JPH06244255A - 半導体相変化モニタ方法及びこれを用いた半導体結晶化方法 - Google Patents

半導体相変化モニタ方法及びこれを用いた半導体結晶化方法

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JPH06244255A
JPH06244255A JP3056293A JP3056293A JPH06244255A JP H06244255 A JPH06244255 A JP H06244255A JP 3056293 A JP3056293 A JP 3056293A JP 3056293 A JP3056293 A JP 3056293A JP H06244255 A JPH06244255 A JP H06244255A
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semiconductor
energy
laser
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semiconductor film
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JP3056293A
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Atsushi Kono
淳 香野
Toshiyuki Samejima
俊之 鮫島
Naoki Sano
直樹 佐野
Masateru Hara
昌輝 原
Mitsunobu Sekiya
光信 関谷
Yasuhiro Kanetani
康弘 金谷
Michihisa Yano
三千久 矢野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体のエネルギービーム照射による相変化
を確実に行い、結晶化を安定に行えるようにする。 【構成】 エネルギービームを半導体3に照射して、こ
の半導体3を相変化する際に、半導体3の物理特性の変
化を測定することにより、相変化をモニタする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置等における
半導体の溶融−アモルファス化等の相変化をモニタする
方法、及びこれを用いた半導体結晶化方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】アモルファス半導体は、その膜厚に応じ
て一定のしきい値以上のエネルギービームを照射するこ
とによって結晶化することができる。この技術には、例
えば安価なガラス基板上に結晶状態の半導体素子を低温
でしかも比較的容易に形成できるという大きなメリット
がある。この半導体の結晶化の技術は、化学的にそして
産業的に非常に重要な技術であり、現在多くの技術者が
その研究に従事している。
【0003】半導体素子として利用するためには、より
良い結晶状態を実現することが必要であり、そのために
は照射するエネルギービームのエネルギーを可能な限り
大きくする必要がある。しかし、半導体はその膜厚に応
じてあるしきい値以上のエネルギーを照射すると再びア
モルファス化することが知られており、結晶化に適する
エネルギーの最大値は、このしきい値によって制限され
ている。
【0004】図12に、半導体層、例えば水素化シリコ
ン薄膜(a−Si:H)より成る半導体層に対してXe
Clエキシマレーザ光を照射した場合の、その照射エネ
ルギー密度と溶融後の固相化の膜厚に対する状態図、い
わゆる相図を示す。図12において曲線31は、膜厚の
変化に対し、非晶質状態の半導体薄膜が溶融した後固相
化によって表面が滑らかで良質な結晶となるしきい値エ
ネルギー密度を示す。即ちこの場合、シリコン薄膜に対
し120〜150mJ/cm2 程度以下のエネルギー密
度のレーザ照射を施す場合は半導体層は何ら相変化を生
じないが、120〜150mJ/cm2 を越える曲線3
1以上のエネルギー密度による照射を行う領域Aに相当
する状態では、溶融後の相は表面が滑らかで良質な結晶
とされた半導体薄膜となる。
【0005】また曲線33は、溶融─固相化後の半導体
薄膜の膜質が結晶質となるもその表面が粗面化するしき
い値エネルギー密度を示し、この曲線33を越える領域
Cの状態においては、固相化後の半導体薄膜はいわゆる
多結晶の状態となり、電気的特性に劣る半導体薄膜とな
る。
【0006】そして曲線32は、溶融─固相化後の半導
体薄膜が結晶質となるか非晶質(アモルファス)となる
かのしきい値を示す。即ち曲線32以上で曲線33より
下の領域Bに相当するエネルギー密度のレーザを照射す
る場合は、その固相化後の半導体薄膜は良質の滑らかな
膜質となるもののアモルファス半導体薄膜となる。また
一旦この領域Bとなる条件で溶融─固相化が行われて
も、再び領域Aとなる条件で溶融─固相化を行うとき
は、領域Aの相即ち滑らかな結晶化がなされる。
【0007】上述したようなSi半導体薄膜単層の相転
移態様については、例えばT.Same-shima,S.Usuiによる
“J.Appl.Phys. 70(3) 1 August 1991, p1261-1288”に
報告されている。
【0008】従来の結晶化方法は、上述の図12に示す
ような相図をもとに、結晶化を行う半導体膜の膜厚をコ
ントロールし、更に照射するビームのエネルギーの較正
を行うことによって、最適と思われるエネルギー値を決
定し、結晶化後に膜質の評価を光の反射率や透過率、ま
た反射率と透過率から得られる吸収係数、電気伝導度の
測定等により行うというものであった。
【0009】この従来の方法は、以下のような問題点を
かかえている。即ち、 1)照射に用いるエネルギービームは、そのエネルギー
が常に較正されていることが必要であり、実際上エネル
ギーソースの長時間的な安定性を要求する。しかし、ガ
スレーザをそのエネルギーソースとして用いた場合、そ
のレーザのエネルギーはガスチャージ後から徐々に低下
していき、再度ガスチャージを行う直前のエネルギーは
初期のそれと比較してかなり低下することとなってしま
う。
【0010】2)結晶化を行う半導体膜の膜厚をコント
ロールすること、もしくはその膜厚が結晶化を行う以前
に既知であることが必要である。例えば、前述の図12
において説明したように、結晶化エネルギーはその膜厚
に強く依存しているため、膜厚の不安定さはそのまま結
晶化エネルギーの変化につながる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うなエネルギービームの照射による半導体の可逆的な相
変化を利用して、相変化方法を確実に行うことができる
ようにすると共に、これを応用することによって上述し
たような照射ビームのエネルギーの変動、膜厚のばらつ
きによる結晶化の不安定性を回避し、確実に結晶化を行
うことができるようにする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、その一例の概
略説明を図1に示すように、エネルギービームを半導体
3に照射して、この半導体3を相変化する際に、半導体
3の物理特性、即ち表面の光反射率、又は電気伝導率、
又は温度特性の変化を測定することにより、相変化をモ
ニタする。
【0013】また本発明は、エネルギービームを半導体
3に照射して、上述したようにこの半導体3の光反射率
及び/又は電気伝導率及び/又は温度変化を測定してこ
の半導体3の相変化をモニタすることにより、半導体3
の最大結晶化エネルギーを測定して半導体3の結晶化を
行う。
【0014】
【作用】エネルギービーム照射による半導体膜の結晶化
又はアモルファス化等の相変化を行う際に、その物性、
即ち光反射率、電気伝導率、又は温度特性の変化をモニ
タすることによって、半導体の相変化を明確な信号とし
て確認することができる。
【0015】即ち、図12において説明したように、例
えば半導体が多結晶状態や、アモルファス相又は結晶相
に変化すると、その物理特性は著しく変化する。本発明
者等の鋭意考察研究の結果、特に光反射率、電気伝導率
及び温度特性の変化をモニタすることによって、それぞ
れ充分な相変化の信号を得ることができることを究明し
た。
【0016】これにより、レーザ照射と同時に或いは連
続して、即ち試料の取付や取り外し等を行うことなく相
変化を確実に行うことができて、例えば照射するレーザ
のエネルギーを連続的に或いは徐々に変化させることに
より、半導体の結晶相とアモルファス相のエネルギーし
きい値を決定することができる。
【0017】従ってアモルファス化のエネルギーを結晶
化エネルギーのモニタとして用いることにより、しきい
値直下のエネルギー、即ち最大結晶化エネルギーにより
半導体膜をレーザ結晶化することが容易にできて、より
良質のレーザ結晶化半導体素子を安定確実に作製するこ
とができる。
【0018】
【実施例】以下本発明実施例を図面を参照して詳細に説
明する。各例共に、シリコン薄膜より成る半導体を、レ
ーザエネルギービームの照射によって溶融−結晶化及び
溶融−アモルファス化する場合を示す。
【0019】実施例1 この例においては、光反射率の変化を測定してシリコン
薄膜半導体のアモルファス化をモニタする場合を示す。
前述の図12において説明したように、シリコン薄膜は
エネルギービームの照射によって、溶融−結晶化及び溶
融−アモルファス化することが知られている。溶融後の
半導体が結晶またはアモルファスのいずれの状態になる
かは、照射するエネルギービームのエネルギーの大きさ
と、半導体の膜厚によって一意に決まる。また、結晶化
後またはアモルファス化後に更に別の相状態に対応する
エネルギーのエネルギービームを照射すると、再び相変
化を生じさせることができる。つまり、結晶相−アモル
ファス相間は照射エネルギーを適切に変化することによ
って、可逆的に相変化を制御することができる。
【0020】そして更にこの場合、結晶状態とアモルフ
ァス状態とでは光の反射率に明確な違いがあるので、結
晶状態とアモルファス状態との判別法として光の反射率
を用いることは、確実且つ容易な方法である。
【0021】この例においては、図1に示すように、ガ
ラスSiO2 等より成る基板4の上に、プラズマCVD
(化学的気相成長法)等により水素化アモルファスシリ
コン薄膜より成る半導体3を形成して、この半導体3
を、XeClエキシマレーザ1によりレーザビームを照
射してアモルファス化をモニタした。
【0022】先ず、膜厚12nmのシリコン薄膜より成
る半導体3に対し、XeClガスレーザを用いて結晶化
した場合と、レーザエネルギーを変化させてアモルファ
ス化した場合の、それぞれシリコン薄膜の光反射率の波
長依存性とを測定した。この結果を図2に示す。図2に
おいて、実線pは多結晶シリコン、実線aはアモルファ
スシリコンの特性をそれぞれ示す。
【0023】シリコンの結晶状態とアモルファス状態で
は広い波長範囲で光反射率が異なるので、種々の光源を
用いてその反射率をモニタすることによって、シリコン
の相状態を区別することができる。反射率のモニタ用光
源としては、Arレーザ、He−Neレーザ、白色ラン
プ等を用いることができる。
【0024】図1に示すように、この場合XeClエキ
シマレーザ1からのレーザエネルギービームBを上述し
たように基板4上に作製した半導体3の表面にこの場合
その上部からその表面に対しほぼ垂直に照射することに
よって、半導体3即ちシリコン膜は溶融−固化する。一
方、Arレーザ2から矢印Lで示すように照射されたレ
ーザ光Lは、半導体3の表面に所定の角度で入射され、
ここで反射された光がフォトカウンタ5で計測され、例
えばオシロスコープ7によりモニタされる構成とする。
【0025】レーザ照射と相変化のモニタは同時に、或
いは連続して行うことができる。照射するレーザビーム
Bのエネルギーを徐々に増加させていったとき、そのエ
ネルギーがしきい値を越えると、前述の図12におい
て、結晶質の領域Aからアモルファスの領域Bへと半導
体3が相変化して、半導体3この場合シリコン薄膜がア
モルファス化し、反射率が変化する。
【0026】上述の図2からわかるように、このシリコ
ン薄膜が結晶状態にあったときと、アモルファス状態と
なったときとの反射率の差が明確なことから、半導体3
のアモルファス化を知ることができる。また同様に、ア
モルファス相から結晶相へ相変化した場合においても、
同様に反射率の変化によって結晶化をモニタすることが
できる。
【0027】実施例2 次に、半導体3の電気伝導率の変化を測定して、相変化
をモニタする方法について、図3の概略説明図を参照し
て詳細に説明する。この場合においても、プラズマCV
Dを用いて基板4上に作製した水素化アモルファスより
成る半導体3に対し、XeClガスレーザによりアモル
ファス化をその電気伝導率の変化によってモニタする。
【0028】図3に示すように、石英ガラス等より成る
基板4上に例えばリンドープ・水素化アモルファスシリ
コンより成る半導体3を例えば厚さを20nmとして成
膜した後、例えば幅及び長さが約1mm×3mmのスト
ライプ状にパターニングして、その上にアルミニウム等
より成る電極6を、蒸着とパターニングにより電極の間
隔を例えば1mmとして、半導体3に跨るように形成す
る。
【0029】そして、この電極6の間の水素化アモルフ
ァスシリコン薄膜にXeClエキシマレーザ1からのレ
ーザビームを例えば、その表面に垂直な方向から照射す
る。このとき電極6に電源から例えば50Ωの抵抗Rを
介して所定の電圧Vを印加して、電極6の間の半導体3
の電気伝導率の変化をオシロスコープ7によりモニタす
る。
【0030】先ず、エネルギー密度215mJ/cm2
のレーザの照射を行い、続いて完全に固化したことを確
認してから、245mJ/cm2 のレーザの照射を行っ
た。そのときの電気伝導率の時間変化を測定した結果を
それぞれ図4及び図5に示す。これら図4及び図5にお
いては、レーザの照射時刻を横軸の原点として示す。
【0031】図4に示すように、レーザエネルギーを2
15mJ/cm2 として照射を行った場合、この半導体
3のコンダクタンスは、レーザ照射による溶融により一
旦約0.008S/□まで増加し、その後徐々に減少し
て、固化即ち結晶化するとほぼ一定となる。図4におい
ては、この固化した時点を矢印Sで示す。結晶化後の電
気伝導率は、図4で示すシートコンダクタンスを膜厚で
割って得られ、室温で約1.7×103 S/cmとな
り、レーザ照射前のアモルファス状態の電気伝導率が1
×10-3S/cmであったことから、これと比較する
と、106 倍程度に格段に変化していることがわかる。
【0032】その後、この半導体3にエネルギー245
mJ/cm2 のレーザ照射を行うと、図5において矢印
Sで示すように、この場合溶融後速やかに固化する。固
化後のコンダクタンスは1×10-5S/□以下で、レー
ザ照射前の即ち結晶状態のコンダクタンスに比し小さく
なっている。これは、シリコン薄膜が完全に溶融−アモ
ルファス化したことを示している。このように電気伝導
率をモニタすることによって、その明らかな差異からシ
リコン薄膜半導体のアモルファス状態と結晶状態とを識
別することが容易にできる。即ち電気伝導率をモニタす
ることによって、シリコン半導体アモルファス化、結晶
化等の相変化を明確に確認することができることがわか
る。
【0033】実施例3 次に、温度変化を測定することによって、半導体の相変
化をモニタする場合を説明する。この場合においても、
プラズマCVDを用いてガラス等より成る基板上に作製
した水素化アモルファスシリコン薄膜より成る半導体を
用いる。
【0034】レーザ照射によるシリコン薄膜の温度変化
は非常に速く、nsのオーダである。これを測定・計測
するために、本実施例においてはプラチナ層を半導体上
に形成し、その抵抗率の変化を測定して、温度に変換す
る方法を用いた。プラチナ層を用いた温度変化の測定の
有効性を示すために、図6に石英ガラス基板上に形成さ
れたプラチナ層にレーザを照射したときのこのプラチナ
層の抵抗率の変化を測定した結果を示す。図6において
矢印eは、レーザを照射した時刻を示す。
【0035】図6からわかるように、レーザ照射により
加熱されたプラチナの抵抗率は急激に増加し、約50n
s後に最大となる。その後、石英ガラス基板への熱の拡
散に従って徐々に抵抗率は小さくなる。このように、プ
ラチナの抵抗率に対応させてこれを温度計として用いる
ことにより、レーザ照射中及び照射後の温度変化を測定
することができることがわかる。
【0036】上記の方法を用いたシリコン薄膜のアモル
ファス化のモニタ方法の概略説明図を図7に示す。図7
において、図3に対応する部分には同一符号を付して重
複説明を省略する。石英ガラス等より成る基板4の上
に、水素化アモルファスシリコン等より成る半導体3を
例えば膜厚15nmとしてプラズマCVD等により成膜
し、その上に石英等より成る絶縁膜15をCVD等によ
り例えば膜厚150nmとして成膜し、更にプラチナ層
8を例えば30nm、Al等より成る電極6を厚さ例え
ば100nmとして蒸着等により成膜する。
【0037】そして、基板4の裏面側、即ち半導体3等
の各層を成膜した側とは反対側の面から、XeClエキ
シマレーザ1よりレーザビームを矢印Bで示すように照
射する。このときの温度特性の変化、具体的にはプラチ
ナ層8の抵抗率の変化を、オシロスコープ7によって測
定する。
【0038】この場合、先ずエネルギー密度230mJ
/cm2 のレーザの照射を行い、続いて、完全に固化し
たことを確認してから、260mJ/cm2 のエネルギ
ーのレーザの照射を行った。このとき、上述の電気伝導
率と温度の関係から得られるプラチナ層の温度の時間変
化を測定した結果をそれぞれ図8及び図9に示す。上述
したように厚さ15nm程度とした半導体3は、230
mJ/cm2 のエネルギー密度の場合は結晶化、260
mJ/cm2 のエネルギー密度の場合はアモルファス化
する。このことは、シリコン薄膜半導体3の色の変化か
ら目視により直接的に確認することができた。
【0039】230mJ/cm2 のエネルギーのレーザ
ビームを照射した場合、図8に示すように、プラズマ層
8の温度はレーザ照射の開始から約70nsで最大に達
し、その後単調にやや緩やかに下降する。一方、続いて
この半導体3にエネルギー260mJ/cm2 でレーザ
照射を行ったとき、即ちアモルファス化した場合、図9
に示すように、約50nsで一旦560℃まで上昇した
後直ちに350℃程度まで下降し、レーザ照射開始後約
100nsの時点から再び上昇して660℃まで達す
る。このように、レーザ照射中及びその後の温度変化
は、シリコン半導体3の状態の変化に応じて顕著な違い
を示す。
【0040】このような方法によって、半導体の結晶状
態とアモルファス状態とは確実に識別することができ
る。即ち、温度変化をモニタすることによって、レーザ
照射による半導体の溶融−アモルファス化、溶融−結晶
化等の相変化を確認することができる。
【0041】実施例4 次に、上述の各半導体相変化モニタ方法を用いて、半導
体結晶化の最大エネルギーにより確実に結晶化を行う方
法を説明する。
【0042】この場合においても、プラズマCVDを用
いてガラス等より成る基板上に水素化アモルファスシリ
コン薄膜より成る半導体を、XeClガスレーザにより
結晶化する場合について述べる。また以下ではアモルフ
ァス化のモニタ法として、上述の実施例1〜3において
説明した光反射率変化、電気伝導率変化及び温度変化に
よる各場合のいずれも適用することができる。
【0043】図10に通常用いているシリコン薄膜の結
晶化装置の概略図を示す。半導体薄膜を溶融−固化する
ためのエネルギーソース、XeClレーザ1からのビー
ムB 0 は、石英もしくはTePx 等より成るエネルギー
調整用ガラス9を通過して、ステージ13の上の誘電体
全反射ミラー10により、図10において上向きに、矢
印Bで示すように半導体3の表面に向かって反射され
る。
【0044】そしてレーザ光はフォーカス用のレンズ1
1により試料チャンバー12の石英窓部でフォーカスさ
れ、この試料チャンバー12の内部に載置された半導体
3の表面にビームサイズ約5×10mmで入射するよう
になされている。またレーザの照射は試料チャンバー1
2の内部を10-7Torr程度の真空に排気した状態
で、室温で行う。誘電体反射ミラー10及びフォーカス
レンズ11は、矢印x及びyで示す水平方向と、上下方
向に走査できるステージ13上に取り付けられ、これを
パルスモータで駆動することにより、石英等より成る基
板4上に成膜されたシリコン薄膜半導体3の全面、又は
適切な位置を照射できるようになされている。
【0045】ところで、水素化アモルファスシリコン薄
膜は多くの水素を含んでいるため、急激にシリコン薄膜
が溶融するくらいの光エネルギー照射を行うと水素の蒸
発により膜も一緒に飛散してしまうため、膜表面が溶融
しない程度のレーザエネルギーの照射からはじめて、徐
々にそのエネルギーを上げていき結晶化を行う必要があ
る。
【0046】実際にシリコン薄膜全面の結晶化を行うに
は、シリコン薄膜の膜厚に応じて適切な結晶化開始のエ
ネルギーを選定し、ステップ走査で全面を照射、そして
エネルギーを上げて再び全面照射という工程を繰り返
す。
【0047】前述の実施例1〜3において説明した相変
化モニタ法を用いることによって、サンプル取付後即ち
半導体3を試料チャンバー12内に載置した後に、光学
系を変更することなく、結晶化の最大エネルギーまでレ
ーザ照射を行うことができる。
【0048】例えば、石英ガラス等より成る基板4上の
一部に、モニタ用の領域を確保し、ステップ走査する前
にこの領域をレーザ照射することにより、上述の相変化
モニタ法を用いて最適エネルギーまで結晶化を行うこと
ができる。
【0049】光反射率による相変化モニタ法を利用した
場合の装置の概略構成を図11に示す。図11におい
て、図10に対応する部分には同一符号を付して重複説
明を省略する。Arレーザ2をXeClエキシマレーザ
1のビームと同じ光軸上にセットする。Arレーザ2か
ら出た光Lは、XeClレーザ1からのレーザビームと
同じ光路を進行し、レーザエネルギー調整用ガラス9、
誘電体反射ミラー10、フォーカスレンズ11を介して
ハーフミラー14を透過した光が半導体3の表面に到達
し、半導体3の表面で矢印B1で示すように反射され
る。その反射光の一部は、ハーフミラー14によって例
えば図11において右方向のフォトカウンター5の方向
矢印B2で示すようにに反射される。この反射光をオシ
ロスコープ7上でモニタする。
【0050】このように、光反射率の変化を利用した相
変化モニタ法を採る場合においても、光学系を殆ど変更
することなく、容易により質の良いレーザ結晶化を行う
ことができる。即ち、レーザエネルギーを徐々に増加さ
せていくとき、前述の実施例1において説明したよう
に、半導体が結晶状態からアモルファス状態に変化した
ことは、その反射率の変化によって直ちに検出できるの
で、半導体例えばシリコン薄膜の結晶化をアモルファス
化の直前の高いエネルギーで行うことが容易にできる。
【0051】また、上述の実施例2及び3においてそれ
ぞれ説明した電気伝導率の変化、温度変化による相変化
モニタ法を用いる場合においても、同様に光学系の変更
を殆ど行うことなく半導体3の結晶化を最大エネルギー
で確実に行うことができることとなる。
【0052】このようにして、レーザ結晶化されたシリ
コン結晶薄膜は、光エネルギーの照射により、その粒径
が大きく、半導体素子としての利用価値のより高いもの
とすることができる。
【0053】また、エネルギービームとしてガスレーザ
のように長時間的にはエネルギーが不安定なエネルギー
ソースを用いる場合においても、最大結晶化エネルギー
を容易に知ることができて、容易に結晶化半導体素子を
作製することができる。
【0054】尚、本発明は上述の各実施例に限定される
ことなく、シリコン薄膜の他例えばGe半導体薄膜、S
iGe化合物半導体薄膜等の相変化、またこれを用いた
半導体結晶化に適用することができ、またその結晶化装
置構成等においても、種々の変形変更が可能であること
はいうまでもない。
【0055】
【発明の効果】エネルギービーム照射による半導体膜の
結晶化又はアモルファス化等の相変化を行う際に、その
物性、即ち光反射率、電気伝導率、又は温度特性の変化
をモニタすることによって、半導体の相変化を明確な信
号として確認することができる。
【0056】これにより、レーザ照射と同時に或いは連
続して、即ち試料の取付や取り外し等を行うことなく相
変化を確実に行うことができて、例えば照射するレーザ
のエネルギーを連続的に或いは徐々に変化させることに
より、半導体の結晶相とアモルファス相のエネルギーし
きい値を決定することができる。
【0057】従ってアモルファス化のエネルギーを結晶
化エネルギーのモニタとして用いることにより、しきい
値直下のエネルギー、即ち最大結晶化エネルギーにより
半導体膜をレーザ結晶化することが容易にできて、より
良質のレーザ結晶化半導体素子を安定確実に作製するこ
とができる。
【0058】また、従来の光学系を殆ど変更することな
く、容易により質の良いレーザ結晶化半導体素子を作製
することができる。更に、ガスレーザ等の、長時間的に
はエネルギーが不安定となるエネルギーソースを用いる
場合においても、最大結晶化エネルギーを容易に知るこ
とができることから、何らの不都合を生じることなく各
種のレーザ結晶化半導体素子の作製を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略説明図である。
【図2】水素化アモルファスシリコン薄膜とそのレーザ
結晶化後の膜の光反射率の波長依存性を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例の概略説明図である。
【図4】リンドープしたアモルファスシリコン薄膜に2
15mJ/cm2 のエネルギーでレーザ照射したときの
コンダクタンスの変化を示す図である。
【図5】リンドープしたアモルファスシリコン薄膜に2
45mJ/cm2 のエネルギーでレーザ照射したときの
コンダクタンスの変化を示す図である。
【図6】ガラス基板上のプラチナ膜にレーザ照射したと
きの抵抗率の変化を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例の概略説明図である。
【図8】シリコン薄膜に基板側から230mJ/cm2
のエネルギーでレーザ照射したときのプラチナ層の温度
変化を示す図である。
【図9】シリコン薄膜に基板側から260mJ/cm2
のエネルギーでレーザ照射したときのプラチナ層の温度
変化を示す図である。
【図10】レーザ結晶化装置の概略図である。
【図11】本発明の他の実施例の概略説明図である。
【図12】半導体の相図である。
【符号の説明】
1 XeClエキシマレーザ 2 Arレーザ 3 半導体 4 基板 5 フォトカウンタ 6 電極 7 オシロスコープ 8 プラチナ層 9 レーザエネルギー調整用ガラス 10 誘電体反射ミラー 11 フォーカスレンズ 12 試料チャンバー 13 光学ステージ 14 ハーフミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 昌輝 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 関谷 光信 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 金谷 康弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 矢野 三千久 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギービームを半導体に照射して、
    上記半導体を相変化する際に、上記半導体の物理特性の
    変化を測定することにより、上記半導体の相変化をモニ
    タすることを特徴とする半導体相変化モニタ方法。
  2. 【請求項2】 上記半導体の物理特性として、その表面
    の光反射率の変化を測定することを特徴とする上記請求
    項1に記載の半導体相変化モニタ方法。
  3. 【請求項3】 上記半導体の物理特性として、電気伝導
    率の変化を測定することを特徴とする上記請求項1に記
    載の半導体相変化モニタ方法。
  4. 【請求項4】 上記半導体の物理特性として、温度特性
    の変化を測定することを特徴とする上記請求項1に記載
    の半導体相変化モニタ方法。
  5. 【請求項5】 エネルギービームを半導体に照射して、
    上記半導体の光反射率及び/又は電気伝導率及び/又は
    温度変化を測定して上記半導体の相変化をモニタするこ
    とにより、上記半導体の最大結晶化エネルギーを測定し
    て半導体結晶化を行うことを特徴とする半導体結晶化方
    法。
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