JPH0625037A - アルキレンクロルヒドリンの製造方法 - Google Patents

アルキレンクロルヒドリンの製造方法

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JPH0625037A
JPH0625037A JP20068292A JP20068292A JPH0625037A JP H0625037 A JPH0625037 A JP H0625037A JP 20068292 A JP20068292 A JP 20068292A JP 20068292 A JP20068292 A JP 20068292A JP H0625037 A JPH0625037 A JP H0625037A
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JP
Japan
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reaction
chlorine
alkali
propylene
water
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Application number
JP20068292A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamamoto
博志 山本
Hajime Ogawa
元 尾川
Toru Hoshi
徹 星
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塩素、水およびプロピレンよりプロピレンクロ
ルヒドリンを製造する方法において、プロピレンジクロ
ライドの副生を低減させる。 【構成】炭酸ナトリウムや水酸化カルシウムなどのアル
カリもしくはアルカリ塩を含有する水中において塩素、
水およびプロピレンを反応系のpHを3以上に維持しつ
つ反応させてプロピレンクロルヒドリンを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルキレンクロルヒドリ
ンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塩素、水およびアルケンを反応さ
せてアルキレンクロルヒドリンを製造する方法は知られ
ており(J. Am. Chem. Soc., 41, p1419(1919))、既に
我が国でも1960年代よりプロピレンオキサイド(P
O)の中間体であるプロピレンクロルヒドリン(PC
H)が工業的に生産されている。
【0003】従来の方法では、反応は(1)塩素と水の
反応による次亜塩素酸(HOCl)と塩酸(HCl)の
生成、および(2)アルケンと次亜塩素酸の反応による
アルキレンクロルヒドリンの生成、で示される2段階で
進行すると考えられている(化学プロセス集成,p580、
油化学,8, No.8, p355(1959) )。しかしこの方法にお
いては副生物として、遊離塩素がプロピレンに直接付加
したプロピレンジクロライド(PDC)が副生するとい
う欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】PDCの副生を抑える
目的で、遊離塩素を含まない有機塩素化剤であるターシ
ャリーブチルハイポクロライト(t−BuOCl)を用
いてPCHを製造する方法(特公昭57−30106)
や、次亜塩素酸水溶液から有機溶媒で次亜塩素酸を抽出
し、遊離塩素を含まない塩素化剤を製造する方法(US
P3578400)が知られている。しかしこれらの方
法は工程が複雑なことや、有機溶媒を使用するという点
で実用的というには不充分であった。
【0005】一方、次亜塩素酸の製造方法としては、塩
素と水と炭酸ナトリウムを反応させる方法(Treatise o
n Inorganic Chem., p803 )や塩素と炭酸水素ナトリウ
ムを反応させる方法(無機化学,p1127)が知られてい
る。しかし、これらの方法で得られた次亜塩素酸水溶液
も通常遊離塩素が残存するため、これを用いる場合であ
ってもPDCの副生は避けられないと予想される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされた下記発明である。
【0007】アルカリもしくはアルカリ塩を含有する水
中において塩素、水およびアルケンを反応系のpHを3
以上に維持しつつ反応させることを特徴とするアルキレ
ンクロルヒドリンの製造方法。
【0008】本発明の方法においては、塩素と水の反応
により生成する塩酸がアルカリもしくはアルカリ塩によ
り中和され、これにより遊離塩素の存在量が低減すると
ともに次亜塩素酸の生成効率が向上し、さらに弱酸性以
上のpHの反応系におけるアルケンとの反応によりPD
Cの副生が低減されるものと予想される。
【0009】本発明においては、アルカリもしくはアル
カリ塩を含有する水中において塩素と水を反応させる段
階と、生成する次亜塩素酸とアルケンとを反応させる段
階とは分離して実施することができるが、通常はこれら
の反応を同時に実施することが好ましい。
【0010】アルカリとしてはアルカリ金属水酸化物と
アルカリ土類金属水酸化物が好ましく、アルカリ塩とし
てはアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の塩基性塩
が好ましい。特にアルカリ塩としてはアルカリ金属ある
いはアルカリ土類金属の炭酸塩や炭酸水素塩が好まし
い。また、アルカリ金属としてはナトリウムが、アルカ
リ土類金属としてはカルシウムが好ましい。アルカリも
しくはアルカリ塩としては、具体的には、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カルシウムなどがある。工業的にはそれ
らのうちでより安価な水酸化カルシウムや炭酸カルシウ
ムの使用が好ましい。
【0011】アルケンとしては、プロピレンが最も適当
であるがこれらに限られず、ブテン、ヘキセン、その他
のアルケンにも適用できる。
【0012】また、本発明においては、反応系のpHを
3以上に維持しつつ反応させることが必要であり、通常
pH3〜12の範囲内に維持して反応を行う。好ましく
はpH3.5〜11、特にpH4〜10の範囲に維持す
ることが効率よく遊離塩素を低下させ、PDCの副生を
抑えるという理由で望ましい。さらに、反応系のpHを
上記のpH範囲に維持するためにアルカリもしくはアル
カリ塩と塩素とのモル比(アルカリ塩等/塩素)は、
0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.5、特に0.
3〜1.2とすることが望ましい。
【0013】反応は従来の反応器を用いて行うことがで
き、例えば、バッチ式の反応器や連続式の反応器等が利
用できる。
【0014】以下実施例や比較例により本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限られるもので
はない。
【0015】
【実施例】
[実施例1]容量500mlのガラス製反応容器に炭酸
ナトリウム3.74gを入れ、水350gを加えて溶解
した。次に撹拌下塩素ガス4.5gを約30分間かけて
吹き込み、次亜塩素酸水溶液を作成した。塩素吹き込み
終了時の系のpHは4.7であった。さらにプロピレン
ガスをゆっくりと約50分間かけて吹き込み反応させ
た。この間に反応系のpHはゆっくりと上昇し、反応終
了時のpHは7.2であった。反応終了後、反応液をガ
スクロマトグラフで分析したところ、生成物の組成はP
CHが87.9モル%、POが10.2モル%、PDC
が1.8モル%であった。なお、実験中の反応液温度は
0〜4℃に保持した。
【0016】[比較例1]実施例1に対する比較例とし
て炭酸ナトリウムを全く用いることなく、次の実験を行
った。即ち、実施例1と同様のガラス製反応容器に水3
50gを入れ、撹拌下塩素ガス4.9gを約30分間か
けて吹き込み、次亜塩素酸水溶液を作成した。塩素吹き
込み終了時のpHは0.7であった。次にプロピレンガ
スをゆっくりと約50分間かけて吹き込み反応させた。
この間反応系のpHはほとんど変化せず、反応終了時の
pHは0.8であった。反応終了後、反応液をガスクロ
マトグラフで分析したところ、生成物の組成はPCHが
79.4モル%、PDCが20.6モル%であった。な
お、実験中の反応液温度は0〜4℃に保持した。
【0017】[実施例2]容量500mlのガラス製反
応容器に炭酸ナトリウム7.5gを入れ、水350gを
加えて溶解した。次に撹拌下塩素ガス8.9gを約30
分間かけて吹き込み、次亜塩素酸水溶液を作成した。塩
素吹き込み終了時のpHは4.5であった。さらにプロ
ピレンガスを約50分間かけて吹き込み反応させた。こ
の間反応系のpHはゆっくりと上昇し、反応終了時のp
Hは7.0であった。反応終了後、反応液をガスクロマ
トグラフで分析したところ、生成物の組成はPCHが9
4.6モル%、POが3.6モル%、PDCが1.8モ
ル%であった。なお、実験中の反応液温度は0〜4℃に
保持した。
【0018】
【発明の効果】本発明は、従来方法と同様の極めて容易
な操作で効率よくPDCの副生を抑えることができると
いう優れた効果を有している。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリもしくはアルカリ塩を含有する水
    中において塩素、水およびアルケンを反応系のpHを3
    以上に維持しつつ反応させることを特徴とするアルキレ
    ンクロルヒドリンの製造方法。
  2. 【請求項2】アルカリもしくはアルカリ塩を含有する水
    中に塩素を導入し、それと同時にないしその後アルケン
    を導入して反応させる、請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】アルカリもしくはアルカリ塩が、水酸化ナ
    トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
    カルシウム、および水酸化カルシウムから選ばれた少な
    くとも1種である、請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】アルケンがプロピレンである、請求項1の
    製造方法。
  5. 【請求項5】反応系のpHを4〜10に維持しつつ反応
    を行う、請求項1の製造方法。
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