JPH0625013A - 凍結乾燥したアルギン酸ゲルビーズからなる徐放性製剤およびその製造方法 - Google Patents

凍結乾燥したアルギン酸ゲルビーズからなる徐放性製剤およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0625013A
JPH0625013A JP1657691A JP1657691A JPH0625013A JP H0625013 A JPH0625013 A JP H0625013A JP 1657691 A JP1657691 A JP 1657691A JP 1657691 A JP1657691 A JP 1657691A JP H0625013 A JPH0625013 A JP H0625013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel beads
freeze
dried
preparation
sustained release
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP1657691A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Odagiri
優樹 小田切
Teruko Imai
輝子 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikkoman Soyfoods Co
Kibun Foods Inc
Original Assignee
Kibun Food Chemifa KK
Kibun Foods Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kibun Food Chemifa KK, Kibun Foods Inc filed Critical Kibun Food Chemifa KK
Priority to JP1657691A priority Critical patent/JPH0625013A/ja
Publication of JPH0625013A publication Critical patent/JPH0625013A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 [目的]本発明は、薬効物質を適度に徐放化し、しかも
その薬効物質の放出量および生体内吸収量が多いアルギ
ン酸系徐放性製剤を開発することを目的とする。 [構成]本発明は、薬効物質を含む凍結乾燥したアルギ
ン酸ゲルビーズからなる徐放性製剤である。また、本発
明は、アルギン酸ナトリウムと薬効物質からなる溶液を
2価の金属塩の溶液中に滴下することによって生成した
ゲルビーズを凍結乾燥することを特徴とする徐放性製剤
の製造方法をも包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凍結乾燥したアルギン
酸ゲルビーズからなる徐放性製剤およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、徐放性製剤についての研究が活発
に行われているが、その中には天然ポリマーを使用した
ものがある。
【0003】特開平2−167220号には、塩基性の
薬効物質をアルギン酸ゲルビーズ中に包含させることを
特徴とする徐放性製剤が開示されている。該公報による
と、この徐放性製剤は、アルギン酸ナトリウムの溶液に
塩基性の薬効物質を分散させた懸濁液をノズルを用いて
塩化カルシウム溶液中に滴下して放置した後、形成され
たアルギン酸ゲルビーズを乾燥することによって製造さ
れる。そして、乾燥の手段として真空乾燥法が記載され
ているが、それ以外の乾燥法は開示されていない。
【0004】真空乾燥法によって製造されたアルギン酸
ゲルビーズは、徐放性を示す点に優れた効果を有する
が、薬効物質の放出量がやや抑制されてしまうためなお
改善の余地が残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、薬効物質を適度に徐放化し、しかもその薬効物質の
放出量および生体内吸収量が多いアルギン酸系徐放性製
剤を開発することを目的として改良研究をすすめ、本発
明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルギン酸ゲ
ルビーズを凍結乾燥することを特徴とする。すなわち、
本発明は、薬効物質を含む凍結乾燥したアルギン酸ゲル
ビーズからなる徐放性製剤である。
【0007】本発明の徐放性製剤は、具体的には、アル
ギン酸ナトリウムと薬効物質からなる溶液を2価の金属
塩の溶液中に滴下することによって生成したゲルビーズ
を凍結乾燥することによって製造する。
【0008】アルギン酸ナトリウムや薬効物質は、前述
の特開平2−167220号に記載されるものと同じも
のを使用することができる。また、2価の金属塩として
は、塩化カルシウムや塩化バリウムなどを使用すること
ができる。本発明では、アルギン酸ナトリウムと薬効物
質からなる溶液を、例えばノズルを通して2価の金属塩
の溶液に滴下する。そして、ゲル化させた後、できたア
ルギン酸ゲルビーズを分離して凍結乾燥する。本明細書
でいう凍結乾燥は、アルギン酸ゲルビーズを凍結させ、
凍結状態のままで減圧して試料から水などの昇華性成分
を除去し乾燥する操作を広く意味するものであり、凍結
温度や圧力などは特に制限されない。
【0009】凍結乾燥により製造したアルギン酸ゲルビ
ーズを真空乾燥により製造した従来のアルギン酸ゲルビ
ーズと比較すると、2価の金属含量は同等であるが直径
が大きくなっている。このことは、凍結乾燥によるビー
ズが多孔性であることを意味している。
【0010】このような構造の違いにより、薬効物質の
放出パターンが改良された。pH6.8における凍結乾
燥したアルギン酸ゲルビーズからの薬効物質放出速度
は、真空乾燥法によるものよりもやや速い。また、アル
ギン酸ゲルビーズをカプセル化して生体に投与した場合
は、MRTが十分に延長され望ましい徐放パターンを示
す。しかも、AUCも薬効物質を粉末として投与した場
合と同等の値を示し、薬効物質の吸収量が多くて投与効
率が極めて高い。これは、凍結乾燥したアルギン酸ゲル
ビーズが多孔性構造であるために比較的生体内で崩壊し
やすく、このため薬効物質の放出・生体への吸収のロス
が抑えられたものと考えられる。
【0011】本発明の徐放性製剤は、アルギン酸ゲルビ
ーズのまま投与することもできるが、通常用いられるカ
プセルに充填してカプセル剤として投与することもでき
る。また、賦型剤を用いて製剤化してもよい。
【0012】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説
明する。
【0013】
【実施例】
(1)ゲルビーズの調製 ニフェジピン1.0gおよびアルギン酸ナトリウム(紀
文フードケミファ社製)1.0gに、アルギン酸ナトリ
ウムの濃度が4%になるように水に添加し、ホモジナイ
ザーを用いて十分に懸濁させた。この溶液をノズルを用
いて0.1M塩化カルシウム溶液中に滴下し、ゆっくり
撹拌した後、72時間放置して完全にゲル化させた。生
成物をろ取し、ー25℃で凍結した後、凍結乾燥するこ
とによって凍結乾燥ゲルビーズを調製した。
【0014】また、比較のために、72時間放置してゲ
ル化させた生成物を、水100mlで3回洗浄してろ取
し、48時間自然乾燥した後さらに24時間室温で真空
乾燥することによって、真空乾燥ゲルビーズを調製し
た。
【0015】なお、本実施例で用いたアルギン酸ナトリ
ウムは、A(M/G比0.29;1%溶液の粘度13.7
cp)、B(M/G比0.77;1%溶液の粘度13.7c
p)およびC(M/G比1.42;1%溶液の粘度12.
1cp)の3種類である。
【0016】(2)ゲルビーズの分析 調製した2種のゲルビーズのそれぞれについて、ビーズ
直径とカルシウム含量を測定した。カルシウム含量につ
いては、以下のようにして測定した。
【0017】乾燥ゲルビーズ約1gを、pH1.6の塩
酸緩衝液(ナトリウムイオン濃度0.02M)100ml
に浸漬するか、または、日本薬局方XI崩壊試験用第2
液100mlに溶解した。各溶液5mlに濃塩酸0.5mlを
添加し、偏光ゼーマン原子吸光光度計(日立:Z−80
00型)を用いて、カルシウム量を定量した。それぞれ
のpHで測定した値を平均して、カルシウム含量とし
た。
【0018】結果は表1に示すとおりであった。
【0019】 表 1 乾燥ゲルビーズ 直径 カルシウム含量 (mm) (μg/ビーズ) 凍結乾燥ゲルビーズ A 1.63 26.90 B 1.63 29.38 C 1.65 35.46 真空乾燥ゲルビーズ A 1.30 31.08 B 1.20 30.28 C 1.16 35.07 表1より明らかなように、カルシウム含量は乾燥法にか
かわらずほぼ一定であるが、直径は凍結乾燥したゲルビ
ーズの方が約1.3倍大きく、多孔性であることが伺え
た。
【0020】(3)ニフェジピン放出パターンの比較 日本薬局方XI溶出試験法(パドル法)に準じ以下の方
法でpH6.8における薬物放出試験を行った。
【0021】1/500Mリン酸緩衝液(pH6.8)に
0.01%ポリソルベート80を添加して作製した試験
液900mlに、ニフェジピン10mg相当量のゲルビーズ
を加え、37℃、100rpmで撹拌した。経時的に試料
溶液を3ml採取し、237nmにおける吸光度を測定し
た。結果は図1に示す通りであった。
【0022】図1から明らかなように、凍結乾燥ゲルビ
ーズの方が真空乾燥ゲルビーズよりも、ニフェリジン放
出速度が速かった。
【0023】(4)生体投与後の血中濃度の推移 ゲルビーズを生体に投与したときの、薬物血中濃度変化
の違いを検討したものである。
【0024】2日間流動食(ベスビオンR:雪印乳業)
を与え、その後24時間絶食させた雄性ビーグル犬4頭
(1〜2歳:体重10〜12kg)に、ニフェジピン粉末
1mg/kg(<100メッシュ)、または上で調製したニ
フェジピン2mg/kg相当量のゲルビーズを、それぞれ0
0号ゼラチン硬カプセルに充填して水20mlとともに経
口投与した。投与後は自由に水を摂取させ、経時的に前
肢静脈より3mlずつ採血した。採血した血液をそれぞれ
遠心分離して血清を分取し、血清中のニフェジピンを抽
出して高速液体クロマトグラフィーにより定量した。結
果は図2に示すとおりであった。
【0025】また、0.1M塩化カルシウムの代わりに
0.1M塩化バリウムを用いて、上記(1)に記載され
る方法に従って調製した凍結乾燥ゲルビーズについても
同様の検討を行い図3に示す結果を得た。
【0026】各々の製剤を投与した場合について、血清
中濃度−時間曲線下面積(AUC)とニフェジピン平均
滞留時間(MRT)を表2に示した。
【0027】 表 2 製剤 AUC0-10 MRT (ng・h/ml) (時間) ニフェジピン粉末 42.97 ± 17.41a) 2.41 ± 0.51 凍結乾燥ゲルビーズ C (Ca) 79.66 ± 6.59 4.42 ± 0.39b) 凍結乾燥ゲルビーズ C (Ba) 75.66 ± 8.58 4.55 ± 0.20b) 真空乾燥ゲルビーズ C (Ca) 27.16 ± 4.53 3.79 ± 0.59 a) 2倍して補正 b) P<0.05 図2および表2から明らかなように、真空乾燥ゲルビー
ズのAUCはニフェジピンのAUCを2倍した値にほぼ
等しく、ニフェジピンの吸収が良好であることが示され
た。また、MRTの値から、凍結乾燥ゲルビーズはニフ
ェジピンを有効に徐放化していることが示された。さら
に、2価の金属イオンの違いは凍結乾燥ゲルビーズの放
出パターンに大きな影響を与えないことが明らかになっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明を用いることによって、望ましい
放出パターンを有し、しかも薬効物質の生体吸収効率が
よい種々の徐放性製剤を提供することが可能になった。
従って、本発明は様々な疾患の治療に幅広く有効に応用
されることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】凍結乾燥ゲルビーズおよび真空乾燥ゲルビーズ
からpH6.8の溶出試験液中に溶出されるニフェジピ
ン量の推移を示すグラフである。
【図2】凍結乾燥ゲルビーズおよび真空乾燥ゲルビーズ
投与後のビーグル犬血中薬物濃度の推移を示すグラフで
ある。
【図3】2価の金属イオンが異なる凍結乾燥ゲルビーズ
投与後のビーグル犬血中薬物濃度の推移を示すグラフで
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬効物質を含む凍結乾燥したアルギン酸ゲ
    ルビーズからなる徐放性製剤。
  2. 【請求項2】アルギン酸ナトリウムと薬効物質からなる
    溶液を2価の金属塩の溶液中に滴下することによって生
    成したゲルビーズを凍結乾燥することを特徴とする請求
    項1の徐放性製剤の製造方法。
JP1657691A 1991-02-07 1991-02-07 凍結乾燥したアルギン酸ゲルビーズからなる徐放性製剤およびその製造方法 Withdrawn JPH0625013A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1657691A JPH0625013A (ja) 1991-02-07 1991-02-07 凍結乾燥したアルギン酸ゲルビーズからなる徐放性製剤およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1657691A JPH0625013A (ja) 1991-02-07 1991-02-07 凍結乾燥したアルギン酸ゲルビーズからなる徐放性製剤およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0625013A true JPH0625013A (ja) 1994-02-01

Family

ID=11920122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1657691A Withdrawn JPH0625013A (ja) 1991-02-07 1991-02-07 凍結乾燥したアルギン酸ゲルビーズからなる徐放性製剤およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0625013A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2764505A1 (fr) * 1997-06-13 1998-12-18 Alain Dogliani Nouvelles compositions cosmetiques a base de lyophilisats d'alginates alcalins et nouveaux vecteurs de penetration
US6297033B1 (en) * 1996-04-02 2001-10-02 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Means and process for nitrate removal
JP2002263469A (ja) * 2001-03-07 2002-09-17 Satoshi Shinohara ゲルの氷結脱水法
WO2007125915A1 (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Kaneka Corporation 補酵素q含有固形物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6297033B1 (en) * 1996-04-02 2001-10-02 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Means and process for nitrate removal
FR2764505A1 (fr) * 1997-06-13 1998-12-18 Alain Dogliani Nouvelles compositions cosmetiques a base de lyophilisats d'alginates alcalins et nouveaux vecteurs de penetration
EP0888769A1 (fr) * 1997-06-13 1999-01-07 Alain Dogliani Compositions cosmétiques à base de lyophilisats d'alginates alcalins
JP2002263469A (ja) * 2001-03-07 2002-09-17 Satoshi Shinohara ゲルの氷結脱水法
WO2007125915A1 (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Kaneka Corporation 補酵素q含有固形物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4976968A (en) Anhydrous delivery systems for pharmacological agents
US4814179A (en) Floating sustained release therapeutic compositions
US5384124A (en) Solid porous unitary form comprising micro-particles and/or nano-particles, and its preparation
Al-Kassas et al. Controlling of systemic absorption of gliclazide through incorporation into alginate beads
US6455053B1 (en) Quickly soluble solid preparations
EP2200588B1 (en) Compositions comprising lipophilic active compounds and method for their preparation
KR100334856B1 (ko) 성선자극호르몬을포함하는냉동건조구
EP1428526A1 (en) Formulation for fast dissolution of lipophilic compounds
JP3267611B2 (ja) リポソーム−ポリエンプレリポソーム粉末とその製造方法
JP2003531849A (ja) グアイフェネシン徐放製剤および錠剤
JPS62292733A (ja) 徐放性医薬組成物
JP2002538112A (ja) 経口ドラッグデリバリーシステム
EP1108423A1 (en) Powdery pernasal compositions
KR20150085826A (ko) 속방 및 연장-방출형 조성물
JPH11501652A (ja) 有機組成物の改良
US4352793A (en) Pharmaceutical composition comprising bencyclane fumarate and cyclodextrin
JPH03184920A (ja) 酸感受性蛋白性物質の経口投与用医薬組成物
JP2000505801A (ja) トレハロースを含む固形製剤
US20190021986A1 (en) High bioavailability oromucosal pharmaceutical preparations based on cyclodextrin and sucralose
JP7386967B2 (ja) イカリチンナノミセル製剤、その調製方法及びその応用
JP2002532389A (ja) リン脂質組成物
ES2248802T3 (es) Procedimiento para producir preparaciones de flavanolignanos.
CA2128821A1 (en) Freeze-dried pharmaceutical dosage form and process for separation thereof
JPH0625013A (ja) 凍結乾燥したアルギン酸ゲルビーズからなる徐放性製剤およびその製造方法
CN101134022A (zh) 一种机械性能较好的冻干口腔崩解片及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19980514