース状放熱体の熱伝導比を示
し、この熱伝導比はマトリックス樹脂の熱伝導率に対す
るグリース状放熱体全体の熱伝導率の倍率で示してい
る。また横軸は、グリース状放熱体全体に対する熱伝導
性フィラーの混合体積比を示している。またパラメータ
としては、マトリックス樹脂の熱伝導率に対する熱伝導
性フィラーの熱伝導率の倍率を3段階(50倍、100
倍、500倍)に分けて採用した。なお横軸の混合体積
比aは、マトリックス樹脂の可撓性を保持する限界およ
び熱伝導性フィラーの粒径等の関係から、現段階では7
割(a=0.7)が限界値であった。
樹脂との混合比および熱伝導性フィラーの熱伝導率を種
々変えて、図8に示すようなグリース状の放熱体を形成
した場合における熱移動の解析結果を示すグラフであ
る。グラフの縦軸はグリース状放熱体の熱伝導比を示
し、この熱伝導比はマトリックス樹脂の熱伝導率に対す
るグリース状放熱体全体の熱伝導率の倍率で示してい
る。また横軸は、グリース状放熱体全体に対する熱伝導
性フィラーの混合体積比を示している。またパラメータ
としては、マトリックス樹脂の熱伝導率に対する熱伝導
性フィラーの熱伝導率の倍率を3段階(50倍、100
倍、500倍)に分けて採用した。なお横軸の混合体積
比aは、マトリックス樹脂の可撓性を保持する限界およ
び熱伝導性フィラーの粒径等の関係から、現段階では7
割(a=0.7)が限界値であった。
【0019】図6に示す結果から明らかなように、熱伝
導性フィラーの熱伝導率を10倍以上に高めた場合にお
いても、グリース状放熱体の熱伝導比は、その倍率に応
じた高い値にはならないことが判明した。この理由は、
隣り合う高熱伝導性フィラー間に低熱伝導率のマトリッ
クス樹脂が介在するためと考えられる。逆にマトリック
ス樹脂自体の熱伝導率を高めると、グリース状放熱体の
熱伝導率が比例して増大することが確認された。また熱
伝導性フィラーの充填密度を高めることにより、放熱体
全体の熱伝導率が大幅に高められることが判明した。
導性フィラーの熱伝導率を10倍以上に高めた場合にお
いても、グリース状放熱体の熱伝導比は、その倍率に応
じた高い値にはならないことが判明した。この理由は、
隣り合う高熱伝導性フィラー間に低熱伝導率のマトリッ
クス樹脂が介在するためと考えられる。逆にマトリック
ス樹脂自体の熱伝導率を高めると、グリース状放熱体の
熱伝導率が比例して増大することが確認された。また熱
伝導性フィラーの充填密度を高めることにより、放熱体
全体の熱伝導率が大幅に高められることが判明した。
【0020】さらに、隣り合う熱伝導性フィラーが相互
に線接触または面接触で接触するような形状に、フィラ
ーを形成することにより、放熱体の厚さ方向に連続した
放熱経路が形成され、放熱体全体の熱伝導率を高めるこ
とが可能になるという知見も得た。特に熱伝導性フィラ
ーの内部を中空にすることにより、その中空部に、粒径
が小さい他のフィラーが混入したり、嵌入したりするこ
とが可能になり、熱伝導性フィラーの充填密度が高めら
れる結果、放熱体の熱伝導率をさらに向上できるという
知見も得た。
に線接触または面接触で接触するような形状に、フィラ
ーを形成することにより、放熱体の厚さ方向に連続した
放熱経路が形成され、放熱体全体の熱伝導率を高めるこ
とが可能になるという知見も得た。特に熱伝導性フィラ
ーの内部を中空にすることにより、その中空部に、粒径
が小さい他のフィラーが混入したり、嵌入したりするこ
とが可能になり、熱伝導性フィラーの充填密度が高めら
れる結果、放熱体の熱伝導率をさらに向上できるという
知見も得た。
【0021】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のである。すなわち本発明に係る放熱体は、柔軟性を有
するマトリックス樹脂中に熱伝導性フィラーを含有させ
て成り、上記熱伝導性フィラーを、柱状体、多面体、錐
体、中空筒状体の少なくとも1種の形状に形成したこと
を特徴とする。
のである。すなわち本発明に係る放熱体は、柔軟性を有
するマトリックス樹脂中に熱伝導性フィラーを含有させ
て成り、上記熱伝導性フィラーを、柱状体、多面体、錐
体、中空筒状体の少なくとも1種の形状に形成したこと
を特徴とする。
【0022】ここで上記マトリックス樹脂としては、シ
リコーンオイル、シリコーンゴム、ポリオレフィン系エ
ラストマ、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリイミド等、柔軟性(可撓性)を有する有機材料
が使用される一方、熱伝導性フィラーとしては窒化アル
ミニウム、窒化ボロン、窒化けい素、炭化けい素、Be
O、HP−TiCアルミナセラミックス等の熱伝導率が
高く、電気絶縁性を有する材料が使用される。また熱伝
導率が高く、導電性を有する金、銅、アルミニウム等の
金属材料で形成することもできる。
リコーンオイル、シリコーンゴム、ポリオレフィン系エ
ラストマ、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリイミド等、柔軟性(可撓性)を有する有機材料
が使用される一方、熱伝導性フィラーとしては窒化アル
ミニウム、窒化ボロン、窒化けい素、炭化けい素、Be
O、HP−TiCアルミナセラミックス等の熱伝導率が
高く、電気絶縁性を有する材料が使用される。また熱伝
導率が高く、導電性を有する金、銅、アルミニウム等の
金属材料で形成することもできる。
【0023】また上記熱伝導性フィラーの形状として
は、マトリックス樹脂中に充填された際に隣り合うフィ
ラー同士が線接触または面接触によって接触し易い形
状、すなわち、少なくとも一部に直線部または平面部を
有する柱状体、多面体、錐体、中空筒状体であればよ
い。柱状体としては、円柱、三角柱、四角柱(直方体、
立方体)、多角柱等があり、多面体としては正四面体、
正方面体、正14面体等のセラミックスの結晶体形状に
近似したものを使用してもよい。また錐体としては円錐
体、三角錐体、四角錐体、多角錐体を使用するとよい。
さらに中空筒状体としては円筒体、四角筒体等を使用す
る。
は、マトリックス樹脂中に充填された際に隣り合うフィ
ラー同士が線接触または面接触によって接触し易い形
状、すなわち、少なくとも一部に直線部または平面部を
有する柱状体、多面体、錐体、中空筒状体であればよ
い。柱状体としては、円柱、三角柱、四角柱(直方体、
立方体)、多角柱等があり、多面体としては正四面体、
正方面体、正14面体等のセラミックスの結晶体形状に
近似したものを使用してもよい。また錐体としては円錐
体、三角錐体、四角錐体、多角錐体を使用するとよい。
さらに中空筒状体としては円筒体、四角筒体等を使用す
る。
【0024】上記形状を有する熱伝導性フィラーは下記
のような製法で製造される。例えば長軸方向に断面形状
が変化しない柱状や中空筒状の熱伝導性フィラーは、原
料セラミックス混合体を押出し成形法によってダイスか
ら押し出し、得られた成形体をカッターにて所定寸法に
切断した後に各原料特性に応じた条件で脱脂焼結して製
造される。また円錐状または角錐状などの錐状のフィラ
ーおよび多面体形状のフィラーは原料混合物を射出成形
し、得られた成形体を焼結して製造される。
のような製法で製造される。例えば長軸方向に断面形状
が変化しない柱状や中空筒状の熱伝導性フィラーは、原
料セラミックス混合体を押出し成形法によってダイスか
ら押し出し、得られた成形体をカッターにて所定寸法に
切断した後に各原料特性に応じた条件で脱脂焼結して製
造される。また円錐状または角錐状などの錐状のフィラ
ーおよび多面体形状のフィラーは原料混合物を射出成形
し、得られた成形体を焼結して製造される。
【0025】さらに上記熱伝導性フィラーの大きさは、
放熱体の使用寸法、特に厚さによって異なるが、底面の
幅および高さが10μm〜数mmの範囲に設定される。ま
た熱伝導性フィラーの底面の幅に対する高さの比(アス
ペクト比)は放熱体の用途によって適宜設定できるが、
通常はアスペクト比を1〜2の範囲に設定すると、隣り
合うフィラー同士が放熱体の厚さ方向に積み重なるよう
に接触する割合が多くなるため好ましい。
放熱体の使用寸法、特に厚さによって異なるが、底面の
幅および高さが10μm〜数mmの範囲に設定される。ま
た熱伝導性フィラーの底面の幅に対する高さの比(アス
ペクト比)は放熱体の用途によって適宜設定できるが、
通常はアスペクト比を1〜2の範囲に設定すると、隣り
合うフィラー同士が放熱体の厚さ方向に積み重なるよう
に接触する割合が多くなるため好ましい。
【0026】また上記マトリックス樹脂中に分散させる
熱伝導性フィラーはシート状放熱体全体の熱伝導率を向
上させるため、および適度な可撓性(密着性)を付与す
るために放熱体容積に対して35〜90容積%の割合で
添加される。添加量が35容積%未満においては、熱伝
導率の改善効果が少ない一方、添加量が90容積%を超
える場合においては、熱伝導性フィラーを保持固定する
マトリックス樹脂の割合が相対的に低下し、放熱体の可
撓性が失われるとともに構造強度が低下してしまう。最
も好適な添加量は70〜85容積%である。
熱伝導性フィラーはシート状放熱体全体の熱伝導率を向
上させるため、および適度な可撓性(密着性)を付与す
るために放熱体容積に対して35〜90容積%の割合で
添加される。添加量が35容積%未満においては、熱伝
導率の改善効果が少ない一方、添加量が90容積%を超
える場合においては、熱伝導性フィラーを保持固定する
マトリックス樹脂の割合が相対的に低下し、放熱体の可
撓性が失われるとともに構造強度が低下してしまう。最
も好適な添加量は70〜85容積%である。
【0027】一方、グリース状(ペースト状)の放熱体
を調製する場合には、マトリックスとなるシリコーンオ
イル中に分散させる熱伝導性フィラーの添加量は、放熱
体の全容積に対して35〜80容積%の範囲が好適であ
る。添加量が35容積%未満の場合には、放熱体全体と
しての熱伝導率が低くなる一方、添加量が80容積%を
超える過量になると、マトリックスとなるシリコーンオ
イルの割合が減少し、放熱体に流動性がなくなり、接合
面に対する密着性が低下してしまう。
を調製する場合には、マトリックスとなるシリコーンオ
イル中に分散させる熱伝導性フィラーの添加量は、放熱
体の全容積に対して35〜80容積%の範囲が好適であ
る。添加量が35容積%未満の場合には、放熱体全体と
しての熱伝導率が低くなる一方、添加量が80容積%を
超える過量になると、マトリックスとなるシリコーンオ
イルの割合が減少し、放熱体に流動性がなくなり、接合
面に対する密着性が低下してしまう。
【0028】
【作用】上記構成に係る放熱体によれば、熱伝導性フィ
ラーの形状を柱状体、多面体、錐体、中空筒状体として
いるため、マトリックス樹脂中において隣り合う熱伝導
性フィラー同士が線接触および面接触によって接触し易
く、放熱体の厚さ方向に連続した放熱経路が形成され易
くなり、またマトリックス樹脂中へのフィラーの充填密
度を増加させることができる。したがって、放熱体全体
の熱伝導率を高めることが可能となり、放熱特性に優れ
た放熱体を提供することができる。
ラーの形状を柱状体、多面体、錐体、中空筒状体として
いるため、マトリックス樹脂中において隣り合う熱伝導
性フィラー同士が線接触および面接触によって接触し易
く、放熱体の厚さ方向に連続した放熱経路が形成され易
くなり、またマトリックス樹脂中へのフィラーの充填密
度を増加させることができる。したがって、放熱体全体
の熱伝導率を高めることが可能となり、放熱特性に優れ
た放熱体を提供することができる。
【0029】
【実施例】次に本発明の一実施例を添付図面を参照して
説明する。
説明する。
【0030】実施例1 図1は本発明に係る放熱体の一実施例を示す断面図であ
り、グリース状に形成した放熱体1bの構造を示す。図
2は図1におけるII部の拡大断面図である。
り、グリース状に形成した放熱体1bの構造を示す。図
2は図1におけるII部の拡大断面図である。
【0031】すなわち実施例1に係る放熱体1bは、柔
軟性を有するマトリックス樹脂2b中に種々の形状を有
する熱伝導性フィラー3bを含有させて構成される。上
記グリース状放熱体1bは、例えばマトリックス樹脂2
bに対して体積比で20〜80%の熱伝導性フィラー3
bを混合し、さらに必要に応じて添加物を適量配合し、
得られた原料混合体を混練して製造される。
軟性を有するマトリックス樹脂2b中に種々の形状を有
する熱伝導性フィラー3bを含有させて構成される。上
記グリース状放熱体1bは、例えばマトリックス樹脂2
bに対して体積比で20〜80%の熱伝導性フィラー3
bを混合し、さらに必要に応じて添加物を適量配合し、
得られた原料混合体を混練して製造される。
【0032】上記マトリックス樹脂2bとしては、例え
ばシリコーンオイル等を用いることができる。一方、熱
伝導性フィラー3bとしては、図5(A)に示す円柱状
のフイラー4a、図5(B)に示す三角柱状のフィラー
4b、図5(C)に示す四角柱状のフィラー4c、図5
(D)に示す六角柱状のフィラー4d、図5(E)に示
す四角錐状のフィラー4e、図5(F)に示す円錐状の
フィラー4f、図5(G)に示す六角錐状のフィラー4
g、図5(H)に示すような中空部5aを有する円柱状
のフィラー4h、図5(I)に示すような中空部5bを
有する四角柱状のフィラー4i等種々の形状および寸法
を有する熱伝導性フィラー3bが単独または2種以上混
在した状態で使用される。特に各熱伝導性フィラー3b
の粒径が不規則であり、広い粒径分布を示すような熱伝
導性フィラー混合体を使用することにより、粗大なフィ
ラーの間隙部に微細なフィラーが侵入する結果、マトリ
ックス樹脂2bに対する上記熱伝導性フィラー3bの充
填密度を従来より大幅に高めることができ、放熱体1b
全体としての熱伝導率を上昇させることができる。特に
中空部5a,5bを有する円筒状のフィラー4hや四角
筒状のフィラー4iを使用した場合には、この中空部5
a,5bに他の微小なフィラーが侵入したり、部分的に
嵌入する効果があり、熱伝導性フィラー3bの充填密度
をさらに上昇できる利点を有する。
ばシリコーンオイル等を用いることができる。一方、熱
伝導性フィラー3bとしては、図5(A)に示す円柱状
のフイラー4a、図5(B)に示す三角柱状のフィラー
4b、図5(C)に示す四角柱状のフィラー4c、図5
(D)に示す六角柱状のフィラー4d、図5(E)に示
す四角錐状のフィラー4e、図5(F)に示す円錐状の
フィラー4f、図5(G)に示す六角錐状のフィラー4
g、図5(H)に示すような中空部5aを有する円柱状
のフィラー4h、図5(I)に示すような中空部5bを
有する四角柱状のフィラー4i等種々の形状および寸法
を有する熱伝導性フィラー3bが単独または2種以上混
在した状態で使用される。特に各熱伝導性フィラー3b
の粒径が不規則であり、広い粒径分布を示すような熱伝
導性フィラー混合体を使用することにより、粗大なフィ
ラーの間隙部に微細なフィラーが侵入する結果、マトリ
ックス樹脂2bに対する上記熱伝導性フィラー3bの充
填密度を従来より大幅に高めることができ、放熱体1b
全体としての熱伝導率を上昇させることができる。特に
中空部5a,5bを有する円筒状のフィラー4hや四角
筒状のフィラー4iを使用した場合には、この中空部5
a,5bに他の微小なフィラーが侵入したり、部分的に
嵌入する効果があり、熱伝導性フィラー3bの充填密度
をさらに上昇できる利点を有する。
【0033】上記熱伝導性フィラー3bを構成する材料
としては、例えば熱伝導率が180〜260W/m・℃
と高く、かつ電気絶縁性を有するセラミックス焼結体が
使用される。
としては、例えば熱伝導率が180〜260W/m・℃
と高く、かつ電気絶縁性を有するセラミックス焼結体が
使用される。
【0034】上記構成のグリース状放熱体1bによれ
ば、柱状体、多面体、中空筒状体形状を有する熱伝導性
フィラー3bを使用しているため、熱伝導性フィラー3
b同士がマトリックス樹脂2b中に線接触や面接触状態
で高密度に充填される。したがって、放熱体1b全体の
熱伝導率を大幅に高めることができる。
ば、柱状体、多面体、中空筒状体形状を有する熱伝導性
フィラー3bを使用しているため、熱伝導性フィラー3
b同士がマトリックス樹脂2b中に線接触や面接触状態
で高密度に充填される。したがって、放熱体1b全体の
熱伝導率を大幅に高めることができる。
【0035】特に図2に示すように線接触や面接触状態
で熱伝導性フィラー3bが放熱体1bの厚さ方向に連設
される割合が高くなり、厚さ方向に連続した放熱経路が
形成され易くなる。したがって、放熱体1bの一方の表
面に伝達された熱が低熱伝導性のマトリックス樹脂2b
を通過する割合が減少し、グリース状放熱体1b全体の
放熱特性を大幅に改善することができた。
で熱伝導性フィラー3bが放熱体1bの厚さ方向に連設
される割合が高くなり、厚さ方向に連続した放熱経路が
形成され易くなる。したがって、放熱体1bの一方の表
面に伝達された熱が低熱伝導性のマトリックス樹脂2b
を通過する割合が減少し、グリース状放熱体1b全体の
放熱特性を大幅に改善することができた。
【0036】実施例2 次に本発明に係る他の実施例について図3および図4を
参照して説明する。
参照して説明する。
【0037】図3は実施例2に係る放熱体1cを示す断
面図であり、シート状に形成した放熱体1cの構成を示
す。図4は図3におけるIV部拡大断面図である。すなわ
ち、実施例2に係る放熱体1cは、マトリックス樹脂2
cとしてのシリコーンゴム中に直方体や円柱状の熱伝導
性フィラー3cを含有させて構成される。
面図であり、シート状に形成した放熱体1cの構成を示
す。図4は図3におけるIV部拡大断面図である。すなわ
ち、実施例2に係る放熱体1cは、マトリックス樹脂2
cとしてのシリコーンゴム中に直方体や円柱状の熱伝導
性フィラー3cを含有させて構成される。
【0038】この放熱体1cは下記のような手順で製造
した。すなわち、まず窒化アルミニウム原料粉末に焼結
助剤としての酸化イットリウムを3重量%添加した原料
混合体を押出成形法によって長尺成形体とし、この長尺
成形体をカッターで所定寸法に切断して成形体とした。
次に得られた成形体を窒素雰囲気で1800℃にて焼成
して熱伝導率200W/m・℃程度の焼結体(熱伝導性
フィラー3c)とした。そして、この熱伝導性フィラー
3cの表面に親油性の強い基を有する界面活性剤(例え
ばアミド系の界面活性剤)等のコーティング剤を塗布し
た。このように熱伝導性フィラー3cの表面にコーティ
ング剤を塗布することによって、マトリックス樹脂2c
と熱伝導性フィラー3cとの濡れ性が改善される結果、
シート状放熱体1c全体中における熱伝導性フィラー3
cの充填密度が増大して所定の高熱伝導率を付与するこ
とができる。そしてコーティング剤を塗布した熱伝導性
フィラー3cの周囲にマトリックス樹脂2cを所定厚さ
で付着せしめ、さらに加熱、プレス加工により実施例2
に係るシート状放熱体1cを製造した。
した。すなわち、まず窒化アルミニウム原料粉末に焼結
助剤としての酸化イットリウムを3重量%添加した原料
混合体を押出成形法によって長尺成形体とし、この長尺
成形体をカッターで所定寸法に切断して成形体とした。
次に得られた成形体を窒素雰囲気で1800℃にて焼成
して熱伝導率200W/m・℃程度の焼結体(熱伝導性
フィラー3c)とした。そして、この熱伝導性フィラー
3cの表面に親油性の強い基を有する界面活性剤(例え
ばアミド系の界面活性剤)等のコーティング剤を塗布し
た。このように熱伝導性フィラー3cの表面にコーティ
ング剤を塗布することによって、マトリックス樹脂2c
と熱伝導性フィラー3cとの濡れ性が改善される結果、
シート状放熱体1c全体中における熱伝導性フィラー3
cの充填密度が増大して所定の高熱伝導率を付与するこ
とができる。そしてコーティング剤を塗布した熱伝導性
フィラー3cの周囲にマトリックス樹脂2cを所定厚さ
で付着せしめ、さらに加熱、プレス加工により実施例2
に係るシート状放熱体1cを製造した。
【0039】こうして製造された実施例2に係るシート
状放熱体1cにおいては、直方体や円柱状の熱伝導性フ
ィラー3cを使用しているため、実施例1と同様に熱伝
導性フィラー3c同士がマトリックス樹脂2c中に線接
触や面接触状態で高密度に充填される。したがって、放
熱体1c全体の熱伝導率を大幅に高めることができる。
状放熱体1cにおいては、直方体や円柱状の熱伝導性フ
ィラー3cを使用しているため、実施例1と同様に熱伝
導性フィラー3c同士がマトリックス樹脂2c中に線接
触や面接触状態で高密度に充填される。したがって、放
熱体1c全体の熱伝導率を大幅に高めることができる。
【0040】特に図4に示すように線接触や面接触状態
で熱伝導性フィラー3cが放熱体1cの厚さ方向に連設
される割合が高くなり、厚さ方向に連続した放熱経路が
形成され易くなる。したがって、放熱体1cの一方の表
面に伝達された熱が低熱伝導性のマトリックス樹脂2c
を通過する割合が減少し、シート状放熱体1c全体の放
熱特性を大幅に改善することができた。
で熱伝導性フィラー3cが放熱体1cの厚さ方向に連設
される割合が高くなり、厚さ方向に連続した放熱経路が
形成され易くなる。したがって、放熱体1cの一方の表
面に伝達された熱が低熱伝導性のマトリックス樹脂2c
を通過する割合が減少し、シート状放熱体1c全体の放
熱特性を大幅に改善することができた。
【0041】また上記実施例1〜2に係るグリース状放
熱体1bおよびシート状放熱体1cを、LSIパッケー
ジ等の電子・電気部品と放熱ファン等のヒートシンク
(冷却手段)の間に挟むことにより、電子・電気部品で
発生する熱は、放熱体1b,1cの厚さ方向に効果的に
伝達され、ヒートシンクで効率よく冷却することができ
た。
熱体1bおよびシート状放熱体1cを、LSIパッケー
ジ等の電子・電気部品と放熱ファン等のヒートシンク
(冷却手段)の間に挟むことにより、電子・電気部品で
発生する熱は、放熱体1b,1cの厚さ方向に効果的に
伝達され、ヒートシンクで効率よく冷却することができ
た。
【0042】以上説明した各実施例においては、いずれ
も電気絶縁性を有する窒化アルミニウム焼結体で各熱伝
導性フィラー3b,3cを形成した放熱体1b,1cを
示しているが、この他にも窒化ボロン、アルミナセラミ
ック等の熱伝導率が高く、電気絶縁性を有する部材でフ
ィラーを形成した場合においても同様な効果が確認され
た。また、熱伝導率が高くて導電性を有する金、銅、ア
ルミニウム等の金属部材で熱伝導性フィラーを形成する
ことにより、導電性を有し、かつ放熱体の厚さ方向の熱
伝導率がよい放熱体を製造することもできる。
も電気絶縁性を有する窒化アルミニウム焼結体で各熱伝
導性フィラー3b,3cを形成した放熱体1b,1cを
示しているが、この他にも窒化ボロン、アルミナセラミ
ック等の熱伝導率が高く、電気絶縁性を有する部材でフ
ィラーを形成した場合においても同様な効果が確認され
た。また、熱伝導率が高くて導電性を有する金、銅、ア
ルミニウム等の金属部材で熱伝導性フィラーを形成する
ことにより、導電性を有し、かつ放熱体の厚さ方向の熱
伝導率がよい放熱体を製造することもできる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る放熱体
によれば、熱伝導性フィラーの形状を柱状体、多面体、
錐体、中空筒状体としているため、マトリックス樹脂中
において隣り合う熱伝導性フィラー同士が線接触および
面接触によって接触し易く、放熱体の厚さ方向に連続し
た放熱経路が形成され易くなり、またマトリックス樹脂
中へのフィラーの充填密度を増加させることができる。
したがって、放熱体全体の熱伝導率を高めることが可能
となり、放熱特性に優れた放熱体を提供することができ
る。
によれば、熱伝導性フィラーの形状を柱状体、多面体、
錐体、中空筒状体としているため、マトリックス樹脂中
において隣り合う熱伝導性フィラー同士が線接触および
面接触によって接触し易く、放熱体の厚さ方向に連続し
た放熱経路が形成され易くなり、またマトリックス樹脂
中へのフィラーの充填密度を増加させることができる。
したがって、放熱体全体の熱伝導率を高めることが可能
となり、放熱特性に優れた放熱体を提供することができ
る。
【図1】本発明に係る放熱体の一実施例を示す断面図。
【図2】図1におけるII部拡大断面図。
【図3】本発明に係る放熱体の他の実施例を示す断面
図。
図。
【図4】図3におけるIV部拡大断面図。
【図5】(A)〜(I)はそれぞれ本発明の放熱体に使
用される熱伝導性フィラーの形状例を示す斜視図。
用される熱伝導性フィラーの形状例を示す斜視図。
【図6】グリース状放熱体全体に対する熱伝導性フィラ
ーの混合体積比とグリース状放熱体の熱伝導比との関係
を示すグラフ。
ーの混合体積比とグリース状放熱体の熱伝導比との関係
を示すグラフ。
【図7】従来のシート状放熱体の構成例を示す断面図。
【図8】従来のグリース状放熱体の構成例を示す断面
図。
図。
1,1a,1b 放熱体(サーマルコンパウンド) 2,2a,2b マトリックス樹脂 3,3a,3b 熱伝導性フィラー 4,4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4
h,4i 熱伝導性フィラー 5a,5b 中空部
h,4i 熱伝導性フィラー 5a,5b 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤森 良経 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 門馬 旬 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 坂本 敏也 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内
Claims (1)
- 【請求項1】 柔軟性を有するマトリックス樹脂中に熱
伝導性フィラーを含有させて成り、上記熱伝導性フィラ
ーを、柱状体、多面体、錐体、中空筒状体の少なくとも
1種の形状に形成したことを特徴とする放熱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3346993A JPH06252572A (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | 放熱体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3346993A JPH06252572A (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | 放熱体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06252572A true JPH06252572A (ja) | 1994-09-09 |
Family
ID=12387410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3346993A Pending JPH06252572A (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | 放熱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06252572A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6548152B2 (en) * | 1996-10-09 | 2003-04-15 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Sheet for a thermal conductive substrate, a method for manufacturing the same, a thermal conductive substrate using the sheet and a method for manufacturing the same |
JP2007070492A (ja) * | 2005-09-07 | 2007-03-22 | Hitachi Ltd | 熱伝導性グリース、接着剤、及びエラストマー組成物、並びに冷却装置 |
JP2009004536A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Mitsubishi Electric Corp | 熱伝導性樹脂シート及びこれを用いたパワーモジュール |
WO2013100172A1 (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-04 | パナソニック株式会社 | 熱伝導性樹脂組成物 |
JP2016129209A (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 冷却装置 |
JP2018050017A (ja) * | 2016-09-23 | 2018-03-29 | Koa株式会社 | チップ抵抗器 |
CN108352387A (zh) * | 2015-10-26 | 2018-07-31 | 京瓷株式会社 | 拍摄装置、车辆及壳体 |
WO2021090780A1 (ja) * | 2019-11-08 | 2021-05-14 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料 |
WO2021161764A1 (ja) * | 2020-02-10 | 2021-08-19 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 熱伝導性材料およびワイヤーハーネス |
WO2021161765A1 (ja) * | 2020-02-10 | 2021-08-19 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 熱伝導性材料およびワイヤーハーネス、電気中継部品 |
-
1993
- 1993-02-23 JP JP3346993A patent/JPH06252572A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6548152B2 (en) * | 1996-10-09 | 2003-04-15 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Sheet for a thermal conductive substrate, a method for manufacturing the same, a thermal conductive substrate using the sheet and a method for manufacturing the same |
US6863962B2 (en) | 1996-10-09 | 2005-03-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Sheet for a thermal conductive substrate, a method for manufacturing the same, a thermal conductive substrate using the sheet and a method for manufacturing the same |
JP2007070492A (ja) * | 2005-09-07 | 2007-03-22 | Hitachi Ltd | 熱伝導性グリース、接着剤、及びエラストマー組成物、並びに冷却装置 |
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WO2013100172A1 (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-04 | パナソニック株式会社 | 熱伝導性樹脂組成物 |
JPWO2013100172A1 (ja) * | 2011-12-27 | 2015-05-11 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱伝導性樹脂組成物 |
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CN108352387A (zh) * | 2015-10-26 | 2018-07-31 | 京瓷株式会社 | 拍摄装置、车辆及壳体 |
US10362201B2 (en) | 2015-10-26 | 2019-07-23 | Kyocera Corporation | Imaging apparatus, vehicle and housing |
CN108352387B (zh) * | 2015-10-26 | 2022-05-31 | 京瓷株式会社 | 拍摄装置、车辆及壳体 |
JP2018050017A (ja) * | 2016-09-23 | 2018-03-29 | Koa株式会社 | チップ抵抗器 |
WO2021090780A1 (ja) * | 2019-11-08 | 2021-05-14 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料 |
WO2021161764A1 (ja) * | 2020-02-10 | 2021-08-19 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 熱伝導性材料およびワイヤーハーネス |
WO2021161765A1 (ja) * | 2020-02-10 | 2021-08-19 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 熱伝導性材料およびワイヤーハーネス、電気中継部品 |
JP2021125450A (ja) * | 2020-02-10 | 2021-08-30 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 熱伝導性材料およびワイヤーハーネス、電気中継部品 |
JP2021123703A (ja) * | 2020-02-10 | 2021-08-30 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 熱伝導性材料およびワイヤーハーネス |
CN115052950A (zh) * | 2020-02-10 | 2022-09-13 | 株式会社自动网络技术研究所 | 导热性材料及线束 |
CN115052951A (zh) * | 2020-02-10 | 2022-09-13 | 株式会社自动网络技术研究所 | 导热性材料及线束、电气中继部件 |
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