JPH0624750Y2 - ベルト張力自動測定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ベルト張力自動測定装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

ベルトの張力測定は、手動の張力計で測定しているのが
現状である。

例えば、従来の自動車用エンジンのタイミングベルトの
張力の測定は、第５図に示すように、ベルト４の一側に
測定器の両脚２０，２０を掛け、ベルトの反対側からバ
ネ２２を有する測定子２１を当て、ダイヤルメーター２
３でベルトの撓み量を読取り、これからベルトの張力を
計るものであり、ベルト張力の自動測定装置は、未だ実
現していない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

人手によるベルトの張力の測定は、手加減による操作で
あるため精度にバラツキを生じ、また、測定器をベルト
の両側から挟むように操作しなければならないため、自
動化が極めて困難である。

本考案は、ベルト張力の自動測定を行うことを可能に
し、前記の問題点を解決して正確な張力の測定を可能と
するベルト張力自動測定装置を提供することを目的とす
るものである。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕 本考案は、接触子と所定の間隔で配置した２個の撓み測
定子とを先端部に配置したロードセルを有する測定ヘッ
ドを被測定ベルトに対し進退可能に設置し、前記２個の
撓み測定子を電子マイクロメターにそれぞれ接続したこ
とを特徴とするベルト張力自動測定装置である。

測定ヘッドを前進することにより、接触子と２個の撓み
測定子は、被測定ベルトの一側に押付けられ、その押付
荷重は、予じめロードセルに設定表示され、押付け力の
バラツキを少なくすることができる。

ベルトの撓み量は、測定ヘッドの２個の撓み測定子で接
触子の両側の２点でそれぞれで測定され、その測定値は
電子マイクロメーターに入力される。電子マイクロメー
ターにおいて各測定値の平均値を求めて表示する。

また、この撓み量の平均値と予じめ設定したベルト張力
の許容範囲と対比して合否の判定を表示するようにする
ことができる。

〔実施例〕

本考案を自動車用エンジンのタイミングベルトの張力自
動測定に適用した実施例について説明する。

第１図は測定装置の概要を示す説明図で、測定ヘッド１
は、中央の接触子２の両側に等間隔に２個の測定子３，
３が配置され、この測定ヘッド１にはロードセル５が取
り付けられていて、これが移動支持台６、ボールネジ
７、カップリング８、を介し、ブレーキ付きギヤーモー
タ９で自動車用エンジンのタイミングベルト４に対して
進退するようになつている。

ロードセル５はロードセルコントローラー１０に接続
し、ロードセルコントローラー１０には、測定ヘッド１
の押付荷重を予じめ設定表示する。

電子マイクロメター１１では２個の測定子３，３の測定
値の平均値を求め、その平均値を撓み量表示器１２に表
示する。また、ベルト張力の上限及び下限の値をそれぞ
れの表示器１３，１４に表示する。

次に、この装置によるタイミングベルトの張力測定につ
いて説明する。

ブレーキ付きギアーモータ９を駆動することにより、測
定ヘッド１が前進し、第２図においてベルト４に荷重Ｗ
で押し付けられると、ベルト４は破線の位置から実線の
位置に変位し、各測定子３，３により撓み量_X1,X2が測
定される。

自動車用エンジンのタイミングベルトでは、ベルト張力
を調整するためテンションプーリーの位置が変るので、
測定ヘッド１はベルト４に対し直角に押し付けられると
は限らず、第３図の角度θのように斜めとなる可能性が
ある。したがつて、各撓み量_X1,X2は等しくなるとは限
らない。

そこで各撓み量_X1,X2から、その平均値＝（Ｘ_１＋Ｘ
_２）／２を計算し、この値を撓み量表示器１２に表示す
る。ベルト４に対する押付け荷重Ｗはロードセルコント
ローラー１０に表示される。

第４図にベルトの撓み量とベルトの張力Ｔとの関係を
示す。

ベルトの指定張力範囲の下限をｔ_１とし、上限をｔ_２と
すると、撓み量の範囲は_１〜_２となる。電子マイ
クロメター１１の表示器１３にｔ_１を、表示器１４にｔ
_２を表示する。

また、測定した撓み量が_１〜_２の範囲内にあると
きは、判定表示器１５にＯＫのサインを、その範囲を出
たときにＮＧのサインを出す。

次に、測定ヘッドの校正について説明する。

測定ヘッド校正用治具を用い、そのベルトに指定の張力
Ｔ（例えば１５kg）を与えておき、測定ヘッド１に所定
の荷重Ｗ（例えば５kg）を掛け、撓み量の平均値を測
定する。第４図に示すようなベルトの張力の変化（ｔ_１
〜ｔ_２）に対するの変化量_１〜_２を求め、校正表
を作成する。

このの値を判定基準とし、測定ヘッドを定期的にチェ
ックする。

本装置は、タイミングベルトに限らず、一般の駆動用ベ
ルトの張力自動測定に応用できる。

〔考案の効果〕

本考案は、測定ヘッドを一方向からベルトに押付けるだ
けで撓み量の測定ができるので、自動化が容易となり、
また、複数の測定子を用い、その撓み量の平均値を用い
ることができるので、測定ヘッドが傾斜してベルトに当
る場合でも、正確な張力範囲の測定を可能とするもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す説明図、第２図及び第３
図は測定ヘッドの測定状態を示すそれぞれ説明図、第４
図は撓み量測定値とベルト張力との相関を示す図、第５
図は従来の張力計の説明図である。 １：測定ヘッド、２：接触子 ３：測定子、４：ベルト ５：ロードセル １０：ロードセルコントローラー １１：電子マイクロメター １２：撓み量表示器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】接触子と所定の間隔で配置した２個の撓み
   測定子とを先端部に配置したロードセルを有する測定ヘ
   ッドを被測定ベルトに対し進退可能に設置し、前記２個
   の撓み測定子を電子マイクロメターにそれぞれ接続した
   ことを特徴とするベルト張力自動測定装置。