JPH06245989A - 手術用縫合糸及びその製造方法 - Google Patents

手術用縫合糸及びその製造方法

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JPH06245989A
JPH06245989A JP50A JP3564293A JPH06245989A JP H06245989 A JPH06245989 A JP H06245989A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 3564293 A JP3564293 A JP 3564293A JP H06245989 A JPH06245989 A JP H06245989A
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Japan
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yarn
silk
suture
thread
composite
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JP50A
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English (en)
Inventor
Keiichi Yokobiki
敬一 横引
Fumihiko Sato
文彦 佐藤
Masao Morita
雅夫 森田
Haruyoshi Kudo
治義 工藤
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Nippon Shoji Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shoji Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 材質の均一性が良好で製造が容易であり、優
れた操作性及び高い湿潤時引張強度を有し、体内での組
織反応が軽微な手術用縫合糸を得る。 【構成】 絹糸1と合成繊維2とからなる複合糸3を撚
り合せて芯糸4を形成するとともに、この芯糸4の周囲
に、絹糸1と合成繊維2とからなる複合糸3を組紐状に
編み込んで側糸5を形成する。その後、全体を精練し、
熱延伸処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手術用縫合糸及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている手術用縫合糸は、
絹を原料とするものと、合成繊維を原料とするものとに
大別される。このうち、絹を原料とするものは、手術時
に糸を滑らせる時の感触が良好で操作性に優れ、また十
分なしなやかさを有するために安定した結節(結び目)
を形成できる等の長所を有するが、反面、体内で異物と
して組織反応を誘発し易く、また、引張強度が低い(す
なわち破断し易い)、均一性に欠ける等の短所を有して
いる。特に、手術での使用状態である湿潤時において外
科結びされた時の強度が低く、これが本質的な欠点とな
っている。
【0003】これに対し、ポリエステル、ナイロン等の
合成繊維を原料とした手術用縫合糸は、上記絹製のもの
に比べて引張強度が高く、また体内での組織反応が少な
いという長所をもつが、反面、絹製のものに比べて操作
性が悪く、結節も不安定であるという欠点をもつ。
【0004】そこで近年は、双方の欠点を解消するた
め、実公平4−2668号公報に示すように、絹糸が編
組されてなるカバー糸の中心に合成繊維からなる芯糸を
挿入するようにしたものが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示される手
術用縫合糸において、合成繊維からなる芯糸の挿入によ
る補強を実効ならしめるためには、この芯糸とその周囲
のカバー糸との破断伸度を実質上同一にする必要があ
る。さもなくば、縫合糸全体が引張力を受けて伸ばされ
る際に、まず破断伸度の低い糸(通常は絹製のカバー
糸)が先に伸びの限界(破断伸度)に達して破断し、そ
の後は破断伸度の高い糸(通常は合成繊維製の芯糸)の
みに荷重がかかって破断することとなり、結局縫合糸全
体としての破断強度は芯糸の破断強度と絹糸の破断強度
との和よりも低くなってしまう。
【0006】しかしながら、互いに物性の全く異なる芯
糸とカバー糸の破断伸度を相互等しくするのは非常に困
難である。また、中央の芯糸に合成繊維が、周囲のカバ
ー糸に絹糸がそれぞれ用いられているので、縫合糸全体
について材質の均一性に欠ける。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、材質の
均一性が良好で製造が容易であり、優れた操作性及び高
い湿潤時引張強度を有し、体内での組織反応の軽微な手
術用縫合糸及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記縫合
糸について研究を重ねた結果、絹糸と合成繊維とが予め
複合された複合糸(以下、ハイブリッドシルクと称す
る。)を編組することにより手術用縫合糸を製造するこ
とに想到し、従来の絹製縫合糸の製造方法と同等の方
法、すなわち、合糸、撚糸、精練、編組…を順に行う方
法で縫合糸の製造を試みた。その結果、生糸中のセリシ
ンを除去する通常の石鹸精練工程において合成繊維が絹
糸よりも著しく収縮して両糸が互いにばらけてしまい、
後の編組を行うことができないことが判明した。しかし
ながら本発明者等は、鋭意研究を続けた後、上記ハイブ
リッドシルクを用いて従来よりも優れた手術用縫合糸を
製造することに成功した。
【0009】すなわち本発明は、絹糸と合成繊維とから
なる複合糸を組紐状に編み込んだ後、全体を精練し、熱
延伸処理する手術用縫合糸の製造方法であって、さらに
好ましくは、絹糸と合成繊維とからなる複合糸を撚り合
せて芯糸を形成し、この芯糸の周囲に、組紐状に編み込
んだ上記複合糸で側糸を形成した後、全体を精練し、熱
延伸処理する手術用縫合糸の製造方法である。
【0010】また本発明は、絹糸と合成繊維とからなる
複合糸を組紐状に編み込んで形成され、全体が精練及び
熱延伸処理されている手術用縫合糸であり、さらに好ま
しくは、絹糸と合成繊維とからなる複合糸を撚り合わせ
て形成された芯糸と、この芯糸の周囲に設けられ、組紐
状に編み込んで形成された上記複合糸の側糸とからな
り、全体が精練及び熱延伸処理されている手術用縫合糸
である。
【0011】ここで、上記熱延伸処理は、160℃以上
220℃以下の温度でかつ110%以上120%以下の
延伸倍率で行うことが極めて好ましい。
【0012】上記複合糸(ハイブリッドシルク)は、そ
の製造方法や糸形態から大きく分けて、繰糸中に絹糸と
合成繊維とを抱合せながら接着した複合抱合糸、繰糸中
にエアによって絹糸と合成繊維とを交絡させた複合交絡
糸、合成繊維の周囲に絹糸をランダムに纏わりつかせた
複合纏絡糸等に分類されるが、その他、合成繊維を芯糸
とし絹糸を短繊維化しながら繰糸した複合スパンロウシ
ルク等、絹糸と合成繊維とが複合された種々の複合糸を
用いることができる。
【0013】
【作用】上記方法において、編組を行う際には、まだ精
練が行われていないために絹糸及び合成繊維は収縮して
おらず、よって良好な状態で編組を行うことができる。
その後、精練を行うと、縫合糸、特に縫合糸中の合成繊
維が絹糸よりも大きく収縮するが、この複合糸は既に編
組されて互いに拘束し合った状態にあるので、編組前に
精練を行う場合に比べて不都合なく熱延伸処理を行うこ
とができ、これにより糸の組目が強化され、糸に腰がつ
けられ、表面も滑らかとなる。
【0014】このようにして製造された手術用縫合糸
は、従来の絹製縫合糸に比べて引張強度が高く、特に湿
潤時の強度の低下率が絹製のものに比べて著しく少な
い。しかも、絹製縫合糸と同様のしなやかさ及び優れた
操作性が確保される。また、合成繊維を含んでいるため
に体内での組織反応も軽微である。さらに、芯糸、側糸
の双方が複合糸で形成される場合は、芯糸が合成樹脂、
側糸が絹糸で構成されている複合糸よりも材質の均一性
が高く、よって破断伸度も絹糸と側糸との間に大きな差
は生じない。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図1〜図4を参照しながら
説明する。
【0016】まず第1実施例では、図2に示すように、
絹糸1と合成繊維2とをその繰糸時に抱合せながらオイ
リング剤で接着した複合抱合糸3であって、ハイブリッ
ドシルク糸SN27−20(27デニールの絹糸及び2
0デニールのナイロン)を原料として用い、以下の要領
で縫合糸を製造する。
【0017】(1) 合糸及び撚糸(図3の工程P1):上
記複合糸3を6本合糸し、これらに合繊機で478T/
Mの撚りをかけて図1に示すような芯糸4を形成する。 (2) 管巻き(工程P2):側糸5をオートワインダー
(自動管巻き機)で編組機(ブレーダー)の管に巻く一
方、芯糸4を芯糸用のボビンに巻く。 (3) 編組(工程P3):ブレーダーで上記芯糸4を入れ
ながら複合糸3を16本組紐状に編組して上記芯糸4の
周囲に側糸5を形成する。このとき、精練はまだ行われ
ていないので各複合糸3は収縮しておらず、よって不都
合なく容易に編組を行うことができる。 (4) 精練(工程P4):上記芯糸4及び側糸5からなる
縫合糸全体を、85〜90℃に加熱したマルセル石鹸液
に浸漬し、約1時間後に水洗し、熱水で25〜30分洗
浄した後に風乾燥させる。 (5) 染色(工程P5):任意手段であり、例えば黒に染
色する場合にはヘマチン染色を行う。 (6) コーティング(工程P6):この実施例では通常の
方法でミツロウとシリコンをコーティングする。 (7) 熱延伸処理(熱セット;工程P7):熱延伸機を使
用し、処理速度、時間、加熱温度、延伸倍率を適宜調整
して処理を行う。具体的には、縫合糸をローラ延伸機で
約2mの炉内を通過させ、所定の加熱温度及び延伸倍率
で約7秒間処理する。加熱温度及び延伸倍率については
後述する。
【0018】以上の工程を実行することにより、USP
2−0号相当の縫合糸(SN2−0)を製造した。
【0019】次に、第2実施例を説明する。ここでは、
上記芯糸4の原料としてハイブリッドシルク糸SE40
−20(40デニールの絹糸及び20デニールのポリエ
ステル)を3本用い、側糸5の原料として上記SE40
−20を12本用い、その他は上記第1実施例と同様の
条件で各工程を実行することにより、USP2−0号相
当の縫合糸(SE2−0)を得た。
【0020】次に、第3実施例を説明する。この実施例
では、図3に示すように、絹糸1と合成繊維2とをその
繰糸中にエアによって交絡させた複合交絡糸3であっ
て、ハイブリッドシルク系SNC14−10(14デニ
ールの絹糸及び10デニールのナイロン)を原料として
用い、表1に示してあるように、芯糸に12本、側糸に
36本用いて上記第1,第2実施例と同様の条件で各工
程を実行することにより、USP2−0号相当の縫合糸
(SNC2−0)を得た。
【0021】これらの実施例と同様にして、構成複合糸
3の種類及び本数を変えて種々の縫合糸を製造した。そ
の具体的な原糸構成を次の表1に示す。また、諸条件に
ついて実験を行った結果を表2〜表9に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】表2,3は、上記熱延伸処理における加熱
温度及び延伸倍率についての実験結果を示したものであ
り、同表において「ストレート」の欄は外科結びを行わ
ない状態での強力(破断に至る時の引張荷重)及び破断
伸度を示している。この表に示すように、加熱温度16
0℃〜220℃及び延伸倍率110%〜120%の範囲
でほぼ満足な値が得られるが、そのうちでも、加熱温度
を約200℃、延伸倍率を約120%に設定することが
より好ましい。
【0032】ここで、200℃、120%の処理を従来
の絹縫合糸に対して行うと、強力が著しく低下し、また
合成繊維縫合糸に対して行うと、セットが不十分となり
易いが、本発明のハイブリッドシルク糸では上記のよう
な不都合を生じることなく、その性能を高めるのに十分
な条件で熱処理を行うことができる。
【0033】表4,5は、ハイブリッドシルク縫合糸の
乾湿時における引張強度試験の結果を示したものであ
る。表4に示すように、ナイロン系のハイブリッドシル
ク縫合糸は、直径及び強力の双方において縫合糸の規格
基準を満足している。ポリエステル系のハイブリッドシ
ルク縫合糸は、各号数とも、直径が規格より小さい(す
なわち細い)にもかかわらず強力は規格基準を十分満足
しており、従って原料を増加して直径を増大することに
より、さらに強度の高い縫合糸を製造できることが期待
できる。
【0034】表6は、上記ハイブリッド縫合糸と従来の
絹縫合糸について、乾・湿時での強力の差の比較実験を
行った結果を示したものである。この表に示すように、
湿潤時の絹縫合糸の強力は乾燥時のそれと比較して約2
0〜30%低下するが、ハイブリッドシルク縫合糸では
低下率が約10〜20%に抑えられている。また表7
は、湿潤時の引張強度(=強力/断面積)の比較実験の
結果を示したものであるが、この表から明らかなよう
に、ハイブリッドシルク縫合糸の湿潤時の外科結び強度
は通常の絹縫合糸と比べて20〜40%以上高められて
いる。一般に、手術用縫合糸は体液、血液等の存在下で
使用されるのが通常であるため、上記のように湿潤時の
外科結び強度が向上することは、縫合糸にとって極めて
好ましい事項であるといえる。
【0035】表8,9は、上記ハイブリッドシルク縫合
糸の結節安定に関するノットセキュリティーテスト、及
び、滑りに関するタイダウンテストの結果を示したもの
である。
【0036】これらのテスト方法は、例えば図5,6に
示す装置で行われるものであり、ノットセキュリティー
テストは、結節強度(破断する時の引張応力)に達する
まで、縫合糸が全く滑らずに保持されるのに必要な結び
回数を求める方法である。縫合糸10で図5(b)に示
すような男結び(Square Knot)を2回、3回というよ
うに作り、この縫合糸10を図5(a)に示す引張試験
機で引張る。より具体的には、歪み計16に連結された
つかみ具11と、クロスヘッド14に連結されたつかみ
具12とで縫合糸10の両端をつかみ、そのままクロス
ヘッド14を下降させて縫合糸10を引張り、結節部が
破断した時の結び回数を求める。なお、図5において1
8は記録計である。
【0037】タイダウンテストは、図6に示すように縫
合糸10を円筒状のスポンジに上記男結びで2回結びつ
け、引張試験機の両つかみ具11,12に両端を固定す
る。次に、下端をクロスヘッド14によって一定速度で
引張り、結び目の移行(TieDown)に伴う抵抗値を測定
する。
【0038】両テストをハイブリッドシルク縫合糸及び
絹縫合糸について行うと、全て同等の結果が得られた。
この結果により、ハイブリッドシルク縫合糸は絹縫合糸
と同等の結節安定性及び滑りを有しており、また、手ざ
わり感も全て絹縫合糸と同等のしなやかさを有している
ことが確認できた。
【0039】なお、本発明において合成繊維の種類は問
わず、上記ナイロン、ポリエステルの他、ポリプロピレ
ンなど、種々のものが適用可能である。
【0040】また、上記実施例では芯糸をもつ縫合糸の
製造について説明したが、本発明では、芯糸なしで全体
を組紐状に編み込むことによっても、上記と同様に絹糸
及び合成繊維の双方の利点を活かした手術用縫合糸を得
ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明方法は、絹糸と合
成繊維とからなる複合糸を組紐状に編み込んだ後(より
好ましくは、絹糸と合成繊維とからなる複合糸を撚り合
せて芯糸を形成し、この芯糸の周囲に絹糸と合成繊維と
からなる複合糸を組紐状に編み込んで側糸を形成した
後)、全体を精練し、熱延伸処理するものであるので、
精練前の状態、すなわち絹糸及び合成繊維が収縮してい
ない状態で容易に編組を行うとともに、その後に精練を
行うことにより、縫合糸の収縮率を抑えることができ、
その後熱延伸処理を行うことによって、ハイブリッドシ
ルク製の縫合糸を製造することができる。
【0042】そして、この手術用縫合糸は、従来の絹製
縫合糸に比べて強力が高く、特に湿潤時の強度の低下率
が絹製のものに比べて著しく少なく、特に手術用として
非常に適した特性を有している。しかも、絹製縫合糸と
同様のしなやかさを有しており、結節の安定性、操作性
も優れている。また、合成繊維を含んでいるために体内
での組織反応も軽微である。さらに、芯糸、側糸の双方
が複合糸で形成された縫合糸は、芯糸が合成繊維、側糸
が絹糸で構成されている複合糸よりも材質の均一性を高
めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における編組工程を示す拡
大図である。
【図2】上記実施例において使用される複合糸である複
合抱合糸を示す拡大図である。
【図3】本発明の第3実施例において使用される複合糸
である複合交絡糸を示す拡大図である。
【図4】上記実施例における縫合糸の製造方法を示す工
程図である。
【図5】(a)は本発明の手術用縫合糸のノットセキュ
リティーテストのテスト方法を実施するための装置を示
す模式図、(b)は上記テストにおいて形成される男結
びを示す説明図である。
【図6】本発明の手術用縫合糸のタイダウンテストのテ
スト方法を実施するための装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 絹糸 2 合成繊維 3 複合糸 4 芯糸 5 側糸
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【作用】上記方法において、編組を行う際には、まだ精
練が行われていないために絹糸及び合成繊維は収縮して
おらず、よって良好な状態で編組を行うことができる。
その後、精練を行うと、縫合糸、特に縫合糸中の合成繊
維が絹糸よりも大きく収縮するが、この複合糸は既に編
組されて互いに拘束し合った状態にあるので、編組前に
精練を行う場合に比べて不都合なく精錬と熱延伸処理を
行うことができ、これにより糸の組目が強化され、糸に
腰がつけられ、表面も滑らかとなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】このようにして製造された手術用縫合糸
は、従来の絹製縫合糸に比べて引張強度が高く、特に湿
潤時の強度の低下率が絹製のものに比べて著しく少な
い。しかも、絹製縫合糸と同様のしなやかさ及び優れた
操作性が確保される。また、合成繊維を含んでいるため
に体内での組織反応も軽微である。さらに、芯糸、側糸
の双方が複合糸で形成されるのが好ましく、この場合
は、芯糸が合成繊維、側糸が絹糸で構成されている複合
糸よりも材質の均一性が高く、よって破断伸度も絹糸と
側糸との間に大きな差は生じない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】(1) 合糸及び撚糸(図の工程P1):上
記複合糸3を6本合糸し、これらに合機で478T/
Mの撚りをかけて図1に示すような芯糸4を形成する。 (2) 管巻き(工程P2):側糸5をオートワインダー
(自動管巻き機)で編組機(ブレーダー)の管に巻く一
方、芯糸4を芯糸用のボビンに巻く。 (3) 編組(工程P3):ブレーダーで上記芯糸4を入れ
ながら複合糸3を16本組紐状に編組して上記芯糸4の
周囲に側糸5を形成する。このとき、精練はまだ行われ
ていないので各複合糸3は収縮しておらず、よって不都
合なく容易に編組を行うことができる。 (4) 精練(工程P4):上記芯糸4及び側糸5からなる
縫合糸全体を、85〜90℃に加熱したマルセル石鹸液
に浸漬し、約1時間後に水洗し、熱水で25〜30分洗
浄した後に風乾燥させる。 (5) 染色(工程P5):任意手段であり、例えば黒に染
色する場合にはヘマチン染色を行う。 (6) コーティング(工程P6):この実施例では通常の
方法でミツロウとシリコンをコーティングする。 (7) 熱延伸処理(熱セット;工程P7):熱延伸機を使
用し、処理速度、時間、加熱温度、延伸倍率を適宜調整
して処理を行う。具体的には、縫合糸をローラ延伸機
で約2mの炉内を通過させ、所定の加熱温度及び延伸倍
率で約7秒間処理する。加熱温度及び延伸倍率について
は後述する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】次に、第3実施例を説明する。この実施例
では、図3に示すように、絹糸1と合成繊維2とをその
繰糸中にエアによって交絡させた複合交絡糸3であっ
て、ハイブリッドシルクSNC14−10(14デニ
ールの絹糸及び10デニールのナイロン)を原料として
用い、表1に示してあるように、芯糸に12本、側糸に
36本用いて上記第1,第2実施例と同様の条件で各工
程を実行することにより、USP2−0号相当の縫合糸
(SNC2−0)を得た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【表2】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【表7】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表8】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表9】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】表4,5は、ハイブリッドシルク縫合糸の
湿時における引張強度試験の結果を示したものであ
る。表4に示すように、ナイロン系のハイブリッドシル
ク縫合糸は、直径及び強力の双方において縫合糸の規格
基準を満足している。ポリエステル系のハイブリッドシ
ルク縫合糸は、各号数とも、直径が規格より小さい(す
なわち細い)にもかかわらず強力は規格基準を十分満足
しており、従って原料を増加して直径を増大することに
より、さらに強度の高い縫合糸を製造できることが期待
できる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】表6は、上記ハイブリッドシルク縫合糸と
従来の絹縫合糸について、乾・湿時での強力の差の比較
実験を行った結果を示したものである。この表に示すよ
うに、湿潤時の絹縫合糸の強力は乾燥時のそれと比較し
て約20〜30%低下するが、ハイブリッドシルク縫合
糸では低下率が約10〜20%に抑えられている。また
表7は、湿潤時の引張強度(=強力/断面積)の比較実
験の結果を示したものであるが、この表から明らかなよ
うに、ハイブリッドシルク縫合糸の湿潤時の外科結び強
度は通常の絹縫合糸と比べて20〜40%以上高められ
ている。一般に、手術用縫合糸は体液、血液等の存在下
で使用されるのが通常であるため、上記のように湿潤時
の外科結び強度が向上することは、縫合糸にとって極め
て好ましい事項であるといえる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明の第1実施例における手術用縫合糸を示
す拡大図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絹糸と合成繊維とからなる複合糸を組紐
    状に編み込んだ後、全体を精練し、熱延伸処理すること
    を特徴とする手術用縫合糸の製造方法。
  2. 【請求項2】 絹糸と合成繊維とからなる複合糸を撚り
    合せて芯糸を形成し、この芯糸の周囲に、組紐状に編み
    込んだ上記複合糸で側糸を形成した後、全体を精練し、
    熱延伸処理することを特徴とする請求項1記載の手術用
    縫合糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の手術用縫合糸の
    製造方法において、160℃以上220℃以下の温度で
    かつ110%以上120%以下の伸度で熱延伸処理する
    ことを特徴とする手術用縫合糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 絹糸と合成繊維とからなる複合糸を組紐
    状に編み込んで形成され、全体が精練及び熱延伸処理さ
    れていることを特徴とする手術用縫合糸。
  5. 【請求項5】 絹糸と合成繊維とからなる複合糸を撚り
    合わせて形成された芯糸と、この芯糸の周囲に設けら
    れ、組紐状に編み込んで形成された上記複合糸の側糸と
    からなり、全体が精練及び熱延伸処理されていることを
    特徴とする請求項4記載の手術用縫合糸。
JP50A 1993-02-24 1993-02-24 手術用縫合糸及びその製造方法 Withdrawn JPH06245989A (ja)

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