JPH06248399A - ひずみゲージ用アモルファス合金およびひずみゲージ - Google Patents

ひずみゲージ用アモルファス合金およびひずみゲージ

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JPH06248399A
JPH06248399A JP3332293A JP3332293A JPH06248399A JP H06248399 A JPH06248399 A JP H06248399A JP 3332293 A JP3332293 A JP 3332293A JP 3332293 A JP3332293 A JP 3332293A JP H06248399 A JPH06248399 A JP H06248399A
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strain
amorphous alloy
sensitivity
strain gauge
gauge
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Takao Sawa
孝雄 沢
Katsutoshi Nakagawa
勝利 中川
Tadashi Okura
征 大倉
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Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ひずみ感度および疲労寿命に優れたひずみゲ
ージ用アモルファス合金を提供する。また、小型で高感
度の耐環境性および疲労寿命特性に優れたひずみゲージ
を提供する。 【構成】 一般式:(Fe1-a-b Ma M′b 100-x (Si
1-c Bc x (式中、 Mは V、Cr、Mn、Cu、Nb、Mo、Taおよび Wから
選ばれる少なくとも 1種の元素、 M′はNiおよびCoから
選ばれる少なくとも 1種の元素、 0.001≦ a≦0.25、 0
≦ b≦0.50、 0.2≦ c≦ 1.0、10≦ x≦35(at%))で実
質的に表される組成を有するひずみゲージ用アモルファ
ス合金である。ひずみゲージ1は、上記(1)式で実質的
に表される組成を有するアモルファス合金からなる厚さ
10μm 以下の抵抗薄体2と、この抵抗薄体2に接続され
たゲージリード3とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ひずみゲージ用アモル
ファス合金およびそれを用いたひずみゲージに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種部材の表面の一点のひず
みを測定する方法として、機械式測定法、化学式測定
法、X線回折による測定法、ひずみゲージを用いた測定
法等が使用されてきた。特にひずみゲージは、実際の構
造物のひずみを直接計測することが可能であり、測定精
度が高く、応力の急激な変化にも追随し、さらに遠隔操
作、野外測定、多点同時測定ができる等の特徴を有する
ため、静的および動的ひずみの測定はもちろんのこと、
高温や低温等の特殊な環境下でのひずみ測定にも対応可
能である。
【0003】従って、ひずみゲージは安全対策上、橋、
鉄筋コンクリート、鉄道車両、航空機等のいわゆる構造
物に生じる応力とひずみの測定、あるいは変位、力、ト
ルク、曲げや捩じりモーメント、加速度、振動、圧力等
のような力学的な量を測定する際のピックアップとし
て、計測・管理計器等に広く用いられている。
【0004】上述したようなひずみゲージは、ひずみを
金属材料の電気抵抗として電気量に変換して測定するも
のであり、ひずみによる抵抗素子の伸縮に伴う抵抗値の
変化を検出することによって、各種物体における静的お
よび動的な応力測定を行うものである。このようなひず
みゲージに要求される特性としては、 (1)ひずみ感度が
大きい、 (2)電気抵抗が大きい、 (3)電気抵抗の温度係
数が小さい、 (4)疲労寿命が長い、 (5)加工性がよい、
等が挙げられる。
【0005】ところで、従来のひずみゲージの構成材料
としては、主に Ni-Cr系、 Cu-Ni系等の結晶質合金が用
いられてきた。しかし、これら結晶質合金材料は、高温
あるいは低温下での上記特性の保持が不十分であり、さ
らに熱処理に伴って上記特性が変化する等の欠点を有
し、特に最近の各種機器の小形、軽量化に対して十分に
対応できず、かつ苛酷な環境下での使用に耐えられない
等の問題を有していた。一方、アモルファス合金を用い
たひずみゲージは、感度が温度や熱処理条件に左右され
ず、しかも一層の高電気抵抗化、長寿命化等が期待でき
るとして、検討されている。例えば、特開昭56-77356号
公報には、 Ni-Si-B系アモルファス合金、あるいはこれ
にCr、Al、Cu、Fe、 VおよびTiから選ばれる 1種または
2種以上の元素を添加したアモルファス合金を用いて、
電気抵抗の温度係数や電気抵抗特性を改善したひずみゲ
ージが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のアモルファス合金からなるひずみゲージは、ひ
ずみ感度に関しては改善されておらず、また疲労寿命の
点についても不十分であるという欠点を有していた。す
なわち、特開昭56-77356号公報に記載されているアモル
ファス合金は、ひずみ感度が 2程度と、従来の結晶質合
金と同程度であり、かつ繰り返し応力に対する疲労寿命
は107 程度と不十分なものであった。
【0007】アモルファス合金は、基本的に、耐環境性
に優れる、温度や熱処理条件に特性が左右されにくい等
の特徴を有するものの、従来のアモルファス合金を用い
たひずみゲージは、ひずみ感度や疲労寿命については十
分な特性が得られておらず、これらの改善が強く望まれ
ていた。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、ひずみ感度および疲労寿命に優れた
ひずみゲージ用アモルファス合金を提供することを目的
としており、さらにそのようなアモルファス合金を用い
ることによって、小型、高感度で、耐環境性や疲労寿命
特性に優れたひずみゲージを提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】本発明のひずみゲ
ージ用アモルファス合金は、 一般式:(Fe1-a-b Ma M′b 100-x (Si1-c Bc x ……(1) (式中、 Mは V、Cr、Mn、Cu、Nb、Mo、Taおよび Wから
選ばれる少なくとも 1種の元素を、 M′はNiおよびCoか
ら選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 a、 b、 cお
よび xは、 0.001≦ a≦0.25、 0≦ b≦0.50、 0.2≦ c
≦ 1.0、 10at%≦x≦35at% をそれぞれ満足する数を示
す)で実質的に表される組成を有することを特徴として
いる。
【0010】また、本発明のひずみゲージは、上記 (1)
式で実質的に表される組成を有するアモルファス合金か
らなる厚さ10μm 以下の抵抗薄体と、この抵抗薄体に接
続されたゲージリードとを具備することを特徴としてい
る。
【0011】本発明のひずみゲージ用アモルファス合金
は、上記 (1)式で実質的に表されるFe基のアモルファス
合金が優れたひずみ感度を示すと共に、疲労寿命に優れ
ることを見出したことにより成されたものである。以下
に、上記 (1)式における組成限定理由を述べる。
【0012】上記 (1)式中の M元素は、耐環境性や耐疲
労寿命の改善に有効な元素であり、M元素の配合量はFe
との置換量を示す aの値として、 0.001〜0.25の範囲と
する。 aの値が 0.001未満であると、上記効果を十分に
得ることはできず、また0.25を超えると、逆に疲労寿命
の点で問題となる。 aの値のより好ましい範囲は0.01〜
0.20であり、さらに好ましくは0.02〜0.15である。
【0013】また、Siおよび Bは、アモルファス化に必
要な元素であると共に、アモルファス合金のひずみ感度
に影響を及ぼす元素であり、Siと Bとの合計量が10〜35
at%の範囲で良好なひずみ感度が得られる。また、Siと
Bの比率もアモルファス形成能およびひずみ感度に影響
を与え、 Bの量を表す cの値が 0.2〜 1.0の範囲で高い
ひずみ感度が得られる。より好ましい cの値は 0.3〜0.
95の範囲であり、さらに好ましくは 0.4〜 0.9の範囲で
ある。
【0014】M′元素となるNiあるいはCoは、ひずみ感
度の改善に有効な元素であるが、そのFeに対する置換量
(bの値)がいずれの場合も 0.5を超えると、逆にひずみ
感度の低下を招く。より好ましい bの値は0.01〜 0.4の
範囲であり、さらに好ましくは0.05〜0.35の範囲であ
る。特に、ひずみ感度のひずみ量依存性を抑える場合、
すなわち引張り応力および圧縮応力によらずに、ほぼ一
定のひずみ感度を得るためには、キュリー温度を室温以
下とすることが好ましく、これは特に M′元素の量で制
御することができる。
【0015】本発明のひずみゲージは、上記 (1)式で組
成が表されるアモルファス合金からなる厚さ10μm 以下
の抵抗薄体を用いたものであり、基本的にはこの抵抗薄
体にゲージリードを接続することにより構成できるが、
実用的には樹脂フィルム等でラミネートして用いること
が好ましい。
【0016】上記アモルファス合金からなる抵抗薄体の
厚さは、ひずみゲージの電気抵抗およびひずみ感度に大
きく影響を及ぼすものである。すなわち、ひずみゲージ
のひずみ感度は、ひずみゲージの構造が同一であれば、
基本的にはその材料のひずみ感度に支配される。ここ
で、上記アモルファス合金からなる抵抗薄体の厚さが10
μm を超えると、電気抵抗値の低下を招き、抵抗薄体の
自己発熱からあまり電流が流せず、その結果として電気
抵抗値の大きいひずみゲージと比較すると出力電圧が低
下し、ひずみゲージとしての特性低下を招く。また、厚
さ10μm を超える抵抗薄体で、同等の特性を得るために
は、ゲージの長さをより長くする必要が生じ、ひずみゲ
ージの大型化を招いてしまう。すなわち、上記アモルフ
ァス合金からなる厚さ10μm 以下の抵抗薄体を用いるこ
とによって、小型で高感度のひずみゲージが得られる。
これは、応力集中箇所のひずみ測定やより小型のセンサ
を作製する上で、大きな効果をもたらす。
【0017】上述したような本発明のひずみゲージによ
り得られるひずみ感度は、 2.5より大きい値となる。こ
のように、ひずみ感度が改善できることにより、以下の
波及効果が得られる。すなわち、力学的な量を測定する
ピックアップに本発明のひずみゲージを用いると、出力
を従来品と同一とすればひずみ感度が大きいため、ピッ
クアップの起わい部を従来よりひずみ感度が大きい分だ
け、厚くすることができる。このため、起わい部の応力
レベルが低下し、強度アップが図れ、精度や疲労強度も
向上して、耐久性に優れたピックアップが得られる。ま
た、ひずみ感度の向上を図ったことにより、従来では不
可能であった低容量のピックアップも実現できる。さら
には、一般のひずみ測定時においても、測定値の分解能
が向上し、測定精度の向上が可能になる。
【0018】本発明のひずみゲージに用いる抵抗薄体の
具体例な構成材料としては、上記アモルファス合金の薄
帯が挙げられる。このようなアモルファス合金薄帯は、
例えば下記の方法により作製することができる。すなわ
ち、 (1)式の組成を基本的に満足するよう調合した母合
金を溶融した後、この合金溶湯をノズルから回転冷却体
上に射出し、超急冷してアモルファス合金薄帯を得る。
この際、回転冷却体をFe基合金やCu基合金で構成し、ノ
ズルの先端形状を矩形状とすると共に、回転冷却体の周
方向と平行に位置する短辺を0.07〜0.13mmの範囲とし、
かつノズルと回転冷却体との間隔を0.05〜0.25mmの範囲
とし、回転冷却体を周速20〜50m/sec の範囲で回転させ
つつ、 1×10-2Torr以下の減圧雰囲気下で、ノズルから
合金溶湯を 0.015〜0.025kg/cm2 の射出圧で、回転冷却
体上に射出することが好ましい。このような条件下で作
製することによって、板厚が10μm 以下と薄いアモルフ
ァス合金薄帯を、優れた表面平滑性を維持した上で安定
に得ることが可能となる。アモルファス合金薄帯の表面
粗さは、Ra で 1.5μm 以下とすることが好ましい。ア
モルファス合金薄帯の表面性と疲労寿命との間には相関
関係があり、例えば同一板厚であっても、表面性が悪い
と板厚の薄い部分にひずみが集中してしまい、疲労寿命
の低下要因となる。すなわち、表面性の改善が疲労寿命
の向上に大きな効果をもたらす。アモルファス合金薄帯
のより好ましい表面粗さは、Ra で1.2μm 以下であ
り、さらに好ましくは 1.0μm 以下である。なお、表面
粗さRa は、万能表面形状測定器(小坂研究所製、SE-3
A)を用いた計測した値である。また、上述したような液
体急冷法によるアモルファス合金薄帯を用いる場合に
は、その板厚は 2μm 以上とすることが好ましい。板厚
を 2μm 未満とすると、上述したような製造条件下で作
製したとしても、ピンホール等が発生しやすくなると共
に、Ra も大きくなるため、疲労寿命の点で問題とな
る。アモルファス合金薄帯の板厚tは、 3μm ≦t≦ 9
μm の範囲とすることがより好ましく、さらに好ましく
は 4μm ≦t≦ 8μm の範囲である。ここで、板厚t
は、下記の式から求めた平均板厚を示すものとする。
【0019】t=g/l・w・ρ (式中、gは重量、lは長さ、wは幅、ρは密度を示
す) 本発明のひずみゲージに用いる抵抗薄体としては、上記
した液体急冷法によるアモルファス合金薄帯に限らず、
メッキ法やスパッタ法等で形成したアモルファス薄膜を
用いることも可能である。これら方法によれば、表面平
滑性に優れ、かつピンホール等のない薄膜を得ることが
できるため、アモルファス合金薄帯を用いる場合のよう
に、厚さを 2μm 以上としなければならないものではな
い。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】実施例1、比較例1〜3 表1および表2に示す各組成の母合金をそれぞれ作製
し、これら母合金を溶融した後、単ロール法によりそれ
ぞれ超急冷してアモルファス化した。この際、ノズル寸
法は 5.5mm× 0.1mmとし、ノズルと冷却ロールとの間隔
を 0.2mm、冷却ロールの周速を 30m/sec、合金溶湯の射
出ガス圧力を 0.02kg/cm2 として、 1×10-3Torrの雰囲
気中で液体急冷法を実施した。
【0022】得られた各アモルファス合金薄帯の板厚t
および表面粗さRa を測定した後、各アモルファス合金
薄帯を用いて、それぞれ図1に示すひずみゲージを作製
した。図1に示すひずみゲージ1において、2は上記ア
モルファス合金薄帯からなる抵抗薄体であり、この抵抗
薄体2はゲージ部2aの長さLが例えば 1mmとなるよう
に、アモルファス合金薄帯にフォトエッチングを施して
作製したものであり、ゲージ部2aの各端部には電極部
2bが形成されている。これら電極部2bには、それぞ
れゲージリード3が接続されており、これらをゲージリ
ード3の一部が突出するように支持フィルム4上に載置
すると共に、ラミネートフィルム5でラミネートするこ
とによって、ひずみゲージ1が構成されている。
【0023】上記したような各ひずみゲージ1を用い
て、それぞれひずみ感度を測定した。その結果をアモル
ファス合金薄帯の板厚tおよび表面粗さRa と併せて、
表1および表2に示す。
【0024】なお、表2中の各比較例は、本発明との比
較として掲げたものであり、従来の結晶質合金を用いて
上記実施例と同一構成のひずみゲージを作製したもの
(比較例1)、および従来のアモルファス合金を用いて
上記実施例と同一構成のひずみゲージを作製したもの
(比較例2、3)であり、同様にしてひずみ感度を測定
した。
【0025】
【表1】
【表2】 表1および表2から明らかなように、本発明によるアモ
ルファス合金を用いたひずみゲージは、いずれも従来の
ひずみゲージに比べて大きなひずみ感度を有しているこ
とが分かる。
【0026】また、上記実施例で作製した各ひずみゲー
ジに対して、それぞれ1500μεを繰り返し加えたときの
ひずみ感度の変化を疲労寿命として評価したところ、い
ずれのひずみゲージも107 回以上の使用に耐え得るとい
う結果が得られた。特に、 V、Nb、Ta、Cr、Mo、 Wをそ
れぞれ添加した合金では、108 回以上の使用に耐え得る
ことが確認できた。
【0027】実施例2 表3に示す各組成の母合金をそれぞれ作製し、これら母
合金を溶融した後、単ロール法によりそれぞれ超急冷し
てアモルファス化した。この際、ノズル寸法は5.5mm×
0.1mmとし、ノズルと冷却ロールとの間隔を 0.2mm、冷
却ロールの周速を 30m/sec、合金溶湯の射出ガス圧力を
0.02kg/cm2 として、 1×10-3Torrの雰囲気中で液体急
冷法を実施した。
【0028】得られた各アモルファス合金薄帯の板厚t
および表面粗さRa を測定した後、各アモルファス合金
薄帯を用いて、実施例1と同様にひずみゲージを作製し
た。これら各ひずみゲージのひずみ感度と、引張り応力
と圧縮応力をそれぞれ1000με加えたときのひずみ感度
の比(Kt /Kc )を測定した。その結果をアモルファ
ス合金薄帯の板厚tおよび表面粗さRa と併せて、表3
に示す。
【0029】
【表3】 表3から明らかなように、本発明によるひずみゲージ
は、応力によらずほぼ一定のひずみ感度を示しており、
極めて信頼性の高いひずみゲージであることが分かる。
また、この実施例2による各ひずみゲージの疲労寿命
を、実施例1と同様に評価したところ、いずれも同等の
結果が得られた。
【0030】なお、各実施例によるひずみゲージは、い
ずれも耐食性および抵抗温度係数共に、極めて良好であ
った。
【0031】実施例3 (Fe0.88Cr0.1280(Si0.2 B0.8 20で表されるアモ
ルファス合金を単ロール法で板厚 5μm の薄帯とした。
なお、表面粗さ(Ra )は 0.6μm であった。得られた
アモルファス合金薄帯を用いて、図1に示したひずみゲ
ージを 200個作製し、図2に示すブリッジ回路で 2個を
1組として、温度による見掛けひずみを評価した。これ
は、線膨張係数が11.7×10-6/℃の普通鋼材にひずみゲ
ージを接着して、温度による零点変化を測定したもので
ある。すなわち、 2個のひずみゲージの温度係数が合っ
ていないとずれが生じ、零点が変動することになる。
【0032】また、本発明との比較として、Cu50Ni50
金を圧延法で板厚 5μm の薄帯とした後、上記実施例と
同様に、ひずみゲージを 200個作製し、実施例と同様に
して温度による見掛けひずみを評価した。なお、合金薄
帯の表面粗さ(Ra )は 0.3μm であった。
【0033】それらの結果を図3に示す。図3から明ら
かなように、本発明のひずみゲージは、ペアリングによ
る温度係数のずれが見られる個数は比較例に比べて少な
く、歩留りの高いひずみゲージが得られることが分か
る。これは、アモルファス構造に基く特性の安定性によ
ると考えられる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ひ
ずみ感度および疲労寿命に優れたアモルファス合金を用
いて、ひずみゲージを構成しているため、高感度で、か
つ小型化が可能な耐環境性や疲労寿命特性に優れたひず
みゲージを安定して提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のひずみゲージの一構成例を示す図であ
って、(a)はその平面図、(b)はその側面図であ
る。
【図2】本発明のひずみゲージの温度による見掛けひず
みの評価に使用したブリッジ回路を示す図である。
【図3】本発明の実施例によるひずみゲージの温度によ
る見掛けひずみの評価結果を従来品と比較して示す図で
ある。
【符号の説明】
1……ひずみゲージ 2……抵抗薄体 2a…ゲージ部 2b…電極部 3……ゲージリード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大倉 征 東京都調布市調布ヶ丘3丁目5番地1 株 式会社共和電業内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:(Fe1-a-b Ma M′b 100-x
    (Si1-c Bc x (式中、 Mは V、Cr、Mn、Cu、Nb、Mo、Taおよび Wから
    選ばれる少なくとも 1種の元素を、 M′はNiおよびCoか
    ら選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 a、 b、 cお
    よび xは、 0.001≦ a≦0.25、 0≦ b≦0.50、 0.2≦ c
    ≦ 1.0、 10at%≦x≦35at% をそれぞれ満足する数を示
    す)で実質的に表される組成を有することを特徴とする
    ひずみゲージ用アモルファス合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のひずみゲージ用アモルフ
    ァス合金からなる厚さ10μm 以下の抵抗薄体と、この抵
    抗薄体に接続されたゲージリードとを具備することを特
    徴とするひずみゲージ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のひずみゲージにおいて、 ひずみ感度が 2.5より大きいことを特徴とするひずみゲ
    ージ。
JP3332293A 1993-02-23 1993-02-23 ひずみゲージ用アモルファス合金およびひずみゲージ Withdrawn JPH06248399A (ja)

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