JPH06246848A - 支持枠付きゴム状成形品とその製造方法及びゴム状成形品の装着方法 - Google Patents

支持枠付きゴム状成形品とその製造方法及びゴム状成形品の装着方法

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JPH06246848A
JPH06246848A JP5792893A JP5792893A JPH06246848A JP H06246848 A JPH06246848 A JP H06246848A JP 5792893 A JP5792893 A JP 5792893A JP 5792893 A JP5792893 A JP 5792893A JP H06246848 A JPH06246848 A JP H06246848A
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rubber
support frame
thin film
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molded
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JP5792893A
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Nobuhiro Katsuno
宣広 勝野
Ikuzo Usami
育三 宇佐美
Noriko Mizutani
則子 水谷
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Original Assignee
ThreeBond Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスケット等に利用される形状が不安定なゴ
ム状成形品の定型性を保有可能にするとともに、これを
被装着部材に自動的に装着可能にすること。 【構成】 所定形状に形成された支持枠11と、この支
持枠11の内側領域内に当該支持枠11と分離可能に係
合された薄膜12と、この薄膜12の領域に切り離し可
能に一体化されたゴム状成形品13とにより支持枠付き
ゴム状成形品10が形成されている。この支持枠付きゴ
ム状成形品10は、プレス成形ないし射出成形により前
記支持枠11、薄膜12及びゴム状成形品13が一体的
に形成されるようになっており、一体化された支持枠付
きゴム状成形品10からゴム状成形品13のみが押し込
み治具40を介して前記支持枠11及び薄膜12より切
り離されて被装着部材20の所定箇所に形成された溝2
1内に装着されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は支持枠付きゴム状成形品
とその製造方法及びゴム状成形品の装着方法に係り、更
に詳しくは、各種機械部品のシール材あるいは緩衝材等
に用いることができるゴム状成形品とその製造方法及び
装着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種機械における部品相互間
には、所定のシール効果または緩衝効果等を付与するた
め、例えばリング形状を有するゴム状成形品により構成
されたガスケット等のシール材を介在させる手法が採用
されている。このゴム状成形品を分割型機械部品を構成
するカップリング部材等の被装着部材に装着あるいは接
着して一体成形品を作る方法としては、一般的には、予
めゴム状成形品を射出成形またはプレス成形(圧縮成
形)などによって成形しておき、これをハンドリングに
よって前記被装着部材の所定位置に形成された溝等の内
部に圧入または所定の接着剤を用いて一体化させるとい
う手法が採用されている。
【0003】また、前記ゴム状成形品の形状が比較的シ
ンプルなものである場合、あるいはゴム状成形品と当該
ゴム状成形品が装着される被装着部材との形状的な取り
合いが旨く適合している場合等の限定的な条件下におい
ては、適宜な押し込み治具等を備えた自動機を介してゴ
ム状成形品を前記被装着部材に自動装着している場合も
見受けられている。
【0004】更に、インサート成形法によって一体成形
品とする方法も一部に採用されている。すなわち、前記
被装着部材を成形用金型内に予め配置しておき、この状
態で成形材料を射出して一体成形品とする方法である。
この他、ダブルインジェクション成形法により、プラス
チック部材を一次成形で所定形状に成形した後、成形用
金型の一部を置き換えたり、コアバック法などにより二
次キャビティを設け、二次成形でゴム状成形品を成形す
ることによって一体成形品を製造する方法等も報じられ
ている。
【0005】なお、一般的には、ゴム状成形品を成形す
る際、当該ゴム状成形品の周囲に金型のパーティング面
に沿って薄いバリが生じるのは不可避であり、ゴム状成
形品自体の製品化にはバリの除去作業が要求されるが、
この作業がゴム状成形品自体の形状やバリの形状が不安
定なために自動化しにくく、従って、バリ取りをハンド
リングで行っているのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようなゴム状成形品を被装着部材にハンドリングで装着
する方法は、根本的に人手によるものであるため、量産
性に乏しく、コストアップを招来するとともに、装着ミ
スといった製品の品質のバラツキも生じ易く、作業者の
熟練度をも要求するという問題があった。
【0007】また、極く一部で行われているゴム状成形
品の自動装着は、前述のようにゴム状成形品の形状がシ
ンプルである場合と、このゴム状成形品と被装着部材と
の形状的な取り合いが極めて簡単な場合とに限定される
という問題があった。さらに、ゴム状成形品の製造現場
と、当該ゴム状成形品を被装着部材に装着する現場とが
異なるという条件下においては、ゴム状成形品を梱包し
ておき、これを装着する現場まで運搬する必要が生ずる
が、この場合、ゴム状成形品に加えられる振動や荷重に
よってねじれ等の変形を発生させ、これに起因して自動
装着をするための自動機にゴム状成形品が正確に掛から
ないという問題があった。
【0008】さらに、インサート成形法、ダブルインジ
ェクション成形法により、ゴム状成形品と前記被装着部
材との一体成形品を製造する方法は、インサートする被
装着部材(ダブルインジェクション成形法においては一
次成形品)の形状が、一体化するために形状精度が良く
なければならないとともに、ゴム状成形品を配置する部
分の領域も大きく確保する必要の他、一体化するための
構造も配慮しなけらばならない等の設計上の制約があ
り、これがため、従来のゴム状成形品を装着した製品の
形状そのままでは、殆ど実施不可能で、前記成形法を採
用する場合に特別な設計が必要とされるという問題もあ
った。
【0009】ところで、ゴム状成形品単独の場合の形状
の不安定を改善するために、例えば、図11に示される
ように、形状支持材51とゴム状成形品であるガスケッ
ト52とが一体化されたキャリアガスケット50と称さ
れるものが実用化されている。これは、形状支持材51
を成形用金型内にインサートしてこれの表裏方向の複数
箇所に穿設された貫通孔53を通じてガスケット52を
インサート成形で形成したものである。しかし、この場
合、形状支持材51を製品の構成要素の一部として用い
ることが不可避であり、コストアップを余儀なくされる
ばかりでなく、Oリング構造が取り難く耐圧性等を低下
させるものとなり、このキャリアガスケット50を装着
する被装着部材はそれに整合した形状でなければなら
ず、依然として製品設計に対する制約は解消されない。
【0010】なお、ゴム状成形品におけるバリ取りの作
業は、量産性の低下に起因したコストアップをもたらす
ため、一部には金型のパーティングライン面を高精度に
仕上げてバリを回避する金型製作も行われているが、極
めて高度な熟練を要するのみならず、汎用性がなく更な
るコストアップにつながるという問題があった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、このような従来の種々の問題
点に着目してなされたものであり、その目的は、形状が
不安定なゴム状成形品の定型性を常に安定して保有する
ことができるとともに、この定型性を確保するために利
用する支持枠とゴム状成形品とを容易に一体化成形する
ことができ、かつ、前記定型性を保有した状態でゴム状
成形品のみを、被装着部材に簡易、かつ、正確に装着す
ることができる支持枠付きゴム状成形品とその製造方法
及びゴム状成形品の装着方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る支持枠付きゴム状成形品は、所定形状
に画成された支持枠と、この支持枠の内側領域内に配置
されるとともに当該支持枠と分離可能に一体化された薄
膜と、この薄膜の領域内に形成され、かつ、所定の押し
込み力で前記薄膜から切り離し可能に一体化されたゴム
状成形品とを備えたものとして構成されている。
【0013】また、本発明に係る支持枠付きゴム状成形
品の製造方法は、前記支持枠を予め形成した後、前記薄
膜及びゴム状成形品を所定の成形法で一体成形すると同
時に、前記薄膜の一部を前記支持枠に係合させて一体化
させるという手法を採っている。
【0014】さらに、本発明におけるゴム状成形品の装
着方法は、前記支持枠を搬送手段で搬送し、被装着部材
に対して位置決めした後、前記被装着部材と相対配置さ
れた押し込み治具で前記ゴム状成形品を薄膜から切断し
つつ、当該ゴム状成形品のみを被装着部材に装着する一
方、前記薄膜及び支持枠を被装着部材上から除去すると
いう手法を採っている。
【0015】
【作用】本発明によれば、ゴム状成形品は薄膜を介して
支持枠に一体化されているため、ゴム状成形品が被装着
部材に装着されるまでの間に、ゴム状成形品が本来的に
有すべき形状が安定して保持されることとなる。この支
持枠付きゴム状成形品は、初めに支持枠を成形する工程
を経て、プレス成形(圧縮成形)ないし射出成形法によ
り薄膜とゴム状成形品とを成形しつつ前記支持枠に薄膜
を係合させるという手法により成形することができる。
そして、前記ゴム状成形品は、支持枠を被装着部材と相
対する位置に配置させた状態で、押し込み治具の押し込
み力によって被装着部材への装着が実現される。この装
着完了時には、支持枠及び薄膜は前記搬送手段による保
持作用及び押し込み治具の吸着作用により被装着部材か
ら離間する方向へ除去され、再度支持枠として、あるい
は薄膜ないしゴム状成形品の成形材料として再利用され
る。
【0016】本発明におけるゴム状成形品は、ガスケッ
トやパッキン、あるいは計算機や携帯電話等に用いられ
る薄板状のコンタクトラバー等、各種機械部品相互間も
しくは電子部品等に利用される。また、支持枠付きゴム
状成形品の成形方法としては、一般的に広く利用されて
いるプレス成形法と射出成形法とを用いることができ
る。
【0017】本発明におけるプレス成形法は、加硫剤、
その他の添加剤を未加硫ゴム生地にニーダーや二本のロ
ール等で混練りしたものを製品の形状に合せて部出し
し、金型内に配置し、熱プレス機で120〜180℃程
度の温度で数分間加熱圧縮することで材料を硬化させて
成形品を得る方法である。この際、支持枠付きゴム状成
形品を作るためには、熱プレスの温度以上の耐熱性を有
する材質で形成された支持枠を予め金型の中に配置して
おくことで可能となる。
【0018】薄膜及びゴム状成形品の材質としては、一
般的には、プレス成形に用いられているものであればす
べてのもので成形可能であるが、本実施例では、アクリ
ルゴム、NBR、SBR、天然ゴム、ウレタンゴム、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、EPDM等が例示され、使
用目的に対応して任意に選択することができる。これら
のゴムの硬化方法としては、硫黄加硫による方法やパー
オキサイド加硫による方法など、いずれも加熱によって
橋掛け反応を起こさせて硬化させる方法が用いられる。
前記薄膜は、必要に応じて支持枠の方にプライマー的に
接着剤を塗布しておくことで接着により一体化した成形
品を形成することも可能である。
【0019】本発明における射出成形においては、材料
面からは熱可塑性エラストマーと熱硬化性エラストマー
とに大別され、成形法としては、インサート成形法と、
ダブルインジェクション法とに大別される。ここで、熱
可塑性エラストマーとしては、塩ビ系、オレフィン系、
ウレタン系、ポリエステル系、フッ素系等が使用可能で
ある。これらの特徴としては、通常のプラスチックの成
形サイクル同様に、非常に高速に成形できる点と、金型
温度が低いので支持枠の材質の耐熱温度が低いものでも
使用できる点が挙げられる。
【0020】熱硬化性エラストマーとしては、ミラブル
タイプと液状タイプとに分類される。ミラブルタイプ
は、基本的には上述したプレス成形と材質的には同一の
もので、混練りしてテープ状に部出しした未加硫ゴムを
射出筒に投入し、インジェクション法により成形するも
ので、プレス成形と同様に各種の材料を安価に使用する
ことができる。液状タイプは、シリコーン樹脂とウレタ
ン樹脂が一般的に使用可能であり、このうち、シリコー
ン樹脂は特に成形サイクルが早いことから、成形品の特
性が優れていることのメリットが大きい。
【0021】射出成形法におけるインサート成形法は、
プレス成形と同様、支持枠を予め金型内に配置してから
前述の材料を射出成形することによって、一体化した成
形品を作る方法である。この一方、ダブルインジェクシ
ョン法は、一次成形でプラスチック支持枠を成形してか
ら固定側あるいは移動側のいずれかの金型をスライド若
しくは回転によって置き換え、二次成形品である薄膜及
びゴム状成形品用のキャビティを設けることによって支
持枠付きゴム状成形品を成形する方法である。この際、
二次キャビティは、金型内の一部を移動させるコアバッ
ク法も採用することができる。射出成形法は、一次成形
品である支持枠の耐熱温度が二次成形品である薄膜及び
ゴム状成形品の硬化温度あるいは金型温度以下であるこ
とが絶対条件となるため、一次成形材料と二次成形材料
の組み合わせは限定的になる場合がある。この点、二次
成形材料として、熱可塑性エラストマーを用いた場合に
は、二次成形時の金型温度が低いため、相当の汎用性が
あるというメリットがある。
【0022】前記成形法において、前記薄膜及びゴム状
成形品は、射出成形用液状シリコーンゴムの場合、成形
サイクル60秒以下、射出圧力150Kgf/cm2以下での
成形が例示されるとともに、射出成形用液状ウレタンゴ
ムの場合、成形サイクル300秒以下、射出圧力70Kg
f/cm2以下での成形が例示される。
【0023】なお、本発明における支持枠の成形材料と
しては、適宜な剛性を備えて形状保持機能を付与するこ
とが可能な材質であればよく、具体的には、鉄、アルミ
ニウム、ステンレス、マグネシウム合金などの金属材
料、木材、あるいは熱可塑性、熱硬化性の各種合成樹脂
材料によって成形することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。ここで、図1は本実施例に係る支持枠
付きゴム状成形品の正面図を示し、図2は、図1のA−
A線矢視断面図を示す。また、図3は、図2のB部矢視
拡大断面図を示す。
【0025】図1ないし図3において、本実施例に係る
支持枠付きゴム状成形品10は、全体的に見て略円盤形
状をなすように形成されている。この支持枠付きゴム状
成形品10は、リング形状を有する支持枠11と、この
支持枠11の内側領域に形成された薄膜12と、この薄
膜12が形成されている領域内において前記支持枠11
と同心円上に位置するリング状のゴム状成形品13とを
備えて構成されている。
【0026】前記支持枠11は、本実施例においては、
アルミニウムを成形材料として用いて形成されている。
この支持枠11は、前記薄膜12と協働してゴム状成形
品13の形状を一時的に保持するために用いられるもの
であり、最終的にはゴム状成形品13と分離されて再利
用されるものである。この支持枠11は、図2及び図3
に示されるように、一方の面11Aにおいて、スリット
状に延びる溝構造部11Bが円周方向全域に亘って形成
され、この溝構造部11Bに前記薄膜12の一部をなす
外周部12Aが分離可能に係合され、ひいてはゴム状成
形品13を一体的に支持することができるようになって
いる。
【0027】前記薄膜12は、前記ゴム状成形品13と
同一の材料で成形されるものであり、前記外周部12A
と、この外周部12Aの内側に張られるような態様で設
けられた薄膜部12Bとを備えて構成されている。この
薄膜部12Bは、本実施例では0.5〜2mmの肉厚にて形
成されている。なお、この薄膜12も前記支持枠11と
同様に最終的に用いられるものでなく、ゴム状成形品1
3が切り離しされた後に、熱可塑性樹脂の場合において
は再度成形用材料として利用されるようになっている。
【0028】前記ゴム状成形品13は、例えばカップリ
ング部材等の部材相互間に介在されて、所定のシール効
果または緩衝効果等を得るために用いられるガスケット
または緩衝用部品であり、このゴム状成形品13は、前
記薄膜12に対して切り離し可能に一体的に形成されて
いる。その断面形状は前記薄膜12の面方向と直交する
方向に向かって僅かに細長い楕円形状に設けられている
が、この形状は適宜変更可能であり発明の本質的な要素
ではない。このゴム状成形品13は、当該ゴム状成形品
13と前記薄膜12との連結部に、図3に拡大して示さ
れるように、くさび状の切欠溝15が形成されており、
極めて肉薄な連結膜12Cを介して両者間の連結が行わ
れ、これにより、所定の押し込み力でゴム状成形品13
が薄膜12より切り離し容易とされ、カップリング部材
等を構成する被装着部材20のフランジ22端面に形成
された溝21内に収容されるようになっている。この
際、前記連結膜12Cに更に薄い部分をミシン目状に設
け、切り離しをより容易にすることもできる。なお、前
記連結膜12Cは、0.05〜0.4mmの肉厚に設けること
が好ましい。
【0029】次に本実施例における成形方法について説
明する。
【0030】本実施例では、図4に示されるように、前
記アルミ製支持枠11をプレス成形用金型25内にイン
サートしてから通常の方法でプレス成形し、これによっ
て、支持枠付きゴム状成形品10が成形されている。こ
の場合の成形条件として、薄膜12及びゴム状成形品1
3は硫黄加硫タイプのアクリルゴムを使用し、金型温度
170℃、5分間の硬化条件で加硫を行うとともに、プレ
ス圧力を50トンで行った。
【0031】なお、この実施例におけるプレス成形を行
う際に、一般的には図4に示されるように、支持枠11
の回りに部出しした材料がはみ出してバリ26が発生す
るが、これは20μm以下の非常に薄いバリを介して存
在するため、金型25から取り外した後、これを引っ張
ることにより簡単に除去できるものであり、バリ26の
位置が固定されているので除去作業自体を自動化するこ
とは何なく実現することが可能である。
【0032】本実施例における他の成形法として、液状
シリコーンゴムによるインサートインジェクション法も
採用し、ここでは、金型温度150℃で硬化時間を1分間
として行った。この成形においても、支持枠11の外側
のバリの発生が問題となる場合には、前記支持枠11に
形成された溝構造部11Bの回りに0.2mm程度の高さ
を有する突起を予め支持枠11に設けておき、金型25
の型閉めの際にこの突起を潰すことによりパーティング
面のクリアランスをなくすようにすればバリの発生を良
好に回避することが可能となる。
【0033】次に、本実施例に係るゴム状成形品13の
装着方法について、図5ないし図9を参照しながら詳細
に説明する。
【0034】初期工程において、支持枠付きゴム状成形
品10をロボットアーム等の搬送手段30によって全体
的に保持しつつ、定位置に固定された被装着部材20上
の所定位置まで搬送する。この際、支持枠付きゴム状成
形品10と被装着部材20との相対位置は、前記ゴム状
成形品13の中心と被装着部材20に形成された円周方
向に延びる溝21の中心とが一致する位置で搬送手段3
0が下降し、薄膜部12Bが被装着部材20のフランジ
22端面に当接する位置で駆動が停止されるようになっ
ている(図5参照)。
【0035】このようにしてゴム状成形品13が所定位
置に達したら、図6に示されるように、前記被装着部材
20の上方に配置された押し込み治具40が被装着部材
20に向かって下降を開始する。そして、押し込み治具
40が更に下降してゴム状成形品13に押し込み力を付
与する時に、押し込み治具40に形成された切断刃42
によってゴム状成形品13が前記連結膜12Cより切り
離されて、対応する溝21内に圧入される(図7参
照)。
【0036】この時、図7及び図8に示されるように、
押し込み治具40に形成された吸引機構を構成するバキ
ューム孔41が、図示省略した減圧用ポンプを介してゴ
ム状成形品13の内側領域に存在する薄膜部12Bを吸
引し、この状態を保持したまま押し込み治具40が上昇
される一方、搬送手段30もこれに追従して上昇され
る。これにより、図9に示されるように、ゴム状成形品
13のみを、被装着部材20のフランジ22端面に形成
された溝15内に収容させてこれを保持させることが可
能となる。
【0037】前記搬送手段30に保持された支持枠11
及びこれに一体化されている薄膜12の一部と、押し込
み治具40に吸着された薄膜部12Bは、その後に取り
外しされ、支持枠11はその後の支持枠付きゴム状成形
品を成形するための一部品として再度の利用に供される
とともに、薄膜12も再び成形用材料として利用され
る。
【0038】従って、ゴム状成形品のみを単体として形
成する従来例においては、当該ゴム状成形品の形状が不
安定なために、金型からの取り出しの際にエジェクトピ
ンによって自動突き出しをすることの困難性から成形作
業が自動化し難いという欠点を有していたが、本実施例
によれば、ゴム状成形品13は薄膜12を介して支持枠
11と一体的に形成されるものであり、この支持枠11
は形状が比較的堅牢であるため、自動突き出しも可能と
なり、成形全体を自動化することができるという効果が
ある。
【0039】また、本実施例における支持枠付きゴム状
成形品10は、搬送手段30および押し込み治具40を
介して被装着部材20に自動的に装着することができる
ため、人手による作業を一掃することで、装着ミスなど
の品質のバラツキをよりよく抑制できるとともに、量産
性を有効に向上させて製造コストの大幅な削減を実現す
ることもできる。その上、支持枠付きゴム状成形品10
の製造現場と、これを被装着部材に装着する現場とが離
れている場合においても、支持枠11及び薄膜12によ
ってゴム状成形品13自体の定型性が確実に保障され、
輸送に起因した変形なども確実に回避することが期待で
きる。
【0040】さらに、本実施例においては、支持枠11
及び薄膜12は、ゴム状成形品13の装着時に除去され
るものであり、これらを回収し得る構成としたから、支
持枠11をそのままの状態で次なる成形品の支持枠とし
て再利用できるとともに、薄膜12も再度溶融して再利
用することができ、巨視的に見た場合の製造コストの大
幅な削減に有効に寄与することが可能となる。その上、
ガスケット等として用いられるゴム状成形品13には、
従来例として示した図11の形状支持材51を全く不要
とする構成であるため、Oリング構造を容易に取ること
ができ、所望の防水性等を有効に発揮せしめる効果の他
に、被装着部材20の設計上の制約も緩和することがで
きる。
【0041】また、実際の成形時に発生し得るバリの問
題についても、例えば前述のように、支持枠11に形成
された溝構造部11Bの回りに突起を設けておけば、金
型25が閉じる際にこれを潰してパーティング面のクリ
アランスをなくすこととなり、バリの発生も有効に回避
することができるという効果もある。
【0042】更に、前記押し込み治具40には、切断刃
42が形成されているため、ゴム状成形品13の横断面
形状を何ら損傷若しくは変形させることなく薄膜12よ
り切り離しでき、結果として期待される防水効果、緩衝
効果等も確実に保障することが可能となる。
【0043】なお、本発明に係る支持枠付きゴム状成形
品10は、単一の支持枠11に対して単一のゴム状成形
品13を設けるという前記実施例に限定されるものでは
なく、例えば、図10に示されるような構成とすること
であってもよい。
【0044】この実施例は、具体的には、前記ゴム状成
形品13が、自動車のインテークマニホールドのエンジ
ンマウントにおける取付面に装着されるガスケットとし
て用いられる場合を例示したものである。ここでは、単
一の支持枠11の内側領域内に前記ガスケットを構成す
る複数のゴム状成形品13が薄膜12の領域内で等間隔
で形成されているとともに、前記支持枠11の四箇所に
位置決め用の手段を構成する穴45が形成されている。
これらの穴45は、図示省略した被装着部材に係合可能
となっており、この係合がなされた状態で、各ゴム状成
形品13が所定装着位置に設定されるようになってい
る。この際、前記穴45に代えて、突起を設けるものと
しても何等差し支えない。この場合、対応する被装着部
材20または金型25側に突起を係合し得る孔を形成す
れば同様の効果を得ることが可能である。なお、この実
施例における装着方法も前記実施例と略同様の要領にて
行うことができる。
【0045】従って、このような実施例によれば、四気
筒エンジンにおける四個のガスケット装着を一度の押し
込み工程で行うことが可能となり、かかる装着作業を簡
易、迅速に行うことができるという別途の効果が付加さ
れる。さらに、位置決め用の穴45を設けたから、ゴム
状成形品13の位置を正確に決定できる効果は勿論のこ
と、支持枠11を金型内に配置してインサート成形を行
う場合に、これらの穴45に対応した適宜な突起を金型
内に形成しておくことで、金型内への配置ガイドともす
ることもを可能となる。
【0046】また、本発明における支持枠11の溝構造
部11Bは、周方向全域に設ける必要はなく、所定間隔
毎に適宜な凹部を支持枠11に設け、これらの凹部に薄
膜12の外周部分が部分的に係合するようにして一体化
させることでもよい。
【0047】更に、支持枠11の内側領域に薄膜12B
を全面的に設けることは必ずしも必要ではなく、例え
ば、ゴム状成形品13を支持枠11に対して部分的に支
持するよう放射状に分散する細長い複数の連結片形状と
しても何等差し支えない。また、薄膜部12Bは成形用
金型のパーティング面の当り精度を向上させれば、これ
を無くすことも可能であり、この場合には、前述の装着
方法における吸引工程を不用にできるという利点があ
る。要するに本発明は、ゴム状成形品13の定型性を保
有し得る限り、種々の形状変更を行っても、前述の実施
例と同様の作用、効果を得ることができるものである。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
形状が不安定なゴム状成形品の定型性を常に安定して保
有することができるとともに、この定型性を確保するた
めに利用する支持枠とゴム状成形品とを容易に一体化成
形することができ、かつ、ゴム状成形品のみを被装着部
材に対して簡易、かつ、前記定型性を保有した状態で正
確に装着することができる、という従来にない優れた作
用、効果を奏する支持枠付きゴム状成形品とその製造方
法及びゴム状成形品の装着方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る支持枠付きゴム状成形品の一実施
例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】図2のB矢視拡大断面図である。
【図4】前記実施例における支持枠付きゴム状成形品の
製造方法を説明するための金型内の要部断面図である。
【図5】本発明におけるゴム状成形品の装着方法の一実
施例に係る初期工程を示す説明図である。
【図6】前記装着方法の中期工程を示す説明図である。
【図7】前記装着方法に用いられる押し込み治具がゴム
状成形品を押し込んだ状態を示す説明図である。
【図8】前記装着方法における終期工程を示す説明図で
ある。
【図9】前記装着方法により被装着部材にゴム状成形品
が装着された状態を一部断面して示す斜視図である。
【図10】前記以外の実施例を示す支持枠付きゴム状成
形品の正面図である。
【図11】従来の形状保持材付きガスケットを示す断面
図である。
【符号の説明】
10 支持枠付きゴム状成形品 11 支持枠 11B 溝構造部 12 薄膜 13 ゴム状成形品 15 切欠溝 20 被装着部材 25 金型 30 搬送手段 40 押し込み治具 41 吸引機構を構成するバキューム孔 42 切断刃

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状に画成された支持枠(11)
    と、この支持枠(11)の内側領域内に配置されるとと
    もに当該支持枠(11)と分離可能に一体化された薄膜
    (12)と、この薄膜(12)の領域内に形成され、か
    つ、所定の押し込み力で前記薄膜(12)から切り離し
    可能に一体成形されたゴム状成形品(13)とを備えた
    ことを特徴とする支持枠付きゴム状成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記薄膜(12)と
    ゴム状成形品(13)との連結部には、くさび状の切欠
    溝(15)が形成されていることを特徴とする支持枠付
    きゴム状成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記支持枠
    (11)には溝構造部(11B)が形成されているとと
    もに、この溝構造部(11B)内に前記薄膜(12)の
    外周部分が係合して当該薄膜(12)が支持枠(11)
    に一体化されていることを特徴とする支持枠付きゴム状
    成形品。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一項におい
    て、前記支持枠(11)には前記ゴム状成形品(13)
    が装着される被装着部材(20)に対して所定位置で係
    合する手段(45)が形成されていることを特徴とする
    支持枠付きゴム状成形品。
  5. 【請求項5】 所定形状に画成された支持枠(11)
    と、この支持枠(11)の内側領域内に配置されるとと
    もに当該支持枠(11)と分離可能に一体化された薄膜
    (12)と、この薄膜(12)の領域内に形成され、か
    つ、所定の押し込み力で前記薄膜(12)から切り離し
    可能に一体成形されたゴム状成形品(13)とを備えた
    支持枠付きゴム状成形品(10)を製造する方法であっ
    て、前記支持枠(11)を予め形成した後、前記薄膜
    (12)及びゴム状成形品(13)を所定の成形法で一
    体成形すると同時に、前記薄膜(12)の一部を前記支
    持枠(11)に係合させて一体化させることを特徴とす
    る支持枠付きゴム状成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記支持枠(11)
    を金型(25)内にインサートした後、前記支持枠(1
    1)の内側に薄膜(12)及びゴム状成形品(13)を
    所定の材料でプレス成形することを特徴とする支持枠付
    きゴム状成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記支持枠(11)
    を金型(25)内にインサートした後、前記支持枠(1
    1)の内側に薄膜(12)及びゴム状成形品(13)を
    所定の材料で射出成形することを特徴とする支持枠付き
    ゴム状成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5において、前記支持枠(11)
    を金型(25)内で一次射出成形し、次いで、前記支持
    枠(11)に薄膜(12)及びゴム状成形品(13)を
    二次射出成形することを特徴とする支持枠付きゴム状成
    形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5において、前記薄膜(12)及
    びゴム状成形品(13)は、射出成形用液状シリコーン
    ゴムにより成形サイクル60秒以下、射出圧力150Kg
    f/cm2以下で成形することを特徴とする支持枠付きゴム
    状成形品。
  10. 【請求項10】 請求項5において、前記薄膜(12)
    及びゴム状成形品(13)は、射出成形用液状ウレタン
    ゴムにより成形サイクル300秒以下、射出圧力70Kg
    f/cm2以下で成形することを特徴とする支持枠付きゴム
    状成形品。
  11. 【請求項11】 所定形状に画成された支持枠(11)
    及び当該支持枠(11)の内側領域内に薄膜(12)を
    介してゴム状成形品(13)が一体成形された支持枠付
    きゴム状成形品(10)を用い、前記ゴム状成形品(1
    3)を前記薄膜(12)から切り離して所定の被装着部
    材(20)に装着する方法であって、前記支持枠(1
    1)を搬送手段(30)で搬送して前記被装着部材(2
    0)の所定箇所に位置決めした後、前記被装着部材(2
    0)と相対配置された押し込み治具(40)で前記ゴム
    状成形品(13)を薄膜(12)から切断しつつ、当該
    ゴム状成形品(13)を被装着部材(20)の所定箇所
    に装着する一方、前記薄膜(12)及び支持枠(11)
    を被装着部材(20)上から除去することを特徴とする
    ゴム状成形品の装着方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記薄膜(1
    2)とゴム状成形品(13)との連結部は前記押し込み
    治具(40)に形成された切断刃(42)により切断さ
    れるとともに、当該押し込み治具(40)に装備された
    吸引機構(41)により薄膜(12)を吸着しつつ除去
    することを特徴とするゴム状成形品の装着方法。
JP5792893A 1993-02-23 1993-02-23 支持枠付きゴム状成形品とその製造方法及びゴム状成形品の装着方法 Withdrawn JPH06246848A (ja)

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US08/424,937 US5577314A (en) 1993-02-23 1995-04-19 Method of fitting a rubber-like molded Product to a fitted member
US08/424,938 US5733493A (en) 1993-02-23 1995-04-19 Method of manufacturing an elastic molded product with support frame

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