JPH06248249A - 有機過酸化物の除去方法 - Google Patents

有機過酸化物の除去方法

Info

Publication number
JPH06248249A
JPH06248249A JP3675493A JP3675493A JPH06248249A JP H06248249 A JPH06248249 A JP H06248249A JP 3675493 A JP3675493 A JP 3675493A JP 3675493 A JP3675493 A JP 3675493A JP H06248249 A JPH06248249 A JP H06248249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
peroxide
organic peroxide
organic
acids
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3675493A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Arakawa
川 幸 治 荒
Sohei Okawa
川 壮 兵 大
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Petrochemical Co Ltd filed Critical Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority to JP3675493A priority Critical patent/JPH06248249A/ja
Publication of JPH06248249A publication Critical patent/JPH06248249A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機過酸化物を含有する液体中の有機過酸化
物を除去して、濃縮時の爆発や酸化による着色を防止す
る。 【構成】 有機過酸化物を含有する液体より有機過酸化
物を除去する方法において、該有機過酸化物を含有する
液体を、硫酸、燐酸、弗化水素、有機スルホン酸、有機
カルボン酸、並びに、これらの塩から選ばれた少なくと
も一種の酸類を担持させた処理剤と接触させることを特
徴とする有機過酸化物の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機過酸化物を含有す
る液体より有機過酸化物を除去するための、有機過酸化
物の除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機物中に有機過酸化物が存在している
と、該有機物を蒸留により精製する際に、該有機物が徐
々に除去されて、最終的に残存する蒸留釜の中に有機過
酸化物が濃縮されてきて、これが分解すると爆発事故の
原因となったり、また、残存する有機物を酸化して、着
色や酸価の上昇等の品質を劣化させる原因の物質である
ことから、十分に除去することが必須であるとされてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような過酸化物の
分解は、従来、硫酸、燐酸等の強酸との混合接触により
分解させる方法が一般に採用されているが、これらの強
酸が処理液中に混在してくるので、耐腐食性の観点から
該処理液中より別途十分に除去する方法を確立しなけれ
ばならなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研
究を重ねた結果、有機過酸化物を含有する液体を、硫
酸、燐酸、弗化水素、有機スルホン酸、有機カルボン
酸、並びに、これらの塩から選ばれた少なくとも一種の
酸類を担持させた処理剤と接触させることにより有機過
酸化物を分解・除去することができるとの知見を得て本
発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明
の有機過酸化物の除去方法は、有機過酸化物を含有する
液体より有機過酸化物を除去する方法において、該有機
過酸化物を含有する液体を、硫酸、燐酸、弗化水素、有
機スルホン酸、有機カルボン酸、並びに、これらの塩か
ら選ばれた少なくとも一種の酸類を担持させた処理剤と
接触させることを特徴とするものである。
【0005】[発明の具体的説明] [I] 有機過酸化物を含有する液体 本発明の有機過酸化物の除去方法において有機過酸化物
を含有する液体としては、有機過酸化物を含有する水又
は有機溶媒である。 (1) 有機過酸化物 上記有機過酸化物としては、過酸化水素の1個又は2個
の水素原子をアルキル基、アリール基、アシル基等で置
換された構造で表わされる化合物である。具体的には、
次の(a) 〜(e) に記載されるもの等を挙げることができ
る。 (a) ハイドロパーオキサイド 具体的には、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキ
サイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイド
ロパーオキサイド等を挙げることができる。 (b) ジアルキルパーオキサイド 具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、α,α´−ビス(t−ブチルパーオ
キシ−m−イソプロピル)ベンゼン等を挙げることがで
きる。
【0006】(c) ジアシルパーオキサイド 具体的には、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパ
ーオキサイド、オクテノイルパーオキサイド、デカノイ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−ト
ルイルパーオキサイド等を挙げることができる。 (d) 過酸エステル 具体的には、過酢酸t−ブチル、過イソ酪酸t−ブチ
ル、過ピバリン酸t−ブチル、過2−エチルヘキサン酸
t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過2−エチルヘキ
サン酸クミル等を挙げることができる。 (e) ケトンパーオキサイド 具体的には、エチルメチルケトンパーオキサイド、シク
ロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオ
キサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等を挙げること
ができる。
【0007】(2) 液 体 上記液体としては、水又は有機溶媒である。具体的に
は、水溶液、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の
炭化水素系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素
系溶媒、メチルアルコール、エチルアルコール等のアル
コール・エステル系溶媒、エチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセト
ン、メチルエチルケトン等のアルデヒド・ケトン系の溶
媒等を挙げることができる。工業的には、有機溶媒の存
在下に有機化酸化物を重合開始剤として使用し、重合さ
せて得た後に、生成した重合体を濾過等により除去し、
再度溶媒を回収して再使用するための有機過酸化物を含
有する液体等である。
【0008】[II] 処理剤 本発明の有機過酸化物の除去方法において用いられる処
理剤としては、担体に硫酸、燐酸、弗化水素、有機スル
ホン酸、有機カルボン酸、並びに、これらの塩から選ば
れた少なくとも一種の酸類を担持させて得られたもので
ある。 (1)担 体 上記担体としては、無機又は有機の粉体が用いられ、具
体的には、シリカゲル、アルミナ、活性炭、ゼオライ
ト、酸性白土、陰イオン交換樹脂等を挙げることができ
る。これらの担体の中でもシリカゲル、アルミナ、活性
炭、陰イオン交換樹脂を用いることが好ましい。特に好
ましくは陰イオン交換樹脂を用いることである。これら
粉体は上記有機過酸化物を除去した液体との分離の点
で、粒径が一般に0.1〜100mm、好ましくは1〜
20mmのものが使用される。
【0009】(2) 酸 類 上記担体に担持する硫酸、燐酸、弗化水素、有機スルホ
ン酸、有機カルボン酸、並びに、これらの塩から選ばれ
た少なくとも一種の酸類としては、以下のものを挙げる
ことができる。 (a) 硫 酸 上記硫酸としては、硫酸、若しくは、その塩である硫酸
ナトリウム、硫酸水素ナトリウム等を挙げることができ
る。 (b) 燐 酸 上記燐酸としては、燐酸、若しくは、その塩である燐酸
ナトリウム、燐酸水素ナトリウム等を挙げることができ
る。 (c) 弗化水素 上記弗化水素としては、弗化水素を水に溶解させた弗化
水素酸水溶液等を挙げることができる。
【0010】(d) 有機スルホン酸 上記有機スルホン酸としては、アルキルスルフォン酸、
アルキルベンゼンスルフォン酸、アルキルナフタレンス
ルフォン酸、並びに、これらの塩等を挙げることができ
る。 アルキルスルフォン酸 上記アルキルスルフォン酸としては、次の一般式で表わ
されるものを挙げることができる。 一般式 R1 −(SO3 H) (式中のR1 は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜
20のアルキル基であり、nは1〜3の整数を表わ
す。)具体的には、ブタンスルホン酸等を挙げることが
できる。
【0011】 アルキルベンゼンスルフォン酸 上記アルキルベンゼンスルフォン酸としては、次の一般
式で表わされるものを挙げることができる。 一般式 R2 t −C6 5-m−(SO3 H) (式中のR2 は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜
4のアルキル基であり、mは1〜5、好ましくは1〜
3、tは1〜5、好ましくは1〜2の整数を表わす。)
具体的には、トルエンスルホン酸等を挙げることができ
る。
【0012】 アルキルナフタレンスルフォン酸 上記アルキルナフタレンスルフォン酸としては、次の一
般式で表わされるものを挙げることができる。 一般式 C108-Q −(SO3 H) (式中のQは1〜7、好ましくは1〜4の整数であ
る。)具体的には、ナフタリンスルホン酸等を挙げるこ
とができる。
【0013】(e) 有機カルボン酸、上記有機カルボン酸
としては、脂肪族カルボン酸、ベンゼンポリカルボン
酸、並びに、これらの塩から選ばれる。 脂肪族カルボン酸、 上記脂肪族カルボン酸としては、次の一般式で表わされ
るもの、並びに、これらの塩を挙げることができる。一
般式
【0014】
【化1】
【0015】(式中のR3 は炭素数1〜10の脂肪族炭
化水素基、好ましくは炭素数1〜4のであり、uは1〜
6、好ましくは1〜3の整数を表わす。)具体的には、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、オレイ
ン酸、リノール酸、グリコール酸、酢酸ナトリウム等の
脂肪族モノカルボン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸カリウムナト
リウム等の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸
等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸の
中でも、蟻酸、酢酸、蓚酸、アジピン酸、グリコール酸
を用いることが好ましい。 ベンゼンポリカルボン酸 上記ベンゼンポリカルボン酸としては、次の一般式で表
わされるもの、並びに、これらの塩を挙げることができ
る。一般式
【0016】
【化2】
【0017】(式中のpは1〜5、好ましくは1〜4の
整数である。)具体的には、安息香酸、フタル酸、トリ
メリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、フタル酸水素
カリウム等を挙げることができる。これらのベンゼンポ
リカルボン酸の中でも、フタル酸、1,2,4−トリカ
ルボキシベンゼン、トリメリト酸を用いることが好まし
い。これら酸類の中でも、特にトリメリト酸を用いるこ
とが好ましい。
【0018】(3) 担 持(処理) (a) 接 触 上記酸類の担体への担持(処理)は、担体に酸類を接触
させることによって行なうことができる。一般には担体
をカラムに充填し、これに酸類を流通させることによっ
て担持させることができる。担体と酸類の接触は特に制
限は無く、室温でも行なうことができるが、一般には上
記酸類が液状或いは溶液状態を維持することができる温
度から酸類又は溶媒の沸点以下の温度範囲内で行なわれ
る。接触の時間は一般に5分〜10時間、好ましくは1
〜4時間である。上記酸類を担体に接触させた後、過剰
の酸類と溶液を除去する。特に溶液を用いたときは溶媒
を揮発又は溶媒のみで洗浄することによって除去させ
る。
【0019】(b) 溶媒(希釈剤) 必要に応じて、これら酸類を溶媒(希釈剤)に溶解した
溶液と用いることができる。このような溶媒(希釈剤)
としては、炭素数が1〜12の炭化水素、炭素数が1〜
4のアルコール、炭素数が2〜6のエーテル、環状エー
テル等を用いることができる。担体が活性炭の場合には
極性溶媒を使用することが適しており、アルコール、テ
トラヒドロフランを使用することが好ましい。また、担
体がアルミナ、シリカゲルの場合は炭化水素、エーテル
を使用することが好ましい。
【0020】[III] 有機過酸化物の除去 上記のようにして得られた処理剤を用いて、有機過酸化
物を含有する液体中の有機過酸化物を除去するには、該
被処理物を上記処理剤と接触させることにより行なわれ
る。被処理物が粘度の低い液体であるときは直接に上記
処理剤と接触処理されるが、該被処理物の粘度が高粘度
であったり、固体の場合には溶媒に溶解又は希釈してか
ら接触処理することもできる。このような溶媒として
は、前記炭化水素、エーテル、テトラヒドロフラン等を
用いることができる。接触処理は被処理物中に処理剤を
添加して攪拌することによって行なうこともできるが、
一般的には前記処理剤をカラムに充填したカラム中に被
処理物を通過させることによって除去することが、処理
において確実で、簡単な方法であることから最も好まれ
る方法である。接触処理の時間は、一般に5分〜3時
間、好ましくは15分〜1時間の範囲である。接触処理
の温度は、一般に高温の方が望ましいが、溶媒の沸点等
の関係から、安全性の確保される温度範囲内である。一
般には室温〜120℃、好ましくは40〜80℃の範囲
である。
【0021】[IV] 用 途 この様にして有機過酸化物の除去された溶液は、溶液中
に酸類が検出できない程度の2ppm以下程度でしか含
有されていないので、分解にしようした酸類を除去する
操作が必要でなく、このような溶液を濃縮しても、有機
過酸化物が含まれていないので、有機過酸化物の分解に
よる爆発等の危険性が無くなり、しかも、有機過酸化物
の酸化による生成物の着色を防止することができるた
め、安全で高回収率で回収することができるので、工業
的に極めて有用な方法である。
【0022】
【実施例】本発明の有機過酸化物の除去方法について、
更に詳細に説明するため、以下にその実施例及び比較例
を挙げて具体的に説明する。 実施例1〜11及び比較例1 (1) 過酸化物含有液体試料 シクロヘキサン及びイソオクタン(2,2,4−トリメ
チルペンタン)を容積比で1:1に混合し、クメンハイ
ドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル又は過酸化ジブ
チルをそれぞれ200〜1,000ppm(wt/vo
l)となるように混合して、過酸化物含有液体試料
(A)を調製した。
【0023】(2) 担 持 外部にジャケットを付け、温水を循環させて一定の温度
に保つことができるようにした内径2cmのガラス管
に、高さ15cmとなるように活性炭(和光純薬社製:
カラムクロマトグラフ用)を充填した。次に、表1に示
す、硫酸、燐酸、弗化水素酸、ヘキシルスルホン酸、ト
ルエンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタリン
スルホン酸、フタル酸、トリメリト酸、蓚酸を酸類とし
て用い、ジエチルエーテル、アセトニトリル又はエチル
アルコール/水混合物(有機溶剤85:水15、vol
/vol比)に溶解し、その濃度が1%(wt/vo
l)の溶液を調製した。そして、これらの溶液200m
lを前記活性炭を充填したガラス管に上記2ml/分の
速度で流して、活性炭にこれら酸類を吸着させた。
【0024】(3) 除去処理 このようにして得られたガラス管内の酸類吸着活性炭
を、表1に示すように、20℃、40℃及び60℃の温
度に保持した状態で、上記過酸化物含有試料(A)50
0mlを1ml/分の速度で通過させた。そして、ガラ
ス管出口部より流出してきた過酸化物の濃度を、沃素滴
定法及び液体クロマトグラフ法により測定した。また、
流出液中の硫黄含有量は電量滴定装置(三菱化成TOX
−10Σ)で測定した。それらの結果を表1に示す。な
お、比較のために未処理活性炭での過酸化物除去効果も
測定した。
【0025】 表 1 酸処理活性炭による過酸化物除去効果 (残存加算化物納度:ppm) 実施例 使 用 酸 類 処 理 温 度 20℃ 40℃ 60℃ 1 硫酸 40 25 <10 2 燐酸 70 35 <10 3 弗化水素酸 75 40 10 4 ヘキシルスルホン酸 220 170 90 5 トルエンスルホン酸 170 120 55 6 ベンゼンスルホン酸 165 100 45 7 ナフタリンスルホン酸 215 150 110 8 フタル酸 230 180 95 9 トリメリト酸 210 155 75 10 蓚酸 170 110 60 11 酢酸 155 95 50 比較例 1 未処理活性炭 390 295 185 なお、流出液中の硫黄含有量の検出限界は2ppm以下
であった。
【0026】実施例12〜22及び比較例2 (1) 過酸化物含有液体試料 シクロヘキサンとイソオクタンとの混合溶液(1:1v
ol比)に、クメンハイドロパーオキサイド及び過酸化
ベンゾイルを500ppmとなるように混合して、過酸
化物含有液体試料(B)500mlを調製した。
【0027】(2) 担 持 外部にジャケットを付け、温水を循環させて一定の温度
に保つことができるようにした内径2cmのガラス管
に、高さ15cmとなるように活性炭(和光純薬社製:
カラムクロマトグラフ用)を充填した。次に、表2に示
す、硫酸、燐酸及びその塩、弗化水素酸、ドデシルスル
ホン酸、ベンゼンジスルホン酸−(1,4)、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、トリメリト酸、酢酸、グリコール
酸、アジピン酸を酸類として用い、ジエチルエーテル、
アセトニトリル又はエチルアルコール/水混合物(有機
溶剤85:水15、vol/vol比)に溶解し、その
濃度が1%(wt/vol)の溶液を調製した。そし
て、これらの溶液200mlを前記活性炭を充填したガ
ラス管に上記2ml/分の速度で流して、活性炭にこれ
ら酸類を吸着させた。
【0028】(3) 除去処理 このようにして得られたガラス管内の酸類吸着活性炭を
60℃の温度に保持した状態で、上記過酸化物含有試料
(B)500mlを1ml/分の速度で通過させた。そ
して、ガラス管出口部より流出してきた過酸化物の濃度
を液体クロマトグラフ法及びヨード滴定法により測定し
た。また、流出液中の硫黄含有量は電量滴定装置(三菱
化成社製:TOX−10Σ)で測定した。それらの結果
を表2に示す。なお、比較のために未処理活性炭での過
酸化物除去効果も測定した。
【0029】 表 2 酸処理活性炭による過酸化物除去効果 (残存加算化物納度:ppm) 実施例 使 用 酸 類 処 理 温 度 クメンハイドロパーオキサイド 過酸化ベンゾイル 12 硫酸 <10 <10 13 燐酸 <10 <10 14 燐酸1カリウム 30 15 15 弗化水素酸 <10 <10 16 ドデシルスルホン酸 130 110 17 ベンゼンジスルホン 酸−(1,4) 50 35 18 ドデシルベンゼン スルホン酸 120 100 19 トリメリト酸 135 90 20 酢酸 40 30 21 グリコール酸 35 30 22 アジピン酸 130 110 比較例 2 未処理活性炭 180 170 なお、流出液中の硫黄含量は検出限界2ppm以下であ
った。
【0030】実施例23〜30及び比較例3 (1) 過酸化物含有液体試料 シクロヘキサンとイソオクタンとの混合溶液(1:1v
ol比)に、クメンハイドロパーオキサイドを1,00
0ppmとなるように混合して、過酸化物含有液体試料
(C)を調製した。
【0031】(2) 担 持 外部にジャケットを付け、温水を循環させて一定の温度
に保つことができるようにした内径2cmのガラス管に
高さ15cmとなるようにシリカゲル(ダビソン社製6
0〜200メッシュ)を充填した。次に、表3に示す、
硫酸、燐酸、弗化水素酸、トルエンスルホン酸、ベンゼ
ンジスルホン酸、トリメリト酸、蟻酸、酢酸を酸類とし
て用い、ジエチルエーテル、アセトニトリル又はエチル
アルコール/水混合物(有機溶剤90:水10、vol
/vol比)に溶解し、その濃度が1%(wt/vo
l)の溶液を調製した。そして、これらの溶液200m
lを前記シリカゲルを充填したガラス管に上記2ml/
分の速度で流して、シリカゲルにこれら酸類を吸着させ
た。
【0032】(3) 除去処理 このようにして得られたガラス管内の酸類吸着シリカゲ
ルを60℃の温度に保持した状態で、上記過酸化物含有
試料(C)500mlを1ml/分の速度で通過させ
た。そして、ガラス管出口部より流出してきた過酸化物
の濃度を液体クロマトグラフ法により測定した。また、
流出液中の硫黄含有量は電量滴定装置(三菱化成TOX
−10Σ)で測定した。それらの結果を表3に示す。な
お、比較のために未処理シリカゲルでの過酸化物除去効
果も測定した。
【0033】 表 3 酸処理シリカゲルによる過酸化物除去効果 (残存加算化物納度:ppm) 実施例 使 用 酸 類 クメンハイドロパーオキサイド量 23 硫酸 <10 24 燐酸 <10 25 弗化水素酸 <10 26 トルエンスルホン酸 30 27 ベンゼンジスルホン酸 20 28 トリメリト酸 85 29 蟻酸 30 30 酢酸 30 比較例 3 未処理シリカゲル 670 なお、流出液中の硫黄含量の検出限界は2ppm以下で
あった。
【0034】実施例31〜37及び比較例4 (1) 過酸化物含有液体試料 シクロヘキサンとイソオクタンとの混合溶液(1:1v
ol比)に、クメンハイドロパーオキサイドを1,00
0ppmとなるように混合して、過酸化物含有液体試料
(D)を調製した。
【0035】(2) 担 持 外部にジャケットを付け、温水を循環させて一定の温度
に保つことができるようにした内径2cmのガラス管
に、高さ15cmとなるように活性アルミナ(和光純薬
社製:酸性、活性度1、カラムクロマトグラフ用)又は
(和光純薬社製:塩基性、活性度1、カラムクロマトグ
ラフ用)を充填した。次に、表4に示す、硫酸、燐酸、
弗化水素酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンジスルホン
酸、トリメリト酸、酢酸を酸類として用い、ジエチルエ
ーテル、アセトニトリル又はエチルアルコール/水混合
物(有機溶剤90:水10vol/vol比)に溶解
し、その濃度が0.5%(wt/vol)の溶液を調製
した。そして、これらの溶液200mlを前記活性アル
ミナを充填したガラス管に上記2ml/分の速度で流し
て、活性アルミナにこれら酸類を吸着させた。
【0036】(3) 除去処理 このようにして得られたガラス管内の酸類吸着活性アル
ミナを60℃の温度に保持した状態で、上記過酸化物含
有試料(D)500mlを1ml/分の速度で通過させ
た。そして、ガラス管出口部より流出してきた過酸化物
の濃度を液体クロマトグラフ法により測定した。また、
流出液中の硫黄含有量は電量滴定装置(三菱化成TOX
−10Σ)で測定した。それらの結果を表4に示す。な
お、比較のために未処理活性アルミナでの過酸化物除去
効果も測定した。
【0037】 表 4 酸処理活性アルミナによる過酸化物除去効果 クメンハイドロパーオキサイド残存量 (残存加算化物納度:ppm) 実施例 使 用 酸 類 活性アルミナ 活性アルミナ (酸性) (塩基性) 31 硫酸 <10 <10 32 燐酸 <10 <10 33 弗化水素酸 <10 15 34 トルエンスルホン酸 25 40 35 ベンゼンジスルホン酸 15 30 36 トリメリト酸 75 90 37 酢酸 20 35 比較例 4 未処理アルミナ 420 550 なお、流出液中の硫黄含量の検出限界は2ppm以下で
あった。
【0038】実施例38〜45及び比較例5 (1) 過酸化物含有液体試料 90%エチルアルコール/水混合物(vol/vol
比)にクメンハイドロパーオキサイドを200ppm
(wt/vol比)となるように混合して、過酸化物含
有液体試料(E)を調製した。
【0039】(2) 担 持 外部にジャケットを付け、温水を循環させて一定の温度
に保つことができるようにした内径2cmのガラス管に
高さ15cmとなるように陰イオン交換樹脂(三菱化成
社製:ダイアイオンSA−10A)を充填した。次に、
表5に示す、硫酸水素ナトリウム、燐酸2水素カリウ
ム、弗化ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、
フタル酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酒石酸カリウ
ムナトリウムを酸類として用い、エタノール/水混合物
(30:70 vol比)に溶解し、0.5%(wt/
vol)の溶液を調製した。そして、これらの溶液30
0mlを前記陰イオン交換樹脂を充填したガラス管に上
記2ml/分の速度で流して、陰イオン交換樹脂にこれ
ら酸類を付加させた。
【0040】(3) 除去処理 次いで、このようにして得られたガラス管内の酸類吸着
陰イオン交換樹脂に、上記過酸化物含有試料(E)50
0mlを1ml/分の速度で通過させた。ガラス管出口
部より流出してきた過酸化物の濃度を液体クロマトグラ
フ法により測定した。また、流出液中の硫黄含有量は電
量滴定装置(三菱化成TOX−10Σ)で測定した。そ
れらの結果を表5に示す。なお、比較のために未処理陰
イオン交換樹脂での過酸化物除去効果も測定した。
【0041】 表 5 酸類交換陰イオン交換樹脂による過酸化物除去効果 クメンハイドロパーオキサイド残存量 (残存加算化物納度:ppm) 実施例 使 用 酸 類 クメンハイドロパーオキサイド 39 硫酸水素ナトリウム 10 40 燐酸2水素カリウム 10 41 弗化ナトリウム 15 42 トルエンスルホン酸ナトリウム 35 43 フタル酸水素カリウム 25 44 酢酸ナトリウム 30 45 酒石酸カリウムナトリウム 75 比較例 5 未処理陰イオン交換樹脂 185 なお、流出液中の硫黄含量の検出限界は2ppm以下で
あった。
【0042】
【発明の効果】このような本発明の有機過酸化物の除去
方法は、有機過酸化物を含有する液体を担体上に酸類等
を担持せしめた処理剤と接触させることにより、液体中
の有機過酸化物を担体上のアミン類等によって分解して
除去するので、これを濃縮しても有機過酸化物の分解に
よる爆発等の危険性が無くなり、有機過酸化物の酸化に
よる生成物の着色を防止し、しかも、処理液中にスルホ
ン酸等が含まれていないので、スルホン酸等の除去工程
を必要とせず、安全で高回収率で回収することができる
ため、工業的に極めて有用な方法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機過酸化物を含有する液体より有機過酸
    化物を除去する方法において、該有機過酸化物を含有す
    る液体を、硫酸、燐酸、弗化水素、有機スルホン酸、有
    機カルボン酸、並びに、これらの塩から選ばれた少なく
    とも一種の酸類を担持させた処理剤と接触させることを
    特徴とする有機過酸化物の除去方法。
  2. 【請求項2】処理剤が、陰イオン交換樹脂に、硫酸、燐
    酸、弗化水素、アルキルスルフォン酸、アルキルベンゼ
    ンスルフォン酸、アルキルナフタレンスルフォン酸、脂
    肪族カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカル
    ボン酸、ベンゼンポリカルボン酸、並びに、これらの塩
    から選ばれた少なくとも一種の酸類を担持させて得られ
    たものである請求項1に記載の有機過酸化物の除去方
    法。
JP3675493A 1993-02-25 1993-02-25 有機過酸化物の除去方法 Pending JPH06248249A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3675493A JPH06248249A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 有機過酸化物の除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3675493A JPH06248249A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 有機過酸化物の除去方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06248249A true JPH06248249A (ja) 1994-09-06

Family

ID=12478532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3675493A Pending JPH06248249A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 有機過酸化物の除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06248249A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180028397A (ko) 2015-07-10 2018-03-16 가부시키가이샤 무사시노카가쿠겡큐쇼 유기산 에스테르계 액체의 제조 방법, 및 전자 부품 제조용 레지스트 용제 또는 전자 부품 제조용 린스액의 제조 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180028397A (ko) 2015-07-10 2018-03-16 가부시키가이샤 무사시노카가쿠겡큐쇼 유기산 에스테르계 액체의 제조 방법, 및 전자 부품 제조용 레지스트 용제 또는 전자 부품 제조용 린스액의 제조 방법
US10632456B2 (en) 2015-07-10 2020-04-28 Musashino Chemical Laboratory, Ltd. Process for producing organic acid ester-type liquid, and process for producing solvent of resist for producing electronic part or rinsing liquid for producing electronic parts

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11760673B2 (en) Treatment method of wastewater containing heterocyclic organics and adsorbing material obtained therefrom
JP5666467B2 (ja) メチルメタクリレート精製方法
TWI518063B (zh) 製備對苯二甲酸之方法
US2292950A (en) Catalytic oxidation
JPH06248249A (ja) 有機過酸化物の除去方法
JP2006504781A (ja) カルボン酸の製造方法
NZ227447A (en) Purifying acetic acid using ozone
JPS6318581B2 (ja)
CN110227542A (zh) 一种炭基钛酸酯催化剂及其制备方法和应用
DK149802B (da) Fremgangsmaade til fjernelse af forureninger af organisk art fra vandige oploesninger af phosphorsyre
JPH06248250A (ja) 有機過酸化物の除去方法
JP3439193B2 (ja) シクロドデカノンおよびシクロドデカノールを含む混合物の製造方法
US3031491A (en) Purification of esters of dicarboxylic acids
JPH10330103A (ja) 過酸化水素の製造方法
US4097523A (en) Liquid phase oxidation of unsaturated aliphatic aldehydes to unsaturated aliphatic acids
US2861031A (en) Process for the production of hydroperoxides of partially hydrogenated polycyclic aromatic hydrocarbons
JP3602620B2 (ja) 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレ−トの精製方法
JP3062584B2 (ja) 触媒作用を及ぼした、不飽和化合物のオゾニドを酸化してカルボン酸を生成する方法
US3927168A (en) Osmium recovery from glycol solutions
UA56134C2 (uk) Спосіб одержання розчину ацетату рутенію (ііі) та сам розчин ацетату рутенію
US3865856A (en) Process for the preparation of carboxylic acids from vicinal diols
US3895040A (en) Method for manufacture of fatty acids and dibasic acids
JPH10158198A (ja) 有機過酸化物の分解方法
US3139440A (en) Method of producing carbonate esters from formals using ozone
US3657334A (en) Process for producing adipic acid