JPH0624452Y2 - シャワー付き洗面台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、洗顔及び洗髪の双方に利用できるシャワー付
きの洗面台に関する。

〔従来の技術〕

従来の洗面台は、洗顔等の用途を主としたものが一般的
であり、キャビネット，洗面器及び湯水混合栓等の水栓
を備えた構造である。

近来になって、洗顔のみでなく洗髪等も行えるように機
能を拡充したものとして、シャワーを付属したものが開
発され、広く市場に出回るようになった。このシャワー
付きのものは、従来の湯水混合栓に代えて、ホースに接
続されて引き出し可能なハンドシャワー等を洗面器に備
え付けたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このようなシャワーを付属する場合には、ホースが自在
にスライドできると共にシャワー本体を支持するスリー
ブ状の支持具が必要である。この支持部は、洗面器を上
下に貫通して固定され、その上部側からシャワー本体を
挿入して支持すると共に、前記のようにホースが自在に
スライドできるようにガイドする機能を持たせた構造で
ある。

ところで、ホースを引き出してシャワー本体から吐水す
ると、水がホースを伝って流れ落ちる。このため、ホー
スが支持具を通って洗面器の下にあるキャビネットに水
が入り込むことになる。この水の浸入に対しては、たと
えば実開昭62-44975号公報に記載されているように、ホ
ースが挿通する際に水を回収する水受け容器を備える等
の対策が講じられている。そして、この水受け容器を洗
面器の排水管に配管によって接続し、回収した水を排水
管から排出するようにしている。

しかしながら、排水管には通常トラップ等を設けて排水
の異臭の逆流を防ぐようにしているが、水受け容器をこ
のトラップよりも下流側に配管によって接続したとき、
異臭が水受け容器側に入り込んでしまう。このため、キ
ャビネットへの水の浸入を防ぐことはできても、異臭の
放散という新たな問題が派生し、衛生設備として必要な
清潔な環境が損なわれてしまう。

そこで、本考案は、ホースからの水の浸入の防止と共に
排水系からの異臭の逆流をなくして快適に使用できるよ
うにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のシャワー付き洗面台は、以上の目的を達成する
ために、洗面器等の容器を備え、ホースに接続したシャ
ワー本体を支持具によって引き出し可能に備えた洗面台
において、前記ホースを伝う水を回収するトレーを前記
支持具の下方に設け、該トレーの下部に水廃棄用の排出
管の一端を接続すると共に他端を前記洗面器等の容器か
らの排水管に接続し、更に該排出管に、前記トレーから
前記排水管に向かう流路を開閉するバルブを設けたこと
を特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本考案の特徴を具体的に
説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す洗面台の概略正面図、
第２図は概略側面図である。

洗面台は、従来と同様にキャビネット１及びその上端に
配置したカウンター２を備え、このカウンター２の下面
に洗面器３を固定したものである。そして、カウンター
２の奥側には、湯水混合栓４を備えると共に、その側方
にはシャワー用の支持具５を配置している。

支持具５は、従来技術の項でも既に述べたように、カウ
ンター２を貫通するように配置され、これにシャワー本
体６をセットして洗顔等が通常の水栓の場合と同様に行
えるように洗面器３を覗くように上端側を屈曲させてい
る。そして、その内部は中空状であり、湯水混合栓４と
シャワー本体６とを持続するホース７が自在にスライド
可能である。

更に、カウンター２の下面には、ホース７に伝わる水を
回収するためのトレー８が設けられる。このトレー８
は、第３図の斜視図に示すように、薄肉の合成樹脂プレ
ートを利用した容器8a及びその上端に一体化した金属プ
レートの固定具8bにより構成されている。固定具8bは、
上面，背面及び図示の例では左側面を囲むように形成さ
れ、上面には湯水混合栓４の給湯管4a及び支持具５が挿
通する孔9a,9bをそれぞれ開設している。そして、第１
図に示すように、これらの孔9a,9bを給湯管4a及び支持
具５が挿通し、ナット4b,5aによって締め付けてカウン
ター２の下面にトレー８を固定することができる。した
がって、支持具５に対するトレー８の位置は常に一定に
保たれ、据付けの際に位置ずれによる水の漏れ等を生じ
ることがない。

また、容器8aは、湯水混合栓４側部分を大きく切除した
形状を持ち、その内部をホース７の収納及び水の回収空
間として利用している。そして、下端には第４図に示す
ようなバルブ10を設けると共に可撓性のチューブを利用
した排出管11をこのバルブ10に接続している。排出管11
は、第１図及び第２図に示すように、洗面器３の排水管
3aに接続されている。なお、第１図から明らかなよう
に、バルブ10の位置に対して排水管3aとの接続点が低い
レベルとなるように排出管11を配管する。

バルブ10は、流路断面を横切る円筒体状の弁体10aを摘
み10bによって回転可能としたもので、この弁体10aに設
けた孔10cを流路に整合させることにより、トレー８か
らの水を排出管11に送り込むことができる。第４図の状
態は、孔10cがトレー８内と排出管11とを連通させる姿
勢であり、トレー８からの水抜きが可能である。そし
て、この状態から摘み10bをほぼ90度回転させると、流
路が遮断され、排水管3aからトレー８への異臭の逆流が
防止される。

なお、バルブ10は図示したもののほか、一般の水抜き栓
等の簡易なものが採用でき、たとえばスプリングを利用
して通常では閉じた状態を保ち指先で押している間だけ
流路を開くような自動閉弁型のものも有効である 以上の構成において、湯水混合栓４を操作してシャワー
本体６から吐水するとき、第１図のように支持具５にセ
ットしたままの状態で洗顔したり又はホース７を引き出
して洗髪等に利用できる。そして、ホース７を引き出し
たときには、散水によって水がホース７を伝って支持具
５を通り抜けるが、この水は全てトレー８の容器8aに溜
り、キャビネット１の内部を濡らすことはない。

そして、容器8aに溜る水の量に合わせて定期的にバルブ
10を開けば、この溜まった水は排出管11から排水管3aに
送り込まれる。したがって、水を廃棄するために、トレ
ー８を取りだす等の必要は全くなく、楽に水の回収廃棄
が行える。

また、ホース７を伝って流れ落ちる水の量は比較的に小
さいので、トレー８の容量を大きくしておけば、水がト
レー８に溜るまでバルブ10を閉じておいても支障がな
い。このため、前記のように定期的にバルブ10を開いて
水抜きすればよく、通常の場合にはバルブ10を閉じたま
ま使用できる。したがって、トレー８の内部は排水管3a
と遮断されているので、排水による異臭がトレー８内に
逆流することはなく、常に快適な環境を維持することが
できる。

なお、図示の例では排水管3aのトラップ3bより下側に排
出管11を接続しているが、配管の都合によってトラップ
3bより上側又は排水管3aが直管状のものであっても、バ
ルブ10を備えたことによって臭気の逆流は防止される。
このように排水管3aのどの部分に排出管11を接続して
も、バルブ10によって異臭の逆流が阻止されるので、排
水管3aに対する排出管11の接続の自由度も向上し、キャ
ビネット１内の限られた配管スペースへの施工も簡単に
行える。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案のシャワー付き洗面台に
おいては、ホースを伝わる水を回収するために設けたト
レーの下部に排出管を接続すると共に、この排出管への
流路をバルブによって開閉するようにしている。このた
め、ホースを伝う水をトレーに回収した後、バルブを開
くことによって排出管から外部に廃棄できトレーを出し
入れすることなく水を廃棄できる。また、排出管にはバ
ルブを設けているので、洗面器等の排水管にこの排出管
を接続しても、バルブを閉じておくことによって排水管
からの異臭の放散がなくなり、快適な環境が維持され
る。

そして、排水管にトラップを備えたものであれば、この
トラップの下流に排出管を接続した場合でも、同様にバ
ルブによって異臭の逆流が阻止され、排水管と排出管と
の間の接続の仕方に制限を受けることのない組立が可能
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す洗面台の概略正面図、
第２図は概略側面図、第３図はトレーの斜視図、第４図
はバルブの一例を示す縦断面図である。 １：キャビネット、２：カウンター ３：洗面器、3a：排水管、４：湯水混合栓 ５：支持具、６：シャワー本体 ７：ホース、８：トレー、9a,9b：孔 10：バルブ、11：排出管

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗面器等の容器を備え、ホースに接続した
   シャワー本体を支持具によって引き出し可能に備えた洗
   面台において、前記ホースを伝う水を回収するトレーを
   前記支持具の下方に設け、該トレーの下部に水廃棄用の
   排出管の一端を接続すると共に他端を前記洗面器等の容
   器からの排水管に接続し、更に該排出管に、前記トレー
   から前記排水管に向かう流路を開閉するバルブを設けた
   ことを特徴とするシャワー付き洗面台。
2. 【請求項２】前記排水管は封水用のトラップを備え、前
   記排出管を前記トラップより下流側において前記排水管
   に接続したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のシャワー付き洗面台。