JPH06247714A - 超電導物質 - Google Patents

超電導物質

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JPH06247714A
JPH06247714A JP5030446A JP3044693A JPH06247714A JP H06247714 A JPH06247714 A JP H06247714A JP 5030446 A JP5030446 A JP 5030446A JP 3044693 A JP3044693 A JP 3044693A JP H06247714 A JPH06247714 A JP H06247714A
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JP5030446A
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Dein Tan Torun
ディン タン トルン
Hisashi Yoshino
久士 芳野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体窒素温度以上の臨界温度Tc を有し、か
つ磁束ピン止め効果が十分に得られる、毒性のない超電
導物質を提供する。 【構成】 一般式:(Bi1-x Ax a (Sr1-y Bay b
(Ca1-z REz c (Cu1-w Mw d O 7±δ(式中、 A
はGa、In、Pb、Sb、REはSc、 Yを含む希土類元素、 Mは
Nb、 V、 W、 0.7≦ a≦1.3 、 1.6≦ b≦2.4 、 0.7≦
c≦1.8 、1.8≦ d≦2.9 、0.05≦ x≦0.95、 0≦ y≦1
、 0≦ z≦1 、 0≦ w≦0.3 、 0≦δ≦0.5 )、また
は一般式:(Bi1-x Dx e (Sr1-y Bay f (Ca1-z
REzg (Cu1-w Mw h O 9±δ(式中、 AはCu、G
a、In、Pb、Sb、 0.7≦ e≦1.3 、 1.6≦ f≦2.4 、 1.
5≦ g≦3 、 2.5≦ h≦4 )で実質的に組成が表される
超電導物質である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物系の超電導物質
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在までのところ、臨界温度Tc が高い
超電導物質として、RE-Ba-Cu-O系(REは Yを含む希土類
元素、Tc =90K)、 Bi-Sr-Ca-Cu-O系(Tc =80K、110
K)、Tl-Ba-Ca-Cu-O系(Tc =125K)等の酸化物超電導体
が知られている。これらの酸化物超電導体を実用化する
ために、液体窒素温度以上の臨界温度Tc を目標とする
と、臨界温度Tc に関しては Y系、Bi系、Tl系のいずれ
の酸化物超電導体も上記基準を満たしている。また、臨
界磁場Hc2もかなり高く、 Y系では50T 〜200T(0K)、Bi
系では 50T〜400T(0K)、Tl系では〜130T(0K)である。
【0003】しかし、Tc =90Kの Y系やTc =80KのBi系
の酸化物超電導体は、液体窒素温度(77.3K) で利用する
場合、熱ゆらぎの問題によってあまり安定性がよくな
い。また、現状のBi系やTl系の酸化物超電導体は、実用
上それぞれ以下に示すような問題を有している。
【0004】現状の酸化物超電導体は、上記した臨界温
度Tc や臨界磁場Hc2が比較的良好であるのに対して、
臨界電流密度Jc が実用レベルに達していない。例え
ば、焼結法で作製したBi系酸化物超電導体材料では、外
部磁場が存在しない条件下でも、実用レベルよりJc
2桁以上低い。また、磁場を印加したとき、磁束の運動
によりJc の低下が大きいという問題もある。このよう
な問題に対して、材料内部に空間的に不均一な部分を導
入すると、その部分に磁束は位置した方がエネルギー的
に安定となる。これをピン止めという。このようなピン
止めを導入することによって、一般的には磁場中でのJ
c の向上が果せるものの、現状のBi2 Sr2Can-1 Cun O
2n+4(n=1,2,3; n=2でTc =80K、 n=3でTc =110K)構造
を有するBi系酸化物超電導体は、固有の電流密度が低い
ことに加えて、ピン止めセンターを導入しても、その効
果を十分に得ることはできないため、実用レベルのJc
は得られていない。
【0005】すなわち、上記した結晶構造においては、
Sr2 Can-1 Cun O 2n+2電気伝導層の間に、 2つの BiO絶
縁層が挟まれているため、高い電流密度が期待できな
い。また、磁場を印加したとき、磁束線が 2つの BiO絶
縁層によって中断された、いわゆるパンケーキ状の磁束
線が存在すると考えられるため、析出物や空孔等をピン
止めセンターとして導入しても、十分なピン止め効果を
得ることができない。
【0006】また、Tl系の酸化物超電導体は、Tlm Sr2
Can-1 Cun O m+2n+2構造、あるいはTlm Ba2 Can-1 Cun
O m+2n+2構造(m=1,2;n=1,2,3)を有しており、 m=2の場
合には、Tlが有する毒性という問題に加えて、上述した
Bi系酸化物超電導体と同様な結晶構造的な問題を有して
いる。よって、磁場中であまり高い電流密度を期待する
ことはできない。一方、 m=1の場合には、 (Sr,Ba)2 Ca
n-1 Cun O 2n+2電気伝導層間の TlO層が 1層のみである
ため、強いピン止め効果が期待できる。実際には、Tlの
一部をPbで置換した、 (Tl,Pb)1 (Sr,Ba)2 Ca2 Cu3 O
9-δが強いピン止め効果を示すことが報告されている。
しかし、このような系では毒性を有するTlを含むという
基本的な問題が存在しており、実用性に欠けている。
【0007】なお、Tl (Sr,Ba)2 Can-1 Cun O 2n+3と同
構造を有し、かつ毒性のないBiやPbを用いた、(Bi,Cu)
Sr2 Y Cu2 O 7 、(Bi,Cu) Sr2-x Bax Y Cu2 O 7 、(Pb,
Cu)Sr2 (Y,Ca)Cu2 O 7 等の超電導物質が報告されてい
るが、これらはいずれも臨界温度Tc が 70K程度である
ため、冷媒として液体窒素を用いることはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、現状
の酸化物超電導体のうち、Bi系は固有の電流密度が低い
ことに加えて、ピン止めセンターを導入してもその効果
を十分に得ることができず、実用的な臨界電流密度Jc
が得られないという問題を有している。また、Tl系酸化
物超電導体では、Tl自体が毒性を有することから、実用
性に乏しいという問題がある。さらに、Tc が 90K以下
程度の酸化物超電導体は、液体窒素温度(77.3K) では熱
ゆらぎにより安定性に欠けるという難点がある。
【0009】このようなことから、液体窒素温度以上の
c を有し、かつピン止めセンターの導入により、磁場
中でのJc の向上を十分に図ることができる、毒性のな
い超電導物質が強く望まれている。さらには、上記要望
を満足すると共に、液体窒素温度下で安定な超電導物質
が望まれている。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、液体窒素温度以上の臨界温度Tc
有し、かつ磁束ピン止め効果が十分に得られる、毒性の
ない超電導物質を提供することを目的としており、さら
に上記特性に加えて、液体窒素温度下で安定な超電導物
質を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の超電導物
質に関する第1の発明は、一般式: (Bi1-x Ax a (Sr1-y Bay b (Ca1-z REz c (Cu1-w Mw d O 7±δ ………(1) (式中、 AはGa、In、PbおよびSbから選ばれる少なくと
も 1種の元素を、REはSc、 Yを含む希土類元素から選ば
れる少なくとも 1種の元素を、 MはNb、 VおよびWから
選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 a、 b、 c、
d、 x、 y、 z、 wおよびδは、それぞれ 0.7≦ a≦1.3
、 1.6≦ b≦2.4 、 0.7≦ c≦1.8 、 1.8≦ d≦2.9
、0.05≦ x≦0.95、 0≦ y≦1 、 0≦ z≦1 、 0≦ w
≦0.3 、 0≦δ≦0.5 を満足する数を示す)で実質的に
組成が表されることを特徴としている。
【0012】また、本発明の超電導物質に関する第2の
発明は、一般式: (Bi1-x Dx e (Sr1-y Bay f (Ca1-z REz g (Cu1-w Mw h O 9±δ ………(2) (式中、 DはCu、Ga、In、PbおよびSbから選ばれる少な
くとも 1種の元素を示し、 e、 f、 g、 h、 x、 y、
z、 wおよびδは、それぞれ 0.7≦ e≦1.3 、 1.6≦ f
≦2.4 、 1.5≦ g≦3 、 2.5≦ h≦4 、0.05≦ x≦0.9
5、 0≦ y≦1 、 0≦z≦1 、 0≦ w≦0.3 、 0≦δ≦0.
5 を満足する数を示す)で実質的に組成が表されること
を特徴としている。
【0013】すなわち、本発明における第1の超電導物
質は、従来のBi系(2212)相のBiのモル数を、基本的には
1にすると共に、そのBiの一部をGa、In、PbおよびSbの
少なくとも 1種で置換し、かつこの置換元素に応じてSr
やCa等を他の元素で置換することにより、液体窒素温度
以上の臨界温度Tc を確保しつつ、 (Sr,Ba)2 Can-1Cu
n O 2n+2層のような電気伝導層間の (Bi,A)O層を 1層
((1212)相構造)とし、固有の電流密度の向上と磁束ピ
ン止め効果の向上を図ったものである。
【0014】また、第2の超電導物質も同様に、従来の
Bi系(2223)相のBiのモル数を、基本的には 1にすると共
に、そのBiの一部をCu、Ga、In、PbおよびSbの少なくと
も 1種で置換し、かつこの置換元素に応じてSrやCa等を
他の元素で置換することにより、従来のBi系(2223)相と
同等の臨界温度Tc を確保しつつ、 (Sr,Ba)2 Can-1Cu
n O 2n+2層のような電気伝導層間の (Bi,D)O層を 1層
((1223)相構造)としたものである。
【0015】ここで、 (1)式における A元素および (2)
式における D元素によるBiの置換量は、 (1)式および
(2)式中の xの値として0.05〜 0.7の範囲とする。 xの
値が0.05未満では置換効果が十分に得られず、(2212)相
や(2223)相が混在しやすくなり、また 0.7を超えると、
超電導相以外の不純物相が増大して、臨界温度Tc の低
下等を招いてしまう。
【0016】また、本発明の超電導物質においては、 A
元素や D元素として使用した元素のイオン半径等に応じ
て、Srの少なくとも一部をBaで、またCaの少なくとも一
部を希土類元素(RE元素)で、さらにCuの一部をNb、
V、 W等で置換することにより、臨界電流密度等の向上
を図っている。これら置換元素の量がそれぞれ (1)式お
よび (2)式の範囲を超えると、(1212)相や(1223)相に(2
212)相や(2223)相が混在すると共に、これら超電導相以
外に含有元素による他の化合物、例えばCu2 BaO2 、Cu
2 RE2 O 5 、BaCuRE2 O 5 、Sr2 GaRE O5 、Ca2 CuO
3 、 InGaCuO4 、Cu2 Sr2 WO6 、BaCu3 RE O7 、 CuRE
O2 、 ScGaCuO4 、CaRE2 O 4 、 RECaCuO4 、Ba2 RESb
O6 、Ba2 CuO 3 、Cu2 SrO 2 、Ca2 PbO 4 、PbGa2 O
5 等が混在し、超電導特性が得られなかったり、あるい
は抵抗の減少点は存在するものの、抵抗零を示す温度
(臨界温度Tc )が液体窒素温度より低くなる。
【0017】本発明の超電導物質は、通常の固相反応
法、中間原料を用いた固相反応法等により製造すること
ができる。これら各製造方法について、以下に詳述す
る。
【0018】まず、通常の固相反応法を利用する場合に
は、目的とする超電導物質の構成金属元素の単体または
それらを含む化合物を所定の比率で、乾式混合法あるい
は分散媒としてアセトン、エタノール、メタノール、プ
ロパノール等を用いた湿式混合法により十分混合する。
各原料粉末の仕込み組成は、上記 (1)式または (2)式で
示される範囲内であれば、本発明の超電導物質を安定し
て得ることができる。また、各出発原料としては、該当
する構成金属元素を含む酸化物や炭酸化合物、あるいは
焼成後に酸化物に転化する硝酸塩、有機酸塩、水酸化
物、酸塩水和物等の化合物を用いることができる。ま
た、各原料粉末の平均粒径は焼結密度を向上させるため
に、 0.3μm 〜 2.0μm の範囲のものを使用することが
好ましい。前述の原料を十分混合し、脱水乾燥した後、
600℃〜 800℃程度の温度で、24時間〜 100間程度仮焼
する。次に、この仮焼物を十分に粉砕した後、 750℃〜
900℃程度の温度で24時間〜50間程度の再仮焼を行う。
次いで、この再仮焼物を十分に粉砕、乾燥し、例えばプ
レス成形により所望形状の成形体を作製した後、830℃
〜 990℃程度の温度で24時間〜 100間程度の焼結を行
う。上記仮焼や焼結時の雰囲気は、使用元素や組成比に
応じて、大気、酸素、窒素またはアルゴンと酸素との混
合雰囲気等から選択することが好ましい。また、焼結後
に大気中や酸素気流中、あるいは(N2 +O2 )または(Ar
+O2 )の混合雰囲気中でアニール処理を施すことは、そ
れぞれの組成物によって(1212)相や(1223)相の単相物質
を得る上で有効である。
【0019】また、中間原料となる化合物を用いた超電
導物質の製造方法は、以下の通りである。この製造方法
は、本発明の酸化物系超電導物質を構成する元素の化合
物の融点がかなり異なるため、その低融点グループと高
融点グループとに分けて、それぞれを異なる温度で仮焼
した後、再度粉砕混合して、焼成を行う方法である。具
体的には、まず低融点の(Bi1-x Ax )および(Bi1-x
Dx )の酸化物と、高融点の(Sr1-y Bay b (Ca1-z
REz c (Cu1-w Mw d および(Sr1-y Bay f (Ca
1-z REz g (Cu1-w Mw h の酸化物を構成する元素
の単体またはそれらを含む化合物を、それぞれ所定の比
率で乾式混合法や湿式混合法により十分に混合する。出
発原料および組成比等は前述した通りである。
【0020】それぞれ各出発原料を十分に混合し、脱水
乾燥した後、低融点の(Bi1-x Ax)酸化物および(Bi
1-x Dx )酸化物については、 550℃〜 850℃程度の温
度範囲で、10時間〜50時間程度仮焼する。この仮焼温度
が 550℃未満では未反応物が残存し、 850℃を超えると
仮焼物がガラス化してしまう。また、高融点の(Sr1-y
Bay b (Ca1-z REz c (Cu1-w Mw d 酸化物およ
び(Sr1-y Bay f(Ca1-z REz g (Cu1-w Mw h
酸化物については、 800℃〜 970℃程度の温度範囲で24
時間〜70時間程度仮焼する。仮焼温度を 800℃未満とす
ると未反応物が残存し、 970℃を超えると本発明の超電
導物質の生成温以上の融点を有する化合物が生成され、
本焼結過程で本発明の超電導物質の生成に悪影響を及ぼ
す。
【0021】この後、上記した各中間化合物を、目的と
する超電導物質組成となるように混合し、十分に粉砕し
て乾燥した後、通常の固相反応法と同様に、 800℃〜 9
50℃程度の温度で24時間〜 100間程度仮焼する。この
後、この仮焼物を十分に粉砕、乾燥し、例えばプレス成
形により所望形状の成形体を作製した後、 830℃〜1000
℃程度の温度で24時間〜 100間程度の焼結を行う。上記
仮焼や焼結時の雰囲気は、通常の固相反応法と同様とす
る。
【0022】また、中間原料となる上記したような化合
物と市販原料とを用いて、本発明の超電導物質を製造す
ることも可能である。すなわち、上述した高融点の(Sr
1-yBay b (Ca1-z REz c (Cu1-w Mw d 酸化物
および(Sr1-y Bay f (Ca1-z REz g (Cu1-w
Mw h 酸化物と、Bi、 A元素、 D元素の出発原料(市
販原料:仮焼なし)とを、所定の比率で乾式混合法や湿
式混合法により十分に混合する。次いで、 750℃〜 950
℃程度の温度で、24時間〜 100間程度仮焼する。次に、
この仮焼物を十分に粉砕した後、 800℃〜 970℃程度の
温度で24時間〜 100間程度の再仮焼を行う。この後、再
仮焼物を十分に粉砕、乾燥し、例えばプレス成形により
所望形状の成形体とし、 830℃〜1000℃程度の温度で24
時間〜 100間程度の焼結を行う。上記仮焼や焼結時の雰
囲気は、通常の固相反応法と同様とする。
【0023】上述したような各超電導物質の製造方法に
おいて、目的とする超電導物質の組成およびその比率等
に応じて、製造方法の種類、その条件等を適宜選択する
ことにより、本発明の超電導物質を安定して得ることが
可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】実施例1 焼成後に、 (Bi0.25In0.75)Sr2 (Ca0.25 Y0.751.5
Cu2.5 O 7±δとなるように、Bi2 O 3 粉末、In2 O 3
粉末、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、CaCO3 粉末、Y 2
O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは CuO粉末を所定量秤量
し、分散媒としてエタノールを用いた湿式粉砕混合法に
より十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。
次いで、上記原料混合粉末を酸素分圧が 7.5×10-2atm
となるように調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中(常
圧)にて、 800℃で50時間程度仮焼した。
【0026】次に、上記仮焼物をエタノールを用いた湿
式粉砕法によって、平均粒径 1.0μm 程度の粉末とした
後、 100℃で長時間乾燥した。この後、酸素分圧が 7.5
×10-2atm となるように調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲
気中にて、 880℃で50時間程度の再仮焼を行った。
【0027】上記再仮焼物をエタノールを用いた湿式粉
砕法により、平均粒径が 1.0μm 以下程度の粉末とした
後、 100℃で長時間乾燥し、プレス成形した後、大気中
にて960℃で50時間程度の焼結を行った。この後、大気
中にて 800℃で24時間程度のアニールを行って、目的と
する物質を得た。
【0028】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を調べたところ、以下に示すような結果が得
られた。すなわち、結晶構造は、Sr2 (Ca, Y)1 Cu2 O
6 の電気伝導層間に(Bi,In)Oの絶縁相が 1層のみ挟まれ
た、(1212)相[R.S.Liu et al,J.Solid State Chem 86(1
990) 334-339] 構造であった。上記物質のX線回折パタ
ーンを図1に示す。全てのピークが(1212)相に属すると
同定された。また、上記物質の抵抗温度特性を図2に示
す。抵抗零を示す温度(臨界温度Tc )は 91Kであり、
液体窒素温度以上のTc を有する超電導物質であること
を確認した。さらに、液体窒素温度(77K) 中にて、1Tの
磁場下で測定した結晶粒内の臨界電流密度Jc (77K,1T)
は、 1.5×104 A/cm2 と良好な値を示した。
【0029】なお、臨界温度Tc は、直流 4端子法を用
いて測定した。Tc は測定した抵抗温度特性から、零抵
抗を示す温度として求めた。また、 SQUIDによる磁化測
定においても同等なTc が得られることを確認した。結
晶構造は、X線回折および TEM等によって調べた。ま
た、結晶粒内の臨界電流密度Jc は、Bean[C.P.Bean,Re
v.Mod.Phys.36,31(1964)] の臨界モデルを用い、磁化測
定から推定した。すなわち、結晶粒が球状であると仮定
すれば、Jc は次式から求められる。
【0030】 Jc (A/cm2 ) =30△M(emu/cm3 ) /d(cm) ただし、△M は磁場上昇時と磁場減少時との磁化M の差
であり、 dは結晶粒径である。
【0031】実施例2 焼成後に、 (Bi0.4 Ga0.6 )(Sr1.5 Ba0.5 )(Ca0.5 Yb
0.5 ) Cu2 Nb0.1 O δとなるように、Bi2 O 3
末、Ga2 O 3 粉末、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、BaO
粉末あるいはBaCO3 粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3
末、Yb2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは CuO粉末、 NbO
粉末、 NbO2 粉末あるいはNb2 O 3 粉末を所定量秤量
し、分散媒としてエタノールを用いた湿式粉砕混合法に
より十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。
次いで、上記原料混合粉末を酸素分圧が10×10-2atm と
なるように調整した (Ar+O2 ) の混合雰囲気中(常圧)
にて、 790℃で50時間程度仮焼した。
【0032】上記仮焼物をエタノールを用いた湿式粉砕
法により、平均粒径が 1.0μm 以下の粉末とした後、 1
00℃で長時間乾燥した。この後、大気中にて 890℃で60
時間程度の再仮焼を行った。次に、実施例1と同様にし
て、再仮焼物を粉砕、乾燥し、プレス成形した後、大気
中にて 950℃で50時間程度の焼結を行った。この後、大
気中にて 750℃で50時間程度のアニールを行って、目的
とする物質を得た。
【0033】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0034】実施例3 (Bi0.6 Pb0.4 )Ba2 Ca1.1 Cu2.2 O 7±δの組成を有
する物質を、以下に示す中間原料を用いた製造方法で作
製した。
【0035】まず、 (Bi0.6 Pb0.4 )酸化物および (Ba
2 Ca1.1 Cu2.2 )酸化物となるように、Bi2 O 3 粉末、
PbO粉末あるいは他のPb酸化物粉末、 BaO粉末あるいは
BaCO3 粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3 粉末、Cu2 O 粉末
あるいは CuO粉末を、それぞれ所定量秤量した後、それ
ぞれを乾式粉砕混合法あるいは分散媒としてアセトンを
用いた湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合し、 100
℃で長時間乾燥した。次いで、 (Bi0.6 Pb0.4 )組成の
混合物を大気中にて 600℃で24時間程度仮焼した。ま
た、 (Ba2 Ca1.1 Cu2.2 )組成の混合物を大気中にて 9
50℃で24時間程度仮焼した。
【0036】次に、焼成後に (Bi0.6 Pb0.4 )Ba2 Ca
1.1 Cu2.2 O 7±δとなるように、上記 (Bi0.6 P
b0.4 )酸化物と (Ba2 Ca1.1 Cu2.2 )酸化物とを所定
量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散媒としてアセト
ンを用いた湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合し、
100℃で長時間乾燥した後、大気中にて 900℃で24時間
程度の再仮焼を行った。
【0037】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてアセトンを用いた湿式粉砕法により、平均粒径が
1.0μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥した
後にプレス成形し、大気中にて 960℃で80時間程度の焼
結を行った。この後、酸素分圧が 1.8×10-1atm となる
ように調整した雰囲気中にて 700℃で30時間程度のアニ
ールを行って、目的とする物質を得た。
【0038】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0039】実施例4 中間原料を用いた製造方法で、 (Bi0.5 In0.3 Sb0.2 )
(Sr0.5 Ba1.5 )Er0.9Cu2.1 W 0.2 O 7±δの組成を有
する物質を作製した。
【0040】まず、 (Bi0.5 In0.3 Sb0.2 )酸化物およ
び (Sr0.5 Ba1.5 Er0.9 Cu2.1 W 0.2 )酸化物となるよ
うに、Bi2 O 3 粉末、In2 O 3 粉末、Sb2 O 3 粉末、 S
rO粉末あるいはSrCO3 粉末、 BaO粉末あるいはBaCO3
末、Er2 O 3 粉末、Cu2 O粉末あるいは CuO粉末、WO2
粉末あるいはWO3 粉末を、それぞれ所定量秤量した後、
乾式粉砕混合法あるいは分散媒としてメタノールを用い
た湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合し、それぞれ
100℃で長時間乾燥した。次いで、(Bi0.5In0.3 Sb
0.2 )組成の混合物を酸素分圧が 3×10-2atm となるよ
うに調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中(常圧)にて、
700℃で24時間程度仮焼した。また、(Sr0.5 Ba1.5 Er
0.9 Cu2.1 W 0.2 )組成の混合物を大気中にて 940℃で
30時間程度仮焼した。
【0041】次に、焼成後に (Bi0.5 In0.3 Sb0.2 )(Sr
0.5 Ba1.5 )Er0.9 Cu2.1 W 0.2 O7±δとなるよう
に、上記 (Bi0.5 In0.3 Sb0.2 )酸化物と (Sr0.5 Ba
1.5 Er0.9 Cu2.1 W 0.2 )酸化物とを所定量秤量し、乾
式粉砕混合法あるいは分散媒としてメタノールを用いた
湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合し、 100℃で長
時間乾燥した後、酸素分圧が 7×10-2atm となるように
調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中(常圧)にて、 900
℃で24時間程度の再仮焼を行った。
【0042】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてメタノールを用いた湿式粉砕法により、平均粒径
が 1.0μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥し
た後にプレス成形し、大気中にて 955℃で50時間程度の
焼結を行った。この後、酸素気流中にて 650℃で24時間
程度のアニールを行って、目的とする物質を得た。
【0043】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0044】実施例5 中間原料となる化合物と市販原料とを用いて、 (Bi0.4
Pb0.3 Sb0.1 )(Sr Ba)Ca0.4 Nd0.8 Cu2.3 O 7±δの組
成を有する物質を作製した。
【0045】まず、仮焼後にSr1 Ba1 Nd0.8 Ca0.4 Cu
2.3 O x となるように、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、
BaO粉末あるいはBaCO3 粉末、CaCO3 粉末、Nd2 O 3
末、Cu2 O 粉末あるいはCuO 粉末を所定量秤量し、乾式
粉砕混合法あるいは分散媒としてプロパノールを用いた
湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合した後、 100℃
で長時間乾燥した。次いで、上記混合粉末を大気中にて
960℃で24時間程度仮焼した。この後、上記仮焼物を乾
式粉砕法あるいは分散媒としてプロパノールを用いた湿
式粉砕法により、平均粒径が 1.0μm 以下程度の粉末と
した後、 100℃で長時間乾燥した。
【0046】次に、焼成後に (Bi0.4 Pb0.3 Sb0.1 )(Sr
Ba)Ca0.4 Nd0.8 Cu2.3 O 7±δとなるように、上記Sr
1 Ba1 Ca0.4 Nd0.8 Cu2.3 O x 粉末と、Bi2 O 3 粉末、
PbO粉末あるいはPb3 O 4 粉末、Sb2 O 3 粉末とを所定
量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散媒としてプロパ
ノールを用いた湿式粉砕混合法により十分に粉砕混合し
た後、 100℃で長時間乾燥した。この後、酸素分圧が15
×10-2atm となるように調整した (Ar+O2 ) の混合雰囲
気中にて、 830℃で50時間程度の再仮焼を行った。
【0047】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてプロパノールを用いた湿式粉砕混合法により、平
均粒径が 1.0μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間
乾燥した後にプレス成形し、大気中にて 960℃で50時間
程度の焼結を行った。この後、大気中にて 780℃で50時
間程度のアニールを行って、目的とする物質を得た。こ
のようにして得た物質の結晶構造および超電導特性を、
実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0048】実施例6 まず、仮焼後に (Sr1.6 Ba0.4 )(Ca0.6 Eu0.4 2.1 Cu
2.5 O x となるように、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、
BaO粉末あるいはBaCO3 粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3
粉末、Eu2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいはCuO 粉末を所
定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散媒としてアセ
トンを用いた湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合し
た後、 100℃で長時間乾燥した。次いで、上記混合粉末
を大気中にて 950℃で24時間程度仮焼した。この後、上
記仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒としてアセトンを
用いた湿式粉砕法により、平均粒径が 1.0μm 以下程度
の粉末とした後、 100℃で長時間乾燥した。
【0049】次に、焼成後に (Bi0.3 Ga0.3 In0.3 )(Sr
1.6 Ba0.4 )(Ca0.6 Eu0.4 2.1 Cu2.5 O 7±δとなる
ように、上記 (Sr1.6 Ba0.4 )(Ca0.6 Eu0.4 2.1 Cu
2.5 Ox 粉末と、Bi2 O 3 粉末、Ga2 O 3 粉末、In2 O
3 粉末とを所定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散
媒としてアセトンを用いた湿式粉砕混合法により、十分
に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。この後、
大気中にて 840℃で50時間程度の再仮焼を行った。
【0050】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてアセトンを用いた湿式粉砕法により、平均粒径が
1.0μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥した
後にプレス成形し、大気中にて 950℃で60時間程度の焼
結を行った。この後、大気中にて 820℃で20時間程度の
アニールを行って、目的とする物質を得た。
【0051】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0052】実施例7 まず、仮焼後に (Sr0.3 Ba1.7 ) Ca1.2 Cu2.5 V 0.2 O
x となるように、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、 BaO粉
末あるいはBaCO3 粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3 粉末、
Cu2 O 粉末あるいはCuO 粉末、VO粉末、 V2 CO3 粉末あ
るいは V2 O 5粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法あ
るいは分散媒としてアセトンを用いた湿式粉砕混合法に
より、十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥し
た。次いで、上記混合粉末を大気中にて 920℃で24時間
程度仮焼した。この後、上記仮焼物を乾式粉砕法あるい
は分散媒としてアセトンを用いた湿式粉砕法により、平
均粒径が 1.0μm 以下程度の粉末とした後、 100℃で長
時間乾燥した。
【0053】次に、焼成後に (Bi0.5 Pb0.3 Sb0.2 )(Sr
0.3 Ba1.7 ) Ca1.2 Cu2.5 V 0.2 O7±δとなるように、
上記 (Sr0.3 Ba1.7 ) Ca1.2 Cu2.5 V 0.2 O x 粉末と、
Bi2 O 3 粉末、 PbO粉末あるいはPb3 O 4 粉末、Sb2 O
3 粉末とを所定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散
媒としてアセトンを用いた湿式粉砕混合法により、十分
に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。この後、
酸素分圧が 8.5×10-2atm となるように調整した(N2 +O
2 ) の混合雰囲気中にて、 850℃で60時間程度の再仮焼
を行った。
【0054】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてアセトンを用いた湿式粉砕法により、平均粒径が
1.0μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥した
後にプレス成形し、酸素分圧が12×10-2atm となるよう
に調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中にて、 950℃で70
時間程度の焼結を行った。この後、酸素気流中にて650
℃で20時間程度のアニールを行って、目的とする物質を
得た。
【0055】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0056】実施例8 焼成後に、 (Bi0.25Ga0.75)Sr2 (Ca0.5 Er0.5 2.5
Cu3.5 O 9±δとなるように、Bi2 O 3 粉末、Ga2 O 3
粉末、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、 CaO粉末あるいは
CaCO3 粉末、Er2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは CuO粉
末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散媒とし
てエタノールを用いた湿式粉砕混合法により十分に粉砕
混合した後、 100℃で長時間乾燥した。次いで、上記原
料混合粉末を酸素分圧が 7×10-2atm となるように調整
した (Ar+O2 ) の混合雰囲気中(常圧)にて、 880℃で
24時間程度仮焼した。
【0057】次に、上記仮焼物を乾式粉砕法あるいは分
散媒としてエタノールを用いた湿式粉砕法により、平均
粒径が 1.0μm 以下程度の粉末とした後、 100℃で長時
間乾燥した。この後、酸素分圧が 7×10-2atm となるよ
うに調整した (Ar+O2 ) の混合雰囲気中にて、 910℃で
50時間程度の再仮焼を行った。
【0058】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいはエタノ
ールを用いた湿式粉砕法により、平均粒径が 0.7μm 以
下程度の粉末とした後、 100℃で長時間乾燥し、プレス
成形した後に、大気中にて 970℃で24時間程度の焼結を
行った。この後、大気中にて800℃で80時間程度のアニ
ールを行って、目的とする物質を得た。
【0059】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を実施例1と同様に調べた。その結果、結晶
構造はSr2 (Ca0.5 Er0.5 2 Cu3 O 8 の電気伝導層間
に、(Bi,Ga)Oの絶縁相が 1層のみ挟まれた、(1223)相
[M.A.Subramanian et al.Scie-nce,Vol242(1988)249-25
2;Y.T.Huang et al.Appl.phys.lett57(22),26 Nov 199
0,2354-55;R.S.Liu et al,Physica C 198(1992) 318-32
2] 構造であった。上記物質のX線回折パターンを図3
に示す。全てのピークが(1223)相に属すると同定され
た。また、上記物質の抵抗温度特性を図4に示す。抵抗
零を示す臨界温度Tcは115Kであり、液体窒素温度以上
のTc を有し、かつ液体窒素温度下で安定な超電導物質
であることを確認した。さらに、液体窒素温度(77K) 中
にて、1Tの磁場下で測定した結晶粒内の臨界電流密度J
c (77K,1T)は、 4.5×104 A/cm2 と良好な値を示した。
【0060】実施例9 焼成後に、 (Bi0.45Ga0.45)(Sr1.6 Ba0.4 ) Ca2.3 Cu
3.1 V 0.4 O 9±δとなるように、Bi2 O 3 粉末、Ga2
O 3 粉末、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、 BaO粉末ある
いはBaCO3 粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3 粉末、Cu2 O
粉末あるいは CuO粉末、VO粉末、VO2 粉末あるいは V2
O 5 粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散
媒としてアセトンを用いた湿式粉砕混合法により十分に
粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。次いで、上
記原料混合粉末を酸素分圧が 9×10-2atm となるように
調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中にて 820℃で50時間
程度仮焼した。
【0061】次に、上記仮焼物を乾式粉砕法あるいは分
散媒としてアセトンを用いた湿式粉砕法により、平均粒
径 0.8μm 程度の粉末とした後、 100℃で長時間乾燥し
た。この後、酸素分圧が11×10-2atm となるように調整
した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中にて、 920℃で40時間程
度の再仮焼を行った。
【0062】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてアセトンを用いた湿式粉砕法により、平均粒径が
0.8μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥した
後にプレス成形し、酸素分圧が15×10-2atm となるよう
に調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中にて、 950℃で50
時間程度の焼結を行った。この後、酸素気流中にて650
℃で15時間程度のアニールを行って、目的とする物質を
得た。
【0063】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0064】実施例10 焼成後に、 (Bi0.3 In0.6 )(Sr1.0 Ba 1.0)(Ca0.25Gd
0.752.2 Cu3.5 W 0.3O 9±δとなるように、Bi2 O 3
粉末、In2 O 3 粉末、 SrO粉末あるいはSrCO3粉末、 Ba
O粉末あるいはBaCO3 粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3
末、Ga2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは CuO粉末、WO3
粉末あるいはWO2 粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法
あるいは分散媒としてメタノールを用いた湿式粉砕混合
法により十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥し
た。次いで、上記原料混合粉末を酸素分圧が 5×10-5at
m となるように調整した (Ar+O2 ) の混合雰囲気中にて
800℃で70時間程度仮焼した。
【0065】次いで、上記仮焼物を乾式粉砕法あるいは
分散媒としてメタノールを用いた湿式粉砕法により、平
均粒径が 0.5μm 以下程度の粉末とした後、 100℃で長
時間乾燥した。この後、酸素分圧が15×10-5atm となる
ように調整した (Ar+O2 ) の混合雰囲気中にて 900℃で
50時間程度の再仮焼を行った。
【0066】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてメタノールを用いた湿式粉砕法により、平均粒径
が 0.9μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥し
た後にプレス成形し、大気中にて 955℃で50時間程度の
焼結を行った。この後、大気中にて 750℃で80時間程度
のアニールを行って、目的とする物質を得た。
【0067】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0068】実施例11 焼成後に、 (Bi0.4 Pb0.6 )Ba2 Sr0.5 Dy2 Cu3.6 O
9±δとなるように、Bi2 O 3 粉末、 PbO粉末あるいは
Pb3 O 4 粉末、 BaO粉末あるいはBaCO3 粉末、SrO粉末
あるいはSrCO3 粉末、Dy2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるい
は CuO粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分
散媒としてプロパノールを用いた湿式粉砕混合法により
十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。次い
で、上記原料混合粉末を酸素分圧が 3×10-2atm となる
ように調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中にて、 820℃
で30時間程度仮焼した。
【0069】次に、上記仮焼物を乾式粉砕法あるいは分
散媒としてプロパノールを用いた湿式粉砕法により、平
均粒径が 0.7μm 以下程度の粉末とした後、 100℃で長
時間乾燥した。この後、酸素分圧が17×10-2atm となる
ように調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中にて、 910℃
で40時間程度の再仮焼を行った。
【0070】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてプロパノールを用いた湿式粉砕法により、平均粒
径が 0.8μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥
した後にプレス成形し、大気中にて 960℃で60時間程度
の焼結を行った。この後、大気中にて 780℃で80時間程
度のアニールを行って、目的とする物質を得た。
【0071】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0072】実施例12 まず、仮焼後にSr1.6 (Ca0.6 Ho0.4 2.4 Cu3.2 O x
となるように、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、Ho2 O 3
粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3 粉末、Cu2 O 粉末あるい
は CuO粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分
散媒としてアセトンを用いた湿式粉砕混合法により、十
分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。次い
で、上記混合粉末を大気中にて 940℃で24時間程度仮焼
した。この後、上記仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてアセトンを用いた湿式粉砕法により平均粒径が
1.0μm 以下程度の粉末とした後、 100℃で長時間乾燥
した。次いで、仮焼後に (Bi0.4 Pb0.1 Sb0.4 )O y
なるように、Bi2 O 3 粉末、PbO 粉末あるいはPb3 O 4
粉末、Sb2 O 3 粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法あ
るいは分散媒としてアセトンを用いた湿式粉砕混合法に
より、十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥し
た。次いで、上記混合粉末を酸素分圧が 1.5×10-2atm
となるように調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中にて、
800℃で24時間程度仮焼した。この後、上記仮焼物を乾
式粉砕法あるいは分散媒としてアセトンを用いた湿式粉
砕法により、平均粒径が 1.0μm 以下程度の粉末とした
後、 100℃で長時間乾燥した。
【0073】次に、焼成後に (Bi0.4 Pb0.1 Sb0.4 )Sr
1.6 (Ca0.6 Ho0.4 2.4 Cu3.2 O9±δとなるよう
に、上記Sr1.6 (Ca0.6 Ho0.4 2.4 Cu3.2 O x 粉末と
(Bi0.4 Pb0.1 Sb0.4 )O y 粉末とを所定量秤量し、乾
式粉砕混合法あるいは分散媒としてアセトンを用いた湿
式粉砕混合法によって十分に粉砕混合し、 100℃で長時
間乾燥した後、酸素分圧が10×10-2atm となるように調
整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中にて、 930℃で70時間
程度の再仮焼を行った。
【0074】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてアセトンを用いた湿式粉砕法により、平均粒径が
0.7μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥した
後にプレス成形し、大気中にて 960℃で40時間程度の焼
結を行った。この後、大気中にて 800℃で24時間、酸素
気流中にて 600℃× 5時間+ 450℃×10時間のアニール
を行って、目的とする物質を得た。
【0075】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0076】実施例13 まず、仮焼後に (Sr0.5 Ba1.5 )(Ca0.8 Yb0.2 3 Cu4
O x となるように、SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、 BaO
粉末あるいはBaCO3 粉末、Yb2 O 3 粉末、CaO粉末ある
いはCaCO3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは CuO粉末を所定量
秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散媒としてエタノー
ルを用いた湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合した
後、 100℃で長時間乾燥した。次いで、上記混合粉末を
大気中にて 950℃で24時間程度仮焼した。この後、上記
仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒としてエタノールを
用いた湿式粉砕法により、平均粒径が 0.5μm 以下程度
の粉末とした後、 100℃で長時間乾燥した。
【0077】次いで、仮焼後に (Bi0.3 Cu0.5 Ga0.2
O y となるように、Bi2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは
CuO粉末、Gd2 O 3 粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合
法あるいは分散媒としてエタノールを用いた湿式粉砕混
合法により、十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾
燥した。次いで、上記混合粉末を大気中にて 720℃で24
時間程度仮焼した。この後、上記仮焼物を乾式粉砕法あ
るいは分散媒としてエタノールを用いた湿式粉砕法によ
り、平均粒径が 0.6μm 以下程度の粉末とした後、 100
℃で長時間乾燥した。
【0078】次に、焼成後に (Bi0.3 Cu0.5 Ga0.2
(Sr0.5 Ba1.5 )(Ca0.8 Yb0.2 3 Cu4 O 9±δとなる
ように、上記 (Sr0.5 Ba1.5 )(Ca0.8 Yb0.2 3 Cu4 O
x 粉末と (Bi0.3 Cu0.3 Ga0.3 )O y 粉末とを所定量秤
量し、乾式粉砕混合法あるいは分散媒としてエタノール
を用いた湿式粉砕混合法によって十分に粉砕混合し、10
0℃で長時間乾燥した後、大気中にて 870℃で80時間程
度の再仮焼を行った。上記再仮焼物を乾式粉砕法あるい
は分散媒としてエタノールを用いた湿式粉砕法により、
平均粒径が 0.9μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時
間乾燥した後にプレス成形し、大気中にて 970℃で50時
間程度の焼結を行った。この後、大気中にて 800℃で80
時間程度のアニールを行って、目的とする物質を得た。
【0079】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0080】実施例14 まず、仮焼後に (Sr1.4 Ba0.5 ) Ca2.8 Cu3.5 Nb0.4 O
x となるように、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、 BaO粉
末あるいはBaCO3 粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3 粉末、
Cu2 O 粉末あるいは CuO粉末、 NbO粉末、 NbO2 粉末あ
るいはNb2 O 3粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法あ
るいは分散媒としてメタノールを用いた湿式粉砕混合法
により、十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥し
た。次いで、上記混合粉末を大気中にて 930℃で30時間
程度仮焼した。この後、上記仮焼物を乾式粉砕法あるい
は分散媒としてメタノールを用いた湿式粉砕法により、
平均粒径が 0.8μm 以下程度の粉末とした後、 100℃で
長時間乾燥した。
【0081】次に、焼成後に (Bi0.4 In0.4 Cu0.1 )(Sr
1.4 Ba0.5 ) Ca2.8 Cu3.5 Nb0.4 O9±δとなるよう
に、上記 (Sr1.4 Ba0.5 ) Ca2.8 Cu3.5 Nb0.4 O x 粉末
と、Bi2 O 3 粉末、In2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは
CuO粉末とを所定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分
散媒としてメタノールを用いた湿式粉砕混合法により、
十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。この
後、上記混合粉末を大気中にて 890℃で60時間程度再仮
焼した。
【0082】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてメタノールを用いた湿式粉砕法により、平均粒径
が 0.7μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥し
た後にプレス成形し、大気中にて 955℃で70時間程度の
焼結を行った。この後、大気中にて 800℃で50時間+ 6
00℃×20時間+ 400℃×20時間のアニールを行って、目
的とする物質を得た。
【0083】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0084】実施例15 まず、仮焼後に (Sr0.2 Ba1.6 )(Ca0.45Sm0.552.6 Cu
3.8 O x となるように、 SrO粉末あるいはSrCO3 粉末、
BaO粉末あるいはBaCO3 粉末、 CaO粉末あるいはCaCO3
粉末、Sm2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは CuO粉末を所
定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散媒としプロパ
ノールを用いた湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合
した後、 100℃で長時間乾燥した。次いで、上記混合粉
末を大気中にて 950℃で24時間程度仮焼した。この後、
上記仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒としてプロパノ
ールを用いた湿式粉砕法により、平均粒径が 1.0μm 以
下程度の粉末とした後、 100℃で長時間乾燥した。
【0085】次に、焼成後に (Bi0.5 Pb0.4 Ga0.1 )(Sr
0.2 Ba1.6 )(Ca0.45Sm0.552.6 Cu3.8 O 9±δとなる
ように、上記 (Sr0.2 Ba1.6 )(Ca0.45Sm0.552.6 Cu
3.8 Ox 粉末と、Bi2 O 3 粉末、 PbO粉末あるいはPb3 O
4 粉末、Ga2 O 3 粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合
法あるいは分散媒としてプロパノールを用いた湿式粉砕
混合法により、十分に粉砕混合した後、 100℃で長時間
乾燥した。この後、上記混合粉末を酸素分圧が 2×10-2
atm となるように調整した (Ar+O2 ) の混合雰囲気中に
て、 880℃で50時間程度再仮焼した。
【0086】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてプロパノールを用いた湿式粉砕法により、平均粒
径が 0.8μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥
した後にプレス成形し、酸素分圧が12×10-2atm となる
ように調整した (Ar+O2 ) の混合雰囲気中にて 955℃で
50時間程度の焼結を行った。この後、大気中にて 820℃
×15時間+ 750℃×20時間、酸素分圧が 1.9×10-1atm
となるように調整した(Ar+O2 )の混合雰囲気中にて 4
50℃×20時間のアニールを行って、目的とする物質を得
た。
【0087】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0088】
【表1】 比較例1 焼成後に、 (Bi0.5 Ga0.5 )Sr1.5 Y Cu2.2 O 7±δ
なるように、Bi2 O 3粉末、Ga2 O 3 粉末、 SrO粉末あ
るいはSrCO3 粉末、 Y2 O 3 粉末、Cu2 O 粉末あるいは
CuO粉末を所定量秤量し、乾式粉砕混合法あるいは分散
媒としてエタノールを用いた湿式粉砕混合法により、十
分に粉砕混合した後、 100℃で長時間乾燥した。次い
で、上記原料混合粉末を酸素分圧が 7.5×10-2atm とな
るように調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲気中(常圧)に
て、 800℃で50時間程度仮焼した。上記仮焼物を乾式粉
砕法あるいは分散媒としてエタノールを用いた湿式粉砕
法によって、平均粒径が 1.0μm 以下程度の粉末とした
後、 100℃で長時間乾燥した。この後、酸素分圧が 7.5
×10-2atm となるように調整した(N2 +O2 ) の混合雰囲
気中にて、 880℃で50時間程度の再仮焼を行った。
【0089】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいは分散媒
としてエタノールを用いた湿式粉砕法により、平均粒径
が 1.0μm 以下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥し
た後にプレス成形し、大気中にて 960℃で50時間程度の
焼結を行った。この後、酸素気流中にて 600℃で24時間
程度のアニールを行った。
【0090】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結
果、結晶構造は(1212)相以外に、CuYO2 相、Bi2 CuO 4
相、CuGaO4 相等が混在していた。また、超電導特性は
示さなかった。
【0091】比較例2 焼成後に、 (Bi0.5 Cu0.5 )Sr1.4 (Ca0.5 Er0.5 3
Cu3.5 O 9±δとなるように、Bi2 O 3 粉末、Cu2 O 粉
末あるいは CuO粉末、 SrO粉末あるいはSrCO3粉末、 Ca
O粉末あるいはCaCO3 粉末、Er2 O 3 粉末を所定量秤量
し、乾式粉砕混合法あるいは分散媒としてメタノールを
用いた湿式粉砕混合法により、十分に粉砕混合した後、
100℃で長時間乾燥した。次いで、上記原料混合粉末を
酸素分圧が 7×10-2atm となるように調整した (Ar+
O2 ) の混合雰囲気中(常圧)にて、880℃で24時間程度
仮焼した。
【0092】次に、上記仮焼物を乾式粉砕法あるいは分
散媒としてメタノールを用いた湿式粉砕法により、平均
粒径が 0.8μm 以下程度の粉末とした後、 100℃で長時
間乾燥した。この後、酸素分圧が 7×10-2atm となるよ
うに調整した (Ar+O2 ) の混合雰囲気中にて、 920℃で
50時間程度の再仮焼を行った。
【0093】上記再仮焼物を乾式粉砕法あるいはメタノ
ールを用いた湿式粉砕法により、平均粒径が 0.8μm 以
下程度の粉末とし、 100℃で長時間乾燥した後にプレス
成形し、大気中にて 965℃で50時間程度の焼結を行っ
た。この後、大気中にて 800℃で24時間、酸素気流中に
て 630℃で30時間のアニールを行った。
【0094】このようにして得た物質の結晶構造および
超電導特性を、実施例1と同様にして調べた。その結
果、結晶構造は、Bi系(2212)相(Bi2 Sr2 CaCu2 O
8+δ)、(1212)相、(1223)相、 CuErO2 相、Cu2 Er2 O
5 相、(Sr,Ca)CuO2 相、CaCu2 O3 相、Ca2 Cu O3 相等
が混在していた。また、超電導特性は示さなかった。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超電導物
質は、液体窒素温度以上の臨界温度Tc を有する上に、
(Sr,Ba)2 Can-1 Cun O 2n+2層のような電気伝導層間の
(Bi,A)O層や (Bi,D)O層のような絶縁層が 1層のみの構
造を有しており、固有の電流密度に優れると共に、磁束
ピン止め効果も十分に得ることができる。よって、液体
窒素温度下で実用レベルの臨界電流密度Jc が得られ
る、毒性のない超電導物質を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による超電導物質のX線回折
パターンを示す図である。
【図2】本発明の一実施例による超電導物質の抵抗温度
特性を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例による超電導物質のX線回
折パターンを示す図である。
【図4】本発明の他の実施例による超電導物質の抵抗温
度特性を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: (Bi1-x Ax a (Sr1-y Bay b (Ca1-z REz c (Cu1-w Mw d O 7±δ (式中、 AはGa、In、PbおよびSbから選ばれる少なくと
    も 1種の元素を、REはSc、 Yを含む希土類元素から選ば
    れる少なくとも 1種の元素を、 MはNb、 VおよびWから
    選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 a、 b、 c、
    d、 x、 y、 z、 wおよびδは、それぞれ 0.7≦ a≦1.3
    、 1.6≦ b≦2.4 、 0.7≦ c≦1.8 、 1.8≦ d≦2.9
    、0.05≦ x≦0.95、 0≦ y≦1 、 0≦ z≦1 、 0≦ w
    ≦0.3 、 0≦δ≦0.5 を満足する数を示す)で実質的に
    組成が表されることを特徴とする超電導物質。
  2. 【請求項2】 一般式: (Bi1-x Dx e (Sr1-y Bay f (Ca1-z REz g (Cu1-w Mw h O 9±δ (式中、 DはCu、Ga、In、PbおよびSbから選ばれる少な
    くとも 1種の元素を、REはSc、 Yを含む希土類元素から
    選ばれる少なくとも 1種の元素を、 MはNb、 Vおよび W
    から選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 e、 f、
    g、 h、 x、 y、 z、 wおよびδは、それぞれ 0.7≦ e
    ≦1.3 、 1.6≦ f≦2.4 、 1.5≦ g≦3 、2.5≦ h≦4
    、0.05≦ x≦0.95、 0≦ y≦1 、 0≦ z≦1 、 0≦ w
    ≦0.3 、 0≦δ≦0.5 を満足する数を示す)で実質的に
    組成が表されることを特徴とする超電導物質。
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