JPH0624831A - Tl系酸化物超伝導体の製造方法及びTl系酸化物超伝導体 - Google Patents

Tl系酸化物超伝導体の製造方法及びTl系酸化物超伝導体

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JPH0624831A
JPH0624831A JP3351339A JP35133991A JPH0624831A JP H0624831 A JPH0624831 A JP H0624831A JP 3351339 A JP3351339 A JP 3351339A JP 35133991 A JP35133991 A JP 35133991A JP H0624831 A JPH0624831 A JP H0624831A
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JP
Japan
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oxide superconductor
oxygen
starting material
sample
composition
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Pending
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JP3351339A
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English (en)
Inventor
Osamu Nakajima
理 中島
Masae Kikuchi
昌枝 菊地
Yasuhiko Shono
安彦 庄野
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】出発原料組成において、Tl,Ba,Ca及び
Cuを原子数比で実質的に(2−u):2:(1+
v):2の割合(ただし、0<u<0.5、0.1<v
<0.4)とし、890〜910℃の酸素含有雰囲気中
で5〜10分間焼成する。 【効果】Tl2 Ba2 CaCu2 y で表される結晶構
造を有する超伝導体を単相として合成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タリウム(Tl)系
の酸化物超伝導体の製造方法体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
Tl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物超伝導体が高い
超伝導転移温度(臨界温度:Tc)を有する材料として
注目されている。中でも、Tl2 Ba2 CaCu2 y
(yは原子価の要求を満足する数)で表される結晶構造
をもつものが100K程度のTcを有していることが知
られている。
【0003】従来、このようなTl2 Ba2 CaCu2
y で表される酸化物超伝導体を合成する場合には、金
属元素の比率が目的組成と同様になるように出発原料を
混合して焼成している。
【0004】しかしながら、出発原料を目的とするTl
2 Ba2 CaCu2 y の組成比で調合し、焼成した場
合、多量のBaCuO2 などが生成し、目的とするTl
2 Ba2 CaCu2 y 構造の超伝導体を単相として合
成する方法は未だ報告されていない。
【0005】この発明は、このような実情に鑑みてなさ
れたものであって、一般式Tl2 Ba2 CaCu2 y
で表される結晶構造の超伝導体を単相として合成するこ
とができるTl系酸化物超伝導体の製造方法及びTl系
酸化物超伝導体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明に係る
Tl系酸化物超伝導体の製造方法は、出発原料組成にお
いて、Tl2 Ba2 CaCu2 y (ただし、yは原子
価の要求を満たす数)で表される組成の化学量論値より
もCaの混合比を多くし、890〜910℃の酸素含有
雰囲気中で5〜10分間焼成することを特徴とする。好
ましくは、出発原料組成において、Tl,Ba,Ca及
びCuを原子数比で実質的に(2−u):2:(1+
v):2の割合(ただし、0≦u<0.5、0.1<v
<0.4)とする。このようにして、Tl2 Ba2 Ca
Cu2 y の結晶構造を有する単相試料を合成すること
ができる。また、焼成後に酸素欠損処理を施すことによ
りTcを一層上昇させることができる。
【0007】本願発明者らは、Tl2 Ba2 CaCu2
y の結晶構造を有する超伝導体を合成するために種々
検討を重ねた結果、出発原料のCa量を上記安定相より
も多くし、さらに焼成条件および冷却速度を制御するこ
とにより、BaCuO2 などの生成を抑制することがで
き、しかもTl2 Ba2 CaCu2 y の結晶構造を維
持できることを見出した。また、本願発明者らは、この
ようにして製造した酸化物超伝導体に対して、不活性ガ
ス中のアニ−ル処理などの酸素欠損処理を施すことによ
り、結晶構造を維持したままTcを120Kまで上昇さ
せることができることをも見出した。この発明はこのよ
うな知見に基づいてなされたものである。
【0008】この発明により製造された酸化物超伝導体
は、Tl2 Ba2 CaCu2 y の結晶構造を維持し、
しかも単相である。また、120Kという高いTcを得
ることもできる。
【0009】以下、この発明について詳細に説明する。
【0010】上述したように、本発明は基本的に、出発
原料組成において、一般式Tl2 Ba2 CaCu2 y
(ただし、yは原子価の要求を満たす数)で表される組
成の化学量論値よりもTlの混合比を少なくし、他方、
Caの混合比を多くし、890〜910℃の酸素含有雰
囲気中で5〜10分間焼成する。なお、出発原料組成に
おけるTlの混合比は上記組成の化学量論値より少なく
してもよい。具体的には、出発原料においてTl,B
a,Ca及びCuを原子数比で実質的に(2−u):
2:(1+v):2の割合(ただし、0≦u<0.5、
0.1<v<0.4)とする。この範囲において、焼成
後Tl2 Ba2 Ca2 Cu3 y の結晶構造を維持した
単相試料を得ることができる。なお、このu及びvは夫
々0.2<u<0.4、0.2<v<0.4であること
が一層好ましい。
【0011】このような出発原料を890乃至910℃
の酸素含有雰囲気中で5〜10分間焼成しすることによ
り、上述の所望の結晶構造を有する材料を確実に得るこ
とができる。
【0012】焼成後の冷却速度は5℃/分以上が好まし
い。冷却速度が5℃/分よりも遅いと、その分、試料が
高温にさらされる時間が長くなるので、余分な反応が生
じ、BaCuO2 などの不純物が生成されてしまい、単
相試料を得難くなる。
【0013】焼成後の冷却は通常炉冷であるから、冷却
速度の上限は30℃程度である。もちろん、炉冷により
所定温度まで降下させた後急冷してもよい。このように
急冷することにより結晶中への余分な酸素の取り込みを
抑制することができる。
【0014】また、焼成後、積極的に結晶構造中に酸素
欠損を形成させることにより、単相状態を維持したまま
Tcを著しく上昇させることができる。酸素欠損を形成
させる方法は特に限定されないが、窒素などの不活性ガ
ス中で500〜600℃でアニ−ルすることにより有効
に目的を達成することができる。このようにして製造さ
れたTcが120Kの酸化物超伝導体は、その組成が Tl2-u Ba2 Ca1+v Cu2 y (ただし、u,v,
及びyが夫々0.2<u<0.4、0.2<v<0.
4、7.8<y<7.9)である。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
【0016】先ず、BaCO3 とCuOの微粉末を混合
して焼成し、BaCuO2 を合成した。次いで、合成さ
れたBaCuO2 を粉末化し、この粉末とTl2 3
CaO,及びCuOの微粉末とを混合してTl,Ba,
Ca,及びCuを原子数比が2:2:1.3:2の割合
で含有する混合粉末原料を作製した。この場合に、Tl
は有毒であるから、これらの作業をグロ−ブボックス内
で行った。
【0017】次に、このような混合粉末原料を約200
kg/cm2 の圧力で成形し、直径10mm、厚さ1〜1.5
mmのペレット状の試料を作製した。
【0018】その後、Tlの高反応性に鑑み、試料をT
lと反応しにくい金箔でゆるく包み、またTlの有毒性
のため、石英管内で更に二重のトラップを付けて流量1
20ml/分の酸素気流中895℃で7分間焼成し、次
いで10℃/分の速度で冷却して試料を作製した。以上
の方法で製造した試料を2つに割り、その1つを用いて
この試料分析を行った。
【0019】図1はこの試料のCuのKα線による粉末
X線回折パタ−ンを示す図である。図中回折ピ−クの上
に表示している数字は、正方晶系のミラ−面指数を表す
ものである。この図に示すようにほぼ正方晶単相の指数
付けができ、単相の試料が得られたことが確認された。
また、4端子法により測定した抵抗率の温度変化から、
合成された試料がTc=98Kの超伝導体であることが
確認された。
【0020】すなわち、出発原料の組成をTl2 Ba2
CaCu2 y の化学量論値よりもCaが若干多い組成
にすると、試料内に不純物をほとんど含まないほぼ単相
の形でTl2 Ba2 CaCu2 y と同様の正方晶の結
晶が得られることが確認された。
【0021】この試料の原子比をエネルギ−分散X線ス
ペクトル(EDX)分析により調べた。その結果を図2
に示す。この図に示すように、Tlの原子比が出発原料
から若干低下し、Cuの原子比が若干上昇しているが、
出発組成とほぼ一致していることがわかる。
【0022】従って、EDX分析デ−タからすると、こ
の系の単相試料は、出発原料組成においてTl,Ba,
Ca及びCuを原子数比で実質的に(2−u):2:
(1+v):(2+w)の割合(ただし、0≦u<0.
5、0.1<v<0.4、0≦w<0.4)の範囲で製
造可能であることが推測される。ちなみに、Tl,B
a,Ca及びCuを原子数比が1.7:2:1.3:2
の割合で含有する混合粉末を出発原料とし、上述した方
法で焼成することにより、上述した試料と同様に、Tc
が98Kの超伝導体が単相で生成された。
【0023】次に、分割した他方の試料に対して流量1
20ml/分の窒素気流中でアニ−ル処理を施した。こ
の際に、5℃/分の速度で500〜600℃まで昇温
し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却した。
【0024】このアニ−ル後の試料について4端子法に
よりTcを求めた結果、120Kまで上昇していること
が確認された。
【0025】また、このアニ−ル後の試料の結晶構造及
び組成原子比についても、粉末X線回折及びEDX分析
により調べた。その結果、結晶構造及び各元素の比率は
アニ−ル処理しないものと同様であり、結晶は変化して
いないことがわかった。
【0026】そこで、この試料についてよう素滴定法に
より酸素量を分析した。その結果、酸素量は7.83〜
7.89であり、7.85付近が主であった。比較のた
め、アニ−ルしない試料についても同様によう素滴定法
により酸素量を分析した。その結果、酸素量は7.95
〜7.98であり、7.95が主であった。すなわち、
Tcが120Kのこの試料は、金属元素の組成比はTc
が98Kの試料と略同一であるが、アニ−ル処理により
結晶中の酸素が欠損し、酸素量が上述した値となってい
ることが確認された。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、Tl2 Ba2 CaC
2 y で表される結晶構造を有する酸化物超伝導体を
単相として合成することができる。
【0028】この発明に係る方法により製造された酸化
物超伝導体は、臨界温度が高く、ジョセフソン接合を有
するジョセフソン素子及びSQUID(超伝導量子干渉
計)、超伝導発電機に適用することが期待され、またエ
ネルギ損失の少ない超伝導電力貯蔵、さらにはエネルギ
損失の少ない送電ケ−ブル等の多方面の超伝導機器の実
用化に寄与することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る方法によって製造した
試料の粉末X線回折パタ−ンを示す図。
【図2】エネルギ分散型X線スペクトルによって得られ
た実施例の試料の元素組成を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 昌枝 宮城県仙台市太白区三神峯二丁目11番5号 (72)発明者 庄野 安彦 宮城県仙台市青葉区吉成三丁目12番12号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出発原料組成において、一般式Tl2
    2 CaCu2 y(ただし、yは原子価の要求を満た
    す数)で表される組成の化学量論値よりもCaの混合比
    を多くし、890〜910℃の酸素含有雰囲気中で5〜
    10分間焼成することを特徴とするTl系酸化物超伝導
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 出発原料組成において、Tl,Ba,C
    a及びCuを原子数比で実質的に(2−u):2:(1
    +v):2の割合(ただし、0≦u<0.5、0.1<
    v<0.4)とすることを特徴とする請求項1に記載の
    Tl系酸化物超伝導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 u及びvが夫々0.2<u<0.4、
    0.2<v<0.4であることを特徴とする請求項2に
    記載のTl系酸化物超伝導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼成後の冷却速度を5℃/分以上とする
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    のTl系酸化物超伝導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼成後の冷却速度を10℃/分以上とす
    ることを特徴とする請求項4に記載のTl系酸化物超伝
    導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼成後、酸素欠損処理を行うことを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のTl系酸
    化物超伝導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式Tl2-u Ba2 Ca1+v Cu2
    y (ただし、u,v,及びyが夫々0.2<u<0.
    4、0.2<v<0.4、7.8<y<7.9)で表わ
    される組成を有することを特徴とするTl系酸化物超伝
    導体。
JP3351339A 1991-12-13 1991-12-13 Tl系酸化物超伝導体の製造方法及びTl系酸化物超伝導体 Pending JPH0624831A (ja)

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